結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月19日(木曜日)

スーパーマーケットの業界挙げた節電策とコーネル・ジャパンの上田惇生版「ドラッカー講座」

食品スーパーマーケット三協会の発表。
「スーパーマーケットにおける電力使用抑制策について」
今夏の節電のガイドラインを業界として発表。
高く評価できる。

朝日新聞が取り上げてくれた。

目標は業界として、
東京・東北電力管内で、
ピーク時電力15%以上の削減。

「事前準備」と実際の「節電の取り組み」とに項目が分けられ、
後者は①照明、②冷凍冷蔵ケース、③空調において、
ガイドラインが示されている。

例えば店舗内の照明を50%減らす。
店舗内のほか、看板や駐車場の照明も減らす。
夏の電力使用量の約55%を占める冷凍・冷蔵ケースは、
一部の稼働を停止したり、温度設定を切り上げたりする。
冷凍食品売り場のを封鎖する。

店頭に張り出すポスターも6種類つくられた。
これも、とてもいい。

是非、多くのスーパーマーケットが、
ガイドラインに沿ってアクションを起こしてほしい。
店頭にポスターを張り出してほしい。

私からもお願いしたい。

一方、日経新聞震災現地取材班の報告。
「仙台の百貨店苦戦 山形や盛岡は回復」
「4月の売上高は仙台市の店舗が1年前に比べ約2割落ち込む一方、
盛岡市や山形市などでは前年比プラスに回復」

「仙台でしか買えないような高級ブランドなど不要不急の消費を控え、
地元で生活必需品を購入する傾向が強まっているためだ」

そして取材班は言い切る。
「長く続いていた仙台への一極集中が
緩みつつある」

「仙台市内の藤崎、三越仙台店、さくら野百貨店の4月の売上高は、
軒並み前年同月比20%以上のマイナス」

しかし仙台以外の都市では回復基調。
盛岡市の「川徳」。
4月売上高はプラス5.6%。
衣料品プラス17.9%、家具プラス57.5%。

福島の「中合本店」。
4月に売上げが前年同月水準に回復。
そして5月に入って5%前後のアップ。

山形の「大沼」。
2月はマイナス5%、3月はマイナス25%。
しかし4月はプラス2%。
東北地方では「ストロー現象」といわれた。
「高速道路・新幹線の開通に伴って買物客が仙台」の百貨店に向かった。

日本全体のストロー現象は東京一極体制をつくった。
東北ではそれが仙台一極となりつつあった。
だから仙台以外の都市の百貨店は苦戦を強いられてきた。

それが東日本大震災によって変わってきた。
震災は小売業の構造や地図をも塗り替える。

さて昨日は、3カ月ぶりのコーネル大学ジャパン。
法政大学のボアソナードタワー25階。
イノベーションマネジメント研究セミナー室。
夏日を思わせる快晴の午後。
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元気に三期生がそろった。

午後1時からの講義は、
上田惇生先生。

ドラッカー学会代表。
ドラッカーの分身にして、
ドラッカー翻訳の第一人者。

講義は「ドラッカーの経営思想の神髄」
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いつもの通り、ホワイトボードに、
次々に言葉が書き連ねられながら、
講義はどんどん進んだ。
ドラッカーの真髄があふれ出てきた。
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とりわけ今回の講義では、
先生ご自身が乗っていた。

私はパソコンに上田先生の言葉を打ち込みながら聞いていたが、
メモ書きだけでも6000字にもなった。
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そのメモのなかから、
ドラッカーの思想の真髄。
「理想を求め、
手持ちの道具で、
ケースバイケースで、
一歩一歩」

上田先生も東日本大震災への対応を、
「ドラッカーならこう考える」として語ってくださった。

それが、
「理想を求め、
手持ちの道具で、
ケースバイケースで、
一歩一歩」

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なんと講義は2時間にわたった。
上田先生は立ちっ放しで、熱をいれて語ってくださった。
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15分の休憩。
この後は、今年の講義の目玉「質疑応答の時間」が設けられている。
その合間に、主席講師の荒井伸也先生と三人で語らう。
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そして質疑応答が始まった。
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(株)平和堂の福嶋繁さん。
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上田先生は、じっくり考えてから、
ゆっくりと答えてくださる。
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㈱紀ノ国屋の阿部智則さん。
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上田先生はふたたび、みたび、
膨大なドラッカーの著作の中から、
その言葉を検索するコンピュータのように記憶をたどって、
的確な概念を導き出して答えてくださる。

どこから切ってもドラッカー。
しかしそれは上田惇生そのものでもある。
ドラッカーの考え方に心より共感して、
それが上田惇生の哲学を作っている。
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上田先生がドラッカーの名言を抜き出してみたら、
7000もあったそうだ。
そのなかから最後に、三つ挙げてくださった。

ここではその三つのうちのひとつを引用させていただこう。
「成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、
基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。
しかし、組織というものが最近の発明であるために、
人はまだこれらのことに優れるに至っていない」。

私は隣に座っていて、
言葉にできない快感を得た。
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コーネル大学ジャパンの講義の基調を、
荒井伸也先生とともに形成してくださる上田先生。
そしてドラッカー。

私はつくづく、いい学校だと感じつつ、
先生方に心から感謝した。

第3講座はCS・ホスピタリティ実践研究所代表の田中実さん。
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田中さんは巣鴨信用金庫前常務理事で、
現場でホスピタリティを作り上げた人。

「サービスから ホスピタリティへ」をテーマに、
CA・ESとホスピタリティを重視した経営戦略を語ってくださった。
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信用金庫は金融界で、
小売業のローカルチェーンの位置づけとなる。
メガバンクがナショナルチェーン、
地方銀行がリージョナルチェーン。

そのローカルチェーンにおいて、
「金融ホスピタリティ」を標榜して、
地域になくてはならない存在となった。
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いつしか太陽は西に傾いて、
それでも東京の街を見下ろしていた。
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第4講義は結城義晴。
夕方の6時30分から。
「サービスのマーケティング・マネジメント」
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イントロダクションは、篠山紀信とハロルド・ジェニーンと柳井正
ちょうど1年前のこのブログで書いたこと。
『プロフェッショナル・マネジャー』の「三行の経営論」。
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上田先生との質疑応答で、
前の講義が押したので、
私の持ち時間は1時間15分。

私は立教大学ビジネスデザイン研究科で、
サービス・マーケティングを担当している。
その半年に及ぶ講義全45時間分を絞りに絞って、75分。

大いに駆け足で語ったために、
エッセンスだけになってしまって、恐縮。

しかし大事なところだけの講義。
私の問題提起、しっかり受け止めて、考えてほしい。

今月の標語。
「まだまだ、
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

ドラッカー先生に通ずるところがあって、
私はちょっとうれしかった。

<結城義晴>


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