結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年10月15日(土曜日)

カルフールの4フォーマット、オーシャン、カジーノまで、一挙見て歩記、こちらも顔ぶれが少ない寡占状態

ヨーロッパに渡って、もう1週間。

ドイツ人の質実剛健さ、フランス人の前衛的尖鋭さ。
両方とも味わう日々。
幸せを感じる。

江戸時代の終わりに、海舟や龍馬があこがれ、
明治にはいって、漱石や鴎外が学んだ意味がよくわかる。
それは21世紀の今も変わらない。

さて、パリに来て2日目は終日、
店舗視察。

全員写真は、ラ・デファンスの新凱旋門にて
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ひとり遅れて参加。
誰でしょう?
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この日は、まず朝から結城義晴のセミナー。
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フランスの流通事情と小売業のガイダンス。
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そしてコモディティ化現象と、
コモディティ&ノンコモディティ戦略。
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ヨーロッパの小売業、製造業、
その中の寡占。
分かりやすく、理論的に、
そしてきれいにまとめた。
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最初に訪問したのはモノプリ

フランス国内第3位の小売業・カジーノのスーパーマーケット。
カジーノの2010年売上高は290万7800万ユーロ、昨対8.7%。
110円換算で3兆1985億円。
モノポリとカジーノといったスーパーマーケットと、
ハイパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニなどを展開する。
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入り口の青果のディスプレイが美しい。
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精肉対面から惣菜に続く。
モンパルナスの都心型スーパーマーケットだけあって、
日本のデパ地下のような売り場。
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その証拠にフォション・ブティックがはいっている。
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モノプリを後に、凱旋門を抜け。
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高速道路を走って、サバブ地区に入る。
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モンテッソンのカルフール
売上高は900億9900万ユーロ、昨対4.8%。
9兆9019億円。
ヨーロッパ最大にして、ウォルマートに次いで世界第2位の小売業。
カルフールはハイパーマーケットを主力に、
スーパーマーケット、ハードディスカウントを展開し、
国内シェアは21・96%と、「クリティカル・マス」を突破している。

この店はワンフロア1万2000坪、世界最大のハイパーマーケット。
百貨店には3万坪、5万坪の店があるが、
ハイパーマーケット、スーパーマーケットなど、
セルフサービスを基本とする店舗では最大。
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そのモンテッソン店、9月13日にリニューアル・オープンしたばかり。
ハイパーマーケットの「カルフール・プラネット」が新たなバナー。
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レジ台数62の世界最大ハイパーマーケット。
帰国してからゆっくり分析紹介するつもり。
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カルフール最新型は、
如何にイノベーションが行われたか。
乞う、ご期待。
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そのカルフールの「マーケット」
スーパーマーケットのフォーマット。
小商圏の生活圏に立地する。
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クレート陳列を多用した青果売り場。
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スーパーマーケットのオーソドックスな売り場だが、
シンプルでよい。
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ディスカウントストアのカルフール・ディア

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ローコスト・オペレーションに徹し、
クレートや箱をそのまま並べて販売。
商品の鮮度はよい。
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ラ・デファンスのオーシャン
オーシャンはフランス第2位の小売業。
売上高は424億9200万ユーロ、7.1%の伸び。
4兆6741億円。

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青果売り場。こちらも箱のまま陳列。
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天井が高く、見晴らしの良い広い通路。
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次に寄ったのが、カルフール・オートイユ店
パリ市外に進出した大繁盛店。
ハイパーマーケット。
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鮮魚売り場。
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最後はスーパーマーケットのカジーノ
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これも市内の市街地立地。
洗練された店で、よく売れている。
記念セールのパネルと風船が楽しい売り場。
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豊富な品ぞろえのワイン売り場。
樽型の什器がユニーク。
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視察を終えて、パリ最後の夜は打ち上げ懇親会。
ブーローニュの森の中にあるレストラン。
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最初にコーディネーターの私から三つの総括。

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㈱万代の山下和孝副社長の、これまた実のある総括。
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阿部秀行さんもスピーチ。
そして、談笑の中での美味しい食事。

最後は磯田雅人さんが恒例の「大阪締め」。
決まった!
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ケルンのアヌーガで商談し、
ドイツのビッグ5を視察し、
さらにフランスビッグ3のマルチフォーマットを勉強したMDD会。

成果は大きかった。

海舟や竜馬に倣って、
漱石や鴎外に精神を学んで、
私たちも日本の流通産業に
イノベーションを巻き起こしたい。

そして、心より感謝。

<結城義晴>

2011年10月14日(金曜日)

ケルン大聖堂・タリル旅行からパリ・セーヌ川クルーズまで

ケルンからパリにやってきて、
もう、3日目の朝になる。
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ホテルからの景色。

昨日は、パリ市内と市西側のサバブ・エリアを一巡り。
ここでも、顔ぶれが限られている。

すなわち、寡占状態。

私は「寡占から三占、そして複占に至る」と言っている。
しかしそれはまず、何事も小分類から始まる。
そして中分類へ。

すると社会に大きな影響が出てくる。

日本はまだ中分類のところか。

大分類の段階に至って、
寡占状態はあるかもしれないが、
ここではなかなか三占から複占には行かない。

時間がかかるのか、
それともそんな状況は、
許されないのか。

国家権力ででもなければ、
おそらくその状態は許さないのだろう。
国家は独占を禁じているが、
市場原理も大分類での複占は、
危険だと判断するのだろう。

小売業態で言えば、
複占の次は、
それ自体の破滅が待っている。

そんなことを、
ドイツ小売業、フランス小売業を観ながら、
思った。

さてブログの方は、まだケルン。
メトロのリアルにアルディ、
エデカのネットーにリドル。
そしてレーベ。

ドイツ小売業ビッグ5を、
ケルン市郊外で、2時間ほどで視察。

その後、ケルン市ど真ん中へ。
そう、ケルン大聖堂。
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ここへきたら、この聖堂抜きには語れない。
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ドイツ最大のキリスト教会。
だから「大「」がつく聖堂となる。
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ちなみにフランス第一は、
パリ・シテ島のノートルダム寺院。

中に入るとキリスト教徒でなくとも、
敬虔な気持ちになる。
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神の存在を信じたくなる。
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入り口のところには彫刻。
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天井にはステンドグラス。
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柱にも彫刻。
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バイエルン・ステンドグラス。
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1842年に、バイエルン王国ルードヴィッヒ一世が寄進。

四方の壁面がこういったステンドグラスで囲まれている。
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それはすべて聖書の物語。
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主人公はイエス・キリスト。
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一番奥に黄金の柩。
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そして三賢王礼拝室の上の十字架とステンドグラス。
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アウグスト・エッセンヴァイン作のモザイク床。
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左サイドの礼拝室。
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ケルンメッセよりも古くからあって、
この地でケルンメッセを開催する意味をつくっている。
つまりキリスト教徒はケルン・アヌーガで、
世界の食品産業の最新情報を得、
さらに商談を進め、
同時にこのケルン大聖堂で
巡礼者の気分を味わう。
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だから司教も堂内に立って、
布教活動のためのコミュニケーションをする。
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大聖堂の街ケルン。
メッセの街ケルン。

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アヌーガの街ケルンに別れを告げる。
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ケルン駅。

ここから列車でパリへ。

60人が集合。
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ホームに上がると、
ヨーロッパを旅する気分が、
盛り上がってくる。
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ホームのキオスクで、
ホットドックとコーヒーを買う。
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Köstlich!
美味!

写真が物語っている。

列車が到着。
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ワインレッドの車体から”ルージュトレイン”という名がつけられている。
車体はTGVの改良型を採用。

フランス、ベルギー、オランダ、ドイツが共同運行。

さっそく、乗り込む。快適な旅。
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2009年に新たに高速新線が開通。
所要時間が短縮され、ケルン~パリ間3時間15分、
のはずが、ベルギーのブリュッセルあたりは快調に走ったものの、
パリに入ってから渋滞し、
5時間近くかかった。

それでもヨーロッパ大陸の列車の旅を、
私は満喫。

パリに着いたのが、夜の9時。
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ケルンとパリに時差はない。

一行は疲れも見せず、また集合。
ホームを占拠。
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そして向かうはセーヌ河クルーズ。

バトー・ムーシュ。
早くも乗り込むと、
なんと貸切り。
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貸切でなければ、2時間近くも遅れた一行を待ってはくれない。
出発と同時にシャンペンで乾杯。
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フランス料理と赤白ワイン。
楽しみつつ、席から河岸の夜景を楽しむ。

前菜を食べ終わったら、
デッキに出て、パリを楽しむ。
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今宵は夜風もすがすがしい。
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セーヌの橋をくぐる。
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再び橋が現れる。
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レストランに下りて行って、メインディッシュ。
フィレミニヨンのステーキ。

エレクトーンの生演奏で、
シャンソンなど。
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これもいい。

アレクサンドル三世橋。
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バトウ・ムーシュはセーヌ河を、右に漕ぎ出し、
シテ島をぐるりと回って、反転し、
今度はパリの左側に向かう。

中央の目印は、
エッフェル塔。

出発してから1時間ほどして、
そのエッフェル塔が再び見えてきた。
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パリの象徴エッフェル・タワー。
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バトウ・ムーシュの左端は、
自由の女神像。
後ろにエッフェル塔が見える。
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ニューヨークの自由の女神像と同じ形。
ニューヨークには、
フランスから巨大な女神像が贈られた。

ここでバトー・ムーシュは反転して終点に向かう。
そのとき、ウェイターがロウソクを持ってきた。

参加者の横山㈱社長・横山和司さんの誕生日。
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全員で、横山さんの何十何回目かのパリでの誕生日を祝った。
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そうするともう終点。

エッフェル塔が大きくなってきた。
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朝、起きたのが、ケルン。
それからアヌーガに行って、
商談の詰めをし、
ドイツ小売業ビッグ5の店を訪れ、
ケルン大聖堂を見て、
それからタリルに乗ってパリに到着し、
バトウ・ムーシュで夜のセーヌ河クルーズを楽しむ。

盛り沢山な一日だった。

ホテルの部屋に着くと、
バタンキュー。
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おやすみなさい。

しかし4時間ほどで起きだして、
写真を整理し、ブログを書いて、
朝一番でセミナー。
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パリ第2日目は目いっぱい動き回る。
ご期待ください。

<結城義晴>

2011年10月13日(木曜日)

商事・物産欧州総括のレクチャーとドイツベスト5社の一挙視察

この一両日は、
めまぐるしいほどの動き。

順を追って整理しておかなければ、
いったいどんなところに行って、
どんな人にあって、
どんなことを考えたか、
忘れてしまいそう。

まずは一昨日の夕方に戻る。

アヌーガ2日目の商談、情報収集を終えて、
アウトバーンをデュッセルドルフに帰還。

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向かうは、独国三菱商事本社
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5階の会議室で、
レクチャーを受ける。
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素晴らしい環境。

司会は、三菱商事㈱関西支社食料部長の毛利信作さん
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講義は、三菱商事の子会社プリンセス会長の伊藤和男さん
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プリンセス社は、イギリスの食品メーカーで、
現在、英国内第9位くらいに位置する。

伊藤さんの前任者が、
現在、日本のライフコーポレーション社長の岩崎高治さん。

この伊藤さんのレクチャー、素晴らしかった。
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欧州食品産業の特徴とその分析。
参考になることばかりだったし、
私の認識に合致するところが多かった。
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心から感謝。

その後、今度は場所を変えて、
三井物産からのレクチャー

夕食時間に突入しているということで、
中華料理店。
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左が欧州三井物産㈱副社長の羽鳥信さん、
右はドイツ三井物産社長の岡野克也さん。

羽鳥さんはご自身の経験や見解を込めて、
「国際社会の中の日本と欧州から学べること」を、
レクチャーしてくれた。
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良い講義だった。

講義が終わると、
「ドイツ・ドイツ・中華」のワルツのリズムで、
夕食。

乾杯の音頭は、
ケイ低温フーズ社長の龍首文昭さん
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二日間ドイツ料理で、
三日目が中華。

楽しんだ。

それにしても、
三菱商事と三井物産。
ヨーロッパの最高責任者が、
わざわざロンドンからやってきて、
それぞれに欧州分析を展開してくれた。

どちらも有意義だった。
心から感謝したい。
(レクチャーの詳細報告は後日)

さて、昨日の三日目のアヌーガ。
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残念ながら、雨。

それでもフェア最終日。
我々のアヌーガでの商談も最終日。
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9チーム、すべてが異なった成果を上げた。

アヌーガは早くも、
来年3月のフードテックのご案内を始めている。
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最後に万代の磯田雅人さん、阿部秀行さんと写真。
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ご苦労様でした。
最高の成果が上がった。

これで2011アヌーガともお別れ。
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バスに乗り込むと、
通訳の皆さんが手を振って送ってくれた。
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良い情報収集や商談ができました。

ありがとうございました。

私たちは、その後、
急いで店舗視察。

まず、アルディ
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ドイツ第2位の企業

リミテッドアソートメントの小型店展開で、
それだけで第2位。

すなわちシングル・フォーマット。
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徹底したローコストと低価格。
これもドイツナンバー1。
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アメリカのアルディよりもはるかに、
生鮮やベーカリー、乳製品などの品ぞろえが充実。
よりコンプリート・ストアになっている。

質素・倹約を旨とするドイツ人にはこの店でいい。

もう1店、しつこくアルディの新店。
こちらは少し広くて、新しい。
しかし標準化が進んでいる。
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その隣にネットー
こちらもリミテッドアソートメントの小型店。
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ネットーはドイツ第3位のエデカのディスカウント・フォーマット
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アルディがプライベートブランドや
ダブルチョップ商品を中心に販売しているのに対して、
こちらはナショナルブランドの安売りがメイン。
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だから隣り合わせで出店していても、
それぞれのポジショニングが違う。
成り立つ。

さらにその隣にリドル
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こちらはドイツ第4位の小売業
そしてこのフォーマットも限定品揃えの小型店。
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リドルはアルディとネットーの中間の位置づけ。
それでもしっかり特徴を出そうと必死。

そしてドイツ第5位のレーベが、
リドルの斜め向かいにある。
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こちらはオーソドックスなスーパーマーケット。
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生鮮食品もいいし、
品ぞろえも豊富。
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やっと普通のスーパーマーケットに出会えた感じ。
しかし、この競争のなかでは、
価格が高く感じられて、苦戦か。

第2位から第5位までがずらりと並ぶこの地域。
一番手はどうした?

あるんです。
リアル
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ドイツ小売業界に君臨するメトロ。
世界第5位の小売コングロマリット

そのハイパーマーケット。
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この激戦地で、一番古くて、
一番大きな2層の店舗。
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1階と2階はスロープで繋がれている。

そして一番、豊富な品ぞろえ。
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メトロはキャッシュ&キャリーのメトロ。
百貨店のカーホフ。
そしてこのリアルを主力に展開している。

それでも、このディスカウント攻勢の中で、
ハイパーマーケットはいかに生き残るか。

日独ともに重要な案件である。

これにて店舗視察は終了。
ほんの2時間ほどの間に、
ドイツを代表する企業を制覇した。
しかしこれが、ドイツの特徴。

顔ぶれが少ない。

すごいことだ。

日本とは違うが、
寡占状態を目の当たりにした気がした。

この後まだまだ行動は続くが、
今日はこれにて。

<結城義晴>

2011年10月12日(水曜日)

世界最大食品展示会アヌーガで商談[2]結城義晴選定ブース大賞

ドイツのデュッセルドルフのホテルで、
嬉しいニュース。

『店ドラ』第6刷決定。
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『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
(イーストプレス刊)
目出度く6回目の刷り増しとなりました。

といっても、大ベストセラーのように
ドカッドカッと、大量に印刷するのではなく、
小刻みに小刻みに版を重ねていくものですから、
これからまだまだ長い道のりが待っていることと思います。

でも一発満塁ホームランでなくとも、
コツコツとバントで進塁し、点を取っていく野球も、
味のあるものです。

ビジネスに関する単行本はほとんど、
バント派、コツコツ派、小刻み派であることは
間違いありません。

それでも5月末の発刊ですから、4カ月半ほどで、
6刷は快調なペースです。

みなさんのおかげです。
ありがとうございます。

もうひとつの新しい単行本も、
書店に並び始めています。
『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』
(東洋経済新報社刊)
結城義晴編著・商業経営問題研究会著。
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昨年、書き下ろした『小売業界大研究』(産学社刊)と、
内容は似たような感じですが、
こちらは新書版です。
そして気鋭のジャーナリストたちによって、
最新の情報がコンパクトにまとめられています。

通称『大研究』がベーシックな教科書とすれば、
通称『ハンドブック』は最新情報版とでもいったらよいでしょうか。

ご愛読いただければ幸いです。

さて、こちらでも、大きなニュースになっています。
いや、こちらでこそ、大ニュース。

欧州連合(EU)の危機対策。
日本の日経新聞は今朝の一面トップで報じました。
「ギリシャ債務を大幅削減」

「23日にEU首脳会議とユーロ圏首脳会議を開き、
焦点となっているギリシャ向け融資や
銀行の資本増強など欧州債務危機克服に向けた包括戦略をまとめる」

「経営不安が広がっていたフランス・ベルギー系大手銀行デクシアを解体し、
不良資産を切り離すなど総額10兆円規模の救済策が10日決まった」

昨日お会いした独国三菱商事社長の松井俊一さんは、
「17カ国による欧州金融安定化基金の機能拡充策が、いま、
最後の山場を迎えています」と語っていました。
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現在までに16カ国が賛成票を投じているものの、
最後の国スロバキアが国内決定をする、
その時だというのです。

これは現在の融資能力30兆円を46兆円まで引き上げ、
同時に国債を市場で買い取れるような制度を持つものです。

オーストリアのエルステ銀行が800億円以上の損失を計上しますが、
採択されて安定化基金が発足すれば、ここも安定化します。

しかし、その後、スロバキア議会が否決を決定。
またまた混沌の中に入ってしまいました。
このニュースは今日の各紙夕刊トップを飾るはずです。

先週日曜日に、
ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が、
ベルリンで会談しました。

ふたりのリーダーが実質的に、
今後をどうするかを決めていきます。

そこに焦点が集まっています。

「リーダーの意思決定」
ヨーロッパ全体が、注目しています。

その視線は熱い。

さて、日本ではすかいらーくが売却されてしまいます。
アメリカの米大手買収ファンド「ベインキャピタル」が、
野村ホールディングス傘下の投資会社からすかいらーくを買い取ります。

負債込みの買収総額は約2600億円。

先日のイオンによるマルナカ買収は、
負債込みの総額約1000億円。

「ファンドによる日本企業の買収では2008年秋の金融危機後で最大」と、
日経新聞は書く。

これは、ちょっとさみしいことになります。

さてさて、アヌーガ。
今日は、ブースを写真紹介していくつもりでしたが、
どうやら、ほんのさわりのところで終わりそうです。

ご勘弁のほど。

もう出発の時間が迫っているのです。

ドイツに上陸してから3日目。
アヌーガ訪問2日目。
その終わりに再び全体写真。
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朝10時に入場して、
夕方4時集合。

その間、ブースに入り込み、
情報収集、コネクションづくり、
試食・試飲、商談。

みな、駆けずり回り、食べ、飲み、
話し、考え、討論した。
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昨日と比べてみてください。
みんな、「成果が上がり収穫大」という顔つき、
しているでしょう。

たぶん、日本から来た最大の買い付け団体。

成果を期待します。

アヌーガは、
10月8日開幕、
10月12日閉幕。
5日間の開催。
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その間、この広大な展示場を、
まるでJR新宿駅か、大阪駅かというくらいに人が埋め尽くす。
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15万人のビジター。
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昨日は4日目にもかかわらず、
その勢いは衰えていません。

我々も、世界中のライバルに負けてはいられない。
小さなブースでも、
良い商品があるかもしれない。
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しらみつぶし、
芋づる式、
第六感と度胸、
そして「縁」。

そんなものを頼りに、
そんなものを感じ取りながら、
商品との出会い、
人との巡り合い、
会社との遭遇を期待する。

9つのチームごとに、
通訳をつけて、
食べ、飲み、話を聞く。
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テースティング中なのは、
㈱万代副社長の山下和孝さん。

さてさて、突然ですが、
私が選んだ2011アヌーガ・ブース大賞。

ここです。
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7号館のフードサービス&リテールテックのホールの入り口。
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MKN社。
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シェフがずらり並んで、デモンストレーションしながら、
機械の説明をし、料理を食べさせる。

昨日も違うシェフが中華料理。
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この調理器は、火力が強い。
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パワーがある。
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それを実によく表現している。
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販売するのは、これ。
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テレビ・クルーを引き連れたシェフが、
このブースを訪問して評価。
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素晴らしいパフォーマンス。

何度もこのブースにやってきて、
何度もおいしい試食をさせてもらった。

ありがとう。

といったところで、もう時間切れ。
アヌーガ3日目への出発時間がきた。

アヌーガ自体は今日が最終日。
我々は最後まで粘って、
ホップ・ステップ・ジャンプで、
成果を確認する。

そのあと、今日はパリに向かう。

みなさんごきげんよう。

<結城義晴>

2011年10月11日(火曜日)

世界最大食品展示会アヌーガで商談[1]15万人参集メッセの全貌

昨日の夕刊と今朝の朝刊は休刊。
そこで日経電子版に面白い投稿。

松井証券社長の松井道夫(まつい・みちお)さん
私の一つ下の1953年、長野県生まれ。

日本郵船に入社し、義父の経営する松井証券に転職。
95年、代表取締役社長に就任後、
98年、日本初の本格的インターネット株取引を開始。

「日本版ビッグ・バン」を牽引。
「証券界の革命児」あるいは「証券界の異端児」。

革新的なサービスを次々に導入するもすべて真似され、
昨今は「松井の時代も終わったね」といわれるが、
闘志は衰えていない。

電子版の記事から抜粋した松井さんのプロフィール。

その松井さん自身が投稿。
イノベーションとコモディティに関して、
実に興味深い話。
「松井証券が草分けとなったネット証券の10年間を振り返ると、前半5年は、
従来型の対面営業をする大手証券とネット証券の競争だった」

後半5年は、
「予想以上のスピードでネット取引が普及すると、
参入障壁の低さゆえに次々と新規参入があり、
必然的にネット証券同士の手数料競争になった」

「私は10年前、
手数料自由化とインターネット普及という二つの大きな波を利用して
イノベーションを起こしたつもりだったが、何のことはない、
それがアッという間にコモディティー化してしまった

「仕組みのかなりのものは松井独自で考えたものだったが、
パテントを取らずに公開してしまった。
でも、公開したからこそ、
予想をはるかに上回るスピードで普及したのだから、
文句は言えない」

イノベーションは盗まれる、
真似られる。

しかし、
「イノベーションは参入障壁を崩し、
第一幕目は必ず価格の過当競争になる」
どんな分野でも同じ。

「安さだけを武器にシェア競争をした末に、
体力の劣るプレーヤーから脱落し、
第一幕は下ろされる」

そのあとが重要。
「続く第二幕は単純な価格競争ではなく
智恵で勝敗が決まる」

そのイノベーションの本質。
「イノベーションは常識を覆すことだと私は思っている」

そして決意表明。
「大正7年創業以来、
松井証券が守ってきた矜持(きょうじ)は
『他者の真似はしない』」

最後に、
「真似しての商売など、
そもそも面白くない」

拍手。

さてドイツの旅。
二日目は動き回った。
歩き回った。

朝一番でデュッセルドルフのチャイナ・クラブ。
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ここでセミナー。
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最初に私が30分ほど、
全体像を話す。
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ゲスト講師は、藤田孝司さん。
元江崎グリコフランス駐在所長。
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その時代、私はこのアヌーガで、
藤田さんに会っている。

藤田さんは現在、
JAPAN FOODINGという会社の社長。
そしてコンサルタント。
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ヨーロッパの食品業界と流通業界の最新の動きを、
丁寧にレクチャーしてくれた。
さらにアヌーガやシアルでの、
商談、情報収集のコツを伝授。

貴重な講義だった。

藤田さんとJAPAN FOODINGマーケティングディレクターの末永雅美さん。
心から感謝。
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すぐにバスに乗り、
アウトバーンをケルンへ。
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見えてきましたライン川。
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その向こうにケルン市街と、
あのケルン大聖堂。
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ライン川に架かる橋を渡ると、
ケルンメッセ会場。
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道路標識にも、
アヌーガのお知らせ。
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この掲示の下で、車は長い行列の大渋滞。
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そしてアヌーガの北入口に到着。
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胸がわくわくしてくる。
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広大なケルンメッセ会場。
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万国旗が掲げられている。
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何しろ世界最大の食品展示会。
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アヌーガの旗がひらめく。
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そのアヌーガのトレードマーク。
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会場に入ると、素晴らしい空間。
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パネルで全体像が掲示されている。
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入り口を入る。
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案内嬢と写真。
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9つのチームに分かれて、
視察し、情報収集し、商談する。

いざ出発。
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アヌーガは、1919年の第1回以来、
奇数年に開催されている。
もうひとつの食品展示会パリ・シアルは偶数年。
だからヨーロッパでは、毎年、
世界規模の食品見本市と商取引が行われていることになる。

アヌーガには、5大陸100カ国6500社が出展し、
世界中から15万人のビジターが参集する。

出展企業の82%、来場者63%がドイツ国外からの参加というから、
まさにグローバルな食品・飲料の最新トレンドが発信され、収集され、
取引されるプラットフォームとなる。

そのアヌーガは2003年から、
「10の専門見本市を一堂に会する」をコンセプトに変わった。
それぞれのテーマにそって、
市場をグループ分けして展示する。

1.ファイン・フード(こう呼ばれつつ、国別ブースがある)
2.チルドおよびフレッシュフード
3.ミート
4.フローズン・フード
5.デアリー(乳製品)
6.パン・ベーカリーおよびホットドリンク
7.ドリンク
8.フードサービス
9.リテールテック
10.オーガニック

これらに共通する将来トレンドテーマは9つ。

1.グルメ食品および特産品
2.ハラル・フード(イスラム教徒が食べることのできる食品)
3.オーガニック食品
4.ベジタリアン・フード
5.健康食品および機能食品
6.コーシャ食品(ユダヤ教徒用の食品)
7.フィンガー・フード(片手で一口で食べられる食品)
8.プライベート・ブランド
9.原材料

そうした見本市会場の紹介パネル。
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11号館までの広大な展示会場。
2号館、3号館、4号館、5号館、そして10号館は2フロア。
11号館は3フロア。
ひとつのフロアが東京ビッグサイトの東館をはるかに超える規模だから、
日本のスーパーマーケットトレードショーやフーデックスの10倍以上はある。
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ウェブセンター。
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コカコーラがスポンサーのコンビニ。
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コピーセンター。
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会場案内パンフレットが至る所においてある。
10のカテゴリーと9のトレンドごとに、
1冊ずつの小冊子になっている。
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誰でも持っていくことができる。
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サポートプログラムの会場。
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小さなセミナーが、ミニシアターのように、
ひっきりなしに行われている。
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北のはずれの8号館から視察開始。
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「テースト11」というコンセプトブース。
2011年段階のトレンド商品の代表が展示されている。
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高い天井、快適なコンコース。
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7号館はフードテック&フードサービス。
フードサービスは今回、新たに組み込まれたテーマ。
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8号館と7号館の間の中庭。
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6号館と10号館が向かい合って、
広大なパビリオンを形成し、
両者にミートカテゴリーのブースがこれでもかと並ぶ。

その前のコンコースを、
見よ、この人、人、人。
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広大な会場にもかかわらず、どこも人でいっぱい。
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さまざまな国から、食品産業関係者が集まってくる。
左は10号館、右が5号館から4号館へ。
5号館1階は生鮮・デリ、そしてオーガニック。
2階は、それでもかとミート。
4号館は1階2階とも、
冷凍食品・アイスクリーム。
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10号館は2フロア。
10号館1階は乳製品。
2階はファイン・フードすなわち国別ブース。
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10号館と11号館の間の中庭でひと休憩。
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見本市で収集したパンフレットをキャリーで運ぶ人。
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11号館は3フロアとも国別パビリオン。

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11号館から3号館へ。
3号館1階は国別展示会場、
2階はパン・ベーカリー・ホットドリンク。
2号館へ。こちらも3号館と同じ構成。
1階は国別パビリオンのファイン・フード、
2階はバン・ベーカリー、ホット・ドリンク。
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チームメンバーと遭遇。

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そして南の端の1号館。
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ここにはアジアの国のブースが並ぶ。

南の端まで行って、取って返して、
再び北の端の8号館まで。
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歩き疲れ、食べつかれ、
ゴルフのワンラウンド並みの体力消耗。
初日の視察を終えて、
アヌーガのトレードマークの前で全員で記念撮影。
60人ともなると、顔は見えない。あしからず。
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再びライン川に送られつつ、
アウトバーンを走り、デュッセルドルフへ。
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朝と同じチャイナ・クラブに戻って、
その会議室で結城義晴の第1回講義。
「ヨーロッパ小売業徹底解説」
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食品産業のグローバルな課題とトレンド、
その中でアヌーガが果たしている役割、
アヌーガで学び、ビジネスに生かすための視点、
そしてメトロ、アルディといったドイツの小売業をガイダンス。
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アヌーガ視察の疲れもある中、ご清聴に感謝。
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松井道夫さんは、
イノベーションのあと、
必ずコモディティ化が起こると語る。

一方、アヌーガの広大な会場に並んでいる商品は、
すべて、ノンコモディティ商品だ。
だからこそ15万の人が引き寄せられ、
食品産業に携わる世界中の人々が集う。

ノンコモディティを求めて。
しかしノンコモディティはいつも多産多死。

ノンコモディティとして日の目を見る商品はごくわずか。

ここから宝を探し出すのが、
バイヤーの仕事であり、
醍醐味である。
その魅力あふれるブースと商品群の紹介は、
明日に続く。

乞うご期待。

<結城義晴>

2011年10月10日(月曜日)

成田からフランクフルト、デュッセルドルフへ。ヨーロッパは不景気、日本は回復基調と日経社長100人アンケート

Everybody! Good Monday!
[vol41]

2011年第41週、
10月第3週に入りました。

今日は三連休の最終日。
そして「体育の日」。

さぞかし、
日本はいい天気なんでしょう。

私はドイツのデュッセルドルフ。
こちらは雨。

「体育の日」の趣旨は、「祝日法」第2条で、
「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」

ご存知、1964年の東京オリンピック開会式の10月10日を、
体育の日の祝日とした。

いい決め方ですな。

2000年からは「ハッピーマンデー制度」適用で、
今日の10月第2月曜日となり、三連休。

「体育の日」と名付けられていれば、
国民はなぜかムズムズしてきて、
体を動かしたくなる。

それが、いい。

国民がムズムズと体を動かせば、
商売が成り立つ。

スポーツ用品が売れる、
スポーツウェアが売れる。
スポーツドリンクも売れる。
スポーツ施設が利用される。

腹が減るから食品が売れる。

すべてよし。
「風が吹けば桶屋が儲かる」
それよりも、「体育の日」があれば、
商売繁盛の方が確か。
商売している者は、
今日が終わったら、
体育の日に感謝しなければならない。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

昨日の朝日新聞求人広告の欄。
広告だけれど、
女優の岸恵子さんが、
とてもいいコメント。

「まず自分をまっさらなカンバスにして、
監督が思う人物を描いていく。
その中に自分も織り込めていく」

岸さんは、「それが演技者の芸」という。

監督を「社長」や「会社」に置き換える。
するとサラリーマンの自分の在り方が見えてくる。

「それが働く者の芸」となる。

「この仕事でどうやって自分を生きるのか。
今自分はどこに立っているのか、
自分は何を求められているのか」

このあたりピーター・ドラッカー先生そっくり。

「ある役のために一度自分を空っぽにすることは、
自分を無にすることではありません」

最後のところが、すごくいい。

岸恵子さんは、映画監督のイヴ・シャンピと結婚した。
シャンピは医学博士から反ナチ地下運動家、そして映画監督。
一本芯の通った人間だったが、
その夫に影響を受けてジャーナリストや作家となった。

だから岸さんも、モノの見方に、
一本、芯が通っている。

「一度自分を空っぽにすることは、
自分を無にすることではない」

その通り。

さて日経新聞一面トップ。
「社長100人&地域500社アンケート」
四半期ごとに調査している。

現状の世界景気について、「悪化」と回答した経営者が計33.2%。
「急速に悪化」「緩やかながら悪化」「天井を打って悪化に転じた」

いま私がいるヨーロッパの景気については、
「悪化傾向」の回答が56.1%。

米国についても悪化傾向が33.0%。
さらに中国も「景気拡大が鈍化してきた」との回答が過半。

一方、国内景気には楽観的な見方が強い。
これは前向きな経営者の数が多いということで、
私は評価したい。

半年前と比べた国内景気。
「よくなった」「すでに改善の兆しが見えてきた」を合わせ6割近くが改善傾向。
3カ月後も「よくなっている」「改善の兆しが出ている」が計37.4%、
「ほとんど変化が見られない」が48.2%。

楽観的なのは悪くはない。

今月の商人舎標語、
「着眼大局 着手小局」

これに「積極前向き」が加われば、
年末までの消費経済にも明るい展望が開ける。

さて私はもう、26時間以上起きている。
成田空港周辺の日航ホテルで目を覚まして、
ジジのブログを書いた。
曇り空。
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空港でチェックインして、45番ゲートまで歩く。
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ルフトハンザのフランクフルト行きロビー。
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ごった返していた。
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欧州景気は「悪化」なのか。

ルフトハンザ711便に乗り込む。
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2階部分がファーストクラス・ビジネスクラス。
満杯。

これで景気は悪化しているのか。
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成田の滑走路は、
お盆の高速道路とまではいかないが、
ジェット機の渋滞。
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出発が30分ほど遅れた。

しかし快適な機内ライフ。
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私はアメリカでもヨーロッパでも、
機内では映画を見る、本を読む、原稿を書く、寝る。
これのどれかをしていて、結構、忙しい。
今回は、 2008年の映画『ビューティフル・マインド』を観た。

実在の天才数学者、ノーベル賞受賞者のジョン・ナッシュの半生。
監督ロン・ハワード、主演ラッセル・クロウ&ジェニファー・コネリー。
最後のシーンで、泣いた。

12時間でシベリア回り、ヨーロッパ大陸へ。

フランクフルト空港。
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ここで、関西国際空港から到着したメンバー59人と合流。
万代ドライデイリー会の昨年に続くヨーロッパ研修会。
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私を入れて総勢60名の集団。
ヨーロッパの不景気を吹き飛ばす勢いを持つ。

この研修会は、面白い。
スーパーマーケットの万代からの参加は、
いつも1人か2人。
今回は3人。

副社長の山下和孝さん、
取締役の磯田雅人さん、
取締役の阿部秀行さん。

取引先のメーカー、問屋から、
欧州食品事情を学びに集まってくる。

すぐにバス2台に乗り込んで、
アウトバーンを走る。

ヒットラーのナチスが軍事用に力を入れて完成させた超高速道路網。
バスもかなりのスピードで走行するが、
脇を次々に、小型車までが、
150キロ以上の速度で追い抜いて行く。

1時間ほどで休憩。
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ドライブイン。

中に入ると、立派なデリショップ。
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デリバーもカラフルでおいしそう。
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カウンターも混んでいた。
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コンビニエンスストアも併設されている。
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奥にテーブルやイートインスペース。
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15分ほど休憩して、
再びバスに乗り込む。
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ケルンを通り越して、
デュッセルドルフへ到着。
暗くなっていて、
しかも雨はしょぼ降り。

やっとレストランにたどり着いた。
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うまいオリジナルビールと典型的なドイツ料理の店。
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早速、乾杯。
乾杯の音頭は今津㈱社長の今津龍三さん。
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飲んで、食べて、
明日からの通訳の人々と事前打ち合わせ。

9チームに分かれて、
世界最大の食品メッセ「アヌーガ」を回る。
その9チームに一人ずつ通訳をつける。

展示者と密なコミュニケーションを図り、
商談を成立させ、売れる商品を持ってくるのが目的。
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だから交流は盛り上がった。

デザートの前に、
全員が一人ずつ自己紹介と決意表明。

全員がミッションをもって、
この研修会に臨む。

いい夕食会だった。

食事が終わったら、ホテルへ。
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こじんまりしているが、
快適なホテル。
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私の部屋は202号室。

シャワーはあるがバスタブはない。
ここで4日間、アヌーガを学びつくし、
欧州景気と日本景気に、
ほんの少しでもいい、
風穴を開けたい。

そのための志がほしい。

日本の皆さんも、
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年10月09日(日曜日)

ジジの子守歌[2011日曜版vol41]

ねんねん ころりよ
おころりよ
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ぼうやは よい子だ
ねんねしな
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ぼうやの おもりは
どこへいった
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あの山 こえて
里へいった
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里の みやげに
なにもろた
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でんでんたいこに
しょうのふえ
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ねんねん ころりよ
おころりよ

<『ジジの気分』(未刊)より>

[追伸]
ジジが子守歌を聴いているうちに、
ドイツ・フランスへ旅立ちます。

ヨーロッパ・レポート、
ご期待ください。

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