結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年06月02日(木曜日)

Eテレ番組「100分de名著・ドラッカー」主演の上田惇生先生と「企業の目的は企業の外にある」

菅直人内閣に対する不信任決議案。
あっさりと否決された。
賛成152、反対293。
投票総数445、過半数223だから、
菅首相の圧勝。

ただし、衆院本会議採決前の民主党代議士会で、
震災対応に「一定のめどがついた段階」での自発的退陣を表明。
「若い世代に責任を引き継いでいきたい」

それがこの票数に出た。

菅直人退陣。
枝野幸男官房長官あたりが首相となって、
民主党政権のもとでの震災対応がつづく。

ある意味で、民意が反映された形か。

鳩山由紀夫、亀井静香などが事前に動き、
小沢一郎、谷垣禎一などが狙った大連立や政界再編が封じられた。

これまた、民意の反映だろう。

さて昨夜は、NHK「Eテレ」で10時から、
「100分de名著・ドラッカー」第1回が放映された。

ドラッカー学会代表の上田惇生先生主演の番組といってよい。
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その上田先生、素晴らしかった。

いつもの話しぶりや講義の情熱が、
テレビ画面を通じて、
ひしひしと伝わった。

内容は、ピーター・ドラッカーの『[エッセンシャル版]マネジメント』を、
上田惇生流にわかりやすく解説するというもの。
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上田先生は、エッセンシャル版の「まえがき」こそ、
ドラッカーの「マネジメント宣言」であるという。

「まえがき」――なぜ組織が必要なのか。
写真のような画面を前に、上田先生の熱の入った説明。20110602135015.jpg
「組織として成果を上げさせることが、
自由と尊厳を守る唯一の方法である」

ドラッカーは、マネジメントこそ、
「自由と尊厳を守る唯一の方法」と宣言しているのだ。

マルクス共産主義も、
ブルジョア資本主義も、
経済至上主義であった。

それを脱しようと台頭してきたナチスの全体主義は、
自由と尊厳を否定した。

ドラッカーは、「マネジメント」こそ、
「全体主義」に代わるものだと言い切る。

上田先生は、この一番大事な歴史観から、
ドラッカーの紹介に入った。

次が、「パート1・マネジメントの使命」の中の、
「第1章 企業の成果」の中の、
「2 企業とは何か」からの引用。

ここで最も有名なフレーズが登場。
「企業の目的の定義はひとつしかない。
それは、顧客を創造することである」

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その前にテーゼを出す。
「企業の目的は、
それぞれの企業の外にある」

私も文章家の端くれとして、
「参った」としか言いようがない表現。

企業の目的は、企業の中にはない。
それぞれの企業の外にある。

企業自身の利益を上げることが、
企業の目的ではない。

企業の目的を果たすために、
利益は必要な条件であるけれども、
断じて、それが目的ではない。

利益よりも、顧客が優先される。

倉本長治の最も大事な言葉。
「店は客のためにある」
「店(企業)は客(企業の外の顧客)のためにある」

私の手元にある『エッセンシャル版』は、
「2001年12月13日初版発行」のもの。

この本では、9級の小さな字で、
こんな大事なことが、さらりと書かれている。

上田先生は、テレビの大画面の大きな字で、
この一番大事な二つのことを強調した。

なんともすごい番組だった。
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この番組は毎週、火曜日の夜10時にEテレで、
25分ずつのストーリーが4回放映される。

次の第2回は来週6月8日、
第3回は15日、
第4回は22日。

是非、お見逃しなく。

リアルタイムに見られない人は、
絶対に録画しておくべきだ。

さて、『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
上田先生にも推薦文を書いていただいた。
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上田先生のコメントは、
「これは小売業・サービス業の店長のためのドラッカーである」

上田先生は自らドラッカー学会の代表を務める。
そのホームページの「ご挨拶」には、以下のようにある。
「不思議なことに、
誰もがドラッカーは
自分のために書いてくれたと思います。
5年経ったらまたそのとき、
自分のために書いてくれたと思います」

「ドラッカー・ファンが10人寄れば、
それぞれが別のドラッカーをもっていることを知ります」

「つまりドラッカーは、
それぞれのドラッカーです」

私は、本の表紙のトップタイトルに書いた。
「ドラッカーは小売り・サービス業を応援している!」
まさにこれが「それぞれのドラッカー」を表している。

私は、『店長のための《ドラッカー講座》』が、
上田先生が最も嫌う「ハウツー本」になっていないかを、
一番、気にかけていた。

わかりやすく、やさしく、ドラッカーを、書く。
するとどうしても「ハウツー本」に陥りやすい。

しかし上田先生から、
私の盟友・川勝利一さんを通してメールをいただいた。
「『店長のための…』
①ハウツーにはなっていませんので御心配なく。
②学会HPで書評と告知を掲載の予定です」

本当にホッとしたと同時に、
上田先生のやさしさに感動した。

昨夜の番組に関して、上田先生の呟き。
「ドキドキしています。上田」

越路吹雪という超大物歌手。
素晴らしいシンガーだった。

しかし舞台で歌う直前まで、
「ドキドキ」していて、
いつもマネジャーに背中を押してもらうようにして、
舞台に出ていった。

しかしいったん歌い始めると、
滔々と、堂々と、歌いきった。

上田惇生は、まさに越路吹雪だった。

昨夜の番組を見ていて、
私はそう思っていた。

上田先生、ありがとうございました。
何度も言うけれど、いい番組でした。
本当に勉強になりました。

ところで、民主党に自民党、そして公明党、エトセトラ。
「党の目的は、
それぞれの党の外にある」

政党や政治家こそ、
ドラッカーを学びましょう。
ドラッカーはそれを決して、
拒否はしないはず。

<結城義晴>

2011年06月01日(水曜日)

6月の商人舎標語はドラッカーからとった「顧客からのスタート」とイオン・ビジネススクールでの燃える講義

現地時間5月28日、日本時間29日。
サンフランシスコ国際空港を発って、
日本に帰国。
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空港では、浅野秀二先生と別れの固い握手。
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もう、私のアメリカにおけるベストパートナー。
心から感謝したいと思います。

それにしても今回は疲労困憊。
二つの視察団を連続してコーディネートし、
そのうちの商人舎ベーシック・コースは、参加者90人。

まことにありがたいことですが、
私も全力を挙げて講義し、解説し、引率しました。

帰国してから、一昨日、昨日と、
充実したスケジュールの中で、
これまた全力投球。

とうとう、疲労のピークを迎えて6月に突入。

雑誌原稿やセミナー・テキスト、更に「月刊商人舎」など、
ご迷惑をおかけしています。

さて6月1日。

今日の日経MJのカコミ『消費見所カン所』に、
セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さん登場。
「東日本の需要が旺盛な一方、
被災していない西日本が沈滞している」

これは、イオン㈱社長の岡田元也さんと同じ趣旨の発言。

鈴木さんは続ける。
「消費を活性化し国内総生産を支えなければ、
被災地への応援とならない」

そして「小売業として矢継ぎ早にイベントを打ち出すなどして、
消費者心理を刺激しなくてはいけない」

全くその通りです。

「頑張れ、西日本!」
不思議な逆転現象ですが、
今度はこう叫ばねばならない。

その6月。
もう関東地方までは5月27日には、
例年より早く梅雨入り。

北陸・東北なども早まって、
今年の6月は梅雨一色。

そんな状況の中で、
鈴木敏文さんの指摘通り、
「矢継ぎ早のイベント」を打ち出し、
「消費者心理を刺激」し続けるのが、
この6月の課題となる。

ピーター・ドラッカー先生が、
『プロフェッショナルの条件』の中で書いていて、
私が『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』の第3章で引用したように、
「9時から5時までただ体を動かしているだけ」の人間だったら、
今月はしんどいかもしれない。

しかし、「考えることこそ知識労働者に固有の仕事である。
考えることが為すべき仕事の始まりである」

これも同じ文脈の引用だが、
「知識商人」にとっては、
今月は「成果」が期待できるし、
やりがいが頂点まで高まる30日間になる。

梅雨の中で、
第3日曜日の19日は「父の日」。
5月が子どもの日から母の日だったのに対して、
6月は父の日。

この対照的な主役の切り変わりが、
消費者心理の刺激には絶好の「テーマ資源」。

そして6月22日(水曜日)が夏至。
一年で一番昼間の時間が長い日。

もう、夏真っ盛りのイメージ。

今年は、スーパークールビズ大隆盛。
夏真っ盛りのイメージ。
そして父の日。

全体の色合いは、この3点で決まっている。

それをいかに店頭や商品、サービスに表現できるか。

「知識商人」の「考える力」の発揮どころである。

さて今月の商人舎標語の発表。
「顧客からのスタート」

『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』が発行されたばかりだし、
ドラッカー先生の言葉からとった。
「真のマーケティングは、
顧客からスタートする」

《ドラッカー講座》169ページから。

いかがだろう。
2011年6月という月が見えてきただろうか。

さて昨日の結城義晴の行動。
午前中は、カスタマーコミュニケーションズ㈱の取締役会。
私はこの会社の非常勤取締役を務めている。

その役員会の流れで、㈱プラネットを訪れ、
玉生弘昌社長と懇談。
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プラネットは現在、
カスタマーコミュニケーションズの実質的なオーナーで、
玉生さんも役員会に顔を連ねる。

《ドラッカー講座》をプレゼントして、写真。

玉生さんのご趣味で、
応接室には「書」が掲げられている。
その一つが、これ。
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「青山白水映紅楓」
早稲田大学第3代総長・高田早苗の書。
高田早苗は初代学長で、大隈重信を支えて、
大学を経営し、1923年から1931年まで総長。
政治学者で衆議院議員でもあった。

玉生さんとふたり、早稲田魂を確認し、
高田早苗の書の前に恐縮しつつ、
私は自著に筆で下手な字を描いた。
「心は燃やせ、頭は冷やせ」

その後、千葉県幕張本郷へ。
2011年度イオン・ビジネススクールの冒頭講義。
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3泊4日で、全国から、
イオングループのSM店長と商品部員が集まった。

私のテーマは、
「商業の産業化・現代化とナレッジ・マーチャントの役割」
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2時間15分、ちょっと時間を延長して、
燃えて、語りきった。
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結城義晴のメッセージ、
伝わっただろうか。
「知識商人の志」、
共有できただろうか。
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ドラッカー先生は言う。
いや、その分身の上田惇生先生が強調する。
「原理原則を補助線として使え」

私もこの点を強調することに大賛成。
20世紀の「原理原則」を補助線として使うことによって、
21世紀の難題に取り組むことができる。
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それが商業を、
「近代化から現代化へ」と進化させる。

私は、その担い手の一翼となりたい。
その担い手たちと手を取り合っていきたい。
応援したい、支援したい。

<結城義晴>

[追伸」
本日夜10時から、
NHK「Eテレ」に上田惇生先生が登場。

昨日まで「教育テレビ」と呼ばれていた。
番組名は「100分de名著・ドラッカー」
25分ずつの番組が4回放映される。
今夜はその第1回。

みなさん、是非ご覧ください。

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