ボクは、猫である。
名前は、ある。

ジジという。
このブログの日曜日に、
かならず登場する。
日本はヨコハマの、
ユウキヨシハルというヒトの家に、
ヤッカイになっている。

チェンバロのうえは、すきだ。
父の名は、ジンジャー。
その父の名をもらって、
ジジとなづけられた。

ちょっと、爺くさいが。
「魔女の宅急便」のジジとは、
縁もゆかりも、ない。
ポカポカとあたたかい秋の日。
ボクは、この光に包まれると、
ねむくなる。

そしていつも、夢をみる。
姉妹たちと、一緒の夢。

じつは、ボクたちは、
三つ子である。
ねている夢。

ハッと、目がさめると、
ヨコハマの家の部屋のなか。

ボクは、いま、
親もとをはなれ、
ユウキヨシハルというヒトの家に、
ヤッカイになっている。

それでも、ボクは、
いきている。

ボクは、猫である。
名前は、ある。
ジジという。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















