結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年11月17日(火曜日)

『dancyu』編集長・町田成一の「0.3歩先を提案しよう」

「埋蔵金」は1兆0123億円から1兆1008億円と出た。  
読売新聞の集計。

鳩山内閣の行政刷新会議が、連日行われている。
昨16日には、6事業が、
「廃止」あるいは「予算計上見送り」と判定された。
今回の対象は447事業だが、
事業仕分けの削減額は、合計で2441億円~3324億円になる。
さらに18の基金と特別会計から6352億円の国庫返納が求められていて、
これらがすべて実現されると、
総額1兆1000億円に達するという読み。

行政とは本来、国家による国民に対するサービス機能である。
「公的サービス」という。  
もちろんその公的サービスの中に、
官僚の天下りをはじめとするまったくの国民無視がはびこっていて、
それが税金でまかなわれていた。

だから、この国民無視の部分は容赦なく、どんどん削減される。

しかし「公的サービス」であることは忘れてはいけない。

小売業やサービス業が、
コスト削減の名目のもと、
必要なサービスまでカットしてしまったら、
なんのための小売業・サービス業なのか、となる。
同じことだ。

企業の場合には、「顧客無視」だけは、
避けなければならない。

これは至極、当たり前だけれど、重要なことだ。

「中小企業大企業病」  
私の唱える危険な兆候。
経済不況が長らく続き、
消費不振が長期化すると、
平気で、顧客無視の風潮が台頭してくる。
それに無神経になってくる。

これこそ「中小企業大企業病」である。

この病状が会社に蔓延する根本原因を、
一つだけあげるとしたら、
経営者・幹部の「保身」である。  
「利他と無私」の正反対の行為。

経営者は、組織全体のために仕事をする。
それが本来の姿勢だ。
ところが、自分のために仕事をする経営者がいる。
彼らは自分の保身のために、意思決定する。

当然ながら、組織の目的とは違った意思決定となる。

トップがそれを始めると、
幹部やミドルマネジメントにその風潮が伝染してゆく。

悪い病気が社内・組織内に蔓延していく。

かくて会社全体が「中小企業大企業病」となる。

「ご愁傷様」  
この病気を治す薬は、ない。
直すには、手術しかない。

いま、民主党政権がやっていることは、
手術であって、薬事治療ではない。

それでも、「国民無視」と「顧客無視」だけは、
避けなければならない。

さて、昨日は、横浜の商人舎オフィス。
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「狭いながらも、楽しい我が家♪」  

プレジデント社の月刊雑誌『dancyu』編集長の町田成一さんを招いて、
CDオーディオセミナー「知識商人登場!」の収録。
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『dancyu』のネーミングは、
「男子厨房に入るべからず」のパラドックス。
現在、食と料理に関する雑誌として、
ダントツ・ナンバーワンの地位を築いている。

町田さんは、19年前の創刊のときからこの雑誌にかかわり、
現在、第7代目の編集長。
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その町田さんに、
フード・マーケティングの肝心なところを話してもらう企画。

しかも、彼は、学校を卒業してから、
㈱商業界に入社し、『食品商業』編集部に属した。
dancyu編集長・町田成一の、
編集者・記者としての駆け出しの修業の場は商業界だった。

そしてそこには、先輩として、上司として、
結城義晴がいた。

そうです、町田さんは、
私の編集長としての最初の部下だったのです。

対談は、これまでで一番リラックスして行われた。

最新のフード・マーケティングを語ってもらう企画の最初の部分は、
『dancyu』でヒットした特集ランキング・ベスト10。

すべてを明かすことはできないが、
第1位は「カレー」。
第2位は「スパゲッティ」。
第3位は「餃子」。  

なんと、「顧客」が喜ぶ料理は、
「どべーシック」メニューで、
それでいて、ちょっと上質の味の提供だったのだ。

カレーは、スパイスを配合して、
本格的な味をつくる。
これは、受けない。

市販のカレールーを使って、
ちょいと自分流を味付けする。
これが、受ける。

コモディティ・アイテムを使って、
自分だけのノンコモディティを演出する。

「0.3歩先を提案します。
半歩先でも、早すぎます」  

町田さんは、言う。

これはまさしく、食品小売業・フードサービスの極意。

私の「コモディティ&ノンコモディティ論」に、
「ベーシック」の第3次元の概念が加わった。
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「生活者は、いいものを知ると、後戻りしにくい」  
これも町田さんの言葉。
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私は、対談しながら、うれしくなった。

現在、49歳の町田成一。
彼の20代と私の30代。

対談の2時間は、
時の流れと人間の成長を、私に教えてくれた。
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商業界を「卒業」した者は、
みな、幸せになっている。
それが私には、ことのほかうれしかった。

心より、感謝。

<結城義晴>  

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