結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年08月27日(火曜日)

商売の①売れ筋②死に筋②見せ筋と「コントラスト効果」

今日は1日、横浜商人舎オフィス。
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裏の遊歩道の緑は美しい。
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アロハとストローハットで恐縮。IMG_00419

東京新聞の巻頭コラム、
「筆洗」

中日新聞の「中日春秋」と、
同じ文章の日もある。
そうでない日もある。

中日新聞は中部・東海地方のブロック紙で、
その子会社が東京の地方紙「東京新聞」。
だから両紙の巻頭コラムが、
同じ文章になる日が多い。

朝日、讀賣、毎日、日経、産経を、
「全国紙」と呼ぶ。
チェーンストアに置き換えると、
これがナショナルチェーン。

中日新聞をはじめとして、
北海道新聞、西日本新聞、中国新聞など、
数県あるいはそれに見合う地域の新聞を
「ブロック紙」というが、
これがリージョナルチェーン。

そして一つの県に専念する新聞が、
「地方紙」で、これがローカルチェーン。

新聞の経営軸と、
チェーンストアのドミナント戦略は、
同期している。

今日の地方紙のコラム「筆洗」は、
中日春秋とは異なる内容。

料理メニューのコースの論議。
コースは二つ考えられる。
⑴お値打ちコース四千円
⑵満足コース五千円

この2つのコースでは、
どちらを選ぶか決め手がない。

そこで一つのコースを加える。
⑶豪華プラン一万円

そして三つのコースから選ぶ。

こう設定すると、
⑵の満足コースを選ぶ人が増える。

「値の高いプランを加えることで
⑵を安く感じる効果がある」らしい。

営業マンの「指南書」にある。
「コントラスト効果」。
「対比効果」ともいう。

小売業の世界にも、昔からある。
①売れ筋
②死に筋
②見せ筋

①の売れ筋は、
「品揃えラインのなかで、
最もよく売れている商品」
(商業界『商業用語事典』の故高山邦輔定義)
DSCN4994-1

「特にきわだって販売量の多い品目で、
在庫量の適正な商品」
(『必須単語1001』の故渥美俊一定義)

ABC分析をして、
よく売れるA分類の商品。

わかりやすい。

売れ筋に関しては、
品切れや欠品があってはならない。

②の死に筋は、
「カットしたい商品」
――「言いえて妙」の浅香健一定義は、
『商業用語事典』から。
DSCN7244.JPG のこぴー浅香健一

「品種ごとにあらかじめ各社が決めてある
在庫年令制限を超えて在庫している商品」
(渥美定義)

「ふつうはその品種の商品回転日数の
1.5倍を枠とする」

漠然と「売れない商品」では、
実態を把握できない。
「商品回転率が低い商品」だとしても、
その低いレベルがどのくらいかが、
決められていなければならない。

渥美理論は執拗に、
数字で事実を把握しようとする。
これはとても大事な姿勢だ。
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③の見せ筋は、
「販売数量は少なくても、
店に欠くことのできない商品」
(浅香定義)

「店格を高めたり、
値ごろの商品の売れ行きを
よくしたりする効果がある」
これがコントラスト効果である。

ただし私は、
「見せ筋」という語感は、
よろしくないと思うし、
使わない。

どんな店でも、
売場は無限にあるわけではない。
しかもネット販売がこれだけ普及すると、
eコマースには「見せ筋」が、
これでもかと提示されている。
スマホを見れば、
いくらでもそんな商品は出てくる。

だからリアル店舗の「見せ筋」は、
効果が薄らいだ。

浅香健一先生も、
商業界からの依頼で、
一般的な定義をしたものであって、
これをお勧めしているわけではない。

筆洗のメニューコースの話に戻ると、
売れるのは⑴のお値打ちコース。
⑵の満足コースも売れるけれど。

しかし⑶を提案しておくと、
対比効果で⑵が売れる。

ただし渥美理論では、
「売価の上限と下限の幅を狭くせよ」
つまり⑶は否定される。

⑴と⑵で、トータルに低価にせよ。
とりわけ⑴を強調せよ。
それが渥美俊一流。

営業マンの指南書と、
渥美チェーンストア理論は異なる。

私の商品論・価格論の基本はいつも、
コモディティと、
ノンコモディティ。

渥美理論はコモディティ重点型。
コモディティディスカウント主義。

しかしアメリカでも、
ホールフーズマーケットや、
HEBセントラルマーケット。
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世界のイータリーなども、
ノンコモディティに高い価値を認める。

消費トレンドは必ず、
高度化、高質化、個性化し、
その結果として多様化に向かう。
歴史がそれを示している。

そして重要なことだが、
コモディティとノンコモディティには、
コントラスト効果も働く。

コラムはG7サミットへ。
日米首脳による貿易協定。

米国産の牛肉・豚肉の関税を、
日本側はTPPの水準に引き下げる。
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日本側が求めていた乗用車は、
関税撤廃が見送りとなって、
現在の2.5%に据え置かれた。 donald-trump-1269307_12809999

「それでも一時期、トランプ大統領が
安全保障を理由に、
日本車を含む輸入自動車に
25%の追加関税を加えると
主張していたことを思えば、
そんなことはなかった分、
今回の合意がありがたく見えてくる」

コラムニストの発見。
「あっ。これがコントラスト効果なのか」

「日本の要求はうっちゃられたのに
上出来の交渉のように考えてしまう。
しかも合意の全貌はまだ見えていない」

しかし国と国の貿易交渉の場に、
コントラスト効果はない。

コモディティとノンコモディティ。
選択の自由が保障されたところに、
コントラスト効果がある。

〈結城義晴〉


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