結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年03月27日(金曜日)

大塚家具のポジショニング政策と社外取締役の役割

12月期決算上場企業の株主総会が集中する日。
全体の4割の約140社が開催。

委任状争奪戦で紛糾した㈱大塚家具。
2014年度年商555億円、
2億4200万円の経常赤字。

その定時株主総会。
出席者数は前年の10倍、
しかしそれでも約200人。

ということは昨年までは20名ほどで、
シャンシャン総会をやっていたのだろう。

今回は衆目の集まる中、
会社側の取締役選任案が可決された。

つまり大塚久美子社長側の勝利。
「大塚家を除いた議決権行使数で
約8割の株主が会社提案に賛成した」

総会後の取締役会で、
久美子社長続投が決定され、
父で創業者の勝久氏は会長を退任。
それでもいまだ個人株主として、
約18%を保有する。

会長対社長の対立の理由のひとつは、
その販売政策。

会長は会員制高価格商品販売政策、
社長はカジュアル店舗づくり。

要取引先のひとつに、
フランスベッドホールディングスがある。
その判断が面白い。
「高級路線に活路を見いだすしかなく、
勝久氏への賛同は妥当」

ニトリやイケアが隆盛の家具小売業界。
カジュアル店舗は、
その中に埋没してしまう。

この判断も、ひとつの戦略。

問題はどちらの政策も、
それを突き詰めて、
ポジショニングを確立しなければ、
上手くはいかない。

大塚家具の場合は特に、
何をするかよりも、
いかにするか。

大塚家具には、
それが求められている。

今回の株主総会ラッシュの中のトレンド。
「社外取締役」の選任。

日経新聞は報じる。
「ユニ・チャームが初の、
社外取締役2人を選任するなど、
企業統治の体制を強化する企業が相次いだ」。

ユニチャームはその上で、
「監査等委員会設置会社」への移行も決議。
これは社外取締役が監査も担当できる体制。

「キリンホールディングスは
独立性の高い社外取締役を2人に増員」

会社法2条15号で「社外取締役」は、
「株式会社の取締役であって、
現在及び過去において、
当該株式会社またはその子会社の
代表取締役・業務執行取締役
もしくは執行役または支配人
その他の使用人ではないものをいう」

第一の目的は監督機能強化。
だから会社の最高権限者と直接の利害関係のない、
独立した有識者や経営者などから選任される。
基本的に、その会社の業務を執行しない。

つまり監督の機能を分離して、
独立性と透明性の高い監視機能を持たせる狙い。

一方で、同じ企業内の慣習等に縛られない、
新たな発想や理念を取り入れるという目的も、
社外取締役選任にはある。

ユニチャーム高原豪久社長。
「監査を強化し、
成長と規律のバランスを取った統治構造にする」

さて商人舎オフィスに、
見事な胡蝶蘭が届けられた。
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㈱伊藤園社長の本庄大介さんから。IMG_5538-5
驚いたが、ありがたく頂戴した。

それにしても見事な胡蝶蘭。
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博多人形に代わって、
ここに落ち着いた。
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本庄さんの配慮は、
私が第一屋製パン株式会社の、
社外取締役に就任したから。

同社細貝理榮会長は、
㈱商人舎発足の会の発起人のお一人。

伊藤園の本庄八郎会長も、
発起人のお一人だけれど。

細貝さんとは、もう、
20数年のお付き合いで、
これまでも随分とお世話になった。

その恩返しの意味も込めて、
社外取締役就任のご要請を、
謹んでお引き受けした。

そして第一屋製パンも、
この総会ピークの日に、
株主総会を開催。

120名ほどの株主が参集して、
暖かく経営を見守り、
積極的なアドバイスなどの発言があった。

私はその後、横浜に戻り、
新田間川の川べりを歩いて、
春の気分を味わった。
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さらに東京・御成門、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱へ。
社長の米倉裕之さん、
取締役の石井賢治さんから、
報告を受けて、懇談。

さらにそのあと、上野池之端の東天紅。
第一屋製パンの新旧役員歓送迎会。

そして若手役員の二次会。
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左から第一屋製パン常務の細貝正統さん、
取締役の小室英夫さん、
高嶋進さんと前川智範さん。

随分と盛り上がって、
改革の志を燃やした。

〈結城義晴〉

2015年03月26日(木曜日)

統一地方選と「おもてなし三原則」と「機能性表示食品」

第18回統一地方選挙。
今日、10道県知事選告示でスタート。

前半と後半に分かれる。
4月12日投開票の前半は、
知事選と5政令市長選、
41道府県議選、17政令市議選。

4月26日投開票の後半は、
一般市と東京特別区の市区長・市区議、
それから町村長・町村議の選挙。

選挙に行こう!
投票しよう!!

12日は4月第3日曜日、
26日は第5日曜日。

いつものように、
小売サービス業の従業員が、
選挙し、投票すれば、
社会が変わる。

期日前投票ももちろん、ある。
それぞれ前日まで可能。

さらに今回は、全国12大学に、
期日前投票所が設置される。

大学生に政治参加を呼びかける取り組み。

朝日新聞の『天声人語』
千葉県流山市会議員の松野豊さんの言葉。
29歳で初当選し、4期を務めた45歳。
今回は立候補しない。

その松野さんの述懐。
「議会改革に明け暮れた16年でした」

その努力の結果、
流山市議会は全国市区改革ランキングで、
2012年に日本一になった。

松野さんのアドバイス。
「投票先に迷ったら、
何人かの候補者に
メールなどで連絡してみては?」

例えば「なぜ立候補を?」と尋ねてみる。
「すぐ返信がくるか、音沙汰なしか、
反応ぶりにそれぞれの資質が見えるはず」

こんなことをして、
選挙と政治に関心を持って欲しい。

そのうえで、
選挙に行こう!
投票しよう!!

小売サービス業に関わるものが、
投票するだけで社会が変わる。

国政選挙、地方選挙、
価値に変わりはない。

さて昨日まで、
アイダスグループ第30回研修会・交流会。

一昨日の研修会の席上、
船水泰州さんが、
「おもてなし三原則」を語ってくれた。
鮮魚コンサルタントとして、
実績を積んでいる。

第一に、「たたずまい」
第二に、「居住まい」
第三に、「立ち振る舞い」

第一は立っている様子、
第二は座っている姿勢、
第三は動いている動作。

そこから転じて、
佇まいは「雰囲気」のようなもの、
居住まいは「環境」のようなもの、
立ち振る舞いは「態度・挙動」。

第一はソフトウェア、
第二はハードウェア、
第三はヒューマンウェア。

すごくいい。

一方、『おもてなしの源流』。
(リクルートワークス編集部著)

こちらの三原則。
1.「仕度の原則」
準備を整えて客を待つ。
2.「しつらえの原則」
くつろげる空間を演出する。
3.「仕掛けの原則」
ゲームのルールを共有する。

おもてなしは、ホスト(主人)が、
準備を行い、空間を演出し、
ゲスト(客)を待つ。
前もって準備する、用意する。

その上で、第三の「仕掛けの原則」
ルールを共有したホストとゲストが、
「主客一体」となって、
相互行為としておもてなしは達成される。

それがホスピタリティの本質だ。

さらに、茶道。
その「おもてなし」の三要素。
茶道のおもてなしも、
「主客一体」となって、
ともに「場」をつくることが趣旨。

第1は、「よそおい」。
身なりや外観を整え、美しく飾ること。

第2は「しつらい」
用意。準備。

第3は「ふるまい」
振る舞うこと。態度。
英語で言えばbehaviour。

おもてなしとホスピタリティ。
今、最も重要な要件である。

さらにさらに今日の日経新聞社説に、
「食品の機能性表示どう生かす」
先週土曜日のこのブログでも取り上げた。
機能性表示食品制度改革
についての5つのポイント

4月からの新ルールの要旨は、
「科学的根拠を国に届け出れば、
事業者が自らの責任で、
健康にどんな効果があるかを
うたうことができる」

「特定保健用食品(トクホ)」は、
国の厳しい審査がある。
「栄養機能食品」制度は、
表示できる成分や表現が限られる。

「機能性表示食品」は、
事業者が販売の60日前までに
消費者庁に届け出をする。

臨床試験の代わりに、
過去の研究論文の分析
を科学的根拠として使うこともできる。

届け出られた内容は、販売前に、
消費者庁のホームページに公開。

事業者は、消費者に、
科学的根拠などを分かりやすく伝えること。
さらに万一の健康被害に備えて、
事業者が消費者からの相談体制をつくること。
情報収集体制を整え、
行政にすぐに届けられるようにすること。

これらが必須となる。

つまり製造業の仕事を全うすること。

小売業が「機能性表示食品制度」を、
活用して商品供給する場合、
製造業と同等の重い責任を、
果たさねばならないということだ。

日経社説は念押しする。

「事前の審査はないとはいえ、
何か問題があれば、
行政による命令や指示などの対象となる」

私の視点も日経と同じ。

国民の健康を維持・増進しながら、
経済も活性化することを、
ひとつの目的にしているのだから、
大いにチャレンジすべし。

ただし、重い責任を果たさねば、
社会からの信頼を失う。

機能性表示食品制度が改革されたからといって、
すぐにホールフーズのような企業が、
日本に登場するなんてことは絶対にない。
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私は日本の農業改革がない限り、
本格的なオーガニックスーパーマーケットは、
誕生しにくいのだと考えている。

ホールフーズは、
1980年から17年間をかけて準備した。
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そこへ天の啓示。
神風の如き追い風。

ホールフーズはその間、
佇まい、居住まい、立ち振る舞いを整えた。
そしてコンシャス・カンパニーをつくる過程で、
最高レベルのオーガニックリテイラーへと、
変身を遂げたのだ。
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賢者は歴史に学ぶ。
愚者は経験にしか学ばない。

〈結城義晴〉

2015年03月25日(水曜日)

アベノミクスと小売企業経営とゴルフ・スウィングの「合成の誤謬」

アイダスグループ第30回研修会・交流会。
鈴木國朗さんが主宰するコンサルティング会社。
アイダスグループは、
昨2014年2月に30周年を迎えた。

そのアイダスグループが主催する研修会。
東日本大震災後、開催を控えていたが、
記念すべき第30回。

2日目は交流会のゴルフプレー。

私自身は商人舎サイトへの、
「総当り攻撃」と闘いつつのラウンド。

それでも千葉県市原市の、
浜野ゴルフクラブ。

井上誠一設計の名門。

堪能した。

最近、スウィングを変えている。
ヒップターン理論をベースに、
ヘッドスピードを上げて、
飛距離と正確性を両立させる。

クラブは全て変えた。

夏くらいまでかかりそうだが、
いい兆候が出てきた。

その結果、これをいただいた。
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とはいっても、30回記念のため、
参加者全員に「優勝トロフィー」。

本当の優勝は、
㈱セイブ前社長の荻澤誠さん、
準優勝は、
ケーマート社長の千葉喜夫さん。

おめでとうございました。

さて日経新聞の『大機小機』。
経済コラム。

3月21日のタイトルは、
「『ばらまき』の定義と実例」
コラムニストは私の好きな隅田川さん。

今日25日のタイトルは、
「地方は本当に厳しいのか」
こちらの書き手は和悦さん。

隅田川さんは、
国の予算への「ばらまき」批判を考察する。

定義が不明確なまま、
「ばらまき」という概念を使っていることに、
問題点を求める。

「ばらまき」とは、政策の対象が、
「広く薄く拡散している場合を指す」

こう思われがちだ。

しかし「広くて薄いから駄目」とはいえない。

例が挙がる。
「農産物の関税引き下げ」。
その効果は消費者全体に広く薄く及ぶ。
しかし国民福祉を高めるうえで、
重要な政策である。

だから「広くて薄いから駄目」とはならない。

したがって、
駄目なばらまきの定義は、
「政策の対象が広がっており、
そのため効果が、
小さなものになってしまうこと」

再び例が挙げられる。
全国各地で配布・販売されるプレミアム付き商品券。

1万2000円の商品券を1万円で販売し、
その上乗せ分の2000円を
国が交付金で助成する。

大義名分は、
「地元の消費拡大を通じて
地域振興に効果がある」

そのために、2014年度の補正予算で、
新交付金4200億円が、
緊急経済対策の一環となった。

ほとんど全ての自治体が実行する。
広くて薄い政策だ。

しかしこれは、
経済学でいう「合成の誤謬」(ごびゅう)。
「部分だけ見ると合理的だが、
全部を足すと必ずしも合理的でなくなる」こと。

さらに「代替効果」も検討されねばならない。

「商品券の使い道が、
もともと買うはずだったものに向けられた場合は、
商品券の分は実現するはずだった買い物を
代替しただけで終わり、
消費を刺激する効果はない」

広く薄くて効果が小さい。

これは典型的な「ばらまき」。

論理的、実証的検討が不十分なまま
政策が立案され実行されると、
「駄目なばらまき」となる。

一方、こちらも決まり文句の錯誤を指摘する。
「アベノミクスの恩恵は
地方に及んでいない」

果たして本当か。

政府の2015年度「地方財政計画」は、
地方税収を合計37.5兆円と見積もる。

14年度に比べて2.5兆円の税収増。

日本企業の経常利益は、
14年10~12月期に18兆円余り。
四半期ベースで最高を更新。

この経常利益更新分の税収も高まる。

ところが企業業績が好調でも、
本社所在地の多い東京にしか
恩恵は及ばないと思われている。

実態はどうか。

人口約70万人の島根県。
15年度の県税収入は653億円、
前年度に比べ15%増の見通し。

伸びが大きいのは、法人二税。
つまり法人県民税と事業税。
15年度は170億円と同33%増。

さらに人口60万人足らずの鳥取県。
15年度の県税収入は510億円、
前年比11%の伸びを見込んでいる。

ここでも法人二税は117億円、
11%増の見通し。

さらに東京都や愛知県に比べて、
出遅れ気味の大阪府。
15年度の府税収入の見積もりは
19%増の1兆3962億円。

うち法人二税は3541億円、
9%増の見込み。

「企業は津々浦々で仕入れ・生産・販売をし、
従業員を雇っている」
小売サービス業も、
卸売業も、製造業も、
貢献している。

コラムは、
地方企業が元気になれば、
その好業績の余沢が、
税収に及ぶと指摘する。

地方産業、地方小売業、
そしてローカルチェーンの元気が、
アベノミクスを推進するし、
それは実現されつつある。

結びは、「地方創生を
単なるバラマキに終わらせては
元も子もない」

コラムニスト隅田川さんの指摘と、
つながってくる。

広くて薄くても、
効果があるばらまきは、
地方を元気にさせる。

広くて薄くて、
効果が小さいばらまきは、
地方を弱体化させる。

「合成の誤謬」は、
避けられねばならない。

これは政府の政策だけに、
適応されるべきことではない。
小売企業経営そのものにも、
当てはまることだ。

そして私のゴルフ・スウィングにも、
「合成の誤謬」は、
ぴたり、当てはまる。

優勝トロフィーを眺めながら、
そんなことを思う。

〈結城義晴〉

2015年03月24日(火曜日)

イオン増収減益決算と武藤敬司の「ヒール&ベビーフェイス」

横浜でも東京でも、
桜の開花。

心がウキウキしてくる。
けれど桜の森の満開の下には、
鬼が居る。

くわばらくわばら。

商人舎公式ホームページが、
ハッカーに襲われた。

そして3日分の毎日更新宣言ブログが、
書き換えられ、削除されてしまった。

気づいて、大至急、
修復にかかったけれど、
その間、空白のブログとなった。

さらに入稿のためのパスワードなども、
急遽変更。

ご迷惑をおかけした。
関係者には感謝したい。

まだまだセキュリティの面で、
不充分なところがある。

さて、日経新聞に決算記事。
「イオン、前期純利益23%減」

2015年2月期の営業収益は7兆円で、
これは9%増。

一昨年2013年8月1日に、
ダイエーを完全子会社にして、
その売上げがそっくり上乗せされて、
売上高は7兆円を超えた。

しかし総合スーパーのイオンリテールが、
売上高、粗利益ともに計画を下回った。

ダイエーの総合スーパー事業は、
数十億円程度の赤字。

食品スーパーマーケット事業も苦戦。

総合金融事業とデベロッパー事業は堅調。

連結純利益は350億円。
前期比23%減。

しかしこれらをまとめると、
営業利益は1400億円で、
前期比18%減。

悪い悪いと言われながらも、
商売の儲けの営業利益が、
18%のマイナスで終わった。

ただし、純利益は、
暖簾代という隠し玉があって、
5%増の480億円の従来予想が、
一転、減益となった。

日経の見出しの23%の減益は、
この純利益のことをいう。

イオンの成績が悪くなると、
小売業界全体に、
どこか喜ぶ節がある。

プロレスで言えば、
ヒールの役割か。

つまり悪役。

プロレスの善玉役は、
ベビーフェイスというが、
大抵の場合、
ヒールの方が実力がある。

プロレスラーの武藤敬司。
「日本マット界の至宝」と称される。
アメリカでもグレート・ムタとして、
大活躍してきた。

この武藤は、
アメリカではヒール、
日本ではベビーフェイスを、
演じ分けた。

そして一言。
「ヒールもベビーフェイスも、
同じだ」

こうも言う。
「ヒールの方が面白い」

企業経営は、
ヒールもベビーフェイスもない。

アメリカのウォルマートは、
小売業界では完璧に、
ヒールの役割に徹しているが、
彼の国の低所得者層からは、
絶大なる人気を誇る。

それがウォルマートの成長を支える。

これもセグメンテーション、
ターゲティング、
ポジショニングの時代の、
企業のあり方だと思う。

私は午後から千葉市へ。
アイダスグループの第30回研修会・交流会。

代表取締役の鈴木國朗さんが、
まず挨拶。
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アイダスグループにゆかりのある人々が、
集まった。
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東日本大震災もあって、
このところ開催されていなかったが、
久しぶりに第30回の記念研修会
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まず、私が1時間弱、
持論を講義。
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その後、全員が、
近況などを報告。

奥州市から参加した千葉喜夫さん
Kマート社長。
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イオンスーパーセンター、
ユニバース、
トライアルが近隣に出店。
大激戦地で健闘する。

その後、交流会。
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そして記念写真。
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お疲れ様でした。

ヒールにもベビーフェイスにも、
ポジショニングの中の役割がある。

〈結城義晴〉

 

2015年03月23日(月曜日)

商人舎USAベーシックへの最後の要請と「減らない長時間労働」

Everybody! Good Monday!
[2015vol12]

2015年第13週。
3月の第4週。

来週はもう、4月。

一月往ぬる、
二月逃げる、
三月去る

1月を「往く」と、
現代用語風にいいますし、
私もずっとそれを使っていましたが、
今年は「往ぬる」。

気分で使い分けていいでしょう。

あっという間に、
年の初めの3カ月が過ぎ去る。

今年は1月と2月に、
ニューヨークを訪れたので、
余計に時間が過ぎるのが、
早く感じられた。

そして気がつくと、春。
地の重さ天の軽さよふきのたう
〈朝日俳壇より東京都・澤田倭平〉

フキノトウを詠んだ。
天と地の軽重がおもしろい。

日経俳壇には次の句。
蕗のたうこんなところにこんなにも
〈沼津・近藤昭三〉

俳句のレベルはいつも、
朝日に軍配が上がる。

朝日は花鳥風月的、叙情的。
日経は日常的、庶民的。

今日の商人舎magazine
weekly商人舎の日替わり連載。
「月曜朝一 今週の販促企画」

慶應義塾大学日吉の卒業式の写真。
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旅立ちへ背中を押した春の風
〈朝日俳壇 大船渡市・富谷英雄〉

大船渡の俳人の句だから、
誰かは知らねどこの旅立ちは、
ひときわのものだったに違いない。

今週末に、
立教ビジネスデザイン研究科の、
謝恩会が開催される。
私は出席できないが、
みなさん、修了おめでとう。

そんな季節です。

仕事を忘れて、
日常を見る。

そんな余裕もほしい。

春うらら全身使ひお手玉す
〈朝日俳壇 伊勢崎市・飯島てる子〉

小さな女の子、
全身を使ってお手玉をする。

いいですねぇ、春うらら。

さて、5月の商人舎USA研修会、
ベーシックコース。
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5月12日~18日。
ラスベガス。
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21世紀に入って、
アメリカで一番、人口が増加した街。
なんと35%のプラス。

だからコンパクトな街ながら、
小売サービス業とチェーンストア、
ショッピングセンターは、
最新モデルが満載。

毎日、結城義晴の力の入った講義がある。
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ベーシックでは、
すぐに役立つことを教えない。
しかし、ずっと役立つことを、
丁寧に享受する。
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2日目の朝には理解度テストがある。
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最終日はグループディスカッション。
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さらにグループ発表。
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今回は3日目に、
キッチンスタジオを借りて、
全員で購買した商品を、
調理し、食べ比べをする。
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ウォルマートはもちろん。
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クローガー、ホールフーズ、
トレーダー・ジョー、スプラウツ、
そしてウィンコフーズなどなどなど。

そのポジショニング競争の実態を、
目からウロコで理解することができる。

そのうえで、
大注目企業の商品を買って、
調理して、食べる。
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ピーター・ドラッカーの、
ポスト・モダンの七つの作法。
その第一番目。
自分の目で見、耳で聞く。

だからインタビューも満載。
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現地の商人の交流もある。
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ホスピタリティのシャワーを浴びる。
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それに付け加えるとしたら、
店に行き、自分で買い、
自分の口で食べ、
自分の舌で味わう。
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それが昨年から、
ベーシックコースに加わった、
新しい趣向。

付け加えると、
ラスベガスのショーやゲームを、
楽しむこともできる。
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このベーシック研修会の成果は、
各社でもう証明済み。

現在のところすでに、
38名の参加が決まっている。
最後のご参加要請。

ご検討下さい。
ご返答下さい。

さて日経新聞の『エコノフォーカス』。
「なぜ減らない、長時間労働」

厚生労働省の2014年毎月勤労統計調査。
フルタイムで働く正社員の残業時間データは、
173時間。

前年より7時間の増加、
20年前より36時間プラス。

1993年以来、最長。

特にひどい三業種。
貨物運送業(年463時間)、
自動車製造業(年275時間)、
情報サービス(年248時間)。

小売業が入っていなくて、
私はちょっとホッとした。

これに統計に表れない「サービス残業」がある。

記事は長時間労働の理由を挙げる。

理由の一つは、終身雇用。
ちょっと言い古された議論だが。

日本では「今いる社員の労働時間を
増やしたり減らしたりして
対応するのが一般的」

最近の景気回復と人手不足を受け、
正社員は残業して仕事をこなしている。

「転職の機会が乏しいため、
会社に無理に働かされても
簡単には仕事を辞められない」

理由の二つ目は、
働く人の意識の問題。
山本勲・慶応義塾大学教授が、
課長の手前の大卒社員を継続調査した。

結果は「週の労働時間が10時間延びるごとに、
翌年に課長に昇進する確率が3%上がる」

内閣府調査。
1日12時間以上働く人の5割超が考えている。
「上司は残業する部下を評価するはずだ」

私自身の経験を話せば、
だらだらと残業する人間は、
絶対に評価しなかった。

仕事はきりりとやり遂げて、
時間外に勉強する人間を評価した。

三つ目の理由は、
仕事の態勢の問題。
日経の記事は指摘する。
「社員ごとの業務の範囲があいまいなため、
生産性が高い人に仕事が集まりやすい」

「優秀な人が長い時間働いて仕事をこなし、
結果的に昇進するという側面は否めない」

あなたの会社はどうだろうか。
あなたの店ではどうだろうか。

最後に、長時間労働を是正するための、
政府の対策。

第1は「限定正社員」の普及。
働く時間・仕事の範囲を限った正社員制度。
昨年から指針がまとめられ、
企業に導入促進が始まった。

介護や育児と仕事が両立しやすくなる。

第2は「休みの強制」。
来年の2016年春からは、
1年間に5日分だが、
全員に有給休暇を取ることが、
義務づけられる。

義務づけられる前に、
仕組みを構築したい。

最後の最後は、先週、
このブログにご登場願ったお二人。

エコス会長の平富郎さんの言葉。
「幹部は仕事の量を増やすことです。
幹部が不眠不休で頑張って、
従業員が所定時間で働けば
利益が出る仕組みをつくる」

急逝したベルク会長の故原島功さん。
「ビジネスとプライベートをはっきり分ける」
そのために、
(1)豊かな休日、少ない残業時間が、
(2)仕事への集中力を生み生産性を上げ、
(3)業界水準でより高い給与体系を実現する。

スーパーマーケットやチェーンストアでも、
それは可能だ。

ベルクの残業時間は、
月平均10時間以内。
つまり最大でも年間120時間。

厚生労働省勤労統計調査の、
173時間を下回る。

残業時間短縮が可能なオペレーションを、
集中力と高生産性によって生み出す。

原島さんは、
従業員のそれぞれの「良い人生」を、
保障しようとした。

では今週も、
きりりと働きましょう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2015年03月22日(日曜日)

ジジと桜の季節[日曜版2015vol12]

ジジです。
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ヨシハルおとうさん、
いません。

ここ。
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だからボクも、ひとりで、
たまあそび。
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たのしいで~す。
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そとは、春です。
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花がさきます。
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花壇もうつくしい。
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おとうさん、かえってきた。
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あそんでくれた。
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そとでは桜も、
芽吹きはじめたそうです。
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夕空。
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桜の木。
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もうすぐ。
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でも、すこし、
芽吹いてる。
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ほらね。
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おとうさんと、いっしょに、
そとにいきたいですね。
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もうさいているところも、
あるみたいだし。
DSCN9707-5

では、来週あたり、
おねがいします。
DSCN9648-5
よろしく。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2015年03月21日(土曜日)

機能性表示食品制度改革についての5つのポイント

2015年の春分の日。

今日、鹿児島市でソメイヨシノが開花。
日本全国で一番早かった。
それでも昨年より1日遅い。

そして1週間後から10日後、
鹿児島では早くも満開。

今日はもう一つ、
高校野球の春の選抜大会開幕。
「熱球」は夏の甲子園。

しかし春の終盤は「桜の甲子園」。

大相撲春場所は、
関脇の照ノ富士が、
横綱白鳳との優勝争いで、
大活躍。

関脇が活躍する場所は、
面白いけれど、
照ノ富士も逸ノ城も、
モンゴル出身。

日本人力士、頑張れ。

さて、日経新聞で、
「食の新表示」記事が2日間の連載。

4月1日から「機能性表示食品」制度が、
スタートする。

この新制度はアベノミクスの第三の矢、
「規制改革」の柱のひとつ。

国民の健康を維持・増進しながら、
経済も活性化する狙い。

ここで一番大事なことは、
表示制度の改革であること。

商品が有する機能が、
まず備わっていなければならない。
そしてその表示は、
当然ながら適正であることが条件。

一般に言われる「健康食品」の定義。
「健康の保持増進に役立つ」ものであると、
機能が宣伝され販売・利用される食品。
これは学術的な認識とは独立していて、
単に社会的な認識において、
他の食品と区別される一群の食品の呼称。

健康食品の一部に「保健機能食品」がある。
これは行政により機能の認定を受けた食品。

その保健機能食品には、
二つある。

第一は「特定保健用品」、いわゆる「トクホ」。
これは1991年に保健機能食品制度が定められ、
科学的根拠を提出し表示の許可を得た食品。
1143品目が登録され、
ガムや米飯、調味料まで幅広く活用されている。

特に飲料では花王の「へルシア」や、
サントリーの「特茶」などヒットが相次いだ。
今回の表示制度改革で、
へルシアの茶飲料などは4月以降に刷新される。
伊藤園も4月にトクホの「黄金烏龍茶」を発売。

トクホ市場は6000億円規模。
今回の制度改革とは直接、関係はしないが、
こちらの分野の成長は続く。

第二は「健康機能食品」で、
ビタミンやカルシウムなど
特定の17成分に限って、
効果を表示できる食品。
この分野も成長が見込まれる。

今回の機能性表示制度で、
第三の分野が成長するが、
そこには5つのポイントがある。

第1に国が許可したものではないこと。
企業が自ら食品の科学的根拠を評価した上で、
その機能性を表示する。

したがってその旨を記載する義務がある。
新制度は販売の60日前までに、
論文など科学的根拠を、
消費者庁に届け出ればよい。

国の審査は不要だから、
トクホよりハードルは格段に低い。

第2は対象食品が広がること。
今回、加工食品および農林水産物が対象となる。
つまり生鮮食品を含む食品全般が対象となる。

第3は対象成分が広がること。
栄養機能食品によって許可されているのは、
ビタミン12種類とミネラル5種類。
それ以外に今回、
n-3系脂肪酸、ビタミンK、
そしてカリウムが追加される。

第4は食品と薬の境界線が動くこと。
薬事法では薬以外は、
部位指定や効能を表現することが、
禁止されている。

しかし新制度では、
科学的根拠があれば、
体の特定部位に言及した表現を行うことができる。

ただし、食品表示に、
疾病名を記載してはならない。
薬と食品との区別は厳然としている。

そして第5に消費者教育や顧客教育に、
力が入れられること。
小売業ではまず、
従業員教育も必要になる。

調査会社シード・プランニングの推定では、
健康食品の市場規模は、
2017年に2兆1450億円に成長する。

今回の新制度の導入などの効果で、
13年比で17%増えるとの予想。

ただし懸念の声も。
主婦連合会・河村真紀子事務局長。
「書類の体裁が整っていればよく、
消費者が根拠を検証できない表示が
乱立する可能性もある」

日経連載のまとめ。
「官民とも消費者に分かりやすく
周知する努力は欠かせない」
つまり第5のポイントが、
重要になるということだ。

機能性表示改革で一儲けしようとか、
プロモーションで稼ごうとは考えないことだ。

消費者も消費者庁も、
それは厳しくチェックしている。

〈結城義晴〉

 

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