結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年09月14日(水曜日)

商人舎研修会の「白部和孝最後の講義」

英国エリザベス女王の棺が、
スコットランドからイングランドを巡って、
国民の感動を呼んでいる。

96年の人生を、
イギリス連邦のために使い切った。

私たちも、そうありたい。

商人舎ミドルマネジメント研修会2日目。

朝8時のカンファレンスホテル。
中庭に面した1階大ホールが、
われわれの研修会場。IMG_5756-1

8時15分から、
1回目の理解度テストを実施。

受講生は直前まで、
テキストに目を通したり、瞑想したり。
IMG_5729-1

そしてテストのスタート。IMG_5732-1

理解度判定テストは、
自身が学んで理解したこと、
その理解が不足していることなどを、
認識するために行う。IMG_5731-1

だから会社へ報告するのは、
結果のSABCDのランクだけで、
実際の点数は本人にだけ伝える。

決してパワハラの道具にはさせない。
それが商人舎の方針だ。

2日目の第1講義は結城義晴。
IMG_5734-1

冒頭で、
終わったばかりのテストの解答を確認し、
補足の解説をする。

必ず丁寧に説明する。
理解を深めてもらうためだ。IMG_5741-1
鈴木先生の講義からの設問に対しても、
私なりの補足解説をする。

今日の私の講義テーマは、
日本商業基幹産業化と現代化。

まず日本標準産業分類、
それから戸籍のないスーパーマーケット、
産業構造の変化とサービス業の伸長、
卸売業と小売業のWR比率、
最新の日本小売業ランキングと、
その意味合いなどを、
一気に語る。

基幹産業化のための必須の知識だ。IMG_5743-1

第2・第3・第4講義は、
白部和孝講師。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。IMG_5748-1

白部さんには、
計数の基礎と実務における応用を、
第1回ミドルマネジメント研修会から
欠かさず講義していただいた。

中心のテーマは、
商品在庫と労働生産性の計数。

しかしこの数年、
耳の持病が深刻になって、
生活には差し支えないが、
講演や講義はとても続けられないという。

この数年は商人舎のこの研修会だけ、
出講してくださっている。

しかし残念ながら、
今回が最後の講義となった。IMG_5745-1

いつものように受講生には、
電卓を使って設問を解いてもらう。IMG_5762-1

白部先生は会場を歩いて、
一人ひとり見て回る。IMG_5758-1

そして丁寧に指導する。IMG_5763-1

昼食をはさんだ3時間の講義。

無事に終わると、
受講生から大きな拍手をもらった。
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コロナ感染は続いているけれど、
しっかり握手して、感謝の意を伝えた。IMG_E5777-1
長い間、ありがとうございました。

白部和孝最後の講義だった。

故上田惇生先生も、
商人舎ミドルマネジメント研修会が、
最後の講義となった。

白部先生から指導してもらった、
貴重な計数管理の理論と実務は、
継続性を大事にしながら、
この研修会で引き継いでいく。

その決意を新たにした。

午後は結城義晴4時間講義。
ナレッジ・マネージャーのための、
ドラッカー・マネジメント、
そしてリーダーシップの方法。

夜8時までの長丁場。

初めにミドルマネジメントの経営数値。
PLとBSの根本原理から始めて、
トップ企業の決算データをもとに、
ROAやROEのポイントを解説する。  IMG_5784-1

次に「悪い組織の兆候」を問いながら、
マネジメント理論の変遷を辿る。

アダム・スミスの分業の概念から、
アンリ・ファヨールの古典的な管理過程論、
その後の人間関係論と行動科学論、
そしてピーター・ドラッカー、
ヘンリー・ミンツバーグまで。

大企業病が起こるのは、
マネジメント理論が大きく転換したことへの、
認識がないことが原因だ。

私はそう考えている。

商人舎のミドルマネジメント研修会は、
だからドラッカーのマネジメント理論を、
大きな背骨にしている。

戦後日本のマネジメント教育に、
警鐘を鳴らすものだ。
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2日目の講義のクライマックスは、
ドラッカーの「責任の組織化」、
そして「自己管理による目標管理」。IMG_5796-1

さらにドラッカーの「コミュニケーション論」。

ケン・ブランチャードによる、
リーダーシップの手法。

最後にコーネル大学のチームマネジメント手法。
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時間が足りないほど、
伝えたいことがある。

皆、真剣に聞いてくれる。IMG_5800-1

外はすっかり日が落ちた。

講義は夜8時を少し超えてしまったが、
2日目の長い長い一日はなんとか終了。

すぐにレストランで夕食。IMG_5802-1

今日は貸し切り状態なので、
ソーシャルディスタンスを確保。IMG_5804-1

夕食時に、高野保男講師が加わった。
タクト企画代表。
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食事のあとは、私の部屋で情報交換。
イオントップバリュの赤ワインを、
1本半くらい空けて、止めた。IMG_5806-1
最近は長時間の講義が増えている。

身体の疲労はひどく堪(こた)えるが、
語りたい内容は、
十分に伝えることができる。

だから精神的には、
満足感できる。

朝日新聞「折々のことば」
第2496回。

つらいことがあったら
芸だと思いなよ
(八代目桂文楽)

「昔、つらい、さぶい(寒い)、
くやしいなどと上に訴えると、
こう返された」

「今はこっちがそう言う番になっている」

五代目古今亭志ん生と並んで、
「昭和の名人」と呼ばれた噺家(はなしか)。
八代目桂文楽の言葉。

編著者の鷲田清一さん。
「萎(しお)れた姿も人を唸(うな)らせ、
涙ぐませもするからか」

文楽の落語は、
笑わせるだけでなく、
人を唸らせ、涙ぐませた。

辛いことがあったら、
芸のためだと思って続けたからだ。

「そういえば
“長生きするのも芸のうち”
という言葉も耳にする」

人はそれぞれの人生のなかで、
精一杯生きて、
精一杯語り、訴える。

白部和孝最後の講義。
感動した。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉


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