結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年03月05日(月曜日)

学習院マネジメントスクール創始者・田島義博の「成長と膨張」

Everybody! Good Monday!
[2018vol10]

2018年第10週。
3月に入って第2週。

暖かくなりました。
ほんとに。

このブログは「52週MD」に則って、
1月1日の週を第1週として、
毎週月曜日にその週を、
第〇週と数えていきます。

つまりWeekly Management。

今週はその第10週。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。

しかし今年の2月は、
平昌冬季五輪があって、
私はそんなに早くは感じなかった。

しかし、三月、去る。

まだパラリンピックはあるし、
春のセンバツなども始まるが、
なんだか早そう。

それでも3月11日は忘れてはならない。

今日の日経新聞巻頭コラム「春秋」
「福島県、宮城県、岩手県の被災地で、
除染や宅地整備が進む。
しかし街や集落が
元通りになるわけではない。
一つの土地で生きてきた人たち、
一つ屋根の下で暮らした家族が
戻る人と戻らない人に分かれる」

「危険を恐れる人と
安全を信じる人が言い争う。
震災からこれまでに、
人々の分断も進んだ」

復旧⇒復興⇒振興。

振興の段階にまで、
来なければならないが、
しかしまだ復興の段階だ。

そのなかで人々の分断も進む。

その中で東日本大震災が、
風化しつつあるという。

今年の3月11日で7年が経過する。

1週間後の18日(日)は彼岸入り。
多くの魂を弔い、
2020年の東京オリンピックには、
日本が復旧・復興・振興の、
世界のモデルであることを示したい。

雪晴と云ふ静けさのありにけり
〈朝日俳壇より 亀山市・鈴木秋翠〉

(稲畑汀子選評)辺り一面、
真っ白な雪晴れの町の静けさ。
雪に音を吸収されてしまったのか。
あるいは、雪で人の往来がなくなり、
静かなたたずまいへと
一変したのであろうか。

縄跳びの少女光と風と跳ぶ
〈朝日俳壇より 熊谷市・内野 修〉

(大串章選評)
少女が元気に縄跳びをしている。
「光と風と跳ぶ」が明るく健やか。
縄跳びは冬の季語だが、
春も間近といった感じ。

紅の蕾に生るる梅真白  
〈芦屋市・酒井湧水〉

(稲畑汀子選評)紅色をしていた蕾が
解けて白梅が咲いた驚き。

梅の季節だ。

さて今日は一日、
横浜商人舎オフィス。
学習院マネジメントスクールから、
湯沢威名誉教授と、
林純子事務局長来社。
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学習院マネジメントスクール。
創始者は、
故・田島義博前学習院院長。tajima_mono

田島先生は日本の流通業、
さらにチェーンストアにとって、
大恩人ともいうべき、
学者であり、教育者だ。

何しろ林周二著『流通革命』の生みの親。
この本の発刊の1962年当時、
田島先生は日本能率協会所属、
月刊「マネジメント」誌編集長。
この媒体から『流通革命』が誕生した。

5年後の1967年、
日本チェーンストア協会が発足。
そのときにも田島先生は、
初代会長の中内功さんを助けて、
さまざまな側面から骨を折ってくださった。

その後、第3代会長の伊藤雅俊さんとは、
ずっと交流を深めた。

伊藤さんの次男の伊藤順朗さんは、
学習院大学の田島ゼミの出身だ。
現在、セブン&アイ・ホールディングス常務。

田島先生は、
日本商業学会会長、
日本ダイレクトマーケティング学会会長、
社団法人消費者関連専門家会議会長、
通商産業省大規模小売店舗審議会会長、
国税庁中央酒類審議会会長、
農林水産省食品流通審議会会長など、
数えきれないくらいの要職を務めた。

その田島義博先生が、
2001年に創設したのが、
学習院マネジメントスクールだ。

その構想は、
「日本の企業と産業界の再活性化に
教育を通じて貢献する」

中核となっているのが、
田島義博記念DSCM基礎コース。
Dはディマンド、Sはサプライ、
Cはチェーン、Mはマネジメント。

サプライチェーンだけでは足りない。
ディンマンドチェーンも必須だ。

それが田島先生の考え方。

現在の所長は、
上田隆穂経済学部教授。

私もいまは、
学習院マネジメントスクール顧問で、
このDSCM基礎コースで、
巻頭講座の流通概論などを担当する。
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田島先生が生きている。
そして講義を聴いている。

いつもそれを意識して、
熱を入れて講義する。

だから2時間を超え、
2時間半に至ることもある。
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今日はこのDSCM基礎コースの、
新年度の打ち合わせ。

雨の中、わざわざ、
横浜までおいで下さった。
ありがとうございました。

今年もがんばりましょう。

この田島スクールの価値を、
高め続けましょう。

田島先生の教えで、
特に印象に残っていることは、
やはり「成長と膨張」だ。
『成長と膨張―新しい流通を考える』は、
1977年の発刊。

会社が大きくなる。
そこには二通りの道がある。
一つは成長。
もう一つが膨張。

技術が革新され、
マネジメントの質が高くなる。
人々の強みが生かされる。
その結果、会社が大きくなる。
それが成長である。

一方、革新はないけれど、
ヒト・モノ・カネをつぎ込んで、
小売業の場合、店数だけ増やす。
人々は疲弊する。
すると会社が大きくなるほどに、
経営は難しくなる。

これは膨張である。

会社に限らない。
店にも同じことがいえる。

膨張であって、成長でないことが多い。

田島義博先生の教えは、
今も重要な意味を持っている。

英国のウィンストン・チャーチル卿の言葉。
We make a living by what we get,
but we make a life by what we give.
私たちは何かを得ることで生計を立て、
何かを与えることで生きがいをつくる。

では、みなさん、今週も、
膨張ではなく、成長を。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2018年03月04日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その62】鰆(サワラ)

猫の目で見る博物誌――。
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春の魚は、サワラ。
「魚」に「春」と書いて、「鰆」です。

サワラは、
スズキ目・サバ科に属する海水魚。
学名はScomberomorus niphonius。
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サバの仲間だが、上品な味だ。

そして「出世魚」。

稚魚から成魚までの成長の段階で、
異なる名称を持つ魚。

サワラは大型の、細長くて平たい体形。
「狭い腹」だから「狭腹」と書いて、
「サワラ」と読む。

幼魚は「サゴシ」。
40~50㎝で、
「狭い腰」から「狭腰」ともかく。
50~60㎝を「ナギ」、
そして60㎝以上の成魚を、
「サワラ」と呼ぶ。

春の魚の代表のように見られているし、
俳句の季語でも春。

しかし、サワラは春に産卵し、
その産卵のために沿岸に近づく。
だから春に人間の目に留まりやすい。

そこで「春を告げる魚」として、
「鰆」となった。

その春から夏、秋にかけては、
海岸線に近い沿岸の、
海面に近い表層を群れで遊泳する。
この時期に成長する。

冬になると深場に潜る。
成長しない。

動物に多いが、
メスの方がオスよりも大型。
寿命もメスが8年ほど、
オスは6年くらい。

産卵期は春から初夏。

生後1年ほどで40~50cmほどに成長し、
以後は2歳で68cm、3歳で78cm、
4歳で84cmといった成長を見せる。

色は背側が青色、腹側が銀白色。
体側には黒っぽい斑点が列になって並ぶ。

口は大きくて、
鋭い歯をもつ。

食性は肉食で、
小魚を捕食する。

体内にはウキブクロがない。
エラも少ない。

身には水分が多いし、やわらかい。
魚は大抵、頭に近いほうがうまい。
しかしサワラは尾の側が美味。
上品な味わいで、
青魚と白身魚の長所を兼備している。
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高タンパクなうえ、
DHA・EPA・ビタミン・カリウムも含む。

分布は東アジアの亜熱帯から温帯の海域。
北海道南部沿海から東シナ海あたりまで。

日本では焼き魚にして食べる。
西京味噌を使った西京焼きもうまい。
もちろん唐揚げもいい。

身が軟らかくて、
煮ると崩れやすい。
だから煮物には向かない。

春が旬の魚とイメージされているが、
本当に味がよいのは秋・冬である。

冬は深海に潜るから漁獲量が減るが、
脂が乗って、「寒鰆」として美味。

旬といふ声に惹かれて鰆買ふ
〈佐藤良二 『末黒野』より〉

旬というのは春から夏にかけてだろう。

鰆とは知らずに食べてをりにけり
〈『ホトトギス』より 稲畑汀子〉

この句の季節はわからない。

生きる事まだ飽きもせず鰆食う
〈貝田遊山『集』より〉

出世魚だからだろう、
こう言った諦念の句もある。

春を告げてくれる魚。
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でも出世魚。
大きくなるにしたがって、
名前が変わります。

猫は、子猫から猫になるだけ。
それでも全然、問題はありません。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2018年03月03日(土曜日)

桃の節句の「和をもって貴しとなす」と「仲良き事は美しき哉」

3月3日の桃の節句。
ひな祭り。

今日は月刊商人舎3月号の最終責了日。
ありがたいことです。
また、いい雑誌ができました。

楽しみにしてください。

巻頭言をご披露しましょう。
それは3月の商人舎標語でもあります。

[Message of March]
和をもって貴しとなす。

「以和為貴――」。
和をもって貴しとなす。
しかし、この「和」は、
「同」ではない。

「和」とは、
互いに協調することだ。
だから「和する」ためには、
もともとそれぞれが違わねばならない。

いや、もともとは、
みな、異なるものなのだ。
だから和する。
それが貴い。

「同」は、
同じであること。
等しいこと。
異なることの反対である。

「論語」にある。
子曰く、
君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず。

内食と外食をいま、
「和して同ぜず」でまとめる。
「同じて和せず」はいけない。
それがGrocerantの本質だ。

「Sell」と「Cook」をいま、
和して同ぜずで調和させる。
同じて和せずではない。
それがGrocerantを超える世界を創る。
〈結城義晴〉

聖徳太子の十七条憲法の、
第一条の言葉として、
「日本書紀」に記されています。

太子が書いたかどうか、
真偽のほどは論争中だけれど。

しかし原点は「論語」にあります。

「有子曰わく、
礼の和を用て貴しと為すは、
先王の道も斯を美と為す」

それでも太子の価値が、
下がるものではありません。

太子は勉強家だったということです。

何よりも国民に対して、
最初に言いたいこと。
それが「和をもって貴しとなす」

太子は続けて書いています。
「無忤為宗」
「忤(さから)う無きを宗となす」
「忤う」は調和を崩すこと。

和を大切にしようよ。
調和を保とうよ。

そんな感じでしょうか。

お店も会社も、
和を大切に、調和を保とう。

今回はこれを人間の和だけでなく、
概念の調和や融合に使ってみました。

いかがでしょうか。

白樺派の作家・武者小路実篤は、
「仲良き事は美しき哉」

仲良きこと、すなわち和。
それは美しい。すなわち調和。

すばらしい。

私は中学生くらいのころ、
武者小路にはまっていて、
ほとんどの文庫は読破しました。

そしてひそかに、
「武者先生」と呼んでいました。

真理先生、馬鹿一、石かきさんなど、
ほんとうに懐かしい。
今となっては、
ちょっと恥ずかしい気もしますが。

さて、ゲラの責了をして、
最終の東海道新幹線のぞみに飛び乗る。

弁当はこれ。
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「ひな祭り弁当」
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ビールを飲みながら、
ゆっくりと食事。

これもいい。

岡山駅に着くと、
駅前のANAクラウンプラザホテル。
ロビーにフルラインの雛飾り。
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お内裏様とお雛様。
三人官女と五人囃子。
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そういえば今日はひな祭り。
ここでまた思い出した。

お雛さんたちも、
「和をもって貴しとなす」

仲良くね。

〈結城義晴〉

2018年03月02日(金曜日)

将棋界の一番長い日と「AI時代に望まれるサービスの仕事」

今日は、「将棋界の一番長い日」。
名人挑戦権を争うA級順位戦の最終日。

11回戦の5局の会場は、
静岡市葵区の料亭「浮月楼」。

今期はまれに見る混戦で、
10戦して7勝の棋士がいない。

超のつく天才たちの最後の闘いは、
深夜まで続く。
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肝心の名人挑戦者を決める一局は、
久保利明王将と深浦康市九段戦。

私は仕事しながら、
全5局の棋譜を深夜まで追い続けた。

決着は明日になってしまう。

そうしたら、今夜は満月だった。
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AIが世界を覆いつくすかに見える現在、
将棋や囲碁、チェスなどの天才たちは、
AIにない人間らしい闘いを見せてくれる。
すべての人間を勇気づけてくれる。

今日の日経新聞朝刊、
「グローバルオピニオン」
「AI時代に望まれる仕事は」
クリストファー・ピサリデス教授。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス。
2010年ノーベル経済学賞受賞。
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人工知能やロボットなどの新技術が、
雇用を破壊するのではないか。

それに対して、
「私は基本的に、楽観している」
ありがたい。

天才棋士たちを見ていると、
それも実感できる気がする。

「新技術によってなくなる仕事は
もちろん多くあるが、
なくなる分を上回るだけの
雇用を生み出す力が、
経済には備わっていると
見ているからだ」

楽観主義者か。
しかしノーベル経済学者。
理論的であるはずだ。

その課題は何か。
「仕事を失った人びとが良い仕事を
なるべく早くみつけられるようにする
環境づくりだろう」

そこで政府がやるべきこと。
「技能習得の訓練は、
公的部門でやるよりも、
実際に必要な仕事のニーズに合わせて
民間部門で実施するほうが効果的だ」

私もそう思う。

さらに重要なこと。
「今後増えるのは人が人に接したり、
感動を与えたりするような
サービス分野の需要」

AI時代には同時に、
サービス業の需要が
増える。

「自動化の一層の進展などで
製造業や一般の事務作業の生産性は
一段と高まり、
経済や生活水準を全体として
押し上げるのに貢献するだろう」

「しかし、雇用を創出する力という点では、
こうした分野にあまり期待できない」

その半面、
「人びとはモノよりも
娯楽や教育、健康、介護といった分野に
カネを使うようになる」

よく言われることだ。

「もちろん、
サービス分野の職といっても
低技能のものは
新たな雇用をうみ出さないし、
賃金も低い水準にとどまる」

悪いけれど「清掃などの仕事」は、
「機械にとって代わられる可能性がある」

「だが、質の高いサービスを提供する仕事は
簡単には機械に置き換えられない」

「質の高いサービスを提供する仕事」

ここでいう「サービス」には、
4つの特性がある。
フィリップ・コトラーの整理。

第1は、無形性。
形のないもの。
第2は、非分離性。
その生産と消費は同時に行われ、
分離することができない。
第3は、変動性。
提供者、時間、場所によって変わる。
第4に、即時性。
すぐに消滅する。

ピサリデス教授は、
重要なことを言う。
「創造力を必要とする仕事はもちろんだが、
人の気持ちを理解する社会的な能力が
必要な仕事なども同じだ」

「人の気持ちを理解する社会的な能力」

例えば介護の仕事。
例えば接客の仕事。
例えば教育の仕事。
例えばマネジメントの仕事。

だから逆に無人レジなどは、
人間らしいサービスがないから、
よろしくないことになる。

しかし悩ましいこともある。
「サービス分野の質の向上は
数字でとらえにくいことである」

「人びとがサービスに満足し、
幸せを感じても、
直接は生産性の上昇に結びつかない。
国内総生産(GDP)統計にも反映されない」

だから求められるのは、
「介護からホテル、レストラン業まで、
サービス分野の仕事が社会のなかで
もっと評価されるようになることだ」

その通り。

AIの時代はサービス業の時代なのだ。

「質の向上に、
対価が払われるようになり、
賃金が対価に合わせて
増えるのが望ましい」

さらに、サービス時代には、
「GDPとは異なる物差しを持つこと」

GDPは、
市場で売買された価値しか測らない。

そして「AIなどの技術革新の活用を、
ためらうようなことがあってはならない」

それは、
「経済の成長を鈍らせ、
かえって雇用の創出を
遅らせることになるからだ」

AIと人間のサービスは、
反対のように思える。

デジタルとアナログ。

しかし、デジタル時代だからこそ、
アナログが貴重なものになる。

残念ながら日本の経済学者に、
ノーベル賞受賞者はいない。
ピサリデス教授の見解はうれしい。

最後は3日連続で今日も、
ウィンストン・チャーチル卿の言葉。
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A pessimist sees the difficulty in every opportunity;
an optimist sees the opportunity in every difficulty.
悲観主義者は、すべての機会の中に難題を見つけ出す。
楽観主義者は、あらゆる問題の中に機会を見い出す。

ピサリデス教授は、
チャーチル卿と同じオプティミストだ。
もちろん私も。

〈結城義晴〉

2018年03月01日(木曜日)

北野祐次の「破壊的Innovation」の「never give up!」

二月、逃げる。
三月、去る。

2018年3月1日。

いつも思い出すのが、
弥生三月は
突然やってきます♪

よしあきら作詞作曲のワルツ。

2月が28日と短いから、
3月は突然、やってくる。

そんな趣旨の歌。

分析してしまうと、
面白味はなくなる気もするが。

商人舎オフィスの裏の遊歩道。
幼稚園の子どもたちが午前の散歩。
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今日から春。
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しゃぼん玉が宙に浮く。IMG_4242.JPG8

それを追いかける。IMG_4244.JPG8

屋根までとんで、
こわれて、きえた♪IMG_4246.JPG8

あ~あ。
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のどかだ。

さて今日から新年度の会社が多い。
来月から新年度という会社もあるが。

ブログ「てっちゃんの店長日記」
「てっちゃん」こと大越鉄夫店長が、
2008年2月から書き続けているブログ。
下手なコンサルタントなどより、断然、
ものの見方がしっかりしているし、
筆が立つ。

公開されているブログだから、
是非、愛読してください。
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皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている
「てっちゃん」です。

はじまりはいつもこのフレーズ。

てっちゃんも、
今日から新年度に入る。

「新たな年度といえば、
新たな予算をもってスタートする。
従来の売上や荒利率予算は過去のもの。
今月からは、
新たな売上予算と荒利率予算を
追い求めなければならない」

本部との予算の調整と修正。
これがきちんとできる店長は、
日本中探しても、そうはいない。

また、店長の考え方をきちんと理解して、
互いに納得した予算を組む会社も、
多いわけではない。

てっちゃんの店長としての考え方は、
実にしっかりとしている。

てっちゃんは「粗利益予算」を重視する。
そしてなによりも、客数を大切にする。
「店長の最大の数値対策は、客数増。
客数増の為に、如何に、
予算を自分なりに加工するか」

調整、修正でも、
「出来ることは最後まで粘る。
それも店長の仕事であろう。
やれることは全てやる。
そして勝負を待つ」

店長の仕事は、
「出来るだけ、現在の勢いを止めないで
客数増を継続させて行く。
あとは、各部の踏ん張りで、
どこまで売りを作れるか」

いい店長だ。

てっちゃんの店で働く人たち、
とても幸せだと思う。

さて、AJSNetworkが届けられた。
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巻頭は対談。
横山清×田尻一。
横山さんは(株)アークス社長。
新日本スーパーマーケット協会会長。
田尻さんは前サミット(株)社長。
オール日本スーパーマーケット協会会長。

私の連載は第123回で、
最終回を迎えた。
「応援団長の辛口時評」
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10年にわたるご愛読を感謝したい。

最後のタイトルは、
「Last Message」

北野祐次さんが生み出したのが、
「関西スーパー方式」だ。
それは「破壊的イノベーション」だった。
その理由は今回、きちんと書いた。

そしてそれが、
この協会活動の原動力だったことも。

私はクレイトン・クリステンセンを引用。

最後だから、タイトル通り、
辛口の時評となった。

そう理解されるかどうか。

クリステンセンは言う。
「優良企業は、
優れているがゆえに
失敗する」

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1036回。
大体において日本人は、
ものを考えるときに
基礎となるものを
文章の形として考えるよりも
単語だけでものを考える
(田中美知太郎)

編著者は、鷲田清一さん。
毎日毎日、なぜに、
こんなに響くのだろう。

「人は言葉を、
その意味を問いつめることなく
手ざわりだけで使ううち、
何となくわかった気になる」

ほんとうにこれは恐ろしい。

「だから『自由』についても、
護らなければいつ、
失われてしまうかわからないことや、
自由を行使するのも
それをせずに控えるのも自由、
というところにまで思いが及ばない」

シュンペーターやドラッカーが提起し、
クリステンセンが解析したのが、
「イノベーション」。

この言葉こそ、
意味を問い詰めることなく、
手触りだけで使われることが多い。
そして何となくわかった気になる。

これが一番、恐ろしい。

北野祐次さんの「イノベーション」も、
てっちゃんの「店長の客数主義」も、
意味を問い詰めることなく、
言葉だけで使われると、
一番大切なことが見落とされてしまう。

ほんとうに、
以って自戒とすべし。

昨日も引用したけれど、
英国のウィンストン・チャーチル卿。
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Never, never, never, never give up.
決して、決して、決して、
決してあきらめるな。
決してやめるな、
放り出すな。

これは間違いようがない励ましの言葉で、
実践あるのみ。

AJSのみなさんにも、
この言葉は置き土産にできるだろう。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2018年02月28日(水曜日)

「厚労省とんでもデータ」と良品計画・松井忠三の「困難・機会」

2018年の2月も最後の日。
一月、往ぬる。
二月、逃げる。

毎日新聞巻頭コラム「余録」。
役所の調査統計の信頼度を問題にする。

「世界最高クラスと思っていたら、
この騒ぎだ」

安倍政権の「働き方改革関連法案」
そこに出た「厚生労働省のとんでもデータ」

「裁量労働制は
一般労働より労働時間が短い」
首相答弁がこのデータに言及して、
審議は紛糾した。

きちんとした統計が出せるか否かで、
その役所の価値が決まる。

それは業界の協会や団体も同じことだ。

もちろん会社も、
きちんとしたデータが出せるか。
日々の売上げや利益はもとより、
在庫やロスに関しても、
「とんでもデータ」であってはならない。

「統計は街灯の柱と
酒を飲むようなものだ。
照明よりも支え棒として使える」
英国ウィンストン・チャーチルの言葉。
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さすが。

その「支え棒」の統計。

今日の商人舎流通SuperNews。

1月商業動態統計|
商業販売額5.2%/卸売7.0%/小売業1.6%/好調スタート

1月家電チェーン統計|
販売額3821億円で2.8%増/「情報家電」11%超え

1月ホームセンター統計|
販売額は2409億円▲1.0%/ニトリ・コーナン客数増

1月ドラッグストア統計|
販売額5033億円7%増/食品・調剤医薬品は二桁増

1月SC統計|
2017年間既存店0.6%増/2018年1月は▲0.2%と苦戦

SC年末年始販売統計|
元旦を除いて快調・売上高2.9%増/客単価2.6%増

「支え棒」の基準数値のトレンドは、
頭に入れておきたい。

さて、2月が終わるが、
日経新聞最終面の「私の履歴書」
松井忠三さん。
良品計画元会長。
〈(株)松井オフィスホームページより〉
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担当編集委員の田中陽さん。
ご苦労様。

とてもよかった。

特に私の印象に残ったのは二回。
第9回の「沖縄デー」
サブタイトルは、
「留置場で迎えた20歳の誕生日」

「1969年(昭和44年)4月28日昼すぎ、
私は神田周辺の公園にいた」

沖縄デー。

「中核の白ヘルメットに
タオルで顔の下半分を隠して
東京駅になだれ込む」

「小突かれ、蹴飛ばされ、盾で殴られた。
体の至る所に鈍痛が走る。
必死に抵抗するがこの時、
機動隊に敵意を抱いてはいない自分がいた」

「寄って立つ正義と正義の闘いであり、
衝突するのは当然だ」と思った。

「高架線で逃げ場を失い、
機動隊に抑えられ逮捕」

「なかなか保釈されずに
20歳の誕生日をここで迎える」

このころの新左翼運動のことは、
立花隆著『中核と核マル』に、
実に詳しく、丁寧に描かれている。

この事件のおかげで松井さんは、
教師になる夢を断たれ、
「流通革命」の西友に入社する。

特に印象に残ったもう1回は、
第18回の「MUJIグラム」

1994年(平成6年)8月、
取締役無印良品事業部長に就任。

当時の良品計画の現場。
「100人いれば100の売場があった」

そこで松井さんは、
「業務統一のマニュアルを
作ろうと決意した」

しかし反発される。

わかる。

当時のセゾングループは、
感性の組織風土。
チェーンストアの西友も、
ダイエーやイトーヨーカ堂、
ジャスコとはまったく違っていた。

案の定。
「『ロボットになれ』
とでも言うのですか。
セゾンは感性の会社ですよ。
今までのやり方を
真っ向から否定するのですか。
松井さんは素人だから」

そこで松井さんは信条を貫く。
『負けて勝つ』

「君らの意見も取り入れて
役に立つものを作りたい。
委員会を立ちあげるから
参加してほしい」

「全国から優秀な店長も集め、
どのような視点で売場を
作っているのかを繰り返し聞く」

たとえば、
衣料品をたたみ直す「おたたみ」。
「これを単純作業と思えば
面倒な仕事になる」

しかし「なぜ、この仕事をするのか」
考えるとおのずと答えが出てくる。

「商品を見やすくして
買っていただくためのもの」

「何のために、
誰のために、
どうして」
これを再認識する。

徐々にマニュアルができてくると、
陳列方法はイラストや写真を多用して、
「見える化」した。

「否定的だった課長も
元は優秀な店長だから、
現場への知見は十分にある。
次第に前向きになる。
知らない間に
仕事の仕方を変えてしまう
『ゆでガエル作戦』だ」

マニュアルは、
「MUJIグラム」
と名づけられた。

松井さん、ネーミングがうまい。

現在は、「毎日、改善提案が、
店からイントラネットを通じて、
本社に上がってくる。
月1回、採用の是非を
販売部が決め改訂される。
そして全店に徹底実行される
PDCAを繰り返す」

良品計画の本当の強みは、
ここにあると思う。

コンセプトは堤清二さんがつくった。
松井忠三さんはそのコンセプトを、
実行する組織風土に移した。

カ・カタ・カタチ論でいえば、
「カ」は堤清二。
「カタ」が松井忠三。
「カタチ」が現在も世界に進出する、
「MUJI」の商品と店と人だ。

「カ」は最も根源的なもの。
経営理念や社会的使命、
わが社のビジョンやコンセプト。

「カタ」は「カ」を実現する手段・方法。
たとえばわが社らしい技術、仕組み、
特有の組織とヒューマンリソース。

そして「カタチ」はできあがった成果物。
たとえば完成された商品、売場、
たとえば旗艦店舗、フォーマット。

「カタ」をつくるために、
松井さんは言い続けた。
「仕組みに血を流せ、
仏を作って魂を入れろ」

「どんどん接客レベルが
上がっていくのを誰もが実感した」

MUJIグラムは、
「売場に立つ前に」「売場作り」など、
13冊、計2000ページ。
「毎月更新され続けている」

いい話だ。

今日の商人舎流通SuperNews。
良品計画news|
中国深セン・北京に2つのMUJI HOTEL開業
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堤さんの「カ」と松井さんの「カタ」は、
とうとう中国でホテルになってしまった。

2009年7月14日、
商品計画会長となっていた松井さんは、
肺がんの宣告を受ける。

しかしこの困難も、
手術に挑み、療養して、克服。
それでも2015年、
きっぱりと退任。

すごい。

1カ月間、学んだ。

西友に入ってからもう少し、
ドロドロしたところがあったはず。
上野光平さんも出てこなかったし、
渡邊紀征さんも登場しない。

それが私にはちょっと、
寂しかったかな。

ウィンストン・チャーチルは、
こんな言葉も残している。
Difficulties mastered are opportunities won.
困難を自分のものとすることは
機会を勝ち取ることである。
〈訳文は結城義晴〉

チャーチルはほんとうに名文家だ。

〈結城義晴〉

2018年02月27日(火曜日)

スプラウツ&アマゾンの絶好調と福寿園「つもり十訓」

商人舎流通スーパーニュース。

スプラウツnews|
’17年47億ドル15%増・純利益134%増/grab&go奏功
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今、米国スーパーマーケット業界で、
最も成長している企業。
ぜひ読んでおいてください。

年間売上高伸び率15.3%、
純利益伸び率27.5%。
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あのホールフーズの目の上のたん瘤。

生鮮食品のブランド化、
惣菜デリの「grab-and-go」、
プライベートブランド構成比12%。

その根本対策は、
ストアロイヤルティの向上。

絶対に読んでください。

さらに、
アマゾンnews|
’17年度売上高1779億ドルで31%増/純利益28%増

ウォルマートnews|
2018年1月期売上高5000億ドル突破も純利益28%減

アルバートソンnews|
ドラッグ3位のライトエイドと統合し830億ドル企業へ

商人舎流通スーパーニュース
鳥の目・魚の目・虫の目で、
海外ニュースに力を入れています。

その商人舎の2018USA研修会。
Basicコース in Las Vegas。
募集が始まっています。
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5月15日(火)~21日(月)の5泊7日。

ラスベガスはもう、
ギャンブルだけの街ではありません。

エンターテインメントの街、
コンベンション(国際会議)の街、
ゲーミングの街。

そして進化したチェーンストア産業の街。

一人で遊ぶ街から、
カップルで愉しむ街、
ファミリーで楽しむ街、
チームで集う街、
余生をゆっくり送る街へ。

コンパクトでありながら、
ほとんどすべての米国小売業を学べる。

昨2017年5月のBasicコース。
1日目。
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ウォルマートからクローガーまで、
業態の違いも学ぶ。
最後はロウリーズでステーキ。

2日目。
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講義に始まり、ホールフーズ、
トレーダージョー、スプラウツなどなど、
スーパーマーケットを巡る日。

3日目。
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講義・視察と買物・調理、そして大試食会。
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4日目。
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理解度判定テストとグループワーク、
そしてまた視察研修。
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5日目。
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グループワークの調査発表会と表彰式。
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その後は、自由研修。

そして帰国日。
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今年は8回目の開催で、
これまでの経験値が、
凝縮された内容となっています。

「自分の目で見、
自分の耳で聞き、
自分で考える。
仲間と討議する。
そしてまた考える」

一挙にアメリカ小売業に精通し、
同時に知識商人となる。

商人舎独自のBasicコース。
ぜひ参加してください。
派遣してください。

申込みはこちら⇒です。

なお、このBasic以外にも、
2018年はSpecialコースと
Beginnersコースが開催されます。

Specialコースは、
7月11日(水)~16日(月)4泊6日。
シアトルを訪れます。

もちろんAmazon Goから始まって、
コストコ本社横の大繁盛店、
ノードストローム本店、
スーパーマーケットは、
クローガーQFCのマルチフォーマット、
消費生活協同組合のPCC、
地元のメトロポリタンなど。
もちろんウォルマートをはじめ、
米国流通業の全貌を学びます。

想像力を掻き立てて参加してください。

Beginnersコースin Hawaiiは、
今年の開催は11月です。
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考えてみると、
ハワイには9月に行く必要はない。
ちょっと寒くなる11月に、
ハワイを楽しみつつ、学ぶ。
こちらも予定を入れてください。

さて、今日も、
「折々のことば」が素晴らしい。
第1034回。

深いつもりで
浅いのが知恵

浅いつもりで
深いのが欲
(福寿園で使われている「つもり十訓」から)

福寿園は京都の製茶の老舗。
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227年の伝統を持つ。
2004年、サントリーと組んで、
ぺットボトルの伊右衛門を発売した。

編著者の鷲田清一さん。
「『つもり』とはとんだ勘違いのこと。
おのれを顧みて自重することのないこと。
世の中には、謙虚という徳を
横柄な口ぶりで説く人は少なくないし、
懐疑の必要をつゆ疑わずに
主張する人も珍しくない」

ちなみにこの福寿園の「つもり十訓」
一 多いつもりで、少ないのが分別。
二 あるつもりで、ないのが財産。
三 ないつもりで、あるのが借金。
四 深いつもりで、浅いのが知恵。
五 浅いつもりで、深いのが欲。
六 高いつもりで、低いのが見識。
七 低いつもりで、高いのが腰。
八 儲けるつもりで、損するのが商売。
九 飾るつもりで、剥げるのが嘘。
十 隠すつもりで、顕(あらわ)れるのが悪事。

儲けるつもりで損するのが商売。

だから儲けは結果である。
利益は将来のための原資であって、
商売の目的ではない。
ピーター・ドラッカーの考え方。

さて最後に、
日経新聞のインタビュー。
石破茂自民党元幹事長。
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自民党の憲法改正案に対して。
賛成は「する」。
だが「自分の考えはきちんと言う」

憲法9条の改正に関しては、
交戦権の否認などを定める、
2項が問題になっている。

安倍晋三首相は2項を維持し、
自衛隊の存在を明記する案を提案。

それに対して、石破氏は、
「2項削除」を主張する。

交戦権の内容をきちんと詰めて、
国民の理解を求めたうえで、
削除するというスタンス。

「2項改正案に
『そんなに危険な考え方を』と
国民は思うだろうか。
本当のことを話せば
分かってもらえると思っている。
首相は『どうせ分かりっこない』
と思っている。
その違いだ。
根っこが違う」

石破茂、今度は本気だ。

その自民党の総裁選への出馬。
「次に総裁選に出そうな人を
こんなに徹底的につぶそうとするのは
見たことがない」

中国では習近平国家主席が、
2期10年の国家主席の任期規定を、
憲法を改正して撤廃しようとしている。
それは安倍一強と似ている。

「国内総生産(GDP)の7割を占める
サービス業の生産性は低く、
人が集まらない悪循環に陥っている。
労働者のスキル向上と
セーフティーネットを張ったうえで、
製造業などからサービス業に
雇用をシフトし、生産性を高める。
それがアベノミクスの次に
求められる経済政策だ」

同感。

元地方創生大臣。
「地方に雇用と所得を取り戻す処方箋は
霞が関で分かるはずがない。
それぞれの市町村が、
自分の街のことを考える」

「ローカル経済は、
グローバル経済と違って
国際競争にさらされない。
伸びしろは大きい」

賛成だ。

最後の日経の質問。
「キャッチコピーは頭の中にありますか』
「『イシバノミクス』は絶対やめようね」

座布団三枚。

これが面白いから、
書きたかった。

〈結城義晴〉

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