2020年10月の表紙

大きな街の私だけの店

小さな島に、
たった一店。

その店がとてもよく考えて、
お客さまをよく知って、
いつもその要望に応えてくれたら、
それはとても幸せな島だ。

しかしその店がちょっと迷って、
お客さまの期待に背を向けて、
儲けしか見えなくなったら、
すぐに不幸な島となる。

小さな島の、
たった一店は、
とても、
責任が重い。

しかし大きな街の、
たくさんの店はどうしたらいいか。
どうすれば幸せなお客さまをつくれるか。
幸せな街になれるか。

大きな街のすべてのお客さまの心を、
小さな島のたった一店のように、
ぜんぶとらえようとしたら、それはできるのか。
いや、それはできない。

だから大きな街の、
お客さまをよく知る店は、
それぞれに私のお客さまを見つけて、
その私のお客さまを喜ばせる。

大きな街の、
私のお客さまのための、
たった一店になろうとする。
ほかにない一店であろうとする。

しかし大きな街の、
たくさんの店がみんな、
同じような商売をしたら、
それは幸せな街なのか。

そして大きな街の、
たくさんの店がみんな、
価格だけで競うとしたら、
それでお客さまは喜ぶのか。

これは小さな島の
たった一店が、
儲けしか考えないのと
同じだ。

かくて、大きな街で、
お客さまをよく知る店は、
私のお客さまを見つけて、
そのお客さまのための店になろうとする。

大きな街で、
小さな島の悪い一店になったら、
すぐにお客さまから見放されて、
消えてなくなる。

だから大きな街で、
私のお客さまのための、
たった一店でなければならない。
ほかにない一店でなければならない。
〈結城義晴〉

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