結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年01月15日(金曜日)

広島市「緊急事態に準じた措置」とコロナとの「個と全体」

11都府県に緊急事態が宣言されている。
2月7日まで。

この11都府県には入らないが、
広島県は広島市に対して、
緊急事態宣言に「準じた措置」をとる。

主語は政府ではなく、
広島県だ。

それを政府が追認するようだ。

さらに広島県は、
広島市中心部の住民と就業者を対象に、
希望者に無料のPCR検査をする。
対象者は最大80万人程度となる。

COVID-19は、
人間の多いところで広がる。

国単位、県単位で、
感染拡大するのではない。

ならば市の単位で対応するのは、
妥当な戦略だ。

チェーンストアで言えば、
ナショナルチェーン単位の戦略と、
リージョナルチェーン単位の政策、
そしてローカルチェーン単位の作戦は、
それぞれに異なる。

そしてチェーンストアは、
ローカルチェーンのユニットが、
基礎となるし、一番大切だ。

新型コロナウイルス対策も、
初めのころの「水際対策」などは、
ナショナルチェーン単位だった。

安倍晋三首相の全国一律臨時休講要請は、
国家レベルだったが、
それも今となっては、
意味がなかったことがよくわかる。

そしていまや、
ローカルチェーン単位となってきた。
それが広島市への施策である。

今日は横浜商人舎オフィス。
裏の遊歩道。
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冬空に枯れ木。
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このところ、
不思議に暖かかったり、
酷く寒かったり。
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新田間川も穏やかだ。
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桜の枝も、ちょっとだけ芽吹いてきた。IMG_12751
自然は木々の1本1本が、
その1本の一枝一枝が、
必死に生命力を発揮する。

それを全体で見ると、
一斉に芽吹いたり、
一斉に開花したりする。

これもチェーンストア経営に見立てると、
個店経営を志向していながら、
全体で見ると一斉に、
対策が取られている形。

どんあことにも、
こんな見方、こんな考え方をする。
一種の病気です。

横浜駅西口も冬空の下。
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高島屋の前の彫刻。
工藤健の「あら今日は」。
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井上信道の 「青少年に愛と希望を」
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KOBAN(POLICE)。
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昨年6月24日オープンの「NEWoMan横浜」
そのウィンドウディスプレー。
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緊急事態宣言下でも、
結構、人出はある。

しかしそれらはすべて冬空の下。
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私の家の駅前。
夜の長光山妙蓮寺。
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よしあしの
うつる心の水鏡
よくよくみれば
わが姿なり
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マスク、手洗い、三密を避けて、
ソーシャルディスタンシング。

心の水鏡にわが姿を映しつつ、
日々を過ごしたい。

朝日新聞DIGITAL。
山本太郎さんが登場。
長崎大学熱帯医学研究所教授。
必読の名著「感染症と文明――共生への道」
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最後に行きつくところはどこか。

「過去のパンデミックをみても、
ワクチンの普及などによって
どこかの段階で集団免疫をつくらないと
流行は収束しない」

「流行を抑制しつつ、医療崩壊を防ぎ、
経済的に困窮する人を支援し、
集団免疫をもつ状態に
早く持っていくこと」

山本教授は、
「ロードマップを示せ」と主張する。

「私たちが挑んでいるのが
400m走なのか800m走なのか、
42キロのマラソンなのか。
序盤か中盤か、どの地点にいるのか。
それによって走り方も心構えも違ってきます」

そして「二つの物語」
進んでいると指摘する。

「一つはウイルスとの共生、
社会経済との両立、
集団免疫の獲得という大きな物語」

「もう一つは個別の物語。
たとえば”祖母が感染して亡くなった”
というものです」

「社会全体からみれば10万人に1人の死でも
家族にとれば大切な一人」

「医師としては、個別の物語に
寄り添いたいとの思いをもちつつ、
大きな物語を意識せざるをえない」

ここでも「個と全体」が問題となる。

「中長期的に、あるいは公衆衛生学上、
ウイルスとの共生が望ましいとしても、
そのために命が失われてかまわない
ということではありません」

「個別の物語に寄り添い、
葛藤を乗り越え進んでいかなくてはならない。
立ち止まってはならないと思うのです」

鍵はワクチンとなる。

「ワクチンの接種が始まることは、
収束に向けた大きな希望となります。
ワクチンの安全性は、
これまでの開発の失敗を教訓に
慎重に確認されています」

ウイルスとの「共生」とは。

「同じ場所にいることだけでなく、
共生には、互いの生存域を尊重し、
侵し合わないという意味も含まれます。

「ウイルスは、
寄生する宿主がいないと存在できません。
ウイルスというと悪いもののような
イメージをもちがちですが、
大半はそうではありません」

「攻撃すれば相手も強くなろうとします。
際限のない軍拡競争のように」

「パンデミックに倒すべき相手はいない。
闘うのではなく、ウイルスを
社会に取り込んでいくという感覚が
必要なのだと思います」

「強制的に力で封じ込めに成功しても、
その社会の弱点をつき、
はやるウイルスが出てくる」

「社会がウイルスを選ぶとはそういうこと」

「だから柔軟に対応できる
レジリエントな社会が望ましいのです」

「レジリエント」とは復元力があること。

私たちが目指すのは、
復元力のある社会であり、
復元力のある組織・会社である。

ただし復元されたものは、
元のものと同じではない。

〈結城義晴〉


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