結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年04月03日(金曜日)

ユースキン製薬社員総会講演と伊勢丹・すき家の新型店/新価格

4月に入って、3日。
低気圧に覆われ、強い風が吹く。

昼頃、川崎へ。
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ユースキン製薬株式会社。
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1955年創業で、
今年3月11日、
60周年を迎えた。

その社員総会が開催され、
私も招待された。

社長の野渡和義さんは、
私の中学・高校の器械体操部の先輩。
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午後の第二部が講演会。
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真ん中で話している齊藤和之常務が、
ドラッカリアンで、
今日のテーマは、
「ピーター・ドラッカー」。
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ユースキンの社員・幹部の皆さんに、
「ドキドキ・ワクワク・ニコニコ」の真髄を、
90分語った。
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まずは、月刊『商人舎』、
昨年の7月号。
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上田惇夫先生にご登場願って、
特集「The Retailer’s Druckerism」
ドラッカー・マネジメントの学び方・極め方 

強調したのは、
マネジメントの本質。
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「人の強みを生かすこと」

そして責任の組織化、
自己管理の目標管理、
そしてコミュニケーション。
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あっという間に90分。
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パワーポイントを使わない講演も、
とてもいいもんだ。

その講演のあとは、質疑応答。
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面白い質問で、
「ドラッカーがなぜ、
学者に受けないのか」

二つの理由を答えた。
ここでは内緒。

いい講演会だったと思う。
ご清聴を感謝したい。

その後は第三部。
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バイオリン演奏会。

会場はユースキン製薬本社4階。DSCN9913-5
素晴らしい景色。

演奏は大谷康子さん。
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東京芸術大学出身のナンバー1。
40年のプロ演奏家で、
2010年文化庁「芸術祭大賞」受賞。
「題名のない音楽会」には340回以上の最多出演。

目の前で、
日本のトップバイオリニストの、
気の入った生演奏。

その息遣い、指使い。
なめらかな音色。

音を出すのは、
あのストラディバリウス。

堪能した。

すばらしい。
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ユースキンの社員の皆さん、
幸せだ。
ー5

演奏会が終了して、
野渡先輩とテラスで写真。
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このあと、第四部の懇親会にも、
参加させていただいて、
社員の一人のように仲間に入れてもらった。

いい商品をつくり、
いい会社にしてください。

さて日経新聞の『消費Biz』
「百貨店が新型店」の記事。

三越伊勢丹ホールディングスが、
東京ミッドタウンに
「イセタンサローネ」1号店を開く。

欧米の高級衣料や雑貨の、
約90ブランドをそろえた高級店。

想定客単価は5万円。
伊勢丹新宿本店よりも大幅に高い。

売場面積は約900㎡。
フロアごとに、約30㎡のサロンを設ける。
これは試着室を兼ねたスペースで、
それが店名にも使われている。

イセタンサローネ種村俊彦店長。
「これまで百貨店での買い物に
価値を感じていなかった世代へ、
伊勢丹が持つ魅力を凝縮して発信する」

このあと、名古屋市などの都市部で、
10店ほどの店舗展開を図る。

顧客ターゲットは、「ニューリッチ」。
起業や投資で新たに富を築いた富裕層で、
40代が中核。

世帯収入の高いダブルインカムなども、
このニューリッチに入ってくる。

野村総合研究所調査。
純金融資産1億円以上の富裕層・超富裕層は、
2013年に100万世帯を超えた。
この客層を狙う。

東急百貨店、Jフロントリテイリングも、
新しいフォーマット開発をする。

すでに従来型大型百貨店は、
その新規出店余地がない。

三越伊勢丹HDの大西洋社長の発言。
「中間層の消費はまだ回復しきっていない」

そこで新しい超高級フォーマットへの挑戦。

このブログでは盛んに紹介しているが、
アメリカの百貨店戦略は、
全企業がオフプライスストアに向けられている。

私はこちらが本命だと考えているが、
日本の経営トップの視線は、
逆のほうに向いている。

さて、いかに。

イセタンサローネも、
今後を注目するとは言わないが、
様子を見守っておこう。

一方、これも日経新聞だが、
「すき家、賭けの値上げ」
もう、私の観点に答えてくれる新聞は、
日経しかない。

ゼンショーホールディングスの「すき家」
牛丼チェーン3強の中で、
最後まで並盛り200円台価格を守ってきた。

それが値上げ決定。
現在291円の並盛りは350円。
牛丼49アイテムを42~62円値上げする。

吉野家ホールディングス、
松屋フーズ、
ともに380円。

それに合わせるプライスライン。

すき家は昨年8月にすでに、
並盛りを21円高い291円に値上げしていた。
商品内容は見直さず価格だけをアップ。

それでもライバルに対して、
唯一の200円台だったから、
大丈夫だとの判断。

しかし、客足は、
目に見えて鈍った。

昨年8月というのも
中途半端な時期だ。

4月から消費増税が始まったから、
その時になにかしておかねばならないし、
その後は動いてはいけない。

だから今回の再値上げにも、
慎重にならざるを得ない。

すき家の値上げの理由は二つ。
一つは原材料価格の上昇。

牛丼に使うのは米国産バラ肉、
ショートプレートと呼ばれる。
その国内取引価格は現在、
1キロ800円台。
1年前より2~3割高。

すき家値上げのもうひとつの理由は、
労務問題。

ゼンショーには足かせがある。
深夜営業休止。

いままで必死で再開の努力をしてきたが、
3月末時点でもまだ616店が再開できない。
3割の店舗だ。

だから15年3月期の連結営業利益は、
前の期比7割弱のダウン。

止むにやまれぬ値上げの内容は、
牛肉・タマネギなど具材の増量。
並盛りで20%増やす。

しかし果たしてこれで、
客足を繋ぎ止めることができるか。

三越伊勢丹はニューリッチを狙い、
牛丼のすき家は増量して値上げ。

三越伊勢丹は百貨店業界第一位、
ゼンショーは外食産業トップ

そんなナンバー1企業の政策だが、
どうも本命とは見えない。

それが現在の小売サービス業界。
ピーター・ドラッカー先生が生きていたら、
なんとコメントするのだろう。

あなたたちは、
ドキドキ・ワクワクする仕事を、
していますか?

〈結城義晴〉

2015年04月02日(木曜日)

4月商人舎標語「世間良し、天も良し」とセブン&アイ一本足打法

横浜の桜は今日、満開。

商人舎のそばを流れる新田間川、
その遊歩道にも美しく咲き乱れる。
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1日中、商人舎オフィスで、
月刊『商人舎』4月号の最終入稿と責了。
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ランチは遊歩道脇の牛角で、
なぜかカルビ&ハラミ定食。

それから散策。
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いい気分です。
すごく眩しいけれど。
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4月号の特集は、
「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
面白くて、役に立って、
テレビなどでは表現できない、
経営雑誌らしい特集。

ご期待下さい。

その4月号の巻頭Message。
それが4月の商人舎標語でもある。

「世間良し、天も良し。」

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

近江商人の商売哲学にして、
世界商業の現代化原理。
「三方良し」。

リアル店舗のスーパーマーケットも、
ネットスーパーのイトーヨーカ堂も、
移動スーパーの「とくし丸」も。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

こうでなくてはいけない。
商売の神様も仏様も、
解脱の手助けはしてくれない。

それが小売業の近代化の次に、
商業の現代化を果たすときにも、
貫徹すべき大原則である。

規模のメリットを追求し、
生産性の向上を追いかけ、
結果、行き詰まってしまった近代小売業。

ここまでは工業化すべきであり、
ここから先は工業化してはならない。
二つの性格を持った産業。

それが私たちの小売業、
私たちのチェーンストア、
私たちの消費産業。

リアル店舗小売業も、
ノンストアリテイリングも、
ネットスーパー、移動スーパーも。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。 
〈結城義晴〉

今月のスローガンは、
「三方良し、天も良し」でいきましょう。

よろしく。

さて、商人舎公式ホームページ上段のテロップは、
提携している「流通ニュース」。
今日4月2日のニュースは、
各社の決算がズラリ。

今日の決算報告のセブン&アイ関連の、
タイトルだけ引き出してみる。

セブン&アイ/
新年度の売上高6%増の6.4兆円、
営業益8.6%増を予想。

セブン&アイ/
2015年2月期の売上高7.2%増の6兆389億円、
当期利益1.5%減。

セブン-イレブン/
2月期は売上高8.4%増、営業利益5.0%増。

イトーヨーカ堂/
2月期は売上高2.0%減、営業利益83.4%減。

そごう・西武/
2月期は売上高0.2%増、営業利益0.8%増。

ヨークベニマル/
2月期は売上高4.2.%増、営業利益0.8%増。

セブン&アイ・フード/
2月期は売上高3.1%増、営業利益80.3%減。

前期の決算で、
きちんとした増収増益はセブン-イレブンのみ。
ヨークベニマルは増収、微増益、
そごう西武は微増収微増益、つまりとんとん。
減収大減益がイトーヨーカ堂で、
フードシステムは増収減益。

業態別盛衰一覧表の如き、
セブン&アイの2014年度決算。

結果、セブン&アイ・ホールディングは、
売上高6兆389億4800万円で、
前年同期比7.2%増。
営業利益3433億3100万円で1.1%増、
経常利益3414億8400万円で0.7%増、
しかし当期利益1729億7900万円で1.5%減。

日経新聞の編集委員で、
流通専門家の田中陽さんは、
この現象を「一本足打法」と名付けた。

新年度はこの一本足のセブン-イレブンに加えて、
オムニチャネル戦略とセブン銀行を、
もう一本の足にする方向であるという。
「二本足打法」。

そのオムニチャネルの名称は、
セブンネットショッピング。

だから収益の柱は、
セブン-イレブン、
セブン・ネットショッピング、
セブン銀行、
つまりセブン・トリオとなる。

これは田中陽さんの見立て。

まあ、セブンの名称が付くのはもう一つ、
セブン&アイ・フードシステムズで、
この社長はわが友・大久保恒夫さん。

早いところ、
セブン・カルテットには、
なって欲しいところだ。

もちろん戸井和久社長のイトーヨーカ堂も、
真船幸夫新社長のヨークベニマルも、
松本隆社長のそごう西武も、
セブン・カルテットに負けず、
それぞれに増収増益を目指してほしい。

結城義晴流に言えば、
ムカデ打法だ。

特にイトーヨーカ堂は3月8日に、
ネットスーパーのダークストアを、
西日暮里に実験オープンさせた。
月刊『商人舎』4月号で、
丁寧に取材したが、
これは優れもの。

そしてこれもオムニチャネルの、
基幹システムとなる。

新しいビジネスモデルの構築に、
チャレンジしなければ、
成長はない。

これは火を見るよりも明らかなことだ。

しかし、
買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

絶対に貫かねばならない。

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夜桜は美しい。

〈結城義晴〉

2015年04月01日(水曜日)

4月1日、転機の指針は必ずおめでたい方向を指している。

4月に入りました。

毎日新聞の巻頭コラム『余録』が、
「エープリルフールのパラドックス」を書いた。

――「今日はだましてやるからな」
と兄が弟にいう。
弟は身構えて一日を過ごし、
「だまされなかったじゃないか」というと兄は
「だまされると思ってたんだろう。
ほら、だまされた」――

今日は各地で、入社式。

おめでとう。

希望を持って入社してきた人たち。
小売サービス業、消費産業に、
ようこそ。

それから転勤、転職。
進学、進級。

いずれも、おめでとう。

人生の転機は必ず、
おめでたい方向に向いている。

今日は突然だったけれど、
足立幸一さんが、
商人舎オフィスを訪ねてくれた。
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㈱LIXILの店名「建デポプロ」の切り札店長。
ブレインズ&ハンズの男。

立教大学大学院修了の修士で、
我が結城ゼミ5期生のゼミ長。

『立教ビジネスデザイン11』を持参してくれた。
この冊子の一番前に、
足立さんの紀要論文が乗っている。

テーマは、
「建材流通における
ホームセンターと専門店の業態盛衰」
私が指導した結城ゼミの本命論文で、
大変、いい研究でした。

その足立さん、今日、
北海道は札幌に転勤。
この足で羽田から新千歳へ。
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おめでとう。
固い握手。

かつてチェーンストア産業は、
北の新天地・北海道を、
日本のカリフォルニアと呼んだ。

しかしそこからは、
独自のイノベーションが生まれ、
ユニークな企業が誕生した。

アークスやラルズ、
ニトリホールディングス、
ツルハホールディングス、
札幌ドラッグストアー、
セイコーマートなどなど。

今日から日経新聞『私の履歴書』に、
似鳥昭雄さんが登場する。

そんな北海道へ、
足立幸一が赴く。

頑張れ。

彼の地で、嵐を巻き起こせ。

さて、第87回選抜高等学校野球大会、
決勝は敦賀気比高校が、
東海大学第四高校を破って優勝。

おめでとう。

足立くんが向かった北海道代表は落胆。
北陸新幹線開通で沸く福井は、
北陸勢として初の甲子園大会制覇。

北陸新幹線はまだ、
福井までは開通してはいないけれど、
おめでとう。

春の甲子園が終わって、
関東でも、桜が散り始める。
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そうして時は過ぎていく。

さて日経新聞の消費Biz欄。
「消費増税から1年がたち、
小売業の業績は
格差が鮮明になっている」

コンビニではセブン-イレブン・ジャパンが、
既存店売上高31カ月連続で前年超。

2位ローソン以下は前年割ればかり。

3位ファミリーマートと4位サークルKサンクスは、
統合して三占状態がくっきり。

今日、後者の親会社のユニーグループHDが、
ファミリーマートに吸収される形で、
統合検討委員会が立ち上がった。

そんなことも考慮に入れて、記事は指摘する。
「相対的に価格が高めのコンビニ」から、
都市部の食品スーパーマーケットに、
顧客が流れている。

ライフコーポレーション、
マルエツ、ヤオコー、
サミット、いなげや、エコス、エトセトラ。

ドラッグストアもやや曲がり角に来て、
大都市圏のスーパーマーケットは好調。

しかし、地方では、
消費者の節約志向は依然、強くて、
ディスカウントストアが支持を集める。

今日のdaily商人舎の記事は、
山口・丸久と大分・マルミヤストア
経営統合で
155店舗1200億円企業誕生

おめでたいのだろう。

周辺のローカルチェーンも巻き込んで、
さらなるM&Aが進行する。

私の持論は、
「範囲の経済の中の寡占・三占・複占」

10年以上も言い続けているが、
それが加速し始めた。

昨年の月刊『商人舎』4月号は、
「誰が価格を決めるのか?!」

私が執筆した巻頭提言。
2014 消費増税と新価格体系への処方箋
それから、
「増税価格戦略」イオンへの12の質問状

ユニバース社長・アークス会長 三浦紘一の
「真っ正直商法」&「大台価格セオリー」

エブリイ 増税後の
「価値訴求」と「100品目値下げ宣言」

さらに上田隆穂学習院大学教授の
価格決定の原理原則と応用技術

今、1年後の4月1日に読み返しても、
必須の考え方や技術。
大いに役に立つ。

ネット上でも構わない、
再読をお奨めしたい。

さて、4月に入って、
新年度に突入した企業も、
これからの1年がスタートした。

日銀発表の3月の「短観」は、
「緩やかながらもデフレ脱却の動き」を示す。

転機の指針は必ず、
おめでたい方向を指している。

それを信じて、
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

よろしく。

〈結城義晴〉

2015年03月31日(火曜日)

商人舎7度目の決算報告と「デフレは終わった説」

3月最後の日。

春爛漫。
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夕桜けふも昔になりにけり
小林一茶がこう詠めば、
加賀千代女はこうつぶやく。
けふまでの日はけふ捨てて初桜   

一方、一茶の愛弟子・西原文虎。
かゝる代に生れた上に櫻かな

こんなにいい時代に生まれて、
その上に桜。

昨日は商人舎オフィスに来客。
㈱商人舎顧問税理士の宮田昇先生、
後藤周太郎税理士も同道。
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2015年1月期決算。
設立以来7度目の決算。

過去最高の売上高。
売上総利益も過去最高。
総資産も過去最高。
無借金経営。

ただし一昨年から、
月刊『商人舎』を発刊し始めたため、
営業利益や経常利益は、
まあまあの合格ライン。

流通消費産業界へのご恩返し、
社会的貢献だと考えて、
利益を削って、持ち出しをしつつ、
「紙と網の融合メディア」を続けていきます。

宮田先生には、
「お手本のようなきれいな決算」だと、
褒めていただきました。

ありがとうございます。

もうお一人は、丸山正博さん。
一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボード専務理事。
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パチンコホール経営企業の社会的地位向上を目指す、
業界外の有識者・専門家による第三者で構成する組織。

私はこの法人が設立された時から、
ずっと有識者懇談会の専門委員を務めてきた。
2カ月に一回、参集して議論する。
そしてメッセージを発する。

しかし昨年度は渡米が重なり、
一度しか出席できなかった。

その間、ダイナムジャパンホールディングスと、
ニラク・ジー・シー・ホールディングスが、
香港株式市場に上場を果たした。

一定の成果が上がった。

そこで昨年度いっぱいで、
有識者懇談会の専門委員を辞することにした。

長い間、お世話になりました。
ありがとうございました。

さまざまの事思ひ出す桜かな
〈松尾芭蕉〉
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商人舎magazineの、
daily商人舎ワールドニュース。
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスによる
米国3位ライトエイド買収の噂と三占・複占
私の持論を、書き下ろしました。
読んでください。

さて、日経新聞コラム『大機小機』
タイトルは「デフレは終わった」

コラムニスト一直氏が注目するのは、
2014年10~12月期の国内総生産、
そのGDPデフレーターの数値。
これは国内生産ベースの物価を示すが、
その数値が1997年以来、17年ぶりに、
プラスに転じて1.7%上昇した。

だから「デフレは終わった」

ところが専門家や消費現場では、
「デフレ脱却いまだし」の空気。

黒田東彦日銀総裁の最近の発言も同様。
その理由は、消費者物価が、
原油安の影響で低迷しているからだ。

直近2月の消費者物価上昇率は、
生鮮食品除くと前年比2.0%。

消費増税の影響は2%。
だから消費者物価は、
ほぼ1年前と同じだった。

日銀の「異次元の金融緩和」は、
「消費者物価の前年比上昇率が
安定的に2%に達する」ことを目標にしている。

「1年前と同じ」という見立ては、
安定的な2%には達していないことになる。

コラムは指摘する。
「これをもって異次元緩和を
さらに加速させるようなことがあるとすれば
将来に禍根を残す恐れがある」

デフレが終わったから、
異次元緩和もやめろ。

そうしないと、
もっと恐ろしいことになるぞ、
との警告。

インフレターゲット政策の、
最も難しいところ。

さらにもう一つの理由。
「国民のインフレ期待の醸成には、
日常品の価格のみではなく、
企業向け製品の価格動向も、
きわめて重要だ」

BtoCの価格だけでなく、
BtoBの価格動向も重要。

黒田総裁の最近の発言。
「人々のインフレ予想が明確に上昇した」
つまり国民はインフレを期待している。
それがコラムニストの見方。

政府は3月の月例経済報告で、
景気判断を上方修正した。
理由は、生産や輸出が上向いているから。

したがって最後の問題は、
消費増税で冷え込んだ個人消費となる。

こちらの回復はまだ十分ではない。
私たち流通小売業が一番、
それを実感している。

コラムニストは、
主要企業の本格的なベースアップの実現が、
消費を活性化させると判断する。

「所得増加が消費増加につながる構図」が、
着実に出来上がってきているとするが、
構図は出来上がっても、
現場がそれに伴わねばならない。

結語は、
「20年近くに及んだデフレは
終焉しつつある」

しかし、しかし。
こちとらは花が咲こうが咲くまいが   
〈小林一茶〉

大衆の財布の紐は、
そう理論通りに緩んではくれない。

ゆめゆめ油断はならない。

〈結城義晴〉

2015年03月30日(月曜日)

本物の実務家しか持たない「謙虚さ、思慮深さ、誠実さ、鋭さ」

Everybody! Good Monday!
[2015vol13]

2015年も第14週。
3月最終週で、
週中の水曜日から4月。

昨年は消費税増税の切り替えの週で、
世間は騒然としていた。

今年は穏やかな4月への移行。

一月往ぬる、
二月逃げる、
三月去る。

2015年の弥生も、
去ってしまって、
卯月がやってくる。

三日降り三日晴れて木の根明け
〈日経俳壇より 長岡・柳村光寛〉

木の根明けは、雪国で、
木の幹の周囲に隙間が空き始める現象。

そして桜が咲く。
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昼休みに三ツ沢公園を散策。
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横浜の桜の名所。
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こんな桜もいい。
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春休みの子供たちが、
集団で遊んでいる。
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のどかな光景。
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日の本を駅伝のごとく桜咲く
〈朝日俳壇 青森市・浅田剛〉

桜前線が俳人の住む青森まで動くのは、
あと1週間か。

今週の販促企画は、
商人舎magazine、
weekly商人舎の日替わり連載。
月曜朝一・今週の販促企画。

この記事にもあるように、
甲子園の春の選抜高校野球は、
ベスト4が揃って、
明日、準決勝。

実は昨日の準々決勝が、
一番面白い。

雨の中の試合だったけれど。

そしてプロ野球。
セントラルリーグは、
阪神タイガースが三連勝で、
幸先のいい出足。

日経新聞のスポーツコラム『選球眼』
編集委員の島田健さん。

「27日はプロ野球の開幕日だったが、
スポーツファンにとっては
忙しい一日となった」

昼間に選抜高校野球、
夜はプロ野球。
サッカーは、
日本代表の国際試合と五輪アジア予選。
さらに女子ゴルフにフィギュアスケート。

「スポーツ全般に
興味をもっている人にとっては
ありがた迷惑だった」

というより、
スポーツマスコミにとって、
ありがた迷惑だったはず。

島田さん、愚痴っぽく語る。
「日本のスポーツは
横のつながりが少ないように見える。
同じ日にビッグイベントが重なると、
当然、メディアの扱いも
一つ一つが小さくなってしまう」

「野球界では選抜高校野球と
プロ野球が重なるのがいつも、
もったいないと思っている」

「野球という競技に統括団体がない、
一つの弊害だろう」

これはどんな世界でも同じで、
統括団体がないと、
顧客や市場の期待を、
裏切ってしまうことが多い。

さて、これも日経新聞『私の履歴書』
3月は古川貞二郎さんが書いてきた。
元官房副長官で官僚のトップ。
歴代内閣の裏側が興味深く綴られている。

先週金曜日から今日まで、
小泉純一郎内閣時代の話。

これが面白い。

「小泉さんは強運の持ち主であり、
政治センスも抜群だった。
しかも明確に方針を示してぶれない」
古川さんは何度も強調する。

そして小泉を支えた福田康夫官房長官。
第1次・第2次小泉内閣の女房役。
実はこの時の官房副長官が、
安倍晋三現首相だ。

古川さんは安倍さんと並んで副長官。

「小泉純一郎総理は
『聖域なき構造改革』を掲げ、
組閣では派閥の影響を排除するなど
斬新な政治手法で人気を集めた。
高い支持率を背景に、
リーダーシップを発揮して
経済構造改革や特殊法人改革、
郵政改革などを推し進めた」

そのエピソードの一つ。
「地球温暖化のボン会議で
日本が窮地に立ったことがあった。
このまま会議を続けるか、
開き直って会議を中断するか
日本代表団の意見が分かれ、
代表の川口順子環境大臣から
官邸の私に電話が入った」

川口さんからの緊急電話を受けた小泉首相。
「じっと聞いていた小泉さんは
『続けてくれ。あとは任せる』とたった一言。
トップリーダーのこの一言で
割れていた日本代表団が一致結束し、
難関を乗り切ることができた。
これが小泉流だった」

きっぱりと判断し、
あとは任せる。

古川さんは8年7カ月の在任期間中、
「原則毎日、古川番の記者と記者懇談会をやった」
通称「番懇」。

週5日のうち、4日は自宅、1日だけ官邸。
その自宅懇談は夜10時からの開始。

この番懇で古川さんが心がけたこと。

第1は「絶対にミスリードしないこと」
「私からは特ダネはとれない代わりに
ミスはさせないよ」
口癖だった。

第2は「いかに理解してもらうかにも腐心した」
新米記者よりやや上の記者の理解度を、
図りながら話した。
分からないようだったら言い方を変えた。

さらに「努力した記者」が、
一線に並ぶことがないよう苦心した。

未公表の人事情報などの確認を求められた時には、
基本的に正しい情報には「ノーコメント」、
間違った情報には「やめた方がいい」。

全体を読んでいると、
壮大な自慢話ではあるが、
それを直接、書くことは一度もない。

極めて大人の書き様。

それが歴代内閣から最も信頼された、
諸葛孔明か黒田官兵衛のような懐刀・古川貞二郎。

本物の実務家しか持たない、
謙虚さ、思慮深さ、誠実さ、鋭さ。

それが内閣という総括団体を、
正しくリードした。

3月いっぱい、
経営を考えるという側面からも、
実に有益な勉強をさせてもらった。

3月の商人舎標語。
「この一瞬を積み重ねよう」

一瞬一瞬に、私たちは、
謙虚でなければいけない。
思慮深く、誠実で、
それでいて鋭くなくてはいけない。

では、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2015年03月29日(日曜日)

ジジのおしごと[日曜版2015vol13]

ジジです。
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ねむい。
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「春眠暁を覚えず」
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おとうさんは、
おしごと。
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資料の整理。

その足もとで、
ボク、ねむい。
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でも、おとうさん、
うるさいです。
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なぜ、おしごと、
するの?
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おもしろいから?
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たのしいから?
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お金がいるから?
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ボクも、おとうさんみたいな、
おしごと、しなくていいの?
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ボクのおしごとは、
なんですか?
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おとうさんのおてつだい、
できないし。
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そばで、ねてるだけだし。
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それでも、いいんですか?

「それで、いいんだよ。
じゅうぶんだよ」

ほんと?
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ありがとう。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

 

2015年03月28日(土曜日)

NFMのミセスBと大塚久美子と「2020年の女性役員」

日本プロ野球が開幕し、
春の選抜高校野球はベスト8が決まる。

いい季節です。
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横浜は今週から、来週が、
絶好の花見日和。
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商人舎オフィス横の新田間川の桜。
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もうすぐ満開です。

さて大塚家具の親娘争い。
毎日新聞と日経新聞が、
巻頭コラムで取り上げた。

毎日の『余録』は、
人々が暮らす空間と「家具」の話。

「家具」は昭和の新語。
それまでは「道具」と呼ばれた。
その前の日本には、
大きな家財はなかった。

大塚勝久は、たんす職人の家に生まれ、
高級家具の会員制販売で一時代を築く。

道具から家具へ。
日本人の生活空間が一 変した時代の
ファミリーヒストリー。

だから結論は、
「経営がにらむべきは
人々が暮らす空間の明日だろう」

かっこいい終わり方で、
コラムニストは自己満足しているだろう。

私は「家具の大衆化」の、
次の段階を見つめなければならないと思う。

一言で言えばそれは、
明日のホームファニシングの世界だ。

日経新聞の『春秋』は、
ネブラスカ州オマハのミセスBの話。
ネブラスカ・ファニチャー・マート(NFM)の創業者が、
ロシア移民のローズ・ブラムキン。

ウォーレン・バフェットの伝記『スノーボール』に、
出てくる話。

そのミセスBの経営のモットーは二つ。
「安売り」と「正直商売」。
利掛け率を10%にして、値引きはしない。

1893年生まれのロシア系ユダヤ人。

ウォルマートのサム・ウォルトンが、
1918年生まれだから、
サムもミセスBには影響を受けているはず。

エブリデー・ロープライスの戦略は、
ミセスBの商売哲学そのものだからだ。

ミセスBは週7日間、52週、
毎朝5時に起床し、休まず働き続けた。

71万平方フィートの店内を、
ゴルフカートで動き回り、
従業員に檄を飛ばし続けた。

ユーモアのセンスと抜群の記憶力を持つ、
ベジタリアン。

しかし学校に行ったことがなく、
話すことは達者でも、
英語の読み書きはできなかった。

ネブラスカ・ファニチャー・マートは、
オマハの家具市場の3分の1を占め、
年商1億ドルを超えた。

そのミセスBの会社を、
オマハの賢人バフェットは1983年の夏、
5500万ドル(55億円)で買収。

バフェットは買収後も、
経営には一切口を出さず、
ミセスBを褒め続けた。

ライバル店は消え、
遠くの街からも客が訪れた。

コラムは書く。
「人々をとらえたのは
安さや透明な値付けばかりではあるまい。
灰色混じりの髪を束ねて駆け回る、
身長150センチ弱の経営者の姿も
そうだったろう」

これは大塚久美子社長に、
「ミセスBを目指せ」とのメッセージだ。

その日経新聞が女性役員特集を組んでいる。
その一面記事は上場企業調査の報告。

2月現在の上場企業513社の回答。

この時点で、女性役員がいた企業は34%。
さらに「目標はないが誕生する見通し」の企業11%、
「5年以内に登用する目標を立てている」企業は6%。

合計すると2020年までに、
過半数の上場企業で
女性役員が誕生する。

ただし女性役員のいる企業のうち、
社外取締役のみ女性がいるケースが3割。

さらに役員に占める女性比率は、
2.9%だった。

女性の社内役員がいない理由の6割近くは、
「社内に実績の伴う候補者がいない」

記事の最後にある一文。
「女性役員比率の上位企業には、
流通・サービス業が多く見られた」

流通サービス業に多い女性役員。
その理由の一つは大塚家具のように、
創業家出身の女性経営者が多いからだろう。

ダイバーシティ論議は盛んだが、
ミセスBほどの女性経営者像は、
過去のものなのだろうか。

大塚久美子さんは、
ミセスBになれるのだろうか、
それとも新しい経営者像をつくり出すのだろうか。

日本マクドナルドホールディングスは、
大塚家具の2日前に株主総会を開いた。

カナダ人女性経営者サラ・カサノバは、
新しい経営者像なのだろうか。

「社内に実績の伴う候補者がいない」
6割の企業が挙げた理由こそ、
この問題の現状を示している。

それでも2020年に過半数の上場企業で、
女性役員が誕生する。

できれば社外役員でなく、
社内役員で誕生させて欲しいなぁ。

〈結城義晴〉

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