結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年03月03日(木曜日)

虹が祝ってくれた帰国と成果、触媒と化学反応がイノベーションを導き出す

帰国しました。
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「みなさん、お元気様でした」
㈱ハローデイの挨拶の仕方。

「お疲れ様」と挨拶するのもいいけれど、
それでは元気が出ない。
だから逆に「お元気様」と言う。
そうすると、自ら元気が出てくる。

サンフランシスコ国際空港の空に虹がかかった。
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私たちの成果を祝してくれているようだ。

帰ってみると、
ひな祭りの桃の節句。

今日の商戦どうだっただろうか。
お客様を元気づけることができただろうか。

USA視察研修会は、
全員、まったく事故もなく、
最高のチームワークで、
見聞し、体験し、
討議し、考察した7日間でした。

特に今回、私の役割を表せば「触媒」。

触媒とは「特定の化学反応の反応速度を速める物質」。

面白いのは、「触媒自身は反応の前後で変化しない」という点。
私は、化学反応の触媒を自覚しているが、
まったく影響を受けないか、といえばそんなことはない。
私も反応の前後に変化する。

最近は、化学の世界でも触媒の数が増えて、
次のようなものも触媒とされる。
「反応の完了と同時に再生し、
変化していないように見えるもの」

多分、私は、
この新しい触媒の機能を果たすのだろう。
自分でそう思っている。

会社でも社長は、本来、
触媒の役目を果たす。

触媒自身は変わらないが、
触媒に触発された周辺が変化を起こし続ける。

やがて大変化となる。

そんな会社が成長する。
成長はイノベーションによってなされる。

今回の参加企業は、
㈱阪食(千野和利社長)
㈱ハローデイ(加治敬通社長)
㈱サンシャインチェーン本部(川崎博道社長)
㈱エブリイ(岡崎雅廣社長)

4社の社長・幹部が交流し、
化学反応を起こして、
新しい創造を果たす。
新しいサービス&クォリティ・スーパーマーケットを創造する。
それが日本の先端を行く。
世界にも通用するくらいのサービス&クォリティ。

それが目的。

目的の最初の段階は達せられたが、
化学変化は、これからさらに爆発する。

いつ、爆発点を迎えるか。

私はそれを、心から楽しみにしている。

空港では、解団式。
人差指で、一本締め。
「よ~っ」
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「ちゃん!」
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解団の前に、全員写真。
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朝のバスの中でも、
最後の講義。
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2008年の米国FMIの「スピークス」より。
“New Way of Working Together”
協業のための新しい道。
このとき「共通にする10のファクター」がある。
1.共通のゴール
2.共通のターゲット・カスタマー
3.共通の言語
4.共通の指標
5.共通のスコア・カード

まず共通のゴール、顧客、そして手段。

その上で、必要な4つのステップ。
6.一つの会社・一つのチームの如く
7.ルーチンの仕事を繰り返し
8.人を養成し
9.ゼネラルマネジャー以上が参画する

最後に、
10.すべての企業をネットワークに加えることは出来ない

私は、「一つのチームのごとく」がとりわけ重要だと思う。
その意味で、「一つのチームのごとく」展開された研修会に、
大きな意味がある。

最後は、「自ら、変われ!」
自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。

「自ら、変われ」 とはいっても、
変わるものと変わらないものとがある。
変えるべきものと変えてはいけないものとがある。
だからラインホールド・ニーバーの「祈り」。
変わるものを、変えられる勇気を、
変わらぬものを、受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を
お与えください。 

このなかで、触媒は、変わらない。
変わるが、すぐに再生されて、
変わったようには見えない。

バスの外は、雨だった。
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この雨が、虹をもたらしてくれた。

昨夜は、サンフランシスコのチャイナタウンで、
最後の晩餐。

中華料理を堪能した。
乾杯の前に各社トップから挨拶。
まず、阪食の千野和利さん。
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サンシャインチェーン本部の川崎博道さん。
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エブリイの岡崎雅廣さん。
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そして乾杯の音頭とご挨拶はハローデイの加治敬通さん。
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食事が進んでから、
各社トップ御指名で、
今回の研修会の成果を一人ずつ発表。

阪食からは商品統括部部長兼店舗企画部長の志水孝行さん。
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サンシャインチェーンは常務取締役の新井(にい)明さん。20110303235930.jpg

エブリイは取締役部長東部店舗統括の柴田昇さん。
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そして熊本ハローデイ社長の松元孝一さん。
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さらに講師からまとめ。
私の相棒・浅野秀二先生。
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私はこれからもずっと、
浅野先生とアメリカ研修をご一緒させていただくつもり。
「触媒」は正反対の異なる2種である方が、
より高い効果が上がる。

そして結城義晴。
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1週間のご清聴を、心から感謝。

最後の晩餐の最後は、
阪食の松元努常務の音頭で一本締め。
「よ~っ」
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「ちゃん!」
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松元さんはもう既に、
「新しいプロジェクト」が、
3つ、4つ誕生したことを披露した。

そう、新しい化学反応は起こり始めている。

私はこの化学変化が、
イノベーションにつながることを、
確信している。

それを期待しつつ、心から感謝。

<結城義晴>

2011年03月02日(水曜日)

サクラメント&サンフランシスコ駆け巡りのウォルマートからホールフーズ、バークレー・ボウルまで

成田を発ってから6日が経過。
もう最終日。

サクラメントに2泊3日。
サンフランシスコに3泊4日。

今回も充実の小旅行だった。

まだこのブログでは、
ナゲット・マーケットの報告しかしていないが、
ほんとうに書ききれないくらいの見聞をし、
議論をし、考察をした。

朝日新聞のコラム「経済気象台」。
「幸福の支出バランス」のタイトルで深呼吸氏が、
消費支出のバランスと幸福との関係を考察している。

消費支出の各項目ごとに国を5つに分類。

第1は、「食料・飲料費が大きな割合を占める国」。
いわゆるエンゲル係数が高い国で、
アフリカ諸国やインドなどがこれに該当。

第2は「医療・保険費の割合が高い国」。
アメリカがその典型。

第3は、、「教育費の割合が高い国」。
これは韓国に代表される。

第4は、「娯楽・文化費の割合が高い国」。
イギリスが代表格で、
カナダ、スウェーデンなど「各種の幸福度ランキング上位の国々」。
幸か不幸か、ここに日本が入る。

そして、第5は、「居住・光熱費の割合が高い国」。
フランス、ドイツなど。
さらに「カナダ、スウェーデン、日本も、
重複してこのグループに入る」。
幸か不幸か。

結びの言葉は、「幸福は消費だけでは測れない。
しかし、消費のバランスが幸福とは何かと問いかけている」
これだけで、結論らしきものは見当たらない。

つまりは娯楽・文化費の割合が高い日本も、
幸福度が高いと言いたいのか。
深呼吸氏にしては、収まりのつかないコラムだが、
私には意味がある。

いま、私は医療・保険費の割合が高いアメリカにいる。

アメリカの家計支出に占める割合は、
食費が6%で、医療費が19%(2009年)。
なるほど医療費は高い。
しかしアメリカ小売業において、
ドラッグストア分野は異常ともいえるくらい発達している。

『ストアーズ』と『フォーチュン』から導き出した米国小売業ランキング。
1位    Wal-Mart  年商4050億ドル(1ドル100円換算で40兆5000億円)  店舗数 4,304店
2位    Kroger  767億ドル 3,619店
3位   Costco  714億ドル  566店
4位  Target  634億ドル 1,740店
5位    Walgreen  633億ドル 7,397店

ここまでの企業は、コストコを除いてほとんどが、
ドラッグ部門をもつ業態を中心に展開している。
そして激しく競争している。
ウォルマートはスーパーセンター、ディスカウントストア、
スーパーマーケットで薬を売っているし、
スーパーマーケットのほとんどは、
いまやフード&ドラッグだから、
クローガーもほとんどの店で薬を売っている。
ウォルグリーンはまさにドラッグストアの王者。

医療・保険費は高いかもしれないが、
その分、小売業がカバーしていることになる。

食費に関連する企業は、
ウォルマート、クローガー、コストコの3強。
ターゲットもスーパーターゲットという総合スーパーでは食品を扱っているし、
ドラッグストアのウォルグリーンも、加工食品や菓子、飲料を売っている。

6位    The Home Depot 592億ドル 1,966店
8位    Lowe’s           472億ドル 1,694店
9位    Sears Holdings   440億ドル 3,519店
10位  Best Buy         373億ドル 1,192店

この4社は、非食品系の業態だが、
それ以外は14位まで、食品関連も薬品関連も扱う企業ばかり。
7位    CVS Caremark   554億ドル 7,025店

11位   Safeway       350億ドル 1,501店
12位   Supervalu       316億ドル 2,349店
13位   Rite Aid          257億ドル 4,780店
14位   Publix Super Markets  245億ドル 1,014店

ライト・エイドがドラッグストアで、
セーフウェイ、パブリクスはスーパーマーケット。
スーパーバリュは半分が食品卸、半分がスーパーマーケット。

くりかえすが、
ほとんどのスーパーマーケットは、
フード&ドラッグだから、
食品関連と薬品関連の店は、
ほんとうに多い。

小売業が充実していれば、
この面での「幸福度」も、
少しは相殺できると考えられないか。

ドラッグ分野に関していえば、小売業、商業は、
社会の「負」からの要請に応えていることがわかる。
医療費・保険費が高いから、
多くの業態でフォラッグ関連商品を売り、
ドラッグ関連サービスを充実させる。

では、食費が安いから、
食品小売業は充実していないのか。

それは違うと思う。

アメリカでも食品分野に、
コモディティ化現象が進行していることは、確かだ。

だから価格競争は激しくなる。
そしてコモディティ・グッズは寡占化される。

その中で、いかに「ポジショニング」を確立していくか。
それがアメリカ食品小売業の課題であり、
我々のテーマでもある。

さて、ナゲット・マーケットを第1の目的にして、
このアメリカに乗り込んだ。

同社が展開する2フォーマット12店舗のうち、
2フォーマット6店舗を訪れて、
その目的は達した。

第2のターゲットは、「ホールフーズ・マーケット」
4タイプの店を吟味して訪れた。

古い店をいかに活かしているかのモデル。
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この店は地域になじんでいて、
とても良かった。

ホールフーズは全米41位のチェーンストアで、
スーパーマーケットでも第10位に入る。

昨年11月オープンの新店。
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年商80億3200万ドル、伸び率1.0%。
店舗数は273店。
オーガニック&ナチュラル・スーパーマーケットとしては、
世界第1位で、独壇場。

サクラメントの新店。
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左のシェリルさんと右のルーカスさんが、
丁寧に質問に応答えてくれた。
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第3は、トレーダー・ジョー
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「ファースト・メイト」と呼ばれるアシスタント・マネジャーのアランさんが、
インタビューに応じてくれたうえで、記念写真。

サンフランシスコのトレーダー・ジョー。
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これら以外にも、ポジショニングを明確にし、
しかも客層を広げることに成功している企業や店舗を狙って訪れた。
逆に、ポジショニングが不明確だったり、前時代的だったりして、
極端に客層が狭くなっている企業や店舗も見た。

ディスカウントタイプでは、
ウォルマート・スーパーセンターの環境対策店舗。
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ご存知、世界最大の企業。
米国小売産業は、
ウォルマートを中心に回るメリーゴーラウンド。

ディスカウントタイプのもう一つは、ウィンコ・フーズ
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78店で、50億ドルのスーパー・ウェアハウスストア企業。
倉庫型ディスカウント・スーパーマーケットと理解すればいいだろう。

新しいフォーマット「ファーマーズ・マーケット」では、
まずヘンリーズ・ファーマーズ・マーケット
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37店舗のファーマーズ・マーケット企業。

そしてスプラウツ・ファーマーズ・マーケット
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アリゾナ州フェニックスに本部を置き、
現在、カリフォルニア、コロラド、テキサスに出店し、55店。
ファーマーズ・マーケットのフォーマットでは最強の企業だ。

両者は、合併する。
そして92店のチェーンストアへと成長を果たす。

セーフウェイは、ニューライフスタイル2型。
この店は、日本のスーパーマーケット企業でも手が届きそうで、
その意味で大いに学ぶ価値がある。
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もう見るも無残なセーフウェイのコンベンショナル型。
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さらに小型店の「ザ・マーケット」
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レイリーズも、ニュータイプと古い「ベル・エア」。
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レイリーズは2010年年商35億3500万ドル。
店舗数は133店で、サクラメント第1位のシェアを持つ。
アシスタント・マネジャーのシェリーさんが、
店内ツアーをしてくれて、
その上で握手。
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ベルエアは、レイリーズの傘下にあるが、
私たちに停滞することの恐ろしさを教えてくれた。
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反面教師企業は、
ドレーガーズ
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高級スーパーマーケットの面影は残すが、
客層が限定され、苦しい。
現在4店舗で、年商約5000万ドル(50億円)。

アンドロニコス。
スタンフォード大学のスタンフォードショッピングセンターにある。
立地はいいが、この店も時代に取り残されている。
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そしてモーリー・ストーンズ
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全9店舗で、オーガニックなど扱うワンウェイコントロール型の店。
しかしその青果部門が完全にホールフーズに後れをとっている。

そして最後に、
商売の原点を教えてくれるバークレー・ボウル。
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オーナーのグレン・ヤスダさんに丁寧にご案内いただいて感激。
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もう帰国の朝を迎えつつあるが、
振り返ってみても、良い勉強ができたと感じる。

私はいつも最後に言うが、
「すべてのアメリカ小売業とそこに働く人々、
それを経営する人々に心から感謝したい」

反面教師の企業にも、
感謝しなければならない。

「存在するものすべてに意味がある」

<結城義晴>

2011年03月01日(火曜日)

3月の商人舎標語「自分の強みを活かせ」とナゲット・マーケットの「強み=芸術性&ホスピタリティ」

サンフランシスコでは、
3月1日に入ってまだ5時間程度。
午前5時前。

しかし日本では、
3月1日が終わろうとしている。

その3月の商人舎標語。
「自分の強みを活かせ」

アメリカに来ていると、
ことさら、そう思う。

ピーター・ドラッカー先生の持論だが、
これだけ自分の強みを知り、
強みを主張するアメリカ人に対して、
ドラッカー先生はさらに言う。
「自分の強みを知れ、強みを活かせ」

ドラッカー先生は、
オーストリア生まれのユダヤ系アメリカ人。

私にもオーストリア人の友人が一人いる。
パリ国際食品見本市のシアルドール審査委員仲間の一人。
彼は強い個性をもっていた。
頑として曲げないところがあった。

ドラッカー先生ご自身、
「強みを知り、強みを活かす」ことによって、
生き抜き、成果を上げてきたから、
こう諭すのだと思うが、
奥ゆかしい日本人に対しては、
どれだけ強調しても足りることはない。

だから新年度が始まるときの標語。
「自分の強みを活かせ」

あなたの強みは、何ですか?
即座に答えることができますか?

あなたの店の強みは何ですか?
それをお客様に伝えていますか?伝わっていますか?

あなたの会社の強みは何ですか?
会社全体でそれを意識していますか?

弱みを直そうとするより、
強みを活かし、強みを伸ばす。

どんな人にも、
強みがあり、
弱みがある。

強みがなくて、
弱みしかない人はいない。
強みばかりで、
弱みのない人もいない。

自分よりも、他人のほうが、
強みが多くて、弱みが少ないように、
見えるかもしれないが・・・。

しかし自分でそう思っている者こそ、
自分を強調し過ぎるきらいもあるから、
人間はおもしろい。
「マエデビッチ・ジマンスキー」
ロシア人ではない。

主張は、謙虚でもいい。

自分の強みを知る者は、
謙虚なモノの見方、考え方を知っている。
自信があるからだ。
本来、「強みを知る」ことの意味は、
この謙虚さを生み出すところにある。

「自分の強みを活かせ」
今月の標語。

よろしく。

さて3月。
プロモーションの山は二つ。
3月3日(木曜日)の桃の節句。
3月21日(月曜日)の春分の日。

春分の日は三連休の最後の日。

ひな祭りの桃の節句は、祭日ではない。
桃の花が咲くころ。

桃の花は、啓蟄の頃に咲く、とされる。
今年の啓蟄は3月6日。

毎年、梅の花、桜の花はよく見るが、
生の桃の花には意外なことに、
お目にかかることがほとんどない。

それでも桃の節句。

女の子のお祭り。
例えばスーパーマーケットの場合、
主要顧客は主婦。

ターゲットはそのままひな祭りの主役。
だからこそ効果は高い。

商品にも特徴がある。

第1に、ちらし寿司。
『クックパッド』では、
「えりほのちらし寿司」が、
真っ先にヒットする。
第2に、はまぐりの吸い物。
昔の女の子の「貝合わせ」という遊びに、
はまぐりの貝殻が使われる。
トランプの「神経衰弱」のようなもので、
一対になっている貝以外には合わない。

このはまぐりの吸い物には、
「一人の男と生涯連れ添う」という願いが込められている。

考えてみると恐ろしい願いだが、
ひな祭りの必需品。

第3は、赤・白・緑三色の菱餅。
赤は、厄祓いと解毒作用があるクチナシで色づけされ、
健康を意味する。
白は、菱の実を入れ、清らかさを表す。
緑は、増血効果がある蓬(よもぎ)を入れ、若草を表わす。
春らしい三食だが、
イタリア国旗が赤・白・緑。
何の関係もないが。

第4は、雛あられ。

そして第5に白酒。神様に捧げるおみき。

ひな祭りの桃の節句は、
子どもの日の端午の節句より派手で華やか。
根底には「春の喜び」がある。
目いっぱい盛り上げて、
顧客とともに春の訪れを、愛でたい。

さてアメリカ報告。
今日は、ナゲット・マーケット。
今回のアメリカ視察の目的のひとつ。

カリフォルニア州サクラメント市に本拠を置く小売企業。
スーパーマーケットのナゲット・マーケットを9店、
ディスカウント型のスーパーウェアハウスストア「フード4レス」を3店舗展開し、
2009年度年商2億8800万ドル。

サクラメントに10店舗を展開し、
4.4%のシェアを有する。

その独特の店づくりとホスピタリティは、
規模は小さいながらも全米小売業界で知らぬ者がいない。
2月25日に最後に訪れたデイビス店。
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夕闇が迫っていたが、
素晴らしい青果部門がまず、
我々を迎えてくれた。
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鮮度が良くて、プレゼンテーションも素晴らしい。
その上、「安さ」を打ち出す。

さらに、ホスピタリティ。
店を出たところで、
高齢のご婦人客に出会った。
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「どこから来たの?」
「日本ですよ」

高校生のアルバイトの女の子が、
杖をついたご婦人客に付き添って、カートを押していく。
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そして車のトランクにショッピングバッグを丁寧にしまいこんだ。
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女の子はご婦人と、ずっと話している。
まるで本当のおばあさんと孫のよう。
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これがナゲット・マーケットのホスピタリティ。

店や売場の素晴らしさは、ナゲットの特長。
価格の安さも、ナゲットの武器。
それ以上にホスピタリティがナゲットの生命線。

9店舗あるナゲット・マーケットの中で、
「エル・ドラド店」を紹介しよう。
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2008年オープンの最新店。
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ナゲット・マーケットは、
すべての店が1店1店、
違った顔をもつ。
ファサードも異なる。
ロゴのナゲットとは「金塊」の意味。
このエル・ドラドからは砂金が出た。
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ファサードはヨーロッパの街のよう。
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店内は芸術品のようだ。
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とりわけて入り口正面の青果部門。
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このアートのような野菜売場から、
顧客は丁寧に、丁寧に、
芸術作品からピースを抜きとるように、
商品を買ってゆく。
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天井には採光システムが導入されている。
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青果部門サイドの果物。
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青果売場のサイド。
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店に入るとすぐ左手に花売場。
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フローラルのインショップ。
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その後ろにコスメティクスの売場。
ここが素晴らしい。
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真ん中に石造りの什器。
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石鹸のプレゼンテーションも美しい。
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壁面のコスメティクス。
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青果部門からリカー部門への導入スペースに、
島陳列。
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店舗左手はワイン売場へと続く。
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店舗左翼壁面は、ワインボトルでデコレーションされている。
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ワイン、シャンパン、ビール、ハードリカー。
フルラインの展開がなされる。
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日本のコンビニのように冷蔵ケースでビールやワインが売られている。
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グレードの高いワインは特設什器に陳列。
品揃えの幅は広い。
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冷凍食品売場のリーチインケース。
ウェット・ルックの床。
すなわち濡れたように見える床の輝き。
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奥主通路沿いのエンド陳列。
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ボリューム感いっぱいの大量陳列。
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「STOP」はナゲット・マーケットの「特売」。
エンドが高々と積まれ、
真ん中に「STOP」のPOP。
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青果部門の裏側の菓子売場。
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コーヒーのプレゼンテーションにも、
目を引く仕掛けがある。
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加工食品のゴンドラ・アイルは長い。
手前は波型什器で変化をつける。
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ただしナゲットの政策はナショナル・ブランドの安売り。
競合店がプライベートブランドに特長ある商品を揃えてくると、
ナゲットの特性は消されてしまう。
それが問題。

ナゲットにも積極的なプライベートブランド開発の季節がやってきそうだ。
乳製品から、店舗右手のフードサービス部門へ。
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店舗右翼は「フードサービス」コーナー。
つまり惣菜デリの対面売場が連なる。
まず、寿司売場から。
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中央にセルフサービスのサラダバー、スープバー、
大皿デリ売場のアイランドがあって、
壁面は対面売場。
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惣菜デリの味の面で、
ナゲットには今一歩上のレベルが要求されている。
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惣菜デリの向かい側にある簡便商品売場。
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エル・ドラド店を訪れる日本人は少ない。
しかし、ここにはナゲット・マーケットにしかないものが満ち溢れている。

壁に掲げられたミッション・ステートメント。
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そしてナゲット・マーケットの象徴。
羽根の生えた豚。
不可能を可能にする意味が込められている。
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店舗背後には新興住宅が並ぶ。
典型的なサバブ立地。
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その中にナゲット・マーケットを核店にしたショッピングセンターが、
ヨーロッパの都市のように展開されている。

この光景そのものが、
芸術品のようだ。

店や売場の芸術性は、ナゲットの特長。
価格の安さも、ナゲットの武器。
ホスピタリティもナゲットの生命線。

そしてこれらの総合力こそが、
「ナゲット・マーケットの強み」なのである。

<結城義晴>

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