結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年08月08日(土曜日)

外山滋比古さん、ご逝去/「セレンディピティ」は遺言だ。

外山滋比古さんご逝去。
96歳だった。

ご冥福を祈りたい。

私もよく引用させてもらう『思考の整理学』
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1983年に上梓され、86年に文庫化された。
124刷で累計253万部。

その前の1977年刊『知的創造のヒント』もいい。
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最後の著書は、
2017年の『日本の英語、英文学』だった
93歳の著作である。

凄い。

大正12年、愛知県生まれ。
雑誌編集者、編集長、雑誌創刊者から、
アカデミズムの世界へ。
東京教育大学助教授を経て、
1968年からお茶の水女子大教授、
そして1989年から昭和女子大教授。
お茶の水大学名誉教授。

中日新聞巻頭コラム「中日春秋」は、
「博学、博識にして、
色あせない言葉を紡ぎ続けた
外山滋比古さんである」

イオンから依頼されて、
「セルフスタディガイドブック」で、
若い人たちに本をお奨めする。

私が毎回、推薦するのが、
外山さんの『思考の整理学』だ。

ものの考え方がきれいに整理される。
仕事にも人生にも有益だ。

マザー・テレサ、
「思考に気をつけなさい」である。

「結城義晴の文章法」の講義でも、
必ず外山さんを引用する。

文章法に関しては、
「とにかく書いてみる」「しゃべる」と、
指導してくれる。
ピーター・ドラッカーと一致する。

さらに考え方に関する「発酵」や、
「アナロジー」(類比)。

とくに、
「セレンディピティ」

セレンディピティ」とは、
「何かを探しているときに
偶然
探しているものとは別の、
価値があるものを見つけること」

だから「これしかない」と思ってはいけない。
かといって「あっちもこっちも」も、
よくはない。

外山さん。
「考えごとをしていて、
テーマができても、
いちずに考えつめるのは賢明でない」

「しばらく寝させ、
あたためる必要がある」

これが外山さんの言う「発酵」だ。

「視野の中心にありながら、
見えないことがあるのに、
それほどよく見えるとは限らない
周辺部のものの方が、
かえって目をひく」

「そこで、中心部にあるテーマの
解決が得られないのに、
周辺部に横たわっている、
予期しなかった問題が
向こうから飛び込んでくる」

これを「ひらめき」と言ったりするが、
実は「セレンディピティ」である。

「人間は意志の力だけで
すべてをなしとげるのは難しい。
無意識の作用に負う部分が
ときにはきわめて重要である」

「セレンディピティはわれわれに
それを教えてくれる」
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セレンディピティは、
外山さんの遺言でもあると思う。

90歳を超えても執筆した。
見習いたい。

合掌。

外山さんと同じように、
物事の考え方を整理してくれるのが、
鷲田清一さんだ。
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朝日新聞「折々のことば」第1899回
能ある鷹は爪を隠す
(ことわざ)

編著者でもある鷲田誠一さん。
「ほんとうに実力のある者は、
いざという時のために
密(ひそ)かに技を磨いており、
それを無闇(むやみ)に
ひけらかしたりはしないものだ」

「だからその地力をあなどってはならない」

これがことわざの一般的な意味だ。
しかし鷲田さんは、その逆を考える。
「もしこのことが真であれば、
逆に、能無しは、
爪をこれ見よがしに立てるか、
あるいは攻撃を怖(おそ)れ、
物陰に潜む」

爪をこれ見よがしに立てる。
自分を大きく見せようとする。

どこかの大統領などもこれだ。
どこかの首相の「やってる感」も同じだ。
私たちの周辺にも、よくいる。

それでいてときには、
ひどく臆病になって、黙り込むし、
後ろに下がって、物陰に潜む。

「しかもそれを同時にやる人もいる」

鷲田さん、実に鋭い。

「魂胆は見え透いても、
それが通ることがあるから、
世間は不気味」

これも、
どこかの大統領の国の話でもある。
どこかの首相の国でも、
そして私たちの周辺でも、
日常的に、いつもあること。

以って自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2020年08月07日(金曜日)

グーテンベルクと柳井正の「10年間が1年間で来たって感じ」

早くも立秋。

今日は昼まで寝ていた。
12時間も眠り続けた。

このところ原稿執筆で、
疲労困憊。

それでも、
眠り続けることができるのは、
体力があるからだ。

なんて言われるから、
それを信じて眠り続ける。

目覚めたらいい気分。

そして今日は東京・大手町へ。
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COVID-19は、
今日も新規感染者は462人だが、
人通りは多い。

大手町プレイスウエストタワー。
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その地下1階。
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ここに大手町プレイス内科がある。
大手町プレイス内科
田嶼尚子院長が私の主治医。

キャリアがすごい。
東京慈恵会医科大学卒業・医学博士、
ピッツバーグ大学大学院修士課程修了、
東京慈恵会医科大学 第3内科講座担当教授、
同大学 糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授、
同大学理事・医学科長・教学委員長、
同大学名誉教授。

コロナ禍で4月以来の訪院。
尿検査と血液検査。
それから田嶼先生の診察。
薬を処方してもらう。

完璧に信頼しているので、
言われたことは必ず守る。

しかししばらくすると、
忙しさに紛れて、それを忘れる。

だからまた検査と診察を受ける。

私はラッキーなことに、
名医に遭遇する。

眼は東邦大学富田剛司教授。
緑内障の権威。
そして糖尿病は田嶼尚子教授。

ありがたい。

日経新聞巻頭コラム「春秋」
グーテンベルクの活版印刷技術。

「教会による知識や情報の独占を崩し、
ヨーロッパを近代へ導いた」

ヨハネス・グーテンベルクは、
ドイツ人の金属加工業者だった。
1398年頃の生まれで1468年に没した。

ジョン・ケリー著『黒死病』
米国人の科学・医学ジャーナリスト。
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「技術革新の背景には、
ペストの流行があった」

黒死病のペストによって、
グーテンベルクが生まれる前から、
死ぬまでの100年間。
欧州は30~40%の人口を失った。
そして労働力は大打撃となった。
もちろン労働者の賃金は高騰した。

「人口減少が”発明の母”となった」

それまでは印刷技術がなかった。
だから本をは、
数人がかりで筆写して作られた。
日本の経文なども同じだ。

しかしペストで多くの人が死んで、
筆写など非生産的なやり方は続けられない。

そこで少人数で、
本を製作しなければならなくなった。
今で言う省力化のニーズだ。

このニーズに応えたのが、
活字を使う印刷方法だった。

このときの人口減少から生まれた発明は多い。
鉱山開発では新式の水力ポンプが生まれた。
少人数で深くまで掘れるようになった。

船は大型化が進んだ。
少ない乗組員で輸送効率が上がった。

「逆境をバネに新たな工夫が出てくる」
「発明の母は、無数に転がっている」

私はこれを、
「コロナは時間を早める」と表現する。
駄目なものはどんどん駄目になる。
良いものはどんどん改革される。

朝日新聞「新型コロナ 揺れる経済」に、
柳井正さんが登場。
ファーストリテイリング会長兼社長。
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「10年間が1年間で来たって感じ」

その通り。

「時代に合わせて
変化していかなければならなかったものが、
なかなか変化できなかった結果だと思う」

「我々は、商品の企画から生産、物流、
お客さまへの販売まで手掛けている」

これがマーチャンダイジングの本来の意味だ。

「工場からお客さままでの間にある利幅は
どんどん減っていたが、
コロナ禍で一気にクシャッときた」

流通の多段階性によって、
生産から販売までの間に、
多くの無駄やだぶりがあった。
それを柳井さんは一気に解消して、
大きな利幅をつくった。

しかしこのところ、
その利幅がどんどん減っていた。

コロナ禍でその利幅は、
一気に「クシャッ」とくる感じで、
激減した。

さらにアパレルの領域の変化。
「一気にカジュアル化の流れになった。
ある意味、我々は運がよかった」

ユニクロはカジュアルファッションだ。
つまり普段着の世界を開発した。

「生活様式が変わり、
ドレスやスーツは
ほとんどの人の生活に関係しなくなった」

「紳士服売場は、極論すると、
ほとんどなくなるかもしれない。
オンワードホールディングスは、
ZOZOと連携するようだが、
そういうふうに変わっていく」

同感。

紳士服チェーンはどうするか。
プレタポルテはどう変わるか。
総合スーパーの衣料売場はどうするか。

「衣・食・住と言うように、
服はもともと生存に必要なものなのに、
あこがれのような特別な商品になっていった」

「当社は生活に必要で
生活を豊かにする服を
つくって売っていく」

これは変わらない。

総合スーパーが続けるとしたら、
この分野だろうが、
私は違った方向も指摘している。

ユニクロも、
「セオリー」ブランドを展開している。

eコマースは。
「着心地や全体のシルエットなどは
着てみないと分からない。
だから店頭で確かめたいって
思うんじゃないですか。
それにECの便利さを加えていく」

最後に決意表明。
「ZARAを展開するインディテックスとか、
H&Mを抜いて、
世界一になる」

ファーストリテイリングは、
19年8月期売上高2兆2905億円。
インディテックスは2020年1月期で、
282億8600万ユーロ、
(約3兆3943億円)。

H&Mの19年11月期は、
2327億5500万スウェーデンクローナで、
約2兆5604億円。

H&Mには、もう一歩で追いつく。

よくないと思っていること。
「コロナと経済活動が
対立しているかのようになっていることだ」

「両方ともやらないと生活は破綻するし、
ステイホームだけじゃ、
人間、生きていけない」

コロナ禍を、
発明の母だとすると、

コロナ対策と経済活動は、
両方やらねば絶対に、
発明の母とはならない。

〈結城義晴〉

2020年08月06日(木曜日)

伊藤園陳列コンテストのビデオ撮影と「丈夫な頭と賢い体」

広島に原子爆弾が落とされて、
75年が経過する。

私の母はちょうど二十歳だったが、
広島県にいた。

西条という郡部だったので、
被ばくはしていないが、
強い衝撃を受けたに違いない。

そのことは死ぬまで、
一言も語らなかった。

中国新聞の巻頭コラム「天風録」
広島に在住した詩人・峠三吉を引く。

白骨を地ならした
此(こ)の都市の上に

おれたちも
生きた 
墓標

私たちも生きた墓標だ。

今日は東京・清水橋へ。
伊藤園本社。

ビデオ撮影。

伊藤園の陳列コンテストは、
業界随一のイベントだ。
私はずっと審査員をやっていて、
今年1月末から3月のコンテストは、
もう審査も終わっている。

けれど発表する媒体の「食品商業」が、
残念なことに廃刊された。

そこで伊藤園のホームページで、
その審査結果を発表し、
優秀作品を表彰する。

そのホームページに、
動画を流して、
私が出演することになった。

審査総評は6分。
それからコロナ禍へのコメントが4分。
コロナ禍の会社経営と店舗運営に関して、
私の考えを短く語った。

「テイク5くらい、お願いします」

こう言って始めたが、
ほとんど一発OKで撮り終えた。

ありがとうございます。

そのあと、販売促進部の皆さんと写真。IMG_82149
左から関口直均さんと久保田彩子さん、
小林哲也さんと中山翔太さん。
小林さんが地域販売促進部部長、
関口さんが販売促進部第5課課長、
久保田さんと中山さんが第5課スタッフ。

伊藤園のホームページに公開されたら、
ぜひご覧ください。

その後、横浜商人舎オフィスに戻って、
商人舎8月号の最後の責了。IMG_82180
本当に疲れ切った。

全ページ書き下ろし。

アメリカの若林哲さんに、
原稿を依頼して書いてもらった。
こちらは誌面が出来上がっていたが、
それは次号に回させていただいて、
全部、書いた。

どうだろう、
4万字から5万字くらいだろうか。
1週間くらいで書き切った。

校正も終わって、
にっこり。
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もう、空っぽというくらいに、
書き切った。

朝日新聞一面の「折々のことば」
第1897回。

心っていう漢字って、
パラパラしてて
いいと思わない?
(絵本作家の五味太郎)
〈朝日新聞DIGITALより〉五味太郎
私も「心の字のパラパラ」、
いいと思う。

とくに筆で書くと、
そのパラパラが妙な味を出す。
その人らしさを出す。

五味。
「心は乱れて当たり前」

編著の鷲田清一さん。
「存在がまとまらないから人は考える。
そしてよく考えるには、
“じょうぶな頭とかしこい体”が必要だ」

世間と逆のことを五味は言う。
〈丈夫な体と賢い頭〉
これがごくごく当たり前の考え方。

しかし五味。
「丈夫な体はつい”働かされちゃう”し、
賢い頭は”世の中と付き合いすぎちゃう”」

そのとおりだ。

「だからまずは”きちんとサボれる”賢さと、
“自分で考える”丈夫さを備えよ」

いいなあ。

私も原稿書きで空っぽになった頭で、
これはいいと思った。

じょうぶな頭と、
かしこい体。

これは商人のあり方でもある。
ありがとう。

〈結城義晴〉

2020年08月05日(水曜日)

藩単位の「ローカルチェーン天国」とPCR検査の「もぐらたたき」

藤井聡太棋聖。
18歳。
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第61期王位戦第3局。
47歳の木村一基王位に挑戦。
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会場は神戸の有馬温泉「中の坊瑞苑」。
昨日から始まった2日制のタイトル戦。

矢倉戦からじりじりとした闘いになり、
終盤は終始、藤井が攻め続けた。

木村も我慢の受けを連発して、
途中、一瞬、逆転したかに見えたが、
最後は藤井が冷静に読み切って、
いわば快勝。

しかし勝利後の藤井のコメント。
「寄せにいったところで誤算があり、
その後、負けにしてしまったかもしれない。
厳しかったです」

さらに第4局に向けてのコメントも謙虚だ。
「ここまでの将棋の内容を反省し、
いい将棋を指したいです」

藤井聡太はいつも己を見ている。
最悪を覚悟しつつ、
最善を目指している。

今日は深夜まで原稿書き。
疲れ切って、帰り道の公園。IMG_81920

滑り台の前で自撮り。
今日もアロハです。IMG_82040
さて、
COVID-19新規感染者。
わが神奈川で81人。
東京で263人、大阪で196人。
愛知147人、福岡123人。

日本全国で1351人。

気を緩めてはいけない。
「慣れが一番怖い!」
いつも、ずっと、
謙虚な心構えで。

と、感染者数ばかり書いているが、
今日、新規感染者ゼロだった県が、
全国に9つある。

東北の3県。
青森、秋田、山形。

北陸の2県、
新潟、石川。

山陰の2県、
島根、鳥取。

そして四国の2県。
愛媛と高知。

人口は少ない県だが、
いいところばかりだ。

ちなみに私は、
全都道府県を訪れている。

㈱商業界に入社したのが1977年。

その翌年に全国ローカルチェーンの、
新店取材特集を企画して、
自分一人で全国を回った。

もちろん自分一人で、
店長や地区長にインタビューし、
現場の写真を撮り、
原稿を書いた。

1日に2店、3店も取材した。

その後も食品商業の編集長になってから、
同じような特集企画をつくって、
今度は編集部員を派遣して、
取材・執筆をさせた。

一部は編集長自ら取材、執筆した。

だから全国を訪れた。
全県のローカルチェーンを知っている。

先のCOVID-19新規感染者ゼロの県。

北から、青森ならば、
ユニバースと紅屋商事、マエダ。
秋田は伊徳とタカヤナギ。
山形はヤマザワやおーばん。

新潟は原信、ナルス、
清水フードセンター、
ウオロクなどなど。

石川は金沢中心部のマルエーと、
東京ストアー、ニュー三九、
能登のどんたく。

鳥取は丸合、
島根は原徳チェーン。

愛媛はフジとセブンスター、
高知はサニーマートと、
サンシャインチェーン。

今でも元気いっぱいの企業もあれば、
倒産したり買収されたりした企業もある。

なつかしい。

私は半ば茶化して言っていた。
「日本はローカルチェーン天国だ」

そのローカルチェーンが生まれたのは、
テレビの「ケンミンSHOW」の、
都道府県の単位ではない。
ケンミンショー
廃藩置県が断行される前の、
藩の単位でローカルチェーンが誕生した。

「江戸三百藩」といわれていたが、
大政奉還の時点では271藩と減った。
さらに廃藩置県は261藩で行われた。

その藩の単位ごとに、
ローカルチェーンが生まれた。
藩ごとに食生活の習慣や伝統が違った。

だからローカルチェーン天国となった。
それが競争の結果、県単位となり、
さらに今は道州制の、
リージョナル単位の競争が展開されている。

だからイオンは、
リージョナルシフトを組む。
イオン北海道、
イオン東北、
関東はUSMH、
マックスバリュ東海、
近畿は光洋を、
ダイエーの子会社にしてまとめ、
中四国はマックスバリュ西日本、
そして九州は、
イオン九州とマックスバリュ九州を、
経営統合する予定。

藩から県へ、そして道州制へ。

さて日経新聞「大機小機」

コラムニスト横ヤリさん。
タイトルは、
「もぐらたたきの限界」
実にまっとうな見解だ。

「不思議である」
いきなり言い出す。

「検査数が増えているから
感染者数が増えた」

「明らかに正確さを欠く。
増えたのは実際の感染者数ではない。
怪しいと狙って実施した検査で
わかった感染者の確認数である」

その通り。

「大規模検査はもとより、
本格的なサンプル調査もしないから
国全体の感染者の推定数すらわからない」

にもかかわらず、
GoToトラベル、GoToイート。

「個人レベルでも大半の人は
自分が陽性かどうか知らない。
しかし、
うつらぬようにうつさぬようにと、
会合自粛を促す」

コラムニストは私と同意見。
「目隠しして行動せよというようなものである」

なぜ検査が少ないのか。
コラムニストはその理由を明かす。

第1は感染症分野の専門家の、
検査拡大に対する慎重姿勢。
感染者が次々と明らかになれば
パニックになる、と医療崩壊を警戒する。

第2はPCR検査の精度への疑念。
「偽陽性者が多く出て、
責任問題が起きる恐れもある」
というのが彼らの言い分。

しかし複数回検査で、
検査精度は大きく向上する。
偽陽性の可能性を明示しながらでも
検査を広げ、早期発見に努める時だろう。

「検査抑制と表裏の関係にあるのが
感染者集団を発見、追跡し、
たたくクラスター作戦である」

そう、「クラスター作戦」

「歌舞伎町だ、昼カラだ、
と標的が姿を現すたびにたたく」

「警察の力も借りて封じ込めに必死だ。
だがこうした戦術はちょうど
遊技場のもぐらたたきのようである」
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しかし敵はもはや、
どこに潜んでいるかわからない。
市中感染が蔓延している。

「顔を出してからたたくのでは遅い」

「もぐらたたきの限界」

「どこでも誰でも何度でも――。
欧米にみられる希望者全数検査を
検討すべき時だろう」

同感だ。

「国は医療崩壊阻止のため
国家資源を集中投入する時だ。
仮に年間数兆円要しても、
人々に安心を与え、
経済が回復するなら安いものである」

会社でも、不振や不満の原因を、
「もぐらたたき」式に潰していては、
問題は解決しない。
成長はできない。

藤井聡太にしろ、木村一基にしろ、
「もぐらたたき」の作戦では勝てない。
プロには絶対になれないし、
アマ強豪にすらなれない。

将棋では、初心者に対して、
「三手先を読め」と指導される。

もぐらたたきは相手が何か一手指したら、
自分の次の手を考える。

その場しのぎの将棋となる。
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これでは勝てないよ、
安倍三段!

〈結城義晴〉

2020年08月04日(火曜日)

ユニ・チャーム高原豪久「新しい価値」創造の「アクセル・ブレーキ」

梅雨明けして、快晴。
今日も横浜商人舎オフィス。

近所の新田間川。
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その川にかかる新田間橋。
橋の上にあるもの。
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近頃よく見かけるマスク。
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誰かに落とされたのか。
忘れ去られたのか。
どこかから飛んできたのか。

私は今日もアロハで失礼。
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今年は9月のハワイ研修もできない。
かわりに毎日、アロハ。
日差しがきついからストローハットも。

今日は神奈川県でも、
COVID-19新規感染者が、
過去最高の1日89人。

東京は309人で、
埼玉49人、千葉47人。

大阪は193人。

ああ。

[商人舎流通SuperNews]でも、
新型コロナウイルス感染news連発。

凄いアクセスユーザー数とページビュー数。

新規感染者は1社で多数、出始めた。
セブン-イレブンnews|
8店舗10名の従業員が新型コロナ感染

三越伊勢丹news|
三越銀座や伊勢丹新宿店などで勤務者6人感染

ローソンnews|
佐伯内町店(大分県)の従業員2名がコロナ感染
大分県は県全体で累計40名の感染者。
コンビニ1店舗で1日に同時に2人は、
クラスターになるリスクもある。

その企業やその店が悪いわけではない。
地方都市にまで市中感染が広がっている。

それなのに政府内のずれが表面化した。
今週金曜日の7日はもう立秋。
そして来週はお盆。
13日の木曜日が盆の入り、
14日の金曜日が中日、
16日の日曜日が盆の明け。

その8月のお盆の時期に、
帰省を規制するか否か。

政府は帰省には慎重な検討を呼び掛けた。
その一方で「Go To トラベル」は推進。

「アクセルとブレーキを同時に踏んだ!」
と、批判が出ている。

当然のことだ。

一方、大阪では記者会見。
吉村洋文知事と松井一郎大阪市長。
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うがい薬を使ったうがいが、
COVID-19に効果を出した症例を紹介。

うがいを呼び掛けた。

それは「ポビドンヨード」成分を含む薬。
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この記者会見の影響で、
ドラッグストアに顧客が殺到。
Amazonでも品切れが相次いだ。

この薬を販売するメーカーの株価は急騰。
㈱明治ホールディングス。

私は「明治マーケティングレビュー」に、
もう47回も連載している。
季刊誌だから12年になる。
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締め切りが来ていたことを思い出した。
すみません、すぐ書きます。

さて、日経新聞電子版「経営者ブログ」
ユニ・チャーム社長の高原豪久さん。 
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紙おむつの歴史を紹介する。

1940年代半ばのスウェーデンで、
世界で初めて紙おむつができた。

「ナチス・ドイツに経済封鎖され、
あらゆる物資が不足していました。
綿花の供給も止まり、
布おむつを作ることができなくなったので
自国の豊富な森林資源を活用して、
国策として代用品の紙製おむつを
作ったのが始まりだといわれています」

おもしろい。
必要は発明の母。

その後、改良を重ねて、
欧州全域で広く普及していった。

一方、米国では50年代後半から、
P&Gがパンパースを開発。

大人用紙おむつは、62年に、
初めて国産メーカーによって生産開始。

高原さんのユニ・チャームが初めて、
「ムーニー」を発売したのは81年。

発売後2年足らずでトップシェアを奪取。
その後がすごい。
トレーニングおむつの「トレパンマン」、
おねしょ用の「オヤスミマン」、
パンツ型「はかせるおむつムーニーマン」

90年には軽度失禁用品、
94年に初のパンツ型大人用紙おむつ、
95年、「ライフリー・リハビリパンツ」

その後も、次々に新製品を開発。

そして最後に「新しい価値」を考える。

「発想の起点はすべて、
人やペットを中心に考えられているのか。
シーズではなく、人やペットの
ニーズを中心に発想しているのか」

「母親や赤ちゃんが必要としているもの、
人やペットの感情の襞(ひだ)に分け入って、
その喜びの原因や不満を明らかにした上で
“新しい価値”と呼べるものを提供できる
商品やサービスを普及させることが
社会の変化につながります」

新型コロナウイルスの影響で、
ニーズは大きく様変わりした。

「”ウィズコロナ”の環境下で
高まり続ける”不安感の払拭”こそが、
我々に突き付けられた命題です」

小売業・サービス業も同じだ。
「不安感払拭業」でありたい。

最後に高原豪久の決意表明。
「”ニューノーマル”となった今こそ、
世の中にそれまでなかった
“新しい価値”を創造し、
常に変革を求め続ける、
“カテゴリーの創造者”たらんことを
改めて決意します」

高原さんは前向きだ。
そしてCOVID-19禍を、
「新しい価値」創造のチャンスだ、
ととらえている。

ここにはアクセルとブレーキを、
同時に踏むような愚行はない。

「新しい価値」創造に向かっては、
アクセル全開でなければいけない。

しかし人の命を蔑ろにすることに対しては
強くブレーキを踏み続ける。

私もその決意を表明したい。

今日はアロハで、どうも、
見た目は軽々しいけれど。

〈結城義晴〉

2020年08月03日(月曜日)

米Speedway買収/セブン&アイの「もったいない」と水際の勇気」

Everybody! Good Monday!
[2020vol㉛]

2020年第32週。
8月第2週。

梅雨が明けて、
カーッとした日差し。
そのなかに蝉の声が響く。
夏らしい季節がやってきた。

横浜ランドマークタワー。
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梅雨明けして、
蜃気楼かと思うほど近くなった。IMG_81490

横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道。
木々の緑が深くなった。
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今日も商人舎8月号の原稿執筆と入稿。
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夏なのでアロハで失礼します。
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新型コロナウイルス感染が始まってから、
験(げん)を担いで髭を生やしている。

早く、ウイルス感染が収まりますように。
COVID-19と危うい共生をするにしても、
ワクチンや治療薬が間に合いますように。

今週は本来ならば、
東京オリンピックの真っ最中だった。

そして私は海外を、
飛び回っているはずだった。

海外と言えば、
セブン&アイが、
米国「スピードウェイ」を
買収することになった。
来年の3月までに買収は完了する。

石油精製会社マラソン・ペトロリアム。
この日本で言う石油元売り会社が、
ガソリンスタンド併設型コンビニを展開。
全米第3位の約3800店。

買収額は210億ドル。
1ドル100円換算ならば2.1兆円、
現在レートならば2兆2280億円。

この案件に関しては、
今年の2月と3月に、
このブログで話題にした。

横浜港に豪華客船が停泊していた。
ダイヤモンド・プリンセス号。

まず2月20日版で書いた。
「消費税の呪縛」とセブン&アイの「スピードウェイ買収」
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米国セブン-イレブンインクが、
この時点で220億ドルを投資して、
スピードウェイを買収するという話。

私はピーター・ドラッカーを引用して、
高く評価した。

「経済活動とは、
現在の資源を未来に、
すなわち不確実な期待に
賭けることである」

「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

「消費増税の翌年、
東京オリンピックの年に、
米国で2兆円を超える投資をした。
その勇気は記憶に留められるだろう」。

しかし、それは断念された。

そこで3月5日版でまた書いた。
セブン&アイの[米国コンビニ買収断念]を考察する

アメリカのコンビニランキング。
第1位がセブン-イレブン・インク。
セブン&アイ傘下の9802店。
第2位アリメンテーション・カウチタード。
カナダ資本で約6000店。
そして第3位スピードウェイが約3900店。

このトップ3の構図は米国小売業では、
よくあるパターンだ。

トップ3は明確なものの、
約8割がローカルチェーンや個人経営だ。
寡占化は進んでいない。

人口も増えているので、
コンビニ市場は成長を続けている。

M&Aも加速している。

米国セブン-イレブンも、
2018年1月に、スノコLPから、
約3500億円で1030店を買収した。

今回の1位による3位の買収で、
約1万4000店になるところだった。

もったいない。

理由は買収額の高さ。
約220億ドル。
100円換算ならば2兆2000億円。
現在のレートの1ドル106円ならば、
2兆3320億円。

米国コンビニ業界は、
これから寡占化に向かう。

もったいない買収案件だった。

もしかしたら、
アリメンテーション・カウチタードが、
スピードウェイを買うかもしれない。

「経営陣の勇気が問われたが、
残念ながらそれが欠けていた」

「ああ、もったいない」

私は3回も「もったいない」といいつつ、
このブログを終わらせた。

しかし米国セブン-イレブンCEOが奮闘。
ジョセフ・デピントCEO。
そして再び買収にこぎつけた。

セブン&アイ井阪隆一社長。
「コンビニを軸とした
グローバルリテーラーの一歩を
踏み出す歴史的な節目だ」
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その通り。

コロナ禍の今、
セブン&アイホールディングスには、
この勇気が必要だった。

戦略的には、
水際で踏みとどまった。

COVID-19パンデミックが、
その勇気を引き出す一助となった。
私にはそう思えて仕方がない。

では、みなさん、今週も、
水際の勇気を。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年08月02日(日曜日)

[日曜日の雑記帳]「ほぼ日」糸井重里の「モテたい」のマトリックス

1週間前の土曜日。
7月25日の「ほぼ日」。
「ほぼ日刊イトイ新聞」

巻頭エッセイは「今日のダーリン」
糸井重里さんが毎日、書き続ける。 p_itoi-448x484

この日は「モテたいの原理」をレクチャー。

「幼稚園児から、少年から、
青年から、中年から、
ひょっとすると老人にいたるまで、
男たちは、ずっと
“モテたい”という
とんでもなく太いテーマを
抱え格闘している」

この「モテたい」のテーマは、
一貫して「ほぼ日」が考え続けている命題だ。

そのためにカリスマホストと対談したり、
テレビプロデューサーと話し合ったり、
相当の努力をしてきた。

「”モテたいです”と言う青年に
たくさん会った。
じぶんだって、
“モテたい”ということに
ずいぶんのエネルギーを
つかってきたと思う」

人間が生きる動機の一つ。

「”モテたい”からサッカーやる
“モテたい”から野球やる
“モテたい”からバンドやるバカたちが、
結局、さまざまな”おたのしみ”やら
“文化”に貢献してきた」

三浦知良も、
長嶋茂雄も、
矢沢永吉も吉田拓郎も、
そんなバカたちの一人だった。

ところが糸井重里。
「ぼくは、”モテたい”の原理を
とっくに発見している」

「近所のバカたちには、
それを伝えているのだが、
それが、どれほど通じているかは
わからない。
もったいつけないで、
ぽんっと投げ出してしまおう」

ここでモテの整理法と方法論を披露する。

「”モテる”を考えるには、
まず白い紙に線を引こう。
縦軸上に、
“頼りになる・頼りにならない”を記す」

「”頼りになる”と”モテる”は、
ほぼ同義である。
地位やら才能やら誠実やら
体格やら資産やら、すべてが、
“頼りになる”という結果から
逆引きで見えてくる」

「『愛の不時着』の主人公が
とてもモテている。
彼には”頼りになる”の
すべての要素がある」

(結城義晴注:
糸井重里がはまった『愛の不時着』は、
『冬ソナ』以来の空前の人気韓ドラ。
突風によるパラグライダーの事故で、
北朝鮮に不時着した財閥の跡取り娘と、
彼女を隠して守るうちに愛するようになる
北朝鮮の将校の極秘ラブストーリー)
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糸井のモテの整理法。
「そして、こんどは横軸に線を引く。
“じぶんを受け容れてくれる”と
“くれない”を両端に」

つまり「頼りになる」と、
「自分を受け入れてくれる」の、
マトリックスをつくる。

「どれだけ”頼りになる”男だとしても、
じぶんを受け容れてくれなければ、
意味がない。
人気者が結婚してファンを失うのも、
そういうことだ」

「過去のじぶんも含めて、
男たちよ、バカたちよ。
“モテたい”なら、
モテようと
がんばってはいけない」

「”頼りになる”やつに
なるしかないのだ」

「やっても無理なこと以外で
“頼りになる”努力をする」

これはドラッカーの言う「強み」と同じだ。
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「ただ、”頼りになる”を歩みはじめると、
“モテたい”を忘れてしまうこともあるので、
要注意」

年を取るということは、
“頼りになる”を歩み続けるということだ。

「以上が、
世界一シンプルな”モテの原理”である」

「ただし、
“モテる”と”愛される”は
別だからね!」

最後に付け足しのひとこと。
「この原理、
たいてい女性のほうが
理解しているんですよね」

矢野顕子がツイッターで、
すぐに反応した。
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わかってましたぜ。」

糸井重里の「モテの原理」に対する執念。
そしてそのマトリックス。

商売繁盛に直結している。
とくに女性相手の商売に。

〈結城義晴〉

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