結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月14日(土曜日)

学習院マネジメントスクール「流通概論」暑さに負けずを熱く語る

2011年版の世界保健統計。
世界保健機関(WHO)の調査。

第1に、2009年段階の日本の男女平均寿命は83歳で、
1990年から20年連続首位。
イタリア半島の国サンマリノと並ぶ。

第2に、日本の女性の寿命は86 歳で、
これは堂々、首位を堅持。

第3に日本の男性の平均寿命は80歳で、世界2位タイ。
前年より1歳伸びた。
ちなみに男性の首位はサンマリノで82歳。

世界全体の平均寿命は男性が66歳、女性が71歳。
男女平均は68歳。

その意味でも、
いい国です。
日本。

一方、環境省。

6月から「スーパークールビズ」を始める。
「スーパー」のつく「クールビズ」とは、
Tシャツにジーンズ、サンダル姿での勤務を認めること。
もちろん、夏場の電力不足対策の一環。

ただし、「節度のある服装」が大前提で、
ジーンズは「穴あき」などのダメージ加工が不可、
Tシャツは無地のみ。
サンダルとともに着用は「執務室に限る」。

なんとも、制約が多い。

6月1日には都内で、
お手本となるファッションショーを開催し、
他省庁や地方自治体、
民間企業にも導入を呼びかける。

現場からは、
「ビジネスシーンに合わない」
「襟なしは失礼にあたるのでは」
と懸念する声もあがる。

「ジーンズは生地が分厚くて逆に暑そう」
「男性がカジュアルになるのは涼しくて良いのでは」
賛否両論のようだ。

厚生労働省職員の50代の幹部職員は、
「省庁を訪れる人は、ジーパンやアロハシャツではなく、
夏でもちゃんとした格好で来ることが多い。
オンかオフかわからない格好はすべきではない」。

30代の男性職員は、
「環境省がうらやましい。
外の人や政務三役と会うときはともかく、
デスクワークの時なら問題ないのではないか」

年代によって意見が割れた。

ここで各紙誌とも、
ファッション評論家やファッション関連の学者が登場。
様々にコメントする。

しかしそのどれもがあまり意味を持たない。

私はアメリカの小売業・サービス業に学んで、
「ポジショニング」の重要性を強調している。

マーケティングの三段階。
①セグメンテーション
②ターゲティング
③ポジショニング

その小売業のポジショニング要素を、
コーネル大学では、5つに分類する。
(1)差異性1[店づくり、レイアウト、内装、照明]
(2)差異性2[マーチャンダイジング、売り方]
(3)コミュニケーション
(4)プロモーション
(5)ノン・ファンクショナル・ベネフィット[パーソナリティ・イメージ]

仕事場におけるファッション。
私は、第1に快適な装いであることを重視すべきだと思う。
その意味で今夏の仕事場で、
クールビズを採用することも是。

第2はポジショニングに活かすべき。
アメリカのトレーダージョーは、
マネジャーや社員が常時、アロハシャツを着る。
会社が供給する7種類のものから選んだり、
自分で買ってきたアロハシャツだったり。

それがトレーダージョーのポジショニングにも、
一役かっている。

今夏の「スーパークールビズ」を、
そういったポジショニングに活かせないか。

もちろん企業のポジショニングは、
企業の理念や歴史、組織風土から生まれる。

それを阻害してはならない。

ちなみに、商人舎オフィスは、
今夏、「クールビズ」採用です。
ノーネクタイ、快適なファッションをお許しください。

そして私のファッションにご注目ください。
自らクールビズを御覧に入れます。

さて東京・目白の学習院大学。
昨日は、初夏の陽気。
夕方の6時でも、暑さが残る。

授業を終えたが学生たちが、
涼しげな格好で下校する。

私は、これから
学習院マネジメントスクールDSCM基礎コースの講義。
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目白キャンパスの新緑は深まっていた。
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キャンパスで、久しぶりに再開した人あり。
これも楽しからずや。
グランドでは、アメリカンフットボールの練習。
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18時半。
林純子さんの司会で始まる。
今年は32名の学生が集まった。
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はじめに上田隆穂先生のご挨拶
学習院大学経済学部教授、
学習院マネジメントスクール学部長。

この春、イタリアの流通を視察してきた上田先生。
6次産業の取り組みについて話された。
1次産業+2次産業+3次産業=6次産業。
つまり農工商の連携。

これからは、新しいマーケティングが必要になると強調された。
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さて、私の講義は、
「潮目が変わる時代の流通概論」
毎年第一講座を担当する。

今回は、上田先生からの要望もあって、
[毎日更新宣言]のブログを映しながら、
東日本大震災の視察報告からはじめる。
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その後、いつものように
世界の中の流通業と日本企業の位置、
日本の商業の現状と業態のライフサイクル、
そして業態からフォーマット時代へ。
クリティカル・マスとスコープの経済、
その中で進むコモディティ化現象。
一気に話した。

節電で空調のない今年の教室。
上着を脱いでも、身振り手振りで話すと、熱い。
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8時半までに講義を終わらせると宣言したが、
結局、9時5分まで語った。

2時間25分、145分。
それでも伝え足りない。
まだまだ、語りたい。

しかしご清聴を感謝。
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午後9時15分くらいから、懇親会。
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全員で乾杯。
講義後の渇いたのどに、冷たいビールは最高。
1時間足らずだが、
講義の感想を聞きながらの懇親は楽しい。
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中締めは㈱菱食の佐藤紀子さん。
最年少ながら、堂々の一本締め。
たいしたものだ。
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最後に全員で記念写真。
来年2月まで、よろしく。
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立教大学大学院ビジネスデザイン研究科、
学習院マネジメントスクールDSCM基礎コース、
そしてコーネル大学RMPジャパン。

真剣に学ぶところからは、
暑さも吹っ飛ぶ。

私は今年の夏も、
熱さでは負けない講義を続けたい。

皆さん、覚悟してください。

では、良い週末を。
<結城義晴>


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