結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年12月14日(土曜日)

糸井重里「やりたいことをする」と倉本長治「損得と善悪」

ほぼ日の糸井重里さん。
「今日のダーリン」

日々、同感することが多い。
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「山に登る人は、
山に登りたいんですよね。
山に登ることを
仕事にしている人もいるけれど、
ほとんどすべての山に登る人は、
山に登りたいんです」

私も中学や高校のころ、
よく山に登った。

2009年の8月には、
㈱エコス会長の平富郎さんと、
富士に登った。
このブログの「2009富士登山記」
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「頂上に立ったときの
達成感がたまらない。
どうやって攻略しようかと
考えを巡らせるのがたのしい。
じぶんの持っている力のすべてを
出せる機会がほしい」

「理由はいろんなふうに語れますが、
山に登ることそのものが
目的と言っていいと思います」
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走る人は、走りたいから走る。
泳ぐ人は、泳ぎたいから泳ぐ。
飛ぶ人は、飛びたいから飛ぶ。

投げる人は、投げたいから投げるし、
打つ人は、打ちたいから打つ。

売る人は、売りたいから売るし、
つくる人は、つくりたいからつくる。

経営する人は、経営したい。
運営する人は、運営したい。

政治する人は、政治したい。

考える人は、考えたい。
書く人は、書きたいし、
読む人は、読みたい。

実は革命家という人たちも、
革命するのが好きだから、
革命するという節(ふし)があった。

カール・マルクスも、
ウラジミール・レーニンも。
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ナポレオン・ボナパルトも、
ある意味、ルドルフ・ヒトラーも。
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「流通革命」に広げて考えれば、
中内功も渥美俊一も。

「人は、
つらくても、
苦しくても、
お金がかかっても、
たくさんの時間をとられても、
危険があっても、
“やりたいことをする”のが
大好きなのである。
それは、そのことはわかるよね?」

わかる。

私は学びたい。
教えたい。

仕事でも、
ゴルフでも。
なんでも。

「金のためでもなく、
健康のためでもなく、
好きだから、
していることがある、
人間には」

「社会だと会社だとかでは、
大人同士の会話になると、
いくら儲かるのだとか、
ブランド価値がどうだとか、
どう得をするかを考えるのが
常識みたいになっている」

「だけどね、
しつこく言うようだけれど、
人は、やりたくてやることが
大好きなんだよ」

「得しようが損しようが、
辛かろうが、時間がかろうが、
関係ないんだよ、
やってることがうれしいんだ」

そして糸井の結論。

「損得を考えることが、
人生の50%を超えちゃ
だめだよね」

倉本長治。
「損得より先に善悪を考えよ」
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これは損得を考えなくてもいい、
という話ではない。

損得は考えよ。
損益計算書の商売は大事だし、
貸借対照表の経営も必須だ。

だから倉本は言っている。
「欠損は社会のためにも不善と悟れ」

損得は大事だけれどもそれよりも、
善悪を考えることが先に来るよ。

糸井流に言えば、
「損得が人生の5割を越えてはいけない」

51%以上は善悪でなければならない。
あるいは「やりたいことをやる」

したがって倉本の「善悪」の「善」には、
「その人がやりたいこと」も含まれてくる。

やりたいことをやるのが人間の善である。

有名な西田幾多郎の『善の研究』。
その第三篇の第十一章は「善の動機」だが、
そのなかに出てくる。
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「善とは自己の内面的要求を
満足する者をいうので、
自己の最大なる要求とは
意識の根本的統一力
即ち人格の要求であるから、
これを満足する事
即ち人格の実現というのが
我々に取りて絶対的善である」

糸井さんが言っているのは、
この西田の「善の動機」のことだが、
それは倉本の「善悪」ともつながる。

「損得を考えることが、
人生の50%を超えちゃ
だめだよね」

日々、やりたいことをやるのも、
仕事のやりがいも、
会社の経営も国の政治も、
この「善の動機」の外にはない。
あってはならない。

〈結城義晴〉


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