結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年01月03日(火曜日)

「2017初売り&業種別天気図」と「個性とその強靭さ」

三が日は年賀状。2017nengajou-blog
ありきたりな言い方だけれど、
今年も、よろしくお願いします。
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さて、朝日新聞『折々のことば』625。
個性的な作品を
作りたいと思う作者は
個性の弱い人です。
(映画監督・山田洋次)

「個性的であるとは、
競争をたくましく勝ち抜いて
目立つことではない」

「か弱く傷つきやすい人たちを
あらゆる暴力からかばい、
その命を深く愛おしみ、
守り抜くところに、
人の個性とその強靱さが
おのずと表れる」

ポジショニング戦略の中で、
ユニークであれ、個性的であれ、
というけれど、
それは目立つことだけではない。

もちろん他との違いを鮮明にして、
目立つ場合もある。

しかし山田さんが言うのは、
弱い人、貧しい人を、
守り抜くことから、
その人や組織の個性が、
自然に表れるということ。

難しいけれど、
それが個性だ。

自然に表れるものを持たない者が、
「個性的な作品」、例えば、
店や売場や商品を作りたがる。

命を深く愛おしみ、
守り抜く強靭さ。

そこから個性は生まれてくる。

正しいと思う。

さて、2017年の「初売り」
日経新聞が取材した。

前年を上回る集客は、いい滑り出し。
年末年始の曜日の巡り合わせで、
まとまった休みを取りにくかった。
それに天候にも恵まれた。

1日からの初売りは、
イオンリテール。
1日の客数は前年比1割前後の増加。
売上高は前年並み。

「人混みを嫌う人の予約が毎年増えており、
その分を含めれば好調」

百貨店は2日から。

三越伊勢丹ホールディングスは、
グループの大半が初売りを3日に遅らせた。
ただし三越日本橋本店は例年通りの2日。
開店前に5150人が行列。
これは前年を約500人上回った。
福袋は5万5300個、前年より3%増、
売上高は前年比2%以上の伸び。

高島屋日本橋店でも、
5000人以上が開店前に行列。
前年を8%上回る。
多くの福袋が午前中に売り切れ、
売上高は前年を1%上回った。

阪急うめだ本店には、
午前6時半から約7000人が行列。
しかし前年より1000人ほど少なかった。

婦人服や化粧品といった人気商品の福袋を、
インターネットの事前受注に切り替えた。

果たして意味があるのか。

福袋を買いに行く行為そのものが、
このプロモーションの意味だと思うが。

しかし売上高は前年を15%上回った。

三越伊勢丹の大西洋社長。
「福袋に関心が集まるのは
足元の消費が弱含んでいることの表れ」

だから日常消費に関しては、
やや悲観的。

その大西社長、
朝日新聞のインタビューに答えている。
「2018年から主要店舗で
正月三が日は休業」

現在は、元旦に休み、
一部店舗(日本橋三越本店)は2日から、
多くは3日から営業している。

「三が日に休めれば、
地方出身の従業員は、
正月に帰省することができる」

この方針が実現すれば、
休日はさらに増える。
働き方改革の一つでもある。

「最高の状態で働いていれば、
最高のおもてなしができる」
大西さんの見解は正しい。

ただし2017年の消費動向には、
「厳しい状況が続く」

爆買いバブルに浮かれたことを、
自覚し、反省もしているようだ。

日経新聞恒例の特集。
「主要30業種の天気図」1月~3月。
各業種の生産、販売、操業率、収益などから、
担当記者が判断したもの。

小売流通業。

百貨店は小雨、
スーパーは曇り、
コンビニエンスストアも曇り、
ドラッグストアは曇りのち晴れ。

ネットサービスも曇りのち晴れ、
外食は曇り。

当たるも八卦当たらぬも八卦、
担当記者の予想だから、
そう見たほうがいい。

それに業種業態全体の動向よりも、
自社自店の、それこそ個性を出して、
自分のカスタマーをつかむことが大事だ。

だから山田洋次の言葉が味わい深い。
「個性的であるとは、
競争をたくましく勝ち抜いて
目立つことではない」

「か弱く傷つきやすい人たちを
あらゆる暴力からかばい、
その命を深く愛おしみ、
守り抜くところに、
人の個性とその強靱さが
おのずと表れる」

個性とその強靭さは、
おのずと表れるものだ。

今年もその個性を、
真摯に追い求めたい。

〈結城義晴〉

2017年01月02日(月曜日)

「無茶をせず・無理をする」から一日二度の「朝飯前」へ

Everybody! Good Monday!
[2017vol1]

2017年第1週。
本年も今週から数え始めます。

それに今年は第1週と、
Good Monday!のVol1が一致していて、
わかりやすい。

例年は週の中頃が元旦で、
その週が第1週、
Good Monday!のVol1は、
第2週となることが多い。

今年もWeekly Managementは、
仕事の基本となります。

さて、新年、おめでとうございます。
今年の年賀状。
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三が日の間、掲載します。

そして今年の商人舎標語。
店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
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㈱商業界の社長時代、
若手社員有志達が、
2月ゼミに向けて、
製作してくれたTシャツ。

胸に入っているのが、
店はお客のためにある

その年の2月ゼミの冒頭、
私はこのTシャツを着て
基調講演をしました。

そして2泊3日のゼミナールの最中、
ずっとこのTシャツを着用して、
宣伝マンとなりました。

今年のご挨拶は、
一人です。
ジジはもういません。
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それでも今年、1年、
シンプルに生きていきたいと思います。

「無茶をせず・無理をする」

2007年の夏に、
その商業界を辞して、
ずっとこのスローガンを通してきました。

今年も基本的にそれは変わりません。

のんびりしている暇はない。

しかし、それでも、
64年の年を重ねてきて、少しずつ、
無理がきかなくなってきました。

だから「無茶をせず・無理をする」も、
今年くらいで打ち止めになりそうです。

そこで代わりに、出てくるのが、
「朝飯前」の考え方。

外山滋比古さんが、
『思考の整理学』のなかで、
いいことを書いています。
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「簡単なことだから、
朝飯前なのではなくて、
朝の食事の前にするために、
本来は、決して
簡単でもなんでもないことが、
さっさとできてしまい、
いかにも簡単そうに見える」

「知らない人間が、それを、
朝飯前と呼んだ
というのではあるまいか」

「どんなことでも、
朝飯前にすれば、
さっさと片付く。
朝の頭はそれだけ能率がいい」

納得。

「おもしろいことに、
朝に頭は楽天的であるらしい」

賛成。

「朝の仕事が自然なのである。
朝飯前の仕事こそ本道を行くもので、
夜、灯をつけてする仕事は、
自然にさからっているのだ」

私は夜型だった。

「若いうちこそ、粋がって、
その無理をあえてする」

だから、私は、
今年の誕生日あたりから、
「無理をせず、朝飯前」にする。

外山滋比古さんは工夫する。
「食前はすべてを忘れて、
仕事に神経を集中させる。
これには、
午前中をすべて、

朝飯前にするのが
よろしい」

なるほど。

さらに外山さんの工夫は続く。

「朝食兼昼食をゆっくりとると、
そこで、ひと眠りする」

「ふとんをしいて、
本格的に寝てしまう」

ベッドでもいい。

「やがて目が覚める。
いったい、今は何時だろう。
ずいぶん今朝は寝坊してしまって……
と、一瞬、ひるさがりを、
朝と取り違えるようであれば
たいへん効果的である。
それをもって”自分だけの朝”とする」

自由な物書きだからできることでもある。
しかし、1日、自由になる日は、寝る。

昼寝から起きたら、
「顔を洗って、歯を磨く」
朝の儀式をする。

ここでまた、「新しい一日」が始まる。

「しかし、”朝食”はとらない。夕方に、
“朝食”と夕食を兼ねた御馳走を食べる」

この朝食兼夕食までの時間が、
これまた「朝飯前」となる。

そして外山さん自慢げに語る。
「こうすれば一日に二度、
朝飯前の時間ができる。
つまり、一日が二日になる」

私も今年の後半あたりから、
この「朝飯前」を実践してみようと思う。

もちろん、一日、
どこにも出かけない、
誰とも会わない、
そんな日をどれだけつくれるか。
それが問題となるが、
だんだん、そんなライフスタイルに、
変貌していくことはたしかだ。

「無茶をせず・無理をする」
からすると、ずいぶんと進化して、
しかもシンプルだ。

そうそう、これだ。
これにしよう。
「朝飯前」

昨年、私は、ざっと計算して、
80万字くらい、原稿用紙2000枚ほど、
文章を書いた。

今年はこの「朝飯前」作戦で、
100万字、2500枚を目指そう。
しかも、中身のこってりした文章を。

きっと、できる。

正月の初夢では、ない。

では、みなさんも、
新しい決意を。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年01月01日(日曜日)

「店は客のためにあり」と「アイデンティティ/多様性」

2017nengajou-blog
2017年は平成29年。
もう、30年目前。

新年、おめでとうございます。

結城義晴のブログ、
毎日更新を宣言します。

毎年、正月元旦に更新宣言をして、
大晦日に終了宣言をします。

これで元旦の宣言は10度目となります。

ご愛読を、心から感謝します。

読み手がいるから、
書き手がいる。

話し手がいるから、
聴き手がいる。

「コミュニケーションを成立させるのは、
コミュニケーションの内容を発す者、
すなわちコミュニケーターではない。
聴く者がいなければ、
コミュニケーションは成立しない」
〈ピーター・ドラッカー〉

さて今年の商人舎標語。
そして[Message of January 2017]
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店は客のためにあり、
店員とともに栄える。

ポピュリズムの台頭に、
世界が右往左往した2016年。
イギリスのEU離脱、
トランプ米国大統領誕生。

相変わらずのテロリズム横行、
不気味な極右勢力の浮上、
大量難民の行き場のない移動。
そして地球温暖化の異常現象。

それに対して日本社会は浮かれ気味。
日銀異次元金融緩和だけのアベノミクス、
おもてなしによる東京オリンピック景気、
そして爆買いのインバウンド消費バブル。

消費増税と軽減税率は延期された。
円安・株高は景気を好転させるかに映る。
1年を表現した漢字は「金」
流行語大賞は「神ってる」

しかし現実を見て、現場を歩くと、
多くの中小企業や大半の消費者にとって、
好況の恩恵に、実感はない。
生活が豊かになったとはいいがたい。

小売りサービス業経営は、
深刻な人手不足に苛まれ、
働き方改革と人材マネジメントが、
存続はもとより生存の条件となる。

そんな2017年がやってきた。
しかし2020年までは、
やはり無呼吸泳法だ。
ひたすら我慢と忍耐の仕事が続く。

店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
顧客満足と従業員満足、
それに社会満足が加わる。

市場原理から社会原理へ。
競争から共創へ、EGOからECOへ。
サスティナブルへ。
オーガニック&ナチュラルへ。

だから、店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
それに「社会のためにあり」を加えて、
「三方良し」を目指すときだ。
〈結城義晴〉

今年はほんとうに原点に戻るとき。

われわれは何処から来たのか?
われわれは何者か?
われわれは何処へ行くのか?
D’où venons-nous ?
Que sommes-nous ?
Où allons-nous ?

〈ポール・ゴーギャン〉
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小売商業の原点は、
店は客のためにある。
そして店員とともに栄える。

ただし、戻るだけではいけない。
それを発展させねば。

売り手良し、
買い手よし、
世間良し。

近江商人の「三方良し」

だから顧客満足と従業員満足に
社会満足を加える。

これはフィリップ・コトラー、
マーケティング3.0の根本思想。

さて、私個人の、
昨年のフィードバック分析。
4つの目標を決意したが、
それを1年ぶりにチェックしてみる。

そのうち、第1は、
全然、遂行できなかった。
準備はしたが実行できなかった。

第2は、行動を起こして実践したが、
成果は上がらなかった。
成就しなかった。

第3は、一定以上果たした。

第4は、完全に実行、実践した。

おもしろい。

今年も、また、
この目標の設定、
三が日の楽しみでもある。

さて日経新聞『私の履歴書』
1月は、カルロス・ゴーン。
もちろん日産自動車社長、
ルノー会長。

「グローバル化の時代に、
大切なこととは何か」

この問いに、即座に、
迷わず、答える。

「アイデンティティを
失わずに

多様性を
受け入れることだ」

アイデンティティが確かだから、
ダイバーシティを認めることができる。

自己が確固としているから、
他と協調することができる。

競争も同じ構図をもつ。

自己のポジショニングが鮮明だから、
コンテスト型競争を、
生き抜くことができる。

「アイデンティティを
喪失せずに

多様性を受容する」

そしてアイデンティティとは、
何かと問われれば、
われわれは何処から来たのか?
われわれは何者か?
われわれは何処へ行くのか?

今年は、日本国にとっても、
それぞれの産業にとっても、
会社にとっても、店にとっても、
そして個人にとっても、
アイデンティティが問われる年だ。

それが悪しきポピュリズムに、
流されない生き方となる。

では、今年も、よろしく。

〈結城義晴〉

2016年12月31日(土曜日)

チェーンストアの民主主義とイオンスタイル碑文谷訪問

大晦日さだめなき世の定(さだめ)
〈井原西鶴〉

2016年の、その大晦日。

東京・横浜は、
ほんとうに穏やかな一日。

朝日新聞『経済気象台』
コラムニスト昴さんは、
過去60年あまり、
米国にかかわってきた。

そのアメリカ分析。

「米国の偉大さは、
核でもドルでもありません。
国際社会が米国を畏敬してきたのは、
世界中から集まった移民が、
自由と平等を国是に
50の国(州)をつくり、
人種のるつぼという多様性を
生かした創意工夫で、
世界に通用する文物、文明を、
築いてきたからです」

「米国は人類の未来の姿、
いま様にいえばグローバリゼーションを
シミュレーションして、
見せてくれてきたのです」

納得・賛成。

米国チェーンストアも、
この自由と平等、
多様性を生かした
創意工夫から、

人類の未来を、
シミュレートしてくれた。

だから私たちは、
アメリカから学んできた。

しかし、昴さん。
「私は、トランプ現象を、
民主主義の機能不全とする悲観論には
くみしません。
米国の民主主義は、
多民族国家ゆえの復元力があります」

そうそう。

「トランプ登場は後世の歴史には
『草の根のあだ花』と一言
残るだけだと思います」

昴さんほどの人の見解に、
ちょっと安心。

「民主主義なしの米国は
あり得ません」

チェーンストアも、
民主主義を、
その根本思想とする。

今日は、夕方のピークに向けて、
イオンスタイル碑文谷へ。DSCN9947.JPG-6[

この40年ほどの間、
私自身も、勉強させてもらったし、
たいへんお世話にもなった店。

大晦日になって、
どうしても気になった。

東横線学芸大学駅を降りて、
店に近づくと、ドキドキしてきた。

店舗入り口では、
今日だけの限定で、
「ときめきポイント5倍」セールを、
展開していた。
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その1階入り口の青果部門。
すごい顧客数。
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マグロづくしは大好評。
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奥主通路が長くて変形の売り場だが、
そこに顧客がごった返していると、
妙な迫力がある。
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エビの天ぷらも、
このボリューム。
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今年の12月16日。
かつてのダイエー碑文谷店が、
イオンスタイル碑文谷として、
完全リニューアルオープン。

そして大晦日のこの客数。
うれしいことこの上ない。
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2階に上がると、
ギフト&スウィーツコーナー。
この売り場も碑文谷仕様だが、
大成功。
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1階から4階まで、
くまなく売り場を歩いて、
その出来栄えと顧客の状態を観察した。

3階の化粧品売り場は、
大晦日のこの時間だから、
閑散としていたが、
正月明けには賑わうだろう。

最新の品ぞろえと売場づくりに、
顧客の側が反応していた。

店に迷惑がかかるので、
一顧客として訪れたが、
町野弘幸店長が姿を見つけて、
時間を割いてやってきてくれた。

その町野さんと、
南関東カンパニーで、
広報を担当する大島さん。
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大島さんは今日、
本部から応援にやってきた。

町野さんとは、
今秋の第6回アメリカ視察に、
ご一緒した。

昨日の売上げは、
イオンリテール全店で第3位だった。

5階から7階までは、
来年3月31日オープンで、
いまだ片肺飛行。

それで3位という成果は、やはり、
ダイエーの遺産が残っているのだろうし、
もちろん現在の店の人たちの、
努力の結果でもある。

今日は、トップを狙う。

その心意気やよし。

「今日はこの調子で、
午後10時まで営業します。
そして明日は8時に初売りです」
町野さんは、元気に語った。

再び、言おう。
「初心忘るべからず」

年末や大晦日には、
日本のチェーンストアでは、
本部の人たちが、
全員、店舗現場に、
応援に駆け付ける。

これは実にいい仕組みだ。

店では人手が増えて、
大いに助かる。

本部は店の実態、現場の状況が、
よくわかる。

相互理解が深まる。

そして何よりも、
顧客にじかに接して、
商業の仕事を、
全社的に実感することができる。

これこそチェーンストアや商業が、
民主主義を根幹とすることを示すものだ。

こういったデモクラティックな制度こそ、
四半期に1回くらいは、
実施すべきだろうと思う。

「神は現場にあり」
なのだから。

今年も現場を巡った。
昨年も一昨年も、
そして来年も再来年も。

その現場で、
私を迎えてくれた、
すべての知識商人に、
お礼申し上げたい。

では、結城義晴のブログ[毎日更新宣言]
これにて終了。

長い長いご愛読、
こころから感謝します。

ただひとり風の音聞く大晦日
〈渥美 清〉

〈結城義晴〉

2016年12月30日(金曜日)

鳥ひろ閉店・イオンモール最高益・働き方改革の輪廻転生画竜点睛

2016年12月30日。
今年はうるう年だから、
今日は365日目。

横浜の東横線妙蓮寺駅1分の、
鳥ひろ。
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秋田出身のご亭主が、
焼き鳥屋を始めたが、
名物はきりたんぽ鍋、1600円。

もちろん焼き鳥も。
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ただし注文しても、
なかなか出てこない。

それでも人気店で、
土日曜の夕方など、
家族連れ、カップル、
一人客などで満杯。

その、鳥ひろが、
今日で閉店。
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私も最後の鳥ひろに、
最後の焼き鳥を食べに行った。

店は最後の客で、
ひどく賑わっていた。

しかし、さみしい限りだ。
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一方、イオンモール㈱は、
「経常益最高」

日経新聞の投資情報欄。
2016年第3四半期の連結決算。
日経だけの先行報道。

だからこういう表現になる。
「テナント賃料収入の増加で、
売上高にあたる営業収益は
16%増の1950億円前後だったようだ」

「3~11月期の連結経常利益は
前年同期比7%増の300億円前後」

そして「この期間としては、
過去最高を更新したようだ」

この時期、イオンモール今治新都市など、
国内で3モールを新規に出店。
ファッションビル運営のOPAを子会社化。
17モールを大型改装。

シネコンとフードコートのマッチングが、
日本映画の大ヒットで奏功した。

映画「君の名は。」も、
イオンモールの最高益に、
大いに貢献した。

店揃えの面では、
苦戦する衣料関連のテナントを、
キッズスペースや飲食店に入れ替えた。

さらに「ブラックフライデー」セールは、
「想定を大幅に上回ったとみられ、
9~11月期の既存店売上高は前年同期比で
10四半期ぶりプラスに転じたようだ」

イオン㈱はまだまだ、
数字に表れるところまで、
改革は進んでいないけれど、
イオンモールは好調。

モール事業の肝は、
店揃えとその改廃。

店は常に世間から、
厳しく評価されている。

そしてその社会的評価と、
経営の継続性によって、
輪廻転生する。

イオンモールは、この輪廻転生を、
ビジネスのエネルギーにしている。

鳥ひろは閉店して、
イオンモールは最高益。

それが2017年の12月30日だ。

さて日経新聞『大機小機』
「画竜点睛を欠く働き方改革」

月刊商人舎11月号は、
働き方改革×人材マネジメント
戦略的HRMしか
小売りサービス業を
救うものはない!!

安倍首相肝いりの
「働き方改革実現会議」
「同一労働同一賃金」実現のための
ガイドラインを発表した。

「正社員と非正社員との間の
合理的な賃金差が何かを、
具体的な事例で示した」

コラムニストの吾妻橋さんが、
厳しく指摘する。

「例えばキャリアコースの一環として
定型的業務で働く正社員は、
これを指導する立場の
同一業務の非正社員より
高給でも問題がない、としている」

「同一労働同一賃金」は、
仕事が同じなら、
賃金も同じにすること。

しかし、今回のガイドラインは、
日本の雇用慣行を、
変えないことを前提にしている。

だから、このキャリアコースの例は、
当初の理念からは離れてしまったし、
逆に慣行を正当化している。

これでは「画竜点睛を欠く」
「画竜」は「がりょう」と読む。
念のために。

「限られた範囲の正社員に
長期の企業内訓練を与える雇用慣行は、
戦後の高い成長期に普及した」

「その前提条件が大きく
変化したにもかかわらず、
なお固守されている」

コラムニストの主張。
「市場経済では本来、
需要や生産の変動に応じた
雇用調整は避けられない」

日本の仕組みは、
「もっぱら非正社員の雇用を
景気変動の調整弁としている」

アメリカの雇用調整の考え方。
「勤続年数の短い順に
補償金を受け取って
一時解雇されるルールが
労使間で合意されている」

解雇されるリスクは誰にでもある。
そしてその数は全体として見れば、
不況の深刻度によって決まる。

アメリカ流は、
「カネさえ払えば解雇していいのか」
と批判されるし、それはある面では、
妥当な指摘かとも見える。

だが、日本の現実は、
中小企業の社員や非正社員が、
「解雇法制がないために、
十分な補償なしに解雇されている」

つまり、今回の「働き方改革」は、
現状を無視した、
「大企業正社員の論理である」

はっきりと言い切った。

経済が長期停滞して、
「正社員を守るための非正社員数が、
傾向的に増え、この『身分格差』が、
大きな社会問題になった」

小売りサービス業で、
業績が悪くなると、
パートタイマー比率を増やすのは、
この構図に他ならない。

コラムニストの結論。
「『働き方の壁』の改善には、
包括的な解雇の金銭補償の
ルール化が不可欠になる」

大胆に映るかもしれないが、
欧米諸国では一般化している。

「企業の利益が、
株主より社員に分配される
日本の雇用慣行」

これが労使の、
長期的な利益共同体を築いた。

この成功体験が、
「必要な改革を妨げる主因」となっている。

正社員も含めた改革を、
タブー視してはならない。

鳥ひろで働いていたパートさんたち、
いったいどんな解雇補償を、
されているのだろう。

もちろん経営者の一存で、
補償や慰労がなされているのだろうが、
中小企業やその非正社員は、
日本全体で見れば、
まだまだ視野の外にある。

輪廻転生と画竜点睛。

真の働き方改革に、
タブーがあってはならない。

〈結城義晴〉

2016年12月29日(木曜日)

よく聴き、直感を働かせ、推論し、原理を探せ。

商人舎は昨日で仕事納め。
今日は、流通問題研究協会の、
IDR望年ゴルフコンペ。

静岡県松田の、
チェックメイトカントリークラブ。
東を臨むと眼下に橋本市。IMG_0267.JPG-6

遠く横浜みなとみらい見える。IMG_0265.JPG-6

南は伊豆大島がくっきり。

そして、夕方の富士の姿。IMG_0273.JPG-6

今年も何度もこの美しさに、
心を癒された。
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充実のラウンドで、
大満足。

一応、玉生弘昌協会会長にも、
齋藤充弘副会長にも、
スコアではいい勝負で、
わずかに凌いだし。

玉生さんはプラネット会長、
齋藤さんは全日本食品会長。

いいゴルフだった。

さて、朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

観念は生き物であって、
鮮度を失わずに俎の上に
のせることには
ある職人的熟練を要する
(中井久夫、精神科医、神戸大学名誉教授)

「刻々と変化する状況を
正確にキャッチするのに、
厳格な方法論はときに邪魔になる」

至言。

「状況に耳を澄ますとき、
聴くほうの耳が
事の軽重を選別してはならない。
聴くべきことを教えてくれるのは
状況のほうだから」

「よく聴くためには、
その微細な変化に臨機応変に
向き合わねばならない」

パスカル『パンセ抄』より。
「直感と推論」

直感によって
判断するのになれた人は、
推論については
何一つこれを理解しない。
なぜなら、彼らは
一目見ただけで

ことの本質を見抜こうとし、
原理を探す習慣が
まったくないからだ。

これに対して、
原理によって
推論するのになれた人は、
直感については
何一つこれを理解しない。
彼らは原理を探すが、
一目見ただけで、
それを見つけることなど
できはしないからだ。
(断章三)

パスカルは厳しい。
直感も推論も、
ともに要求する。

状況に耳を澄まして、
よく聴き、

直感を働かせ、推論し、
原理を探す。

来年もこの姿勢で臨みたい。

最後に日経新聞に企業情報。
ユニー・ファミリーマートホールディングス。
3~11月の第3四半期連結決算。

例によって、日経だけの先行記事。

ユニファミマは9月1日に発足。

だから第3四半期は、
旧ファミリーマートの3~8期に、
統合会社の9~11月期を合算して計算。

旧2社の実績との単純比較では、
営業総収入は5300億円前後、
単純比較で7%減。
営業利益は5%減。

「コンビニの不振を
好調な総合スーパーが
下支えした」

といってもこれは営業利益の話。
日経の関心は利益にある。

コンビニは、
「ブランド力の底上げが進まず、
サークルKサンクスは
既存店売上高の落ち込みが
大きかった」

総合スーパー「利益好調」の理由は、
①不採算店を閉鎖
②店舗の減損処理の前倒し

これは当たり前。

16年11月末時点は216店。
前年同月末比マイナス14店。

来期の政策。
①店舗改装や総菜開発
②レジの刷新と効率的な店舗運営

17年2月期の連結決算予想。
営業総収入は9116億円、
営業利益は565億円。

業容を縮小して、
利益率を上げる。

出直しとしては良いだろう。
しかしコンビニと総合スーパーを、
どう変えるかの、
根本的な戦略は見えてこない。

よく聴き、
直感を働かせ、推論し、
原理を探さねばならない。

〈結城義晴〉

2016年12月28日(水曜日)

「勇者は、勇者を敬う」と「難しい話をやさしくする過ち」

今年もあと4日で、
正月元旦。
IMG_0257.JPG-6

㈱商人舎は今日で、
仕事納め。

しかしこの冬一番の冷え込み。

その最終日に、
月刊商人舎1月号の最終責了。

私の原稿だけが残った。

今年の書き納め。
8300字。

1年間、
ご苦労様でした。

午後には、東京・日暮里。
㈱ダイナム。

タスク・プロジェクト会議。
4月からスタートして、
何とか目標に到達。

みんな、素晴らしかった。

そのあと、打ち上げ。IMG_0262.JPG-6
お疲れ様。

さて、安倍晋三日本国総理大臣。
ハワイのパールハーバー。

アリゾナ記念館で、
犠牲者を慰霊して、
書簡表明。

「昨日、私は、
カネオヘの海兵隊基地に、
一人の、日本帝国海軍士官の
碑(いしぶみ)を訪れました」

その人物とは、
真珠湾攻撃中に被弾し、
戦死した、戦闘機パイロット、
飯田房太中佐。

その飯田中佐の墜落地点に、
碑を建てられた。

攻撃を受けた側にいた、
米軍の人々によって。

「死者の、勇気を称(たた)え、
石碑を建ててくれた」

安倍首相は詩を引用する。
アンブローズ・ビアス。

The brave respect the brave.
「勇者は、勇者を敬う」

「戦い合った敵であっても、
敬意を表する。
憎しみ合った敵であっても、
理解しようとする」

戦争は絶対に、
避けねばならないが、
競争においては、
相手に敬意を表することが、
必須である。

さらに安倍首相は、
エイブラハム・リンカーン大統領の、
有名な言葉を語る。

ワシントンのリンカーン・メモリアル。
その壁に刻まれた言葉。

「誰に対しても、
悪意を抱かず、
慈悲の心で向き合う」。

「永続する平和を、
われわれすべてのあいだに打ち立て、
大切に守る任務を、やりとげる」

最後のメッセージ。
「私は日本国民を代表し、
米国が、世界が、
日本に示してくれた寛容に、
改めて、ここに、
心からの感謝を申し上げます」

よいメッセージだったと思う。

日経オンライン『経営者ブログ』
今年最後の鈴木幸一さん。
インターネットの草分け。
今年も、1年、読ませてもらった。
たくさんの示唆をもらった。

「難しい話を、やさしくする過ち」

「鈴木さんの話は、
飛んでいてわかりづらい」
そんな評価があるという。

「難しい話をやさしくすれば、
理解者を増やすことは
できるかもしれないが、
一方で議論が
本質からそれがちになる」

これは極めて大切なことだ。

「何百年も続いてきた仕組みを
変えてしまうITの本質を理解するには、
難しい話を、難しい話として
理解してもらうしかない」

ITに限らない。

「そう言いはってしまうものだから、
だんだんと政策に関わる話からは
遠ざかることになった。
まして、短い言葉で
多くの人々を動かそうとする
政治の世界には
疎遠のままである」

「一般大衆を動かすには、
3行の言葉で訴えよ」

しかし、
「短い言葉は往々にして
本質をねじ曲げ、
結局は危うい道か、
迂遠(うえん)な回り道を強いられる」

「そんな危惧があって、
黙ってしまうことが多い」

「端的な言葉で人を動かす
才能がないということなのだろう」
鈴木さんは謙虚だ。

難しいことを易しく。
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。

林廣美先生に教わった言葉。

これは結局、
難しいことから逃げずに、
最後には「より深く」を追及する。

そして循環する。

難しい話を、難しい話として
理解してもらうしかない。

しかし難しい話を、
できるだけわかりやすく、
表現する努力を怠ってはいけない。

月刊商人舎では、
このところ、この難しい話を、
特集してきた。

10月号特集は、
Big DATA×「仮説・検証」

11月号特集は、
働き方改革×人材マネジメント

しかし、たとえば、
「働き方改革は、
利益を上げさえすれば、
成就ずることができる」
などという短絡は、
それこそ本質から外れる。

難しいこと、相反するようなこと、
それをポンと投げておいて、
「やり遂げろ」と言うのも、
やはり大きく本質からずれる。

「端的な言葉で人を動かす」
これも、
時と場合によって、
危険なことになる。

「難しい話を、やさしくする過ち」
以て自戒とすべし。

〈結城義晴〉

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