結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年05月14日(木曜日)

緊急事態宣言解除の「事件は”現場”で起きてるんだ!!」

心に響かない話しぶりだった。
安倍晋三首相、
緊急事態宣言を39県で解除。
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側近か官僚が書いた文章を、
立派な演説のように語って見せる。

久しぶりにアベノマスクを外して、
床屋に行ってないのだろうか、
髪が伸びて白髪が目立った。
これも演出かもしれないが。

COVID-19の解決に向けて、
水を差すつもりは全くないし、
特に支持する政党もない。

いつも私は、是々非々の考え方だ。

が、残念ながら、
今日のテレビ画面の首相の語り掛けは、
ひどく薄っぺらに映った。

安倍首相の自民党総裁任期は、
来2021年9月までだ。
衆議院議員の任期は21年10月まで。

従来の安倍晋三カレンダーでは、
今夏の東京オリンピックで、
国内が高揚感に沸きに沸いて、
それが見事な花道となるはずだった。
あるいは今秋の総裁選で、
ことによったら安倍総裁4選まで、
視野に入れていたかもしれない。

自民党の党則では本来、
総裁任期は2期6年だったが、
これを自ら変えて、
現在3期9年になっている。

それをさらに、
4期12年にするという構想だ。

もちろんそこまで長引かせるまでもなく、
オリンピック景気の中で、
次の新総裁にバトンタッチして、
気分よく院政を敷くというストーリーもあった。

ところがこのコロナ禍。

オリンピックは一応、
1年延びたから、
今秋の総裁選挙もないし、
この世界的なコロナ問題のなか、
衆議院総選挙も来年になるだろう。

来年でさえも五輪は開催できないという説もある。

そんなことをつらつら考えながら、
39県の緊急事態宣言解除の映像を見ていた。

私は思う。

今回のコロナ対応の成果は、
日本国民の勤勉性と、
誠実さ、素直さが、
成し遂げたものだ。

医療従事者をはじめ、
コロナと最前線で闘う人々、
生活のインフラを支える人々、
そして感染拡大抑制に協力する大多数の人々。

その努力の結晶だ。

今日の最新の集計では、
世界全体の感染確認者数434 万7015人、
死亡者数29万7197人。

死亡した人が最も多いのは、
アメリカ合衆国8万4763人。
続いて、
イギリス3万3186人、
イタリア3万1106人、
フランス2万7074人、
スペイン2万7321人。

ブラジル1万3240人。

ベルギー8843人、
ドイツ7861人。

日本は696人。
桁が違う。

人の死を数字の羅列で論じて誠に恐縮だが、
これこそ立派な日本国民の成果だ。

さらに現時点で、
小売業ではスーパーマーケットが、
例外なく絶好調だが、
これも経営者や幹部の功績ではない。

「事件は、
会議室で起きてるんじゃない!

現場で起きてるんだ!!」
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1998年の「踊る大捜査線THE MOVIE」の、
織田裕二演じる青島刑事の名セリフ。

現場の支えがあって、
コロナに対する防御が可能となっている。

安倍首相の会見からは、
その認識が感じられなかった。

私の強い印象だから、
ほかの意見があってもいい。

記者会見の応答の中で、
二番目に質問したジャーナリストは、
「検察庁法改正案」を、
なぜこのコロナ禍の渦中で、
通そうとするのかと聞いた。

安倍首相はこの質問にも、
まともに返答しなかった。

朝日新聞の記事。
「総長も黒川検事長も”辞職せよ”」
堀田力(つとむ)さんが発言している。
東京地検特捜部検事として、
ロッキード事件を捜査した。
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「検察幹部を政府の裁量で

定年延長させる真の狙いは、
与党の政治家の不正を
追及させないため以外に
考えられません」

黒川弘務検事長の定年延長に関して、
「黒川君は優秀な検察官ですが、
黒川君でなければ
適切な指揮ができないような事件は
ありえません」

「検察庁は行政組織の一つとして
内閣の下にあり、
裁判所のように制度的に独立していない。
一方で、政治家がからむ疑惑を解明する
重い責務を国民に対して担っています。
与党と対立せざるを得ない関係なのです」

検察庁内に存在した人間として、
実感のこもった認識だ。

「その葛藤が最も顕著に現れているのが、
法相による”指揮権”の仕組みです」

検察庁法14条。
「法務大臣は、規定する検察官の事務に関し、
検察官を一般に指揮監督することができる。
但し、個々の事件の取調又は処分については、
検事総長のみを指揮することができる」

しかし堀田さん。
「法相が不当な指揮権を発動したら、
総長はやめるよう説得する、
義務があります。
応じなければ、
総長は公表して世論に訴えるか、
辞職して指揮が及ばないように
すべきなのです」

「組織のトップたる総長や検事長には
政治の不当な圧力に
対抗できる胆力が求められ、
その人事が
政治家の判断にかかるようなことは
あってはならないのです」

「だからこそ、今回の
幹部の定年延長の規定は削除すべきです」

堀田さんは後輩たちに厳しく発言する。
「政治による不当な定年延長を受け入れた
黒川君の責任は大きいし、
それを認めた稲田伸夫・現総長も
検察への国民の信頼を損なった責任がある」

「2人とは親しいですが、
それでも言わざるを得ない。
自ら辞職すべきです」

「そして、仮に改正法が成立しても
“政府から定年延長を持ちかけられても
今後、検察はそれを受けない”
くらいの宣言をする」

「それによって検察の原点である
公正中立を守り、
国民の信頼を回復するのに
貢献してほしいと願います」

この緊急事態宣言解除の中で、
「検察庁法改正案」を通すのはおかしい。

事件は現場で起きている。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第1815回。

発症者二桁に減り
良いほうのニュースに
カウントされる人たち
(俵万智 「短歌研究」5月号〈280歌人新作作品集〉から)
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編著者の鷲田清一さん。
「生存ということがむきだしになる時、
人にとって日々の糧は、
あるか、ないかである。
死も同じように、
本人どころか家族にとっても、
あるか、ないかである」
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このコロナ禍。
「あるか、ないか」が問題だ。
すなわち現場の問題である。

「誰かの死は一つの死として、
別の誰かの死と
比較も計量も交換もできない」

御意。

「が、人は知らぬまに
そういう生の地表を立ち去り、
死を上空から数える側に回っている」

安倍晋三の声や顔つきが、
死を上空から数える側にあった。

私もそれを感じ取った。

〈結城義晴〉

2020年05月13日(水曜日)

川野幸夫さんとの「会話」とツイッター「デモ」の「時間が早まる」

突然、スマホが鳴った。
画面を見ると、
「川野幸夫さん」
ご存知、㈱ヤオコー代表取締役会長、
日本スーパーマーケット協会会長。
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スマホの緑色の「応答」ボタンを押すと、
いきなり川野さんの声。

「結城さん、今月号はいいねえ」
月刊商人舎5月号のことだ。
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「ありがとうございます」

「時間が早まる。
ほんとにそうだよ。
さすが結城さんだ」

「ありがとうございます」

「ヤオコーも、
現場のみんなが頑張ってくれて、
お客様からも支持されて好調だけれど、
お客様のライフスタイルは変わるね」

「だから、
新しいLifestyle Assortmentが、
提案されなければなりません」

「それも時間が早まるね」

「産業や会社や組織の悪いことろも、
早く表面化するし、
逆にイノベーションも早まります」

「働き方改革も一気に進んだし。
だから次のことを考えねばならない」

「その通りです。
私はずっと百貨店は現在の220店が、
120店に減ると言ってきました。
人口100万人に1店が適正だからです。
今回、それも早まります。
ほとんどの業態の構造が変わります」

「そうだね。
世界恐慌(1929年)の翌年に、
マイケル・カレンによって、
スーパーマーケットが登場したけど、
そんなことが起こるね」

「1918年のスペイン風邪のときには、
セルフサービスが誕生しました」

「いま、ネット販売が伸びてるしね」

「しかしスーパーマーケットが、
こんなに評価されたことも、
初めてじゃないですかね」

「社会に必要な小売業だからね」

「それは重要なことですね」

「次のことを始めなければね」

「今からポスト・コロナのために、
準備しておかねばなりません」

「これからも頑張って、
業界を指導してくださいよ」

「了解しました。
ありがとうございます」

英語で言えば、
“It’s my pleasure.”

ヤオコーの川野さんや、
エコスの平富郎さん。

ときどきこういった電話をくださる。
ありがたい。

5月号特集の[まえがき]は、
結城義晴執筆。
パンデミックと流通イノベーション
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この原稿の最後のパラグラフ。
小見出しは特集タイトルと同じ。
「コロナは時間を早める。」

「進化を前提に考えれば
驚くほどの進化がもたらされる。
破滅を苦慮してばかりいると、
破綻への道をまっしぐらに下ってしまう。

伸び盛りの企業は伸び、
下り坂の企業は落ち込む。

COVID-19パンデミックの終盤までが
執行猶予の期間である。
組織の勢いをわずかでもプラスにすれば、
ポスト・コロナのシーンで
組織は上り坂に向かうに違いない。

下り坂は確実な破綻のルートを描き、
上り坂は不確定な成長の道筋である。
コロナはそれを早めるだけのものである」

特集の[あとがき]も、
結城義晴執筆。
確かな破綻と不確かな成長
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これがいわば「ポスト・コロナ戦略」の、
現時点の結城義晴の結論だ。

月刊商人舎5月号。
出来れば読んでほしい。

さて今日のCOVID-19感染者。
新規感染が確認されたのは、
全国で合わせて55人、死者は18人。

東京都は感染者10人、死亡7人。
8日連続で50人を下回った。
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大阪府は感染者12人。
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「大阪モデル」の3条件は、
⑴新規感染経路不明者3.14人
⑵陽性率1.9%
⑶重症病床使用率23.9%
明日もこの3基準を満たせば、
緊急事態宣言は解除に向かう。

しかし意外に終息は早いと思ったら、
それは勘違いだし、油断は禁物。

ポスト・コロナは、
まだまだ先のことだ。

それまでは、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

ただし最善も最悪も、
COVID-19によって、
現象化は早まってくる。

それにブレーキをかけているのは唯一、
日本の中央政府や行政なのかもしれない。

彼らがやっていることは、
「やってる感と忖度」
「後手と先送り」
「論理すり替え」

その安倍晋三政権に抗するのが、
600万人を超えたツイッター・デモ。
[#検察庁法改正案に抗議します]
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毎日新聞巻頭コラム「余禄」は、
これを「巣ごもりデモクラシー」と称する。

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もしかしたらコロナは、
この史上最長の強力政権に対しても、
時間を早める菌を振りかけたかもしれない。

〈結城義晴〉

2020年05月12日(火曜日)

商人舎5月号「コロナは時間を早める」とサミット・ヤオコー決算

2020年の月刊商人舎5月号特集。
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このCOVID-19パンデミックで、
時代は進む。
時間は早まる。

その根拠は?
そしてその時、
どう考え、どう行動するか。

それは月刊商人舎5月号を読んでください。

昨2019年の商人舎5月号特集。
「ラストワンマイル」の優勝劣敗
「ネットスーパー」と「宅配ビジネス」の勝者総取り!?
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その前年2018年の5月号特集。
「レジレス化」の夢と現実
Check-Out Serviceの本質を見いだせ!!
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毎年、5月号は、
最新戦略をテーマとすることになる。

さらに2017年5月号特集。
旗艦店×改造
六重苦の中ですべての店舗を蘇らせる
「カ・カタ・カタチ」の福音

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4年前の2016年5月号特集。
プライベートブランドの責任
ポストモダンの小売業ブランド
――その新戦略的意味を解明する
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5年前の2015年5月号特集。
阪急オアシスと成城石井
何が「高級スーパー」を殺すのか?! 20155gatu

さらに6年前の2014年5月号特集。
TESCO顧客伝説
世界最大スーパーマーケットのカスタマー戦略物語
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そして7年前の2013年5月号は、
月刊商人舎の創刊号で特集は、
ニッポンCRM元年!!
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この記念すべき創刊号の[Cover Message]
「顧客を知れ!」――よく言われることだ。しかし、あなたは自分のお客のことを、どれだけ知っているだろうか。顔を見知っているか。名前を憶えているか。何をどれだけ買ってくれるか、わかっているか。
このニッポンで、POSデータの活用が始まってから、売場での商品の動向は、ずいぶんと分析され、活用されてきた。しかしその商品を買ってくれる顧客の動向は、商品と顧客の関連性は、どこまで知覚されているのか。
マス・マーケティングから、ワン・トゥ・ワン・マーケティングへ。少子高齢化が進むニッポンの消費「全体」を、活力あるものにしようと考えるとき、鍵を握るのは「個」の把握である。
フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP) からカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)まで。それは「個」の動向をつかんで、マス・カスタマイゼ―ションに結びつける、ニッポン経済再生の切り札なのである――。

1冊ごとに思い出深い。
7年前はCRM元年だった。
ビッグデータはいまや、
当たり前となった。

それでも時間は早かった。
この7年間に8回目の5月号。
そしてCOVID-19のあと、
つまりポスト・コロナのときには、
さらに時間は早まるに違いない。

月刊商人舎は紙の雑誌と、
網のwebページとで構成されている。

web版はこの創刊号から最新号まで、
年間購読していただければ、
IDとパスワードを使って、
いつでもどこでも読むことができる。

活用していただきたい。

さて、新型コロナウイルス感染。
昨日も書いたが、
大阪府。
今日は、新規感染者が6人確認された。
3つの独自基準は5日連続で満たされた。

⑴感染経路不明者数は7日間の平均3.43人
⑵陽性率は2.0%
⑶重症者向け病床使用率は26.6%

素晴らしい。
大阪府民の努力も見事なものだ。

一方の東京都。
新たに28人が感染確認された。
これで1日の感染者は、
10日連続で100人を下回り、
7日連続で40人を切った。

東京の感染者数累計4987人、
死亡者196人。

それでも少しずつすこしずつ、
希望が持てる状況になりつつある。

アベノマスクはまだ届かないが。

商人舎SuperNews。
2020年3月期決算が発表されている。

サミットnews|
営業収益4.1%増の3058億円・経常利益3.1%増

私は1977年からサミット・ウォッチャーである。
その年、私は㈱商業界に入社して、
開業したばかりの五反野店を取材した。
メルクマールとなる店だった。
昨年7月に閉店して、
スクラップ&ビルドされる。

そのサミットが、
3000億円の大台を超えた。
感慨深い。

服部哲也新社長のもと、
元気に5000億円の大台に向かう。

ヤオコーnews|
4605億円5.8%・経常利益12.2%の31期連続増収益

こちらは単体で31期連続増収増益。
この増収増益が始まったのは1989年。
この年、私は食品商業編集長に就任した。
それ以来、増収増益が続く。
こちらも感慨深い。

オオゼキnews|
958億円3.8%増・経常利益4.2%増/前年減収減益

オオゼキは残念ながら、
1000億円の大台に一歩届かず。
昨年は減収減益だったが、
今年は最後に増収増益に駆け込んだ。
新エンドの3月も前年比119.1%、
既存店も117.4%で、
好調なスタートを切った。

これもコロナ特需。

しかしいずれも現場は、
感染リスクと闘いつつ、
精神も肉体も疲労困憊だろう。

お見舞い申し上げつつ、
「コロナの時間は早い」ことを告げよう。

辛い日々も、もう少しだ。
そして上げ潮の波に乗っていれば、
ポスト・コロナは上昇基調となる。

元気を出そう。

〈結城義晴〉

2020年05月11日(月曜日)

商人舎5月号「コロナは時間を早める。」と加藤厚労相「誤解だ!」

Everybody! Good Monday!
[2020vol⑲]

2020年第20週。
5月第3週。

㈱商人舎はテレワーク実施中。
ただし、私はほぼ毎日、
オフィスに顔を出します。

「ステイホームウィーク」が終わって、
いつ緊急事態が解除されるのか。
その基準が問題となってきた。

加藤勝信厚生労働大臣。
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「感染・死者数が
再び急上昇しないための抑制、
そして地域によって状況は異なるが
医療体制が感染者の増加に対応できるか。
これが判断基準」

当たり前のこと。
実も蓋もない。

「具体的には、
新規感染者数、重症者数、診療体制など
それぞれの要素の推移を見て
総合的に判断する」

「全体のバランスがあるから、
それぞれの数字について
数値目標を単純には示せない。
あまりデジタルに決めてしまい、
自粛の強化や緩和が
連続的に起きてはいけない」

数値目標は示せない。

5月8日の記者会見。
従来のPCR検査の「相談・受診の目安」。
⑴風邪の症状や37.5℃以上の発熱が
4日以上続いている。
⑵強いだるさ(倦怠感)や
息苦しさ(呼吸困難)がある。

加藤厚労相は記者会見の中で、
「相談する側の目安で4日以上、
平熱以上が続く場合は必ず
相談するようにと申し上げてきたが、
相談や診療を受ける側の
基準のように思われてきた。
われわれから見れば
“誤解”だ」

ああ、ひどい。

国民が一丸とならねばいけない時だから、
政権の悪口は控えてきたが、
この無責任ぶりは情けない。

一方、大阪府の吉村洋文知事。
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「3つの独自基準」を明示して、
緊急事態宣言の解除目標を目指す。
⑴陽性率7%未満
⑵感染経路不明者数が1日10人未満
⑶重症者向けの病床使用率60%未満

これら3つの基準を7日間連続で満たせば、
休業要請などを段階的に解除する。

昨日の日曜日の10日、
7日間の移動平均で、
陽性率2.6%、感染経路不明者数4.14人、
病床使用率も26.6%。

大阪はこの基準を3日連続で満たした。

基準が明らかだから、
それに向かって努力する。
そして成果を確認できる。

ピーター・ドラッカーが強調するのが、
「フィードバック」だ。
吉村知事はそれをよく知っている。

残念なが厚生労働大臣には、
その認識が全くない。

さて、今日は、
月刊商人舎5月号発刊。
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[特集]
コロナ時間める。
COVID-19パンデミックで
何が起きるか? 何をするか?

考えに考えて、さらに考え抜いて、
この総括に至った。

[Cover Message]
新型コロナウイルス感染症の世界的流行。COVID-19パンデミック。ジョンズ・ホプキンス大学の専門家を除いて、誰が予測したか。誰が本気で考えたか。ドナルド・トランプも習近平も、ボリス・ジョンソンも、そしてわが安倍晋三も、夢にも思わなかった。医療機関や公共サービス、保育・教育・介護施設の重要性はあらためて認識された。小売流通業では、スーパーマーケットは国境を越えて、重要な社会的機能であることが証明された。ドラッグストアも生きるために必須の役割をもつことが立証された。そのほかの小売業態も楽しむものだということが再確認された。しかしCOVID-19が発生して、驚くほどのスピードで世界に広まり、その対応に追われる日々を送るなかから、ひとつだけ確かなことがわかってきた。――「コロナは時間を早める」。われわれの人間としての劣化や組織の陳腐化も早めるならば、われわれのイノベーションも早めてくれる。そこで何をするか。われわれ自身の価値が問われている。

かつての「販売革新」誌には、
雑誌の表紙に短い文章が載った。

月刊商人舎ではそれを再現した。

[目次]
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結城義晴の、
特集のまえがきとあとがき。

㈱True Dataの総力分析。
コロナ禍の日本商戦を
ビッグデータで読み解く
スーパーマーケットとドラッグストアの
1月から4月までのID-POSデータ解析で、
こんな事実が判明した。
結城義晴もWebミーティングで参戦。

當仲寛哲さんの、
ポスト・コロナのメッセージ。
Amazonを超える小売業を創るときだ!
結城義晴との対談から抜き出した。

そして井坂康志さんの力作。
今、ドラッカーならどう言うか?

緊急事態宣言の[戒厳令]の下で、
なんとか主張のある雑誌を、
発刊することができました。

ありがとうございました。

最後に巻頭言[Message of May]
タイムマシンに乗ろう!

地球が、人間ごと、
タイムマシンに乗っている。
そんな錯覚に襲われる。
COVID-19パンデミック。

中国・武漢発、
地球上の全人類宛。
メッセージは極小のウイルス。
人間の細胞内で自己を複製して増殖する。

新型コロナウイルスは恐ろしい。
死の恐怖を伴ってやって来る。
それへの対応は苦しい、辛い。
それでも仕事は続けねばならない。

ただしコロナと闘ってはいけない。
かといって抑え込むこともできない。
やがて共生するしかない。
危うい「動的な平衡状態」へ。

その共生への道すがら、
人間は自らの姿を、
まざまざと見せつけられる。
悪い面も良い面も。

このタイムマシンは、
未来へとスピードを上げる。
そして人間に劣化をもたらす。
ときにはイノベーションの進捗を促す。

タイムマシンに乗って、
今、私たちには、
自らの真価が問われている。
未来ビジョンの有無が試されている。

タイムマシンに乗ろう。
そのスピードに乗ろう。
悪い面も良い面も、
甘んじて受け入れよう。

タイムマシンに乗ろう。
そのスピードに乗ろう。
自らの姿を見よう。
自らを発見しよう。〈結城義晴〉
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購読者のみなさん、
熟読してください。

では、みなさん、今週も、
コロナは時間を早める。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年05月10日(日曜日)

[Sunday Go! Go! Pose]菊名池公園のマスクでポーズ!!

「ステイホーム週間」
小池百合子東京都知事が言い始めた。
その最終日は、
母の日
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夕方の空。
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夜にかけて、雨模様。
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厚い雲の向こうにわずかに青空。
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もう夏だ。
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いつもの散策道。
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COVID-19拡大のもと、
許されるのはフィジカルディスタンシング。
ジョギングや散策。

道端にゼラニウム。
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別名テンジクアオイ。
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15分ほど歩くと、
新緑に包まれた木々。
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菊名池公園。
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真ん中に瓢箪池があって、
周辺は遊歩道。
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かつては全長1km以上の貯水池だった。
それが1974年(昭和49年)に、
水道と下水道の整備のために、
二分された。
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今日は風が強い。
波紋が爽やかだ。
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夕方になると、
人出も減って、
散策にはもってこいだ。
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ステイホームといっても、
家の中に閉じこもってばかりはいられない。IMG_64110

遊歩道にマーガレットが咲き乱れる。DSCN94640

桜の季節が終わって、
ツツジのシーズンになり、
そのあとはマーガレットだ。
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マーガレット
マーガレット
くるくるマーガレット
あの子の髪に
マーガレットさいた♪
(作詞:中山明夫、作曲・結城義晴)
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池の傍の柳。
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水面には蓮。
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蓮は勢いを感じさせる。
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そして遊歩道のベンチ。
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しばらく蓮の池を眺める。
自然はコロナウイルスに、
びくともしない。IMG_63740

久しぶりに、やってみるか。
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Go! Go! ポーズ。
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ちょっとよろけても大丈夫。
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反対向きに挑戦。
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Go! Go!
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非常口の男のボーズ。
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Amazon Goがオープンして、
そのレジレス店舗に行こう! と、
このGo! Go! ポーズを始めた。

Go! Go! ポーズは、
最後に大の字ポーズになる。
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ステイホームの反動で、
どこかに行きたい気持ちはつのる。
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だからGo! Go! ポーズにも、
そんな気持ちが乗り移っている?

いい日曜日でした。

今日の[Go! Go! Fashion Item]
シャツはボートネックのボーダー。
パブロ・ピカソが好きだった、
セントジェームス。
ジーパンはユニクロのグレー。
靴は大好きなECCO。
ラスベガスのアウトレットモールで購入。
帽子はシアトルマリナーズの51番キャップ。
もちろんセーフコスタジアムの、
マリナーズショップで買った。
そしてマスクは、
Disposable Face Mask(Made in China 岳西県産)。
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明日あたりから、
少しずつ緊急事態も、
緩和されるかもしれない。

しかし三原則は貫徹しよう。
⑴手洗い
⑵マスク
⑶フィジカルディスタンシング

Go! Go! ポーズも三原則を忘れず、
明日からも頑張ろう。

〈結城義晴〉

2020年05月09日(土曜日)

住吉美紀さん「コロナ記」の「自分が再起動された」感覚。

商人舎公式ホームページに、
リンクしてもらっているブログ。

久しぶりに見直したら、
更新が途切れているものが多い。

誰もがブログを書く時代は終わった。
ちょっと残念だけれど。

そのリンク集のなかで、
すみきちブログ。無題
住吉美紀さんのブログ。
フリーアナウンサー。
元NHKの人気アナウンサー。

猫派というところも私と同じ。

2011年12月3日の商人舎忘年会は、
「ふたりのビッグショー」 20111203224222

大久保恒夫&結城義晴。20111203224111

大久保さんのお誘いで、
住吉さんにも全く個人として、
コーラスで参加してもらった。20111203224232

その住吉美紀さんが、
COVID-19に感染した。

その顛末がブログで綴られている。
題して「コロナ記」

全文は「すみきちブログ。」で、
読んでください。

5月1日のブログでは、
「まだ入院していますが、
平熱や微熱まで熱が下がってきました。
こうして落ち着いた今、思い返しても、
“まさか自分が
新型コロナに感染するなんて”
という驚きは変わりません」

「そもそもは4月15日水曜朝、
BlueOcean の生放送前に
(ちなみに番組はちょうどこの日から、
自宅からのリモート生放送に
切り替えていました)
準備をしていたら、
コンコンという小さな空咳が
ちょこっと出始めた、
というのが始まりでした」
20170502-sumanavi
コンコンという小さな空咳から。

「のど飴を舐めれば
普段だと治まるような小さな咳払いが、
なんとなくずっとある。
しかし息苦しさや大げさな咳はない。
ふむ。」

「翌日、少し熱っぽさを感じて
熱を測ると、37.2度ありました。
“いや、これは今週きっと
仕事のストレスが強いせいだ”など、
違うと信じたい気持ちで
いっぱいでした」

わかる。

「そして、金曜朝。
38.2度まで上がっていました。
あーこれは間違いないなと、自分で確信。
とりあえず生放送に穴を空けまいと
そのまま自宅リモート放送に臨み、
放送が終わったところで
スタッフに発熱した旨伝えるのが精一杯。
あとは寝込みました」

放送の仕事は穴をあけられない。

「そこから一気に熱は上がり、
その日のうちに39度。
その後39~40度が1週間続きました」

コロナに感染すると、
こういった経緯を踏む。

「体か精神かどちらかが
壊れてしまうかもと
思った夜もありました」

「さらに途中からは
強い胃のムカつきがあり、
吐き気と格闘しながら食事をとったり、
頭痛にも耐えたり」

「こんなに激しく、そして長く
ウィルスと戦ったのは、
生まれて初めてです」

「入院は、高熱3日目に差し掛かり、
アレルギー性の喘息もあり
心配と周りの方からの
強いアドバイスに押され、
這うようにして夜間救急に
行ったことがきっかけ」

何はともあれ、
病院へ。

「いま思えば本当にあのとき
入院できてよかった。
あそこでもしも
入院していなかったらと思うと…
正直、ゾッとします」

「間違いなく、
life changing event。
まだわからないけれど、
もう元には戻れない、
人生観も変わりそうです」

人生観が変わりそうだというところ。
貴重な発言です。

住吉さんはこのあと、
医療関係者の方々に、
心から敬意と感謝を表する。

「このウィルスは
スルっと入り込んできます。
私自身、神経質なくらい
気をつけていましたが、それでも、
職場など最低限と思われる接触でも
感染してしまうこともあるんだ
ということを実感しています」

コロナは、
スルっと入り込む。

「そして一度感染、発症すると長いです。
どうぞ、みなさま他人事と思わず、
自分事として、接触を減らすこと、
免疫力が下がらないよう心身ともに
健康的な生活をすることを
今は大切にされてください」

「私はまだもう少し戦わねば、
体力も落ちて、今まともな声も出ません。
しかし、自分の体は
ほんとにがんばってくれた。
そして、きょうも病室から見える
街路樹の緑と青空が綺麗です。
嗚呼、生きてるって、素晴らしい!」

コロナ感染で入院中に、
これだけのことを書ける。
なんとも凄い女性だ。

住吉さんは、
5月最初の週末に退院し、
現在、自宅療養中。

「改めて、生きていること、
美味しく食べられること、
笑えることって、
こんなに素敵なことなのかと
感動しています」

「すっかり社会すべてと離れていたため、
いま自分が再起動されたような、
まっさらな、不思議な感覚です」

自分が再起動される。
まっさらな、
不思議な感覚。

このポジティブシンキング。
そしてこの感性。

万が一、みなさんも私も、
コロナに感染しても、
住吉美紀さんのように、
立ち直りたい。

そう思った。

退院、おめでとう。
元気なお姿での復帰を、
期待しています。

〈結城義晴〉

2020年05月08日(金曜日)

「鍛えればすなわち衰えず」と”今だけ・ここだけ・自分だけ”症候群

「されど、死ぬのはいつも他人ばかり」
D’ailleurs, c’est toujours les autres qui meurent.

マルセル・デュシャンの墓碑の言葉。
〈artblogより〉
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デュシャンはフランスの画家・美術家。
印象派に影響を受けて油絵を描き、
その後、キュビズムから現代アートへ。

20世紀の美術界に決定的な影響を与えた。
「20世紀美術は、
デュシャンなしでは語れない」

「死ぬのはいつも他人ばかり」は、
寺山修司が好んで使った。
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古代ギリシャの哲学者。
エピクロス。
「あなたが
死をおそれるときは
死はまだきていない。
死がほんとうにきたとき
あなたは
そこにいない。
だから死は、
おそれるにあたらない」

ブレーズ・パスカル。
「死というものは、
そのことを考えずに、
突然それを受けるほうが
耐えやすいものである。
これに比べて、
死について考えることは、
たとえ
死の危険がなかったとしても

はるかに耐えがたいものである」
〈『パンセ』断章一六六〉

岡本行夫さんが亡くなった。
COVID-19に感染していた。
74歳だった。
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元首相補佐官。
それも橋本龍太郎、小泉純一郎、
二人の名首相を支えた。

ご冥福を祈りたい。

若くして鍛えれば、
すなわち
壮にして為すあり。

壮にして鍛えれば、
すなわち
老いて衰えず。

老にして鍛えれば、
すなわち
死して安らかなり。

江戸の儒学者・佐藤一斉をモジった。
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コロナ禍中は、
体を鍛えるときでもあるし、
それが免疫力を養うことになる。

さて、日経新聞経済コラム「大機小機」
「刹那的症候群」の危うさ
コラムニストは自律さん。

「新型コロナウイルスに
世界が苦悩している」

「このウイルスの恐ろしいところは、
無症状でも感染力が強いこと、
重症化すると短期間に
死に至るケースもあることだ」

岡本さんもそれだったし、
志村けんさん、岡江久美子さんも、
そうだった。

「感染すると隔離を余儀なくされ、
誰とも会うことはできない。
現状ではワクチンが存在せず、
既存の薬や点滴、
人工呼吸器が活用されるが、
究極的には自らの免疫力に
依存せざるを得ないという厳しさだ」

ここでコラムニストの指摘。
「死への恐怖感から、
今良ければいい、
ここだけ良ければいい、
自分さえ良ければいい、
という意識が多くの人たちに
芽生えつつあるとも伝えられる」

「今だけ・ここだけ・自分だけ」症候群。

2月17日のこのブログに書いた。
新型コロナウィルスに
「今日もお仕事
おまんまうまいよ」

中世のヨーロッパ。
ペストの大流行で何千万人も死んだ。

当時の閉塞感の中で、
人間たちに3つの心理的傾向が出た。

第1が刹那的な欲望の追求や浪費に走る。
第2に懺悔して神仏に頼る。
第3に犯人を仕立て上げて迫害する。

「今だけ・ここだけ・自分だけ」症候群は、
刹那的な欲望の追求や浪費である。

コラムニスト。
「感染症の脅威は経済問題に直結する」
国際通貨基金(IMF)の専務理事。
ゲオルギエバさんが警鐘を鳴らす。
「90年前の大恐慌以来の大不況に陥る」

日本についてもコメントしている。
「歴史的なマイナス成長に陥る」

しかし、「皮肉なことに
コロナ発生源の中国は例外で、
マイナス成長は回避できるとの見立て」
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「そもそも今回の感染症拡散は
中国・武漢から始まった。
世界の人々を死の恐怖に陥れ、
大恐慌以来の経済不況を
引き起こしつつあるだけに、
中国政府の初動が情報開示を含め
適切だったのかどうか
検証されてしかるべきだろう」

同感だ。

翻って大国のもう一方の極、
アメリカ合衆国。
「トランプ大統領からは
アメリカファーストの理念のもと、
感染症に関しては、
米疾病対策センター(CDC)の存在もあり、
強気の発言が繰り返されていた」
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「しかし現実には、
世界最大の感染者数に見舞われ、
極端な格差社会を背景に
多くの弱者が命を落としている」

そこでコラムの結論。
「中国も米国も、
“今だけ、ここだけ、自分だけ”という
謙虚さを欠いた視野の狭い
政権運営になってはいないか」

同感だ。

「コロナを契機とした
人々の刹那的症候群は、
実は米国、中国という
二大国家の反映とも考えられる」

うなずける。

ただしこれは二大国家を、
「犯人に仕立て上げる」言説ではないし、
世界が米中を迫害できるわけでもない。

私たち自身が、
「今だけ、ここだけ、自分だけ」に、
陥ってはならない。

〈結城義晴〉

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