結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月19日(金曜日)

「市民生活を守る砦たれ」キョーエイのタクト店・沖浜店に徳島ならではの強みを感じた!

夏の甲子園大会。
明日の決勝の対戦が決まった。
青森・八戸の光星学院と、
西東京の日大三校。

今年を象徴するようなカード。

私の心境は、
「赤勝て、白勝て、どっちも勝て」

しかし全国的にみると、
東日本大震災被災地の光星学院に、
圧倒的な人気が集まる。

日大三校が闘いづらいかというと、
そうでもないと思う。

完全に外野の声は無視して、
己に没頭すればよい。

今日2時過ぎ、福島県沖を震源に、
震度5弱の地震。

まだまだ余震が続く。
忘れてはいけない。

さてキョーエイの店舗。
まずタクト店。
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キョーエイの基幹店で、
様々な実験が行われる。

例えば、高野保男さんがコンサルティングに入って、
レイバースケジューリングプログラムの導入を図るときには、
タクト店が舞台となった。

新しい店舗デザインを採用するときにも、
タクト店がそのモデルとなった。

年商約23億円で、実験に耐えうる店。
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現在は、入り口を入ると、
「すきとく市」が展開されている。
「好き」と「徳島」が縮まって、「すきとく」。
いわゆる地産地消の農家直送の売り場。
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私は日本の食品市場の場合、
江戸時代の「藩」の単位で、
マーケティングが成り立っていると考える。

その藩が巨大な場合、
地産地消は大きなマーケットとなる。
だから徳島=キョーエイのような場合、
地産地消はジャスト・ミートする。
それが「すきとく市」。
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ローカルチェーンでも、全店で大きな売り場をつくる必要はない。
一番売る店、二番目に売る店、三番目に売る店、
5番手くらいまででいい。

農家や生産者もそのほうがやりがいが出ることは確かだ。

その中で超のづく売れ筋商品が出てきたら、
全店に広げればいい。
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このタクト店、まず青果部門が良い。
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そして鮮魚部門も強い。
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ローカルチェーンの強みは何処にあるか。
それは地元に卸売市場がある部門。
つまり青果と鮮魚。
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ちょうど「ライブ販売」をやっていた。
握りずしのライブ販売。
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新鮮な寿司アイテムが、
目の前で次々につくられる。
「握りたての握り寿司」

当然ながら寿司は絶対にウェグマンズを超えている。
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夏はウナギ。
鰻の平台も充実。
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冷凍干物もパネルをつくり、
きちんとコーナー展開。
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タクト店の特徴の一つが惣菜デリ。
対面売り場とセルフ売り場を振り分けて展開。20110819172353.jpg

デザートには「ミセスケイコ」のコーナー。
こういったコーナー展開のブランディングが、
キョーエイは上手だ
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タクト店には現時点のキョーエイの特徴が満載されている。
それをいかに他の店に反映させるか。

タクト店で開発された「知識商人の知恵」を、
他店にも水平展開できるか。
もちろん他店にも「知識商人の知恵」が生まれる。
それをタクト店がいかに取り入れるか。

ホールフーズマーケットでも、
オースティンのヘッドクオーターの店が旗艦店といわれる。
フラッグシップストア。

その旗艦店の開発ノウハウが全店に活かされる。
フラッグシップストアは様々な実験が行われるからだ。

仮説を立て、実験をして、それを検証する。
そして全店に展開できるものは、全店に。
この店だけのものは、この店で。

この考え方が重要だ。

沖浜店もいい店。
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この店は「すきとく市」もタクト店以上。
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農家の協力も積極的。
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徳島一番のスーパーマーケットだけに、
農家への説得力も強いし、
農家の協力も大きい。
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その生産者マップ。

売場はどんどん広がる。
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そしてひとつ一つの商品に由来がある。
それを伝える。
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他のキョーエイの店同様に、
青果部門がいい。
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現在のアメリカのスーパーマーケットのトレンドも、
しっかり学んでいる。
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この店の特徴は、地域の子供たちの写真を、
各売り場にどんどん掲示していること。

レオナルド・ダ・ビンチの最後の晩餐が、
パネルになっている。
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店全体が、大塚美術館のようなところもある。

この店は子供を大切にする。
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最後のレジ前。
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タクト店、沖浜店。
両店をご案内いただいて、
私は、満足した。

阿波踊りに熱狂する徳島。
そこで生活する顧客たち。
そしてキョーエイの店。

すべてに一気通貫されたものがある。
それがキョーエイの強み。

「市民生活を守る砦たれ」
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故倉本長治商業界主幹がキョーエイに送った言葉。
それが社是となっている。

倉本主幹は、きっと阿波踊りのパワーを感じ取ったに違いない。
そして「市民」という言葉を使った。
徳島の市民は、他県他市の市民とは違う。

阿波踊りの情熱を持った市民のための、
生活の砦となれ。

これは阿波踊りの熱狂の中に身を置けるものにしかわからない。

これこそキョーエイの強みなのだと思う。

何度も言おう。
この夏、
私は徳島に、
はまった。

< 結城義晴>

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