結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月22日(月曜日)

中部大学・武田邦彦教授の持論「衰退する業界・企業の4つの特徴」に共感!

Everybody! Good Monday!
[vol34]

2011年第34週、8月第4週。
㈱商人舎、夏季休暇が終わり、
今日から全力疾走で、営業再開。

お待たせしました。
よろしくお願いします。

さて、一般的にみれば、
生徒・児童の夏休みも10日を切った。
いよいよ、子供たちは宿題の追い込み時期。

この週末は、涼しくて、9月の到来を予感させた。
人気ブログ[常盤勝美の2週間天気予報]では、
「19日(金)頃から秋雨前線が日本列島南岸付近に停滞」
「東日本を中心に、気温が平年をかなり下回った」

「週後半は全般に平年並みに戻る」

そして来週は、まだまだ「残暑」。
残暑お見舞い申し上げる

今朝の朝日歌壇より四句。

玉のやうな第一週よ夏休み
[東京都・井原三郎]

これで始まった。

日めくりを数枚忘る暑さかな

[可児市・金子嘉幸]

さらに、祭りでは。
古老来て草書のやうに踊るなり
[名古屋市・可知豊親]

そしてこうなった。
とんぼうの肩に止まりて山近し
[姫路市・田中明美]

今週のトレンドは、
お盆の「祭りのあと」のだらだら消費、
しかしそれでも、
子供たちの夏休みの終わりごろ。

そんな気分で生活が営まれる。
この暮らしの基本トーンを知っておきたい。

さて、日経MJ の『底流を読む』。
編集委員の田中陽さんが、
「不毛の価格競争 再考の時」と題して提言。

田中さんはいつも、鋭い切り口で、
ズバリズバリと言を呈する。

「直近の四半期や半期決算の蓋を開けたら、
好業績の数字が並んでいる」

山崎製パンの飯島延浩社長は、
「事業内容を一変させた」
セブン&アイ・ホールディングス村田紀敏社長は、
「消費は強い」。

それもあろう。
しかし、田中さんは言う。
「理由は簡単だ」

「供給量が絞られ、
特売を打たなくても商品が売れたからだ」

その通り。

学習院大学の上田隆穂教授。
「これまでは意味のない値下げが目立った」
これも、おっしゃる通り。

そして田中さんの問題提起。
「供給体制が回復して
再び価格競争を招くのか」

「小売業は反射的に
価格引き下げのアクセルを
踏んでしまうのか」

私は、4月21日のこのブログで書いた。
「震災特需と商人の品格」

「震災特需」
それがあった業態と地域。
それがなかった業態と地域。

鮮明に浮かび上がった。

そこで、「特需」を受けた企業群は、
どう行動するか。

もちろんこれは、
「未来の自分の売上げの先食い」
という側面もある。

ただし3月にはすべての企業が、
特売を控えた。

すなわち定価で販売し、
これだけの売上げ増だった。
粗利益は上がっただろうし、
営業利益も出たはず。

今日は、はっきりと言っておこう。

被災した企業や地域は、
壮絶だ。

「震災特需」の利益。
いかに使うかが、
商人の品格である。

本当の志が、わかる。

ディスカウントを社是のようにする企業は、
ずっとそれを貫いた。
しかも円高は進む。

だから値下げをすることは、
企業の存在価値だ。
ニトリ、オーケー、大黒天物産、
エトセトラ、エトセトラ。

しかし小売業がすべて、
安売り大会に参加するのは、
いかがなものか。

それが田中さんの指摘だと思う。

8月のうちは夏休みだらだら消費。
9月に入って、どんな姿勢を見せるのか。

それぞれの企業に問われている。

さて、先週金曜日の第38回PCSA公開勉強会での講演。
中部大学教授・武田邦彦先生。

実に面白い資源材料学の学者。
「試験で点数をつけない先生」である。

たとえば、問題を出しておいて、
答案用紙に一番下まで書けば100点。
半分なら50点、4分の1なら25点と明言する。
字の大きさ、行間の広さは問わず。
そしてその通りに採点する。

3年に一人くらい、
横組みの答案用紙に、
縦に1列、最後の行のあたりまで、
書いてくる者がいる。

それでも100点。
「いじめて、出席とって、採点して。
これはやらない」

その武田先生の持論。
「業界や企業がダメになる現象、
衰退していく業界の特徴」

第1は、業界が団結していない状態。
思い当たる節、大あり。

第2は、業界が、
正しいことをしていると思い込んでいる状態。

武田先生は、水俣病事件を例にとった。
水銀事件を起こしたチッソ㈱。

彼らはずっと確信していた。
「工場設計は県と一緒にやった。
われわれは規則を守っている。
間違ったことはしていない」

しかし、犠牲者は出ていた。
このことにたいして、まず、
謙虚にならねばいけない。

第3が重要。
「多様化しないと業界は潰れる」

特定のところに進化してしまうと、危険。
多様化の方向に進歩しているならば大丈夫。

私の言う「業態からフォーマットへ」。
フォーマットとは、業態が、
「企業や事業の戦略行動によって分化したもの」

フォーマットの否定は、
業界の衰退を意味することになる。

第4が、業界や企業が、
「先手を打って社会に出ていかない状態」。

成功した業界、失敗した業界を見ているとわかる。
バッシングを受けてから社会に出ていくとダメ。
あらかじめ正しい情報を出しておけば大丈夫。

「俺は正しいことをやっているんだ」
ふんぞり返っている業界、企業は崩壊する。
良いことが、そのまま素直に、
理解されるように先手を打つ。

これです。

武田先生の話を聞いていると、
元気が出てくる。

夏の終わりに向かって、
今週も。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

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