結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年08月08日(土曜日)

外山滋比古さん、ご逝去/「セレンディピティ」は遺言だ。

外山滋比古さんご逝去。
96歳だった。

ご冥福を祈りたい。

私もよく引用させてもらう『思考の整理学』
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1983年に上梓され、86年に文庫化された。
124刷で累計253万部。

その前の1977年刊『知的創造のヒント』もいい。
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最後の著書は、
2017年の『日本の英語、英文学』だった
93歳の著作である。

凄い。

大正12年、愛知県生まれ。
雑誌編集者、編集長、雑誌創刊者から、
アカデミズムの世界へ。
東京教育大学助教授を経て、
1968年からお茶の水女子大教授、
そして1989年から昭和女子大教授。
お茶の水大学名誉教授。

中日新聞巻頭コラム「中日春秋」は、
「博学、博識にして、
色あせない言葉を紡ぎ続けた
外山滋比古さんである」

イオンから依頼されて、
「セルフスタディガイドブック」で、
若い人たちに本をお奨めする。

私が毎回、推薦するのが、
外山さんの『思考の整理学』だ。

ものの考え方がきれいに整理される。
仕事にも人生にも有益だ。

マザー・テレサ、
「思考に気をつけなさい」である。

「結城義晴の文章法」の講義でも、
必ず外山さんを引用する。

文章法に関しては、
「とにかく書いてみる」「しゃべる」と、
指導してくれる。
ピーター・ドラッカーと一致する。

さらに考え方に関する「発酵」や、
「アナロジー」(類比)。

とくに、
「セレンディピティ」

セレンディピティ」とは、
「何かを探しているときに
偶然
探しているものとは別の、
価値があるものを見つけること」

だから「これしかない」と思ってはいけない。
かといって「あっちもこっちも」も、
よくはない。

外山さん。
「考えごとをしていて、
テーマができても、
いちずに考えつめるのは賢明でない」

「しばらく寝させ、
あたためる必要がある」

これが外山さんの言う「発酵」だ。

「視野の中心にありながら、
見えないことがあるのに、
それほどよく見えるとは限らない
周辺部のものの方が、
かえって目をひく」

「そこで、中心部にあるテーマの
解決が得られないのに、
周辺部に横たわっている、
予期しなかった問題が
向こうから飛び込んでくる」

これを「ひらめき」と言ったりするが、
実は「セレンディピティ」である。

「人間は意志の力だけで
すべてをなしとげるのは難しい。
無意識の作用に負う部分が
ときにはきわめて重要である」

「セレンディピティはわれわれに
それを教えてくれる」
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セレンディピティは、
外山さんの遺言でもあると思う。

90歳を超えても執筆した。
見習いたい。

合掌。

外山さんと同じように、
物事の考え方を整理してくれるのが、
鷲田清一さんだ。
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朝日新聞「折々のことば」第1899回
能ある鷹は爪を隠す
(ことわざ)

編著者でもある鷲田誠一さん。
「ほんとうに実力のある者は、
いざという時のために
密(ひそ)かに技を磨いており、
それを無闇(むやみ)に
ひけらかしたりはしないものだ」

「だからその地力をあなどってはならない」

これがことわざの一般的な意味だ。
しかし鷲田さんは、その逆を考える。
「もしこのことが真であれば、
逆に、能無しは、
爪をこれ見よがしに立てるか、
あるいは攻撃を怖(おそ)れ、
物陰に潜む」

爪をこれ見よがしに立てる。
自分を大きく見せようとする。

どこかの大統領などもこれだ。
どこかの首相の「やってる感」も同じだ。
私たちの周辺にも、よくいる。

それでいてときには、
ひどく臆病になって、黙り込むし、
後ろに下がって、物陰に潜む。

「しかもそれを同時にやる人もいる」

鷲田さん、実に鋭い。

「魂胆は見え透いても、
それが通ることがあるから、
世間は不気味」

これも、
どこかの大統領の国の話でもある。
どこかの首相の国でも、
そして私たちの周辺でも、
日常的に、いつもあること。

以って自戒とすべし。

〈結城義晴〉


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