結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月09日(月曜日)

メッセージ「ささえよう日本 関西からできること」と奥田務Jフロント会長のマーケティング

Everybody! Good Monday!
[vol19]

2011年第19週。
今年1月から数えて19番目の週、
そして5月第2週。

あの震災から2カ月が経過しようとしている。

さまざま、問題はあろうとも、
現地では着々と復旧・復興が進む。

福島第一原発の事故さえなければ、
目覚ましい回復となったに違いない。

先週金曜日の日経新聞コラム『大機小機』。
コラムニストのノノイ氏が、
「新たな国へ西日本の責任」と題して提言。

「東日本大震災復興構想会議」五百旗頭真議長(防衛大学校長)は、
「単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興」を目指すが、
政府の対応は迅速とはいえない。

阪神大震災を経験した関西地域は初動から先行している。

「連休前の4月26日、関西経済連合会と
大阪、京都、神戸各商工会議所、関西経済同友会の経済5団体は
復興に向けた第1次提言を発表した」

「関西経済界が関西広域連合などの自治体や東北経済界と連携しつつ
継続的に復興を支援していくと宣言」

「具体策として
(1)西日本の企業による被災者雇用
(2)東北・関東の企業の西日本への一時的な事業シフト」

段ボール最大手・レンゴーの大坪清社長は
「仙台工場が被災し、閉鎖せざるを得ないが、
新工場も宮城県内につくる」

日本電産・永守重信社長は
「事業規模を拡大し、雇用を増やすことで、
日本再興の一助となれることを心から願う」

「ささえよう日本 関西からできること」のメッセージ。
関西の著名人約50人が呼びかけ人となった
4月6日に発表された。

「この国の東半分が苦しみ、うちひしがれているとき、
この国の西半分がしっかりこの国を支えてゆかねばなりません」
「西から東へ、精一杯の力を送らねばなりません」
「日本が世界で孤立しないためにも、
新たな国のかたちを決める復興構想は早く策定すべきだ」

「西日本の役割と責任はまさに重い」
ノノイ氏は、こう結ぶ。

今週木曜日の12日。
いよいよチャリティセミナーがスタートする。
「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」

第1回は大阪。
会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費 15000円

この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として、
日本赤十字社に寄付される。

ちなみに第2回は1カ月後に名古屋。
日時    2011年6月24日(金) 12:30~17:00
第3回はさらに1カ月後で、福岡。
日時    2011年7月12日(火) 12:30~17:00
最後の第4回は東京。
日時    2011年7月13日(水) 12:30~17:00
5月12日大阪でトップバッターとして講演する私のテーマは、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神を語る。

「西日本の役割と責任」は大きいが、
このチャリティセミナーが、その大阪からスタートする意味も大きい。

さて、今朝の日経新聞「月曜経済観測」で、
J・フロントリテイリングの奥田務会長兼CEOが、
「個人消費 震災の影響」についてコメント。
聞き手は編集委員の田中陽さん。

J・フロントリテイリングは大丸・松坂屋の統合体で、
三越伊勢丹に次いで百貨店業界第2位。

4月の売上高に対して。
「もっと悪い数字になると思っていたので意外だった。
我が社の既存店売上高は前年実績を2.2%上回った。
個人消費はそれほど弱くない」

私が考えさせられたのは、
好調立地の変化。
「郊外型の店舗(もちろん百貨店)がいい。
自宅に近い店舗で買い物をしているからだ」

「電車を使って都心に買い物に行くのをためらっている。
余震も収まっておらず、出歩かないのだろう」

西日本の役割と責任は重い。
「北海道、大阪、神戸、福岡などの店舗は4月は落ち込んでいない。
震災に対する受け止め方が違っているようだ」
「阪神大震災(1995年1月)では影響が1年近くあったが、
今回は秋口には回復が鮮明になるだろう」
本当にうれしい予言だが、消費マインドの回復も早い。

「最大の懸念材料は福島第1原子力発電所の行方だ。
最大の消費地である首都圏の消費回復が遅れているのは、
原発の問題が心理的に重くのしかかり、消費をする気にさせないからだ」

「消費の潮目」に関して。

「お金の使い方が慎重になり、
どんなモノやサービスが自分にとって満足が得られるのかを
真剣に考える姿勢がさらに強まったと思う」

「一人ひとりの価値観が異なる多様性の消費形態だ」

これまでも散々、「小衆・分衆論」が展開されてきたが、
それがさらに鮮明になったというのが奥田さんの見方か。

「大衆という言葉ではひとくくりにできない新しい形の大衆が存在している。
所得、年齢、ライフスタイル、価値観でいくつもに分類される。
車や高級ブランドに関心を持たない消費者はその流れにある」

阪神淡路の大震災から16年。
消費者はさらに「個」を大切にし始めたか。

「マス・マーケティング」から
「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」へ。

これは100年も続く大きなトレンドだ。

かといって「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」だけが、
伸びるわけではない。

「それでは江戸時代への逆戻りだ」

故渥美俊一先生の名言。

マス・マーケットはある。
その大前提のうえに、
ワン・トゥ・ワンのマーケットがある。

コモディティとノンコモディティの関係と同じ。

奥田さんの発言は、
そのことを裏付けている。

なぜなら、この震災後、
コモディティ商品の価値が、
本当に見直されているからだ。

最後にニュース。
㈱シジシージャパンが毎月1日に発行している媒体。
「シジシーニュース
一面に「復興にグループの知恵結集」の記事。
CGCグループ代表の堀内淳弘さんが、
「CGC地震対応マニュアル」の見直しを訴える。
これはとても重要なこと。

今回の震災で、
このマニュアルは絶大な効果を発揮した。
それをさらに充実させようという趣旨。

東北シジシー社長の遠藤須美夫さんは、語る。
「皆さんから最も大切な『この震災に負けてなるものか』
という“希望”と“勇気”をいただいた」

マイヤ社長の米谷春夫さん
も、
「当社は今年で創業50周年となる。
この節目の年を『再創業』の決意で臨んでゆく」

そして本当にうれしい発表。
「年内に3店舗を出店する計画が整った」
おめでとう、米谷さん。

そして最後にマルト商事社長の安島浩司さん。
「いわき市34万人のライフラインを守る」決意を表明したうえで、
「仮オープンで営業してきた店舗は、
6月1日には完全オープンさせたい」
これも力強い宣言。
マルトは福島原発問題と闘っている。
深刻なレベルの問題解決が、
日々、トップマネジメントに課されている。

応援し、支援し続けたい。

5月の商人舎標語。
「まだまだ、ひとつずつ、
すこしずつ、一歩ずつ」

ひとつずつだから、実行しやすい。
すこしずつだから、実現させやすい。
いっぽずつだから、継続しやすい。

今週も、変わらず、
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>


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