結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月06日(土曜日)

広島原爆の日と甲子園大会開始、仙台七夕と藤村望洋の南三陸町「復興市」

雲は湧き 光あふれて
天高く 純白の球 今日ぞ飛ぶ
若人よ いざ
まなじりは 歓呼に答え
いさぎよし 微笑む希望
ああ 栄冠は 君に輝く

全国高等学校野球大会の大会歌として耳になじむ。
「栄冠は君に輝く」
作詞・加賀大介、作曲・古関裕而。

不思議な力をもった歌。

第93回全国高校野球選手権大会が、
今日、開幕。

昨年は沖縄の興南高校が春夏の甲子園を連覇。
今年はそんな大本命校がないが、
古豪、名門が多くて、
しかも東北・北関東の震災被災地の高校にも、
全国から熱い声援が送られる。

私は現住所の神奈川県・横浜高校と、
本籍地の福岡県・九州国際大学付属高校を応援する。

転勤の経験がある人は、
その転勤地の高校を応援するだろうし、
連れ合いや恋人の出身県を、
応援させられることもあるだろう。

そして、チームが毎日、
減っていく。

あれも消えた、これも去った。
8月20日に最後の2チームとなって、
大団円。

こんな国民全体が湧きあがるイベントもない。
それが旧盆をはさんで展開される。

帰省していれば、
いっそう盛り上がる。

良くできた仕掛けです。
夏の高校野球甲子園大会。

今月の商人舎標語。
「自ら、盛り上がれ!」

今日はもうひとつ、
広島の「原爆の日」。
被爆から66年。

被弾中心地に近い平和記念公園で、
午前8時から、平和記念式典が営まれた。
正式には「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」という。

しかし今年は、
ヒロシマからフクシマへ、
一本の糸が繋がって、
われわれ日本人は、
「核と原子力」について学んだ。

武力活用と平和利用。
ヒロシマとフクシマ。

世界で一番このことによって苦労したし、
辛酸をなめているのは私たち。
その艱難の中身を忘れてはならない。

さて、今日は、
「仙台七夕まつり」が開幕。
東北三大祭りの1つ。

仙台七夕まつり(宮城県仙台市)
青森ねぶた祭(青森県青森市)
秋田竿燈まつり(秋田県秋田市)

仙台七夕祭りは、この中で最大で、
3日間で約175万人を集める。

今年は、東日本大震災を受けて、
中止が検討された。

しかしこんな時だからこそ、
「自ら、盛り上がれ!」である。
仙台商業者の思いが結集された。

仙台市内中心商店街に例年と変わらず、
数千の七夕飾りが並んだ。
この飾りにも、折り鶴が多かった。

仙台七夕は、
よくできた商売の仕組みと仕掛け。
ひとことで言い表せば、
「夏物の総売り切りセール」。

仙台のそれは、1927年にスタートし、
全国のモデルとなった。 

この「仙台の七夕」、
神輿や山車を繰り出す祭りとは違う。

あらかじめ飾り付けをしておく。
当日に人的負担をかけない。
商店街の通行規制もしない。
だから小売店は商売に専念できる。

さらに8月の旧暦の七夕である。
すべての小売店は、
今年の夏物の最後の売り切りに徹する。

旧盆直前の七夕は、
したがって商業イベントなのである。

それが今日から始まった。
「自ら、盛り上がれ!」

最後に昨日の朝日新聞「ひと」欄。
藤村望洋(ふじむらぼうよう)さんが登場。

2002年だったろうか、私は、
早稲田商店会エコステーション事業部長の藤村さんに、お会いした。
『早稲田発 ゴミが商店街を元気にした!』(商業界刊)の著者だった。

早稲田大学の近隣にある早稲田商店会は、
どこが中心なのか、
よくわからないほどの商店街。

空き缶やペットボトルの回収機が置かれたエコステーションが、
その中核となっていた。
商店街のコンセプトの真ん中に「リサイクル運動」があった。

藤村さんはこの運動を推進していた。

現在は、早稲田エコステーション研究所代表。
そして「ぼうさい朝市ネットワーク」の主宰者。

このネットワークは、全国18地域の商店街が参加する。
全国の商店街を結んでいざという災害時に、
お互いに迅速かつ有効な支援をするためのネットワーク。

南三陸町の商店街がこのメンバーだった。

そこで今年4月、藤村さんは、
「宮城県南三陸町の避難所」を訪ねた。

「店も家も失い、打ちひしがれた商店主ら」
「残ったのは借金だけ」
「自己破産しかない」

「それを聞いて、日が暮れて真っ暗な体育館で叫んだ」
「あなたたちが頑張る以外、
町は復興しない」

「闇市をやろう」
発想豊かな人だ。

「ネットワークに参加する全国の商店街が、
特産品を南三陸町に持ち寄り、
テントで売る『復興市』」

4月末に始まり、
7月末に4回目を迎えた。
現在は約60店の出店者のうち半分が地元。

来場者も1日、1万人を超える。

藤村望洋さんが叫んだ言葉。
「あなたたちが頑張る以外、町は復興しない」

これは全国の商業・サービス業に携わる者に向けられている。
「自ら、盛り上がれ!」

自分が変わらねば、
何も変わらない。

藤村さん自身が好奇心と意欲を持って、
次々に新しい事業やネットワークづくりに向けて行動する。
だから、人々はついてくる。

吉本隆明の言葉。
「公の問題に押しつぶされず、
それぞれが関わる身近なものを、
一番大切に生きること」

震災に対する向き合い方。
ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ、
明らかになってきた。

藤村望洋、吉本隆明。
みなそれを私たちに示してくれる。

良い週末を。

私は、千葉県館山で、
立教大学院結城ゼミ合宿。

私も、「自ら、盛り上がる!」

<結城義晴>

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