結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月28日(月曜日)

今週こそ現場に居続けて、現場に学べ!

Ladies and Gentlemen! Good Monday!  

2009年最後の週。

「厳しさに学べ!」  
これがこの最後の月の商人舎標語。

12月1日のブログで宣言した。

「この12月商戦は、厳しい」  
ウォルマート副社長ジョン・フレミングの言葉を引いた。
「今12月商戦は厳しくて、本格化が遅い」  
その本格化が、今週末。
今週前半は、その準備の期間。  

厳しい消費。
厳しい経済。
厳しい商売。
厳しい経営。

しかし、だからこそ、
その「厳しさ」に「学びたい」。

「不況は商人を鍛える」    
商業界創始者の故倉本長治先生は言った。

不況に学んだ者が、
「自己革新」を遂げ、
成長を果たした。  

私は、先月の終わり、
11月30日の「Good Monday」で、
そのための条件を上げた。

「こんな時に、私たちがやらねばならないこと。
それは自分の城を守ることだ」  

「なにかを守る時に必要なのは、
とにかくそこに存在することだ。
デンと居続けることである」  

「この12月、私たちは、
現場に居続けねばならない」  

その12月の心構えを、
故上野光平先生の『自己啓発のすすめ』から引用した。  

「本当の勉強とは、
学んだものをすべて忘れてしまった後でも、
なお自分に残っているものをもつこと」である。  
  

さらに私は書いた。

「激動の12月。
浮かれることなく、
現場に根を下ろした仕事をしたい。
それが、私たちに、
本当の『学び』を教えてくれる」

まさに、この1カ月の集大成が今週。
この1年の総決算が今週。

私たちは、デンと現場に居続け、
「商売は祭りだ」と胸を張ろう。  

現場にいると、こんなエピソードも生まれる。

「大晦日のちょっと良い話」  
<『お客様のために 一番大切なこと』(結城義晴著・中経出版)より>  

2006年12月31日、大晦日。
東北のスーパーマーケットとして、
日本有数のクォリティとホスピタリティを誇るヨークベニマルの、
ある店の社員食堂でのこと。
 
ちょうどお昼を過ぎた時間帯。
パートタイマーさんが3人、遅い昼食休憩に入っていた。 
  

ヨークベニマルでは、8割がたのパートタイマーが、
自分で弁当をこしらえて持ってくるという。
倹約のためだ。

忙しい年末の仕事の中の、ほっと一息つく瞬間。
突然、鉄腕アトムのテーマ音楽がかかった。

すると3人のパートさんが、誰言うとも無く、
静かに自分たちのお弁当箱にハンカチをかぶせて、
店に出て行った。

ヨークベニマルでは、お客さんがレジに並ぶと、
店内に、耳になじんだあの鉄腕アトムのテーマが流れる。
店員さんたちに知らせるためである。

大晦日だから、当然のことかもしれないが、
昼のピークタイムが終わったにもかかわらず、
このとき鉄腕アトムが鳴り響いたのだ。
パートさんたちは、レジに入るために昼食を中断したのである。

10分ほどしてから、彼女たちは帰ってきて、
またハンカチをとって、昼食の続きをとったというが、
このさりげない姿に、
偶然にもこの店に年末の激励に訪れていた同社大高善興社長は、
ひどく感動した。
もちろん心から感謝した。

小売業の店に、お客は、毎日のようにやってくる。
もちろん商品が確かだから、この店にやってくるのだろう。
良い品が安いから、やってくるのかもしれない。
しかし、こんなパートタイマーさんがレジで迎えてくれるからこそ、
この店が好きだと思ってくれる顧客は多い。

ヨークベニマルの高い支持率は、
こういった全従業員の日常の行動に支えられている。

私は、「弁当箱にハンカチをかぶせて店に出て行くパートさん」の姿を、
想像するだけで、心がジンとしてくる。
私も心から、感謝。
[結城義晴]  
          

これは大高善興社長から直接、聞いた話。
現場に居続けるから、
こんな感動の場面に遭遇することができる。
現場に居続けるから、
真の学びをすることができる。

皆さん、現場に居るだけでいい。
そして熱血漢・佐藤勝人言うところの「商売は祭りだ」を、
本気になって実践するだけでいい。

今週は、それだけで、
学ぶことができる。
それだけで、
成長することができる。

ありがたい今週が、始まった。

Ladies and Gentlemen! Good Monday!  

<結城義晴>  

  


4 件のコメント

  • おはようございます。

    感動的なお話をありがとうございます。

    しかし、感動するだけでは駄目だ。

    彼女らに報いるのが経営者だ。

    彼女らの地位向上を目指して欲しい。

  • ぴょん様、仰るとおりです。

    経営者は、
    第一に労基法、
    第二に労働協約、
    第三に就業規則を遵守して、
    従業員、社員を守る。

    サービス残業は、労基法違反です。

    まず、その撲滅を実現しなければいけない。
    大きな会社の社長も、
    小さな会社の社長も、
    それは同じです。

    小さな会社が、家族的だと称して、
    労働搾取するのは、
    ありがちですが労基法違反です。

    パートタイマーさん、
    アルバイトさんの力をいかに活用するかが、
    現在の日本の企業の営業利益を左右しています。

    重厚長大の企業から軽薄短小の企業まで。

    ここにはいくつかの問題があります。
    第一は、先ほどの三つの法令遵守と約束遵守。
    第二は、パートタイマーさんをはじめとする女性の地位向上。
    私は、彼女たちの能力の高さを評価しています。
    彼女らは、自分の力を発揮したくて仕方がない。
    その能力発揮の場を提供しつつ、
    貢献した能力に対しては、
    きちんと報酬を払うべきです。

    その仕組みを実現した経営者や企業が、
    21世紀も末長く繁栄するものだと思います。

    ファーストリテイリングの柳井正さんが、
    「企業としてのユートピア」を築こうとしているのは、
    こういったことの完結を求めようとするものだと、
    私は思います。

    感動は、こういったことの原動力になります。
    原動力を、文字通り原動力にして、
    ユートピアを実現する努力をする。

    私はむしろ、このユートピアは、
    高収益を上げることができるビジネスモデルが、
    巨大化を求めないところから実現されるのではないかと考えています。

    来年の私自身のテーマでもあります。

    感動は、そういった考えの原動力でもあります。

  • プラネットのユーザー会に上司と参加し、それ以来講演しておられた結城先生のHPを読まさせていただいております。

    以前小売業で働いておりましたが、この時期の忙しさは涙が出るほとどだったのを覚えています。しかし、確実に売上が取れる喜びと、忙しいあまり少しハイな気分で仕事をしていたからか、お客さまとの会話も弾み、小売業の楽しさを実感できる場面も少なくなかったように思います。

    小売業は、人時生産性を上げなければ、消え去る企業も少なくないと聞いています。作業の標準化、水平展開などを行い作業効率を上げ、商品を安く販売できるようになり、企業は生き永らえる。これは、チェーンストアとして当然のことだとは思います。現在卸で働いているため、上記のようなことも学んでいます。
    企業が存続しなければ、ここに出てきたパートさんたちの働く場所はなくなります。しかし、作業効率や人時生産性を上げることばかりを突き詰めていては、このパートさんたちの行動が生まれる余地はなくなり、結果小売業が人に基づいた産業ではなくなるのではないかと感じることもあります。

    小売業は、人に支えられ、人に奉仕できる職業だと思います。今日のブログを読んで、私も心が熱くなり、涙が出そうになりました。将来にわたって、人が人らしさを発揮できる産業として発展していくよう、それをわずかでも支えることができるよう、もっと勉強を続けていこうと思えたこと、本当に感謝いたします。

  • 元小売業従業員さま、ありがとう。
    講演だけでなく、ブログも読んでくださって、
    心から感謝します。

    小売業もサービス業も、卸売業も製造業も、
    人に支えられ、人に奉仕する職業です。
    基本的には変わりません。

    しかし小売業を、それも年末商戦を経験した人が、
    卸売業としてサポートしてくれることは、
    小売業にとって、本当に心強い。

    それが最後の顧客に伝わります。

    人が人らしさを発揮できる産業、
    小売業も卸売業もそれを目指すべきです。

    そしてもうすぐそれが実現される社会がやってきます。

    うれしい投稿、感謝します。

    来年もよろしく。

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