結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年09月13日(水曜日)

ジェフ・ベゾス「Day1の精神」と小泉純一郎の「米百俵」

月刊商人舎9月号。
手にもって写真。
IMG_3844.JPG7
ハワイに行って、
大阪出張している間に、
刷り上がって来た。

いいもんです。

印刷されて届いたばかりの雑誌。

オーケストラの指揮者、
野球の監督、
雑誌の編集長。

やってみたい三つの仕事。

小売りサービス業の店長も、
その一つに加えられると思うけれど。

9月号の巻頭言。
[Message of September]
そして9月の商人舎標語。
20170910_bezos
「Day Oneを忘れるな!」

「Day One(1)」の精神を忘れずにいよう。
アマゾン創業者ジェフ・ベゾスは説く。
創業1日目の燃えた日こそ「Day1」である。
そしてその精神を忘れてはならない。

1年1年を「Day1」と見なして、
努力を怠らず精進を続ける。
すなわち「初心忘るべからず」である。
能を大成した世阿弥の精神である。

だからベゾスはいつも、
「Day1」と名付けられた建物で働く。
オフィスを移転しても、
自分のいる建物にその名前を冠している。

では「Day2はどうなる?」
「Day2の危機をどうかわす?」
「その技術と戦術は何?」
会議で質問された。

ベゾスは答えた。
「Day2」とは、スタシス「停止」である。
停止の後には恐るべき衰退があり、
組織は死に至る。

だが環境変化は企業を「Day2」に押し出す。
新しくて大きなトレンドは、
素早くそれをつかまえなければならない。
それに抵抗すると、将来性を犠牲にする。

「Day2」も取り入れてこそ、
追い風を受けることができる。
しかし断じて、
「Day1」を忘れてはいけない。

「Day2」に目を向ければ、
何十年かは、繁盛するかもしれない。
しかしいずれは終わりがくる。
「Day2」だけでは続かないのだ。

「Day1」のダイナミズムを維持するため、
失敗を恐れず、辛抱強く実験を重ねる。
種を撒き、苗木を保護し、
時には冒険的な投資もする。

最後の決断は、
「これで顧客を喜ばすことができるか?」
つまり「Customer Obsession」である。
「顧客に取りつかれたようになる」ことだ。

「Day One」の精神を忘れずにいよう。
創業1日目の志、あれこそ「Day1」である。
「初心忘るべからず」
永遠にあの精神を忘れてはならない。
〈結城義晴〉

さて日経電子版「政治アカデメイア」
編集委員の清水真人さんが書く。

小泉純一郎元首相。
最近は脱原子力発電ばかりを訴えてきた。
今年1月に75歳を迎えて、
後期高齢者。

「消費税に食料品などの軽減税率を
設けるのは低所得者のためだというが、
違うと思う」

エライ!!

「消費する金額は
高所得者の方が圧倒的に多いから、
軽減税率の恩恵も大きい。
一番お金を使うのは
お金のある人たちだ。
その層に軽減税率が
適用されるのはおかしい。
税収も減ってしまう」

まったく正しい。

2019年10月、消費税は、
8%から10%への引き上げが、
法定されている。

自民党、公明党は、
飲食料品などには、
軽減税率8%を適用する予定。
しかし「小泉は強い疑問を呈した」

小泉もこの間の政治的経過は百も承知。
「こういうことを言う者が誰もいない。
また私は変人だと言われるだろう」

今、変人政治家が求められる。

「消費税はすべて年金、医療、介護など、
社会保障に充てる目的税にする。
それで一番、恩恵を受けるのは
低所得者だから、
理由は十分に成り立つ。
しかも、税制は簡素であるべきだ」

簡素な税制は、
チンギスハンのモンゴル帝国でも、
ユリウス・カエサルのローマ帝国でも、
国家経営の必須条項だった。

「消費税率を10%にしても15%にしても、
社会保障の予算を賄うにはまだ足りない。
いずれ15%、20%になると、
ほとんどの専門家が言っている」

やがてその時はやって来る。
私もそう思う。

2001年5月7日。
首相として最初の所信表明演説。
「今の痛みに耐えて明日を良くしよう、
という米百俵の精神こそ、
改革を進める我々に必要だ」

明治初期の窮乏の長岡藩。
「救援物資の米百俵を、
当座しのぎに使わず、
次代の人づくりのための、
学校設立資金に充てた」

藩も国家も、企業も同じ。

しかし「米百俵の精神」を、
受け継ぐ機運は乏しい。

小泉純一郎の座右の銘。
「無信不立」
〈信無くば立たず〉

ジェフ・ベゾスの「Day1」は、
小泉純一郎の「無信不立」であり、
「米百俵の精神」である。

〈結城義晴〉


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