結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年04月30日(月曜日)

大型連休真っただ中の「消費は本当に堅調か?」と「顧客に近づけ!」

Everyone! Good Monday!
[2012vol18]

2012年の1月1日は日曜日でした。
2日の月曜日からの週を第1週と数えて、
18番目の週が始まりました。

しかしゴールデンウィークの真っただ中。

電車など乗ると、
家族連れやカップルが、
休暇を楽しみに出かける様子が見られて、
なんだか、ほのぼのとした気分になる。

もちろんこういった日にも、
働く人々がいる。

何かと評判は悪いが警察官、
ひたむきな看護師・医者、
介護事業に従事する人々、
そして小売業・サービス業の人々。

プロ野球選手も、
Jリーガーもプロゴルファーも、
プロの役者も歌手も芸人も、
新聞記者や雑誌記者などジャーナリストも、
彼らは派手に報道され、報道するが、
同じように休祭日・土日曜に、
仕事する。

私も先週土曜日の4月28日、そして今日30日と、
立教大学院のゼミや授業がある。

人々が休んでいるときにも、
日夜、仕事に邁進する。

それをまず、
当たり前と考える。
つぎに、
喜びと感じる。
そして、
生きがいにする。

それが私たち。

初花やリヤカーで来る豆腐売
<日経俳壇より 志木・坂本登>

花見の季節にもリヤカーで売りに来る豆腐売り。

東京・横浜では、
桜の季節が去ってしまったが、
東北は今、真っ盛り。

花見えて歩幅大きくなりにけり
<朝日俳壇より 高松市・髙城美枝子>

まだまだ、桜、楽しんでください。
新緑を楽しむところもある。

それが日本列島。

元気を出そうよ、
日本列島。

カレンダー破る音して四月なる
<朝日俳壇より 高山市・伊藤秀雄>

と、4月が始まったと思ったら、
もう4月最後の日。

一月行く、
二月逃げる、
三月去る。

そして、
四月萎むとならないように、
とはいったが、みなさんの四月は、
いかがだったろうか。

商人舎標語は、
四月シンプルに。

これも頭韻を踏んでみたが、
果たして「シンプルに。」は、
果たされただろうか。

さて今週は、大型連休の真っ最中。
一般人、すなわちお客様たちは、
今日までが3連休。
そして2日間仕事で、
そのあと4連休。

最初の3連休が終ろうとするとき、
つぎに控えた4連休にはさらに大きな期待を持つ。

9連休の超大型連休者も後半に向けて、
さらに楽しみたいと考える。

だから顧客を楽しませる側として、
これからの4連休が大事になる。

だんだんよくなる法華の太鼓。
だからこそゴールデンウィークは、
後半戦が大事になる。

「今日までが4月の実績で、
後半は5月の業績」
なんて考え方は、
顧客にはない。

顧客の生活自体、
ウィークリー・マネジメントとなっている。

鈴木哲男さんは、
「52週MD」を、
「1週間ごとの生活者の暮らしに、
売場を合わせていくこと」
と、
説明する。

鈴木先生も、
商人舎ミドルマネジメント研修会で、
3時限の講義を受け持ってくださっている。

お楽しみに。

そのミドルマネジメント研修会。
今日4月末日が締切だったが、
まだまだ席が空いている。
だからまだまだ募集中。

よろしく。

さて連休中に、
辛いニュース。

関越自動車道上り線の藤岡ジャンクション付近で、
夜間高速バスが防音壁に衝突、大破。
7人が死亡、3人が重体。

このバスはディズニーリゾートに向かっていた。
亡くなられた人々のご冥福を祈りたい。

自分の運転にも気を付けたい。

しかしうれしいニュースも。
柔道全日本選手権で、
加藤博剛が初優勝。

何かと評判の悪い千葉県警に属す26歳。

しかもこの加藤、90キロ級の選手。
全日本選手権は、体重無差別で日本一を争う。

いわば「柔よく剛を制す」の柔道の本質を守る大会。

100キロ超級の選手が優勝するのが通例だし、
だからこの大会は、
ロンドン・オリンピックの100キロ超級代表選考を兼ねていた。

山下泰裕は朝日新聞紙上で、嘆く。
「ロンドン五輪に向けて、
日本柔道界にとっては最悪のシナリオになった」

そうはいっても、
痛快な喜ばしいニュース。

こうでなくっちゃ、柔道ではない。
部外者としては無責任かもしれないが、
そう思う。

山下は、2週間後の全日本選抜体重別選手権大会に向け、
重量級代表候補に対してメッセージを吐く。
「これが同じ人間かと思うような内容の試合を見せてほしい」

「別人28号」になれ、との叱咤。

日本柔道のファンとしては、
そう、願いたい。

さてさて今朝の日経MJ。
コラム『底流を読む』は、
日経新聞の流通専門記者たちが、
最新の潮流をとらえて、
その根底にある時代性を解き明かす。

今回は編集委員の田中陽さんが、
「顧客にどれだけ近づくか」と叱咤する。

「4月12日、日本銀行本店で開かれた支店長会議で
小売業の好調な決算が話題となった」

「消費はほんとうに堅調なのだろうか」
この疑問に、田中さんが答える。

日本銀行には、32の支店と14の国内事務所がある。
その責任者が集まる会議には、
日本全国の金融と経済、消費の動向が集まる。

「支店長会議では2つの見方が出た」

第1は、「消費回復は一時的という説」
第2は、「流通業界の構造改革が結実した賜(たまもの)という説」

田中さんは、事例を挙げつつ、
後者を支持する。

まずローソンの新浪剛史社長。
新浪さんは「コンビニ飽和説」を唱えていた。

ところが新浪さんは「新たな成長シナリオを描く」
ポイントカード「ポンタ」の活用によって、
店舗現場の発注作業の改善や、
機動的な生産・物流体制構築が出来上がりつつある。

「ポンタ」はまさしく、
顧客データ付POSシステムの有効活用で、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱が一翼を担っている。

結果として、ローソンの1店平均日販は、
2010年51万円台から、
2011年54万円台に上昇。

田中さんの上げる事例は、
J・フロントリテイリングや伊勢丹に及ぶ。

そして結論。
「構造改革とは、
『顧客にどれだけ近づくか』ということ」

「顧客ニーズのズレを、
構造改革で修正することが、
消費の回復をもたらすはずだ」
田中さんの見解に私も賛成。

コンビニや百貨店だけでなく、
スーパーマーケットやドラッグストア、
カジュアルファッション・チェーンでも、
あらゆる小売業、そしてサービス業で、
東日本大震災後の構造改革が進む。

上場企業だけではない。

非上場企業でも、
中小企業でも。

アークスによるユニバースやジョイスの経営統合も、
その意味での構造改革ではある。

それによって小売流通業の生産性が、
確かに、格段と上がる。

私は「商業現代化」の必須条件のひとつを、
「生産性の飛躍的な上昇」と考えている。

ただし、構造改革やM&Aも、
「顧客に近づく」という理念抜きでは、
必ず破綻をもたらす。

「店は客のためにある」
これこそ商業現代化の根底条件である。

では、みなさん。
Good Monday!

<結城義晴>

2012年04月29日(日曜日)

ジジと色とりどり[日曜版2012vol18]

ジジです。
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いい季節ですね。

rikkyoのキャンパスも、
新緑。
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あかるくて、
さわやかで、
いいですね。
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世界は、新緑。
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芝公園も。
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浜離宮も。
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キラキラしています。
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でも、花もきれい。
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きもちが、おちついてきます。
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サクラものこっています。
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ヤマザクラも。
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新緑と花。

なんというか、
あたらしい世界が、
やってきたようです。
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木の根っこ。
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たおれかけた木。
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ビルのなかの緑。
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でも、もうすぐ、
こどもの日。
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こいのぼりが、
およぐ日。
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ショッピングセンターの一角。
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こいのぼりは色とりどり。
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色とりどりも、
緑のなかで、
はえる。

ボクは、色とりどり、
だいすきです。
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でも、
やっぱり、
いまは、
緑のなかの色とりどり。
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それがいちばん、
いいとおもいます。
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みなさんも、
緑と色とりどり、
たのしんでください。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年04月28日(土曜日)

黄金週間の西行「山家集」と結城義晴『メッセージ』の「私の好きな人」

今日から2012年のゴールデンウィーク。

まず3連休。
そして2日間の仕事日。
さらに4連休。

都合、9日間の「大型連休」。

楽しめる人は楽しめ。
学ぶ人は学べ。
働く人は、必死に働け。

気象庁の天気予報では、
期間の前半は高気圧に覆われ晴れる。
後半は雨の降るところがある。

北日本(北海道、東北)は28日~5月1日を中心に晴れる見込み。
その後は雲が広がりやすく、雨の降る地域がある。

関東から九州にかけては28~29日は晴れる。
その後は気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、
5月4日は曇りか雨のところが多い。

以上はすべて「見込み」。
絶対に確かな情報ではない。

だからできるだけ直前の予報を確認し、
自分の店の上空の空模様を確認しておくこと。

それがゴールデンウィークの勝利の方程式。

今月の日経新聞『私の履歴書』。
演出家・蜷川幸雄の巻。
私は愛読している。

今月も終わりに近づき、
この連載も終盤。

「1979年初演の『近松心中物語』は10年後、
ベルギーと英国で上演された。
帰国後、十二指腸と胃の潰瘍で吐血し、入院した。
体重が激減して、青いはずの空が灰色にひび割れて見えた。
50代に入り、メランコリーに侵されていたのだ」

役者でぱっとせず、演出家で貧乏し、
やっと成功し始めたら病気。

「神経過敏な状態に追いこむ仕事の仕方を
改めるよう医師にさとされ、
そう心がけたら、いい作品ができなくなった」

これは、蜷川にとって、
つらい。

人生、こういったディレンマが、
よく、起こる。

自分を追い込んで仕事する。
しかしそれは自分の体を蝕む。

健康的な生活を志向すると、
いい仕事ができなくなる。

「救ってくれたのは若い俳優たちだ。
商業演劇に出る若者に
演技を見てほしいと頼まれたぼくは、
80年代初めから蜷川教室をあちこちで開いていた」

今の私の立教大学院のような感じ。

このディレンマから、いかに脱出するか。
それは人生の転機のひとつでもある。
その日経の『文学周遊』に、
西行「山家集」が取り上げられた。

吉野山ひとむら見ゆる白雲は
咲き遅れたる桜なるべし

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「奈良県の吉野山は、4月20日を過ぎても、花の盛りが続いていた。
近鉄吉野駅で降り、ロープウエーで登った山上駅から歩いて約1時間、
上千本周辺は、新緑の急斜面を埋め尽くすようにヤマザクラが花を咲かせる」
まさしくその通り。

「下千本から、標高858メートルの青根ケ峰周辺の奥千本まで、
花の盛りは約3週間。
奈良県吉野町によれば、
訪れる人はこの間、35万人から40万人に達するという」

「奈良時代にさかのぼる吉野山と桜の歴史で、
西行の歌が果たした役割は絶大である」

吉野山こずゑの花を見し日より
心は身にもそわずなりにき

「花をもとめる心は、体から抜け出てしまうようになった。
そんな心身剥離の体験を西行にさせたのは、
まぎれもなく吉野の桜だった」
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散る花を惜しむ心やとどまりて
また来ん春のたねになるべき

「散る花を惜しむ心が、
めぐり来る春に花を咲かせる種になるだろう。
花の終わりをいたみながら次の春に寄せる思いは、
西行の昔から今日まで、脈々と受け継がれている」

昨年の春、
私は吉野ストアーの安川光男社長に招かれて、
吉野山を訪れた。
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今年も吉野に桜は満開。

6月、安川さんは亡くなった。

それから1年。

ゴールデンウィーク。
安らかな日々を祈りつつ、
安川さんのご冥福を祈りたい。

今日は、立教大学大学院・結城ゼミ。
午後1時から始まって、
卒業生の猪股信吾さんを講師に迎えて、
論文作成のポイントを講義してもらった。

猪股さんは、
商人舎のホームページや、
私のフェイスブックをコンサルティングしてくれている。

インターネット・コンサルタントとして、
私は高く評価している。

その猪股さんが、
結城ゼミ第2期生として、
優れた修士論文を書き上げ、
それが立教大学大学院からの「紀要論文集」に収められた。

その論文の情報収集と書き方講座。
良かった。

猪股さんに心から感謝。

その後、ゼミ生と懇親。

闘う結城ゼミのコンセプトが確認された。
乞う、ご期待。

今夕の讀賣新聞『よみうり寸評』。
「1950年代から70年代にかけて
米ソ中などが大気圏での核実験を繰り返し、
日本でも『放射能が降る』と騒がれた」

そう、今に始まったことではないし、
北朝鮮の核実験をやみくもに非難することにも、
反省が伴っていなければならない。
その後、「1991年には干しシイタケから
1キロ・グラム当たり24ベクレルの放射性セシウムが検出された」

これまでもずっと、人類は、
放射能の危険にさらされてきたのだ。

1991年の干しシイタケは、
「今月導入された国の規制値1キロ・グラム当たり100ベクレルを
下回るが、ゼロではない」

「原発事故後、一部の小売店が
『食品中の放射能ゼロ』といった独自基準を設けていることに、
政府が、規制値は十分に安全で信頼してほしい、と呼びかけている」
よみうり寸評の指摘。

「不安解消は容易でないが、
事故前から『ゼロ』でない放射能は
身近にあったことも知っておきたい」

この指摘、
ゴールデンウィーク中も、
忘れてはならない。

ゴールデンウィークがスタートしたが、
小売業・サービス業の現場は、
休みなし。

公僕だからだ。
そして同じように働く人々はいる。

そんな人たちに、
私の単行本『メッセージ』から、
私の好きな人

笑顔の人。
はっきりとした人。
晴れやかな人。

機敏な人。
元気な人。
清潔な人。

素直な人。
明るい人。
意欲ある人。

勇気ある人。
正義の人。
まっ正直な人。

優しい人。
耐える人。
辛抱強い人。

太っていても、やせていても。
大きくても、小さくても。
若くても、老いていても。

男でも、女でも。
日本人でも、外国人でも。
豊かでも、貧しくても。

心の力を持つ人。
頭の力のある人。
言葉の力を有する人。

私の好きな人。
ほんものの商人。
素晴らしい人間。

みなさん、
自分にとって良い9日間を。
自分のお客様にとって良い9日間を。

<結城義晴>

2012年04月27日(金曜日)

「元気が湧く数字」と「みんな知ってるロピア」をハローデイ一行と店巡り

小沢一郎・陸山会裁判、無罪判決。

今朝の新聞一面コラムは、
当然ながらすべてこのネタ。

一番つまらなかったのが、
朝日新聞『天声人語』。

大学入試出題率が高いとか、
文章に品があるとか自賛しているが、
このところ、説教くさいだけの常識的皮肉屋。

「政治を動かした判決といえば
やはりロッキード事件だろう」

ここに例をとること自体、つまらない。
最初から結論が見える。

小沢一郎は田中角栄を「オヤジ」と呼んで慕った。
その後、田中が落ちぶれはじめると、
竹下登の創政会に鞍替えする。

「若き小沢氏は心ならずもオヤジに弓を引き、
創政会に名を連ねた。
以来、創っては壊しの『ミスター 政局』も近々70歳。
『最後のご奉公』で何をしたいのか、
その本心を、蓄財術とともに聞いてみたい」

つまらないでしょう?
落ちが。

次につまらないのが読売新聞『編集手帳』
最近は随分冴えていたが、
政治ネタになると途端に、質が落ちる。

「白」という色を基調に話を進める。

「白はめでたいしるし、瑞(ずい)祥(しょう)とされる。
こちらの『白』はさて、瑞祥か、凶兆か」

途中、ダジャレもでる。

「国会は政治家の神聖な『城』だろう」
これ、くだらない。

「復権の足場を得た小沢氏は、
国会に紅白の幕でも飾りたい心境だろう。
死語になりゆく『政治的・道義的責任』を弔うには、
白と黒の鯨幕が似合う」

ずしんと響くものがない。

毎日新聞の『余禄』。
「1億2000万人が直接政治資金の流れをチェックするのが、
最も民主的で効果的な監視である」。
小沢一郎著『日本改造計画』から引用。

「(政治資金をめぐる)違反の言い逃れを封じるためにも
連座制も強化する」
これも小沢自著からの引用。

コラムの結論は、
「天下国家に責任ある政治家としては、
その言葉と判決の認定の間にわだかまる
国民の不信をこそ恐れるべきだろう。
取りざたされる政治的復権は、
政治の場での自らの弁論で果たすのがいい」

ん~、まだまだのコラム。

そして日経新聞『春秋』。

『裁判について考える』
谷口正孝元最高裁判事(故人)の著書。

「悪をなした人間を罰することで
社会の秩序や治安を守ろうという発想は果たして正しいのか。
そうした発想の裁判官が、検察官となれあいの意識をもって
検察の筋書きにのっかった判決文を書くのではないか」

谷口は説いた。
「刑事裁判のあるべき姿はそうではない」

「裁判とは国民の基本的人権、自由を
公権力から守るためのものだ。

だから国民に裁判を受ける権利があるのであり、
裁判官は検察官に対し
厳しい批判者の姿勢を貫かねばならない」

コラムニストはこの「スタートライン」に立って、
今回の判決を読む。
「強制起訴だって公権力の行使に違いはない。
裁判所が『無罪』という答えを出したこと、
加えてそもそもの検察の捜査手法を批判したことに、
何の不思議もない。
被告が誰であろうが……」

裁判の「スタートラインに立つ」ことの意味を考えさせる。
私は今朝は、『春秋』に軍配を上げよう。

小沢一郎問題に対して、
小沢自身に言葉を投げたり、
皮肉を言ったりすることは、
ほとんど意味がない。

国民に、小沢自身の有権者に、
考えさせる。

そこに焦点を絞る。

これが、今日の『春秋』の差異性だった。

さて、商人舎ホームページ。
今週も読んでくださって、
心から感謝します。

2週間前の月曜日から、
急にアクセス数が増えて、
スタッフたちはfacebookの効果だろうと話し合っています。

まだまだ続く。
結城義晴のフェイスブック・グランドオープン。
facebookで友達になろう。
知識商人の輪を広げよう。

よろしく。

その商人舎ホームページ。
右段に『新着ブログ』のコーナーがあります。

「中山政男が叱る! 間違いだらけのPOP」

連載は第5回を迎え、佳境に入ってきました。

それから「林廣美の今週のお惣菜」
毎週金曜日の定番ブログ。
第190回を迎えて好調。

「結城ゼミbulletin board」
立教大学院ゼミ生と教授との連絡ノート。
これも第4期生の内田憲一郎君が、
雑感を書き始めて面白くなっています。

それからブログ小説『ジョージ君、アメリカに行く』
浅野秀二先生の書き下ろしは、
第37話まで進んで、今、単行本化の準備に入りました。

皆さん、ちょっと時間が取られますが、
ご愛読、お願いいたします。

さて、3月の統計、続々発表。
まず第1に家計調査の消費支出。
2人以上の世帯で、平均30万3841円。
物価変動の影響を除いた実質で前年同月比プラス3.4%。

東日本大震災の反動で、2カ月連続増加。

第2は、全国消費者物価指数。
2010年を100とすると、生鮮食品を除くベースで100.0。
前年同月比0.2%プラス。
こちらも2カ月連続増加。

2011年度1年間では、99.8。
2010年度はマイナス0.8%。

2010年、3年ぶりに物価下落が止まり、
2011年度、2012年、
ほぼ横ばいが続いている。

そのうえで第3に、3月の商業販売統計速報。
小売業販売額は前年同月比10.3%プラス。
総額12兆4320億円。
これは4カ月連続のプラス。

もちろん昨年3月の東日本大震災の大反動。
伸び率自体は、1997年3月以来
15年ぶりの高水準。

小売りに対して、
外食はどうか。

社団法人日本フードサービス協会発表、
「データからみる外食産業」3月の動向調査。
対前年比の全体売上高は、
プラス13.1%。

店舗数はプラス1.6%、
客数プラス10.7%、
そして客単価がプラス2.2%。

震災で外食産業は、
小売業以上の大打撃を受けた。
計画停電や食材調達の遅れなど、
東日本大震災の影響で、
営業体制が整わない店が多くあった。
そして何より、人々は外食を控えた。

その反動が今年の数値に如実に表れた。

ファストフードの売上高はプラス10.1%、
ファミレスがプラス13.2%、
居酒屋がプラス23.6%、
ディナーレストランがプラス32.3%、
喫茶プラス11.6%。

特に居酒屋やディナーレストランなどは、
昨年の自粛ムードから一転、
宴会需要なども増え、
大幅な伸びを示した。

こういった数字を見ていくと、
なんだか元気が出てくる。

黙っていても「元気が湧きあがる数字」
ジワーッと「元気が出てくる数字」
意識して「元気を出さねばと思う数字」
もう「覚悟を決めるしかない数字」
数字は、判断や行動を引き起こす原動力だ。

さて最後に今日の行動録。
㈱ロピアの店舗めぐり。

㈱ハローデイの仲村浩一常務(右から二人目)一行が
視察に来るということで、急きょ、ご一緒した。
高木勇輔専務(右)と福島道夫取締役(左)が、案内役。
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私の右隣は、ロピア小田原店の久保淳店長。
左隣りは、ハローデイ店舗運営副部長の神崎諭さん、
そして三井食品㈱北部九州支店長の上野(あがの)優二さん。
写真には写っていないが、
ハローデイ執行役員の小西初男さんもご一緒した。
はじめに、ロピア小田原高田店。
昨年11月オープンで大いに話題を集めた店。
クリエイトSDのドラッグストアとカインズホームが入っている。
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あいにくの雨模様だが、午前中にもかかわらず、
客は次から次へとやってくる。

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次に向かったのが、
一昨日の4月25日にオープンしたばかりの中央林間店。
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サミット撤退後の居ぬき物件だが、
ロピアらしい仕上がり。
http://www.shoninsha.co.jp/modules/blog/wp-admin/inline-uploading.php?action=upload&post=13932&all=false&start=0

高木専務に対しても、
いろいろ質問とアドバイス。
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そして最後に、1周年を迎えた港北東急SC店。
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昨年のブログで紹介した店。
ブログタイトルは「知る人ぞ知るスーパーマーケット」
今や、「みんな知ってるロピア」となってしまった。

こちらは顧客にしっかりとなじんで、
なんと、年商65億円レベル。

最後に店頭で写真。
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仲村さん、神崎さん、小西さん、上野さん、お疲れ様でした。

いや、ハローデイだから、
「お元気様」か。

各店舗の詳細は来週のブログで紹介する予定。

ロピアは本当に強い店を作っている。
私は心から嬉しくなった。

高木さん、福島さんはじめ、
ロピアの人々にエールを贈りたい。
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「君たちの揺るがぬ理念が、
多くの顧客から強い支持を受けている。
おめでとう」

ロピアの場合は、
「元気が湧きあがる数字」
である。

<結城義晴>

2012年04月26日(木曜日)

ヤオコー23期連続増益とワオン・ナナコでFSP・CRMブームの予感

昨日4月25日の晩、
帰宅したら、
プレゼントがあった。
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開けてみると、
財布と名刺入れ。
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この4月に就職した長女が、
25日にはじめて給料をもらって、
最初に買って、贈ってくれたもの。

一方、私の自宅の近くに、
ローソンがオープンする。
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車で買い物に来ることはないが、
駐車場も広いし、
格段に便利になる。
期待が持てる。

これもなんだか、
私へのプレゼントのような気分。

店は毎日、
顧客になにがしかのプレゼントを、
贈っているようなものだ。

プレゼントするときの気持ち。
相手に対する思いやり。

プレゼントされた時の気分。
相手に対する感謝。

店とはそんな人間の気持ちが、
行き来するところだ。

大切にしたい。

『ほぼ日刊イトイ新聞』。
その巻頭に糸井重里さんが書く巻頭言。
「今日のダーリン」がいい。

「『わるいことを成功させる』のは、
難しいものです」

えっと、思う。
ここから小沢一郎陸山会事件に進むのか?
東京地方裁判所は無罪判決を下したけれど。

「ま、ものすごく穏便な例を出すならば、
野球の『盗塁』というものは、
(相手にとっての)『わるいこと』です。
『盗塁するぞ、盗塁するぞ』と言うだけなら簡単ですが、
ほんとうに盗塁を成功させるのは、難しいですよね」

糸井さんは昔の「どろぼう」を例にとる。
「ほっかむりをして、口のまわりのひげが濃くて、
大きな風呂敷を背負ったおっさんね」

「これにしたって、実際にやるとなったら大仕事です。
どろぼうを贔屓するわけではありませんが、これも、
ふつうに働いたほうがよっぽどラク、というくらいの、
めんどくさい大仕事なんじゃないかなぁ」

「ほんとうによくよく想像してみると、
犯人の側の身体的、精神的な仕事の質量というのは、
並大抵じゃないと思いますよ」

「いいことだって、ふつうのことだって、
実際にやるのは、ちっとも簡単じゃないですよ。
簡単なのは、『言ってるだけ』の人だけです」

「『わるいこと』『いいこと』『ふつうのこと』、
どれもぜんぶ、なかなか難しいものなんです」

仕事はみんな難しい。

そしてつぶやく。
「『言うだけ』だったら、なんとでもなるのにねぇ」

命令しているだけの人。
指示しているだけの人。
口だけの人。

「けしからん。ああせい、こうせい」「こうしてやる」

「責任もなくて、実現しなくてもいいのだったら、
それこそ『命をかけて』とかも、言い放題です」

「ぼくらの見ているインターネットの世界って、
そういう『言うだけ空間』になりやすいんですよね」

「『ネットの発言、8割引』ってことばを、考えました」

私自身、立場上、
「言うだけの人」になりやすい。
このブログも「言うだけ空間」となりやすい。

学者、コンサルタント、ジャーナリスト、
「言うこと」を仕事としている人は多い。
もちろん「考えること」を前提として、
「言うこと」をしている。

政治家も経営者も、
その面では似たようなところがある。

だから私は、せめてもと思って、
人ができそうもない、自分にしかできないことを言い、
それをやっている。

糸井さん、
「ネットで言うことと、
現実で言うことを同じにしたいです」

まったくの同感。

ヤオコーが、
23年連続経常増益を果たした。

例によって日経新聞の独壇場記事。

ヤオコーの23期連続増益は、
「ふつうでないこと」「いいこと」だし、
本当に難しいこと。

ヤオコーは、
「言うだけ」ではなく、やる。

川野幸夫会長は、いつも、
「みんなのおかげ」を強調する。

ヤオコーの2012年3月期の連結営業収益は、
2370億円、7%増。
既存店売上高は1.2%増。

連結経常利益は105億円で、
前の期比11%増。

単独決算のみの時期を含めて、
23年連続増益。

新規出店は8店舗だった。
そのうえで、
店舗運営の効率を高めて経費も圧縮した。

記事には「各店舗で異なっていた作業を、
効率の高い店舗に合わせて標準化」とあるが、
これは作業問題の改革がなされたことを意味している。

2013年3月期も増収増益を見込む。
そしていよいよ、
「ポイントカード導入」本格化。

4月の商業経営問題研究会例会で、
㈱たいらやの村上篤三郎社長も語っていた。

今年は、どうやら、
フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)や、
カスタマー・リレーション・マネジメント(CRM)の、
大ブームがやってきそうだ。

もうひとつ日経の記事。
「電子マネー2年で倍増」
イオンとセブン&アイ・ホールディングスの、
電子マネー事業拡大のニュース。

日本経済新聞社の推計によると
2011年度のプリペイド式電子マネー6社の決済総額は、
前年比3割増の2兆1000億円

2001年に初の電子マネー「エディ」「スイカ」が登場。
その後、8年で、1兆円。
それが、直近の2年で2兆円に倍増。

商品券・ギフト券市場は数千億円、
クレジットカードの取扱総額は約30兆円。

けん引役はイオンの「ワオン」とセブン&アイの「ナナコ」。
2011年度はワオンだけでも1兆円を超えた。
全体の7割強をこの流通系電子マネーが占める。
利用される店舗も、初めはコンビニ中心だったものが、
食品スーパーマーケットや総合スーパーにまで広がっている。

主要6電子マネー全体で、
1回あたりの平均決済金額は800円前後。
それが総合スーパー、食品スーパーでは、
2000円の客単価程度に上昇する。
両者の取り組み。
イオンのワオンは3月末で2440万枚発行。
イオン・グループおよびショッピングセンターのテナント約2万3000店で使用できる。

このうち、総合スーパーでは、
なんと支払額の約25%を占める。

ワオンは2014年度までに、
決済総額を2兆円に倍増の予定。

そのためにイオンは、
自社の店舗やショッピングセンター以外でも、
使える店舗、施設を増やしている。
今年3月には、日本航空とビックカメラと提携。
4月には長崎のテーマパーク「ハウステンボス」に導入。
ハウステンボスの平均客単価は8000円強で、
ワオンの平均利用額の約4倍。
さらに各地の商店街と提携した「ご当地ワオン」も拡大中。
全国67カ所で120万枚を発行、
数年内に全都道府県で400万枚に引き上げる計画。

セブン&アイ・ホールディングスのナナコは、
同じく3月末で、カード発行1653万枚。
前年同期比27%プラス。

セブン-イレブンをはじめとして、
国内に1万5000を超すグループ店舗を有する。
このうち、コンビニのセブン-イレブンでは、
特定商品にナナコ利用で数十ポイントを付与する販促を展開。
積極的に顧客を囲い込む。

イトーヨーカ堂は、この4月から
「シニアナナコ」を発行。
65歳以上限定の電子マネーカード。
年金支給日に当たる15日に、ほぼ全品を5%引き。

さらに6月までに東北のヨークベニマル約170店にナナコを導入。
その後、ロフト、赤ちゃん本舗など、
約800店のグループ店舗に拡大予定。

この流通系の電子マネーは、
買い物の会計時に小銭を扱う煩わしさがない。

そのうえ、ポイントがつく。
ナナコは100円の買い物につき1円相当。
ワオンは200円で1ポイント。

この電子マネーとカード化の動きのなかで、
セブン&アイは購買履歴を分析し、
売場作りや売れ筋商品の仕入れ、関連販売に使う。

これもFSPやCRMの考え方そのもの。

今年後半から来年にかけて、
FSPとCRMの大ブームが、
やってきそうな気配である。

<結城義晴>

2012年04月25日(水曜日)

百貨店・総合スーパー・SM・コンビニ3月実績と「価格競争の千日手」

日々、新緑は増していく。
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東京・浜離宮のケヤキ。

ゴールデンウィーク直前の今週、
それを味わわずして、
何を楽しむ。

テキサスでは、
レンジャーズのダルビッシュ有が、
ヤンキースの黒田博樹と投げ合って、
9回1アウトを取ったところで降板。

0点に抑えたうえ、
10奪三振を成し遂げて、
見事、勝利投手。

やっと、日本最高投手の本領を発揮してきた。
ヤンキースの大スター・ジーターからも三振を取った。

ダルビッシュの「玉をコネコネ」する姿がテレビに映る。
昨年で引退し、今年から解説者となった工藤公康が指摘した通り。

今日は一日中会議で、
昼食休憩中にネットでニュースを知って、
ひとまず満足。

これを味わわずして、
何を楽しむ。

さて、日経新聞『大機小機』。
コラムニスト蜻蛉氏が、
「政治の千日手」と題して書く。

「トルーマン米元大統領が在職中、
『ザ・バック・ストップス・ヒア』と書いた置物を
執務室の机の上に据えていた」

“The back stops here”
「責任はここで止まる」

「政治の決断は、
最後はトップが下さなければならない」
そして最後の責任もトップが取る。
経営の決断もまったく同じだ。

しかし、「現下の政治において、
責任は誰の手元にも止まらないようだ」

それをコラムニストは、たとえる。
「将棋の千日手のようなもの」

「このゲームは同じ所を行きつ戻りつし、
しかもプレーヤーは2人ではない」

「自民党政治に怒った国民は民主党政権を選んだ。
次の国政選挙では民主でも自民でもない、
第三勢力が躍進するだろうと噂される」

「ただ、それによって
第三勢力による政権が誕生する可能性は小さく、
予測できるのは、
どの政党も過半数は
とれないだろうということにすぎない」

「将棋の千日手は
時間を限っての指し直しや
攻撃側が手を変えるなどのルールがある。
政治家同士、選挙民と政治家との関係には
それがない」

しかしプロの将棋の千日手は、
互いにベストの手を指していって、
それが行き詰る。
究極の千日手。

日本の政治は、
例えば民主党と自民党は、
互いに凡手やポカを指しつつ、
千日手のように見える。

経営者や実務リーダーは、
“The back stops here”でいきたいものだ。
さてさてこれも日経の記事。
「消費改善、プラス間近」

のっけから、明るそうな言い回し。
「小売りやサービス企業の景況感が改善している」

「日経消費DI」の4月調査の業況判断。

前回の1月の調査と比べて、
5ポイント上昇。

「マイナス11と、水面下ながら
2008年秋のリーマン・ショック後の最高値を更新」

3カ月後の見通しもマイナス4。

こちらも「2008年1月以来最もプラスに近づき、
個人消費の先行きを楽観視する企業が増えている」

3月中旬から4月上旬の212社からの調査。

この指標を決める場合の業況判断は、
「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を差し引いて算出。
「最近3カ月の客数」は前回比30ポイント上昇の18。
上昇幅は1995年9月の調査開始以来、最大。
これも明るい兆し。
「最近3カ月の売り上げ」も、
25ポイント上昇して17。

2007年7月調査以来初めてのプラス。

百貨店は現在の業況と3カ月後見通しがそれぞれ9。
プラス。

総合スーパーやコンビニ・ミニスーパーは、
3カ月後見通しがゼロ。
これは「改善基調」。
外食も3カ月後はゼロの見通し。
ただし家電量販店を含む専門店は、マイナス23。
現在の業況判断が10ポイント下落。

「日経消費DI」は以上の結果を示したが、
業態別の3月実績も次々に発表されている。

3月の百貨店、総合スーパー、コンビニ、
スーパーマーケットの結果をご報告しよう。

東日本大震災からちょうど一年経ち、
売り場はどう変わったのか、
昨年の震災特需がどこまで影響したのか。

まず、日本百貨店協会発表。
「全国百貨店売上高概況」

全国の総販売高は5273億8866万円で、
昨対プラス14%(既存店)。
3カ月ぶりのプラス基調は、
もちろん、震災の影響を受けた反動によるもの。

昨年は震災後、店舗は被災し、客足は遠のき、
さらに計画停電などで営業体制が整わなかった。
それらの店舗が一年経ち、営業を再開したことが、
今月のプラスの要因。

それを物語るようなものすごい数字。
仙台が昨対プラス170%、
東京がプラス26.7%、
横浜も、プラス26.5%。

また、最近の復興ムードや円高・株安の影響で、
消費マインドが好転しているため、
高額商材もプラス21.2%と好調。
昨年はブランド品を買う気分になれなかった
消費者が多くいたことも要因だろう。

次に日本フランチャイズチェーン協会発表、
「コンビニエンスストア統計調査月報」

震災特需で品切れが続出した反動で、
インスタント食品などの加工食品や
乾電池などの非食品の売上げは落ちた。

しかし、惣菜やパン類の売上げが好調に推移し、
結果、総売上高はプラスだった。

既存店売上高は6671億7400万円で、
前年同月比プラス0.4%。
客数は10億9955万人で、プラス2.2%。
平均客単価は606.8円で、マイナス1.7%。

震災の影響をものともせず、
今月もプラスを維持したコンビニはさすがである。

さらに日本チェーンストア協会から発表、
「チェーンストア販売統計(月報)」
半分くらいが総合スーパーの売上げだから、
その統計と見たほうがいい。

総販売額は1兆0056億2007万円で、
既存店前年同月比はマイナス2.4%だった。

食料品や住関品は震災の反動で、マイナス。
食料品が6305億円でマイナス4.3%、
住関品が2005億円でマイナス2.5%。

衣料品は好調で1022億円のプラス5.9%。
低温傾向で春物衣料の動きは鈍かったものの、
昨年の反動で売上げとしては、あがった。

最後にスーパーマーケット。
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
3協会合同調査・発表、
「スーパーマーケット統計調査」

今月の発表も日本橋の日本スーパーマーケット協会会議室にて。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の松本光雄専務理事が
3月の販売結果を発表。
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総売上高7738億6929万円で、
既存店前年同月比はマイナス3.3%。

食品合計は6807億3216万円、マイナス3.0%。
青果は相場高が影響し、1090億4468万円で、プラス3.2%、
水産が722億4392万円でマイナス0.7%、
畜産が776億8221万円でマイナス5.3%。

惣菜は今月も順調で、
693億7477万円のプラス2.6%。
日配は1426億3176万円でマイナス1.7%、
一般食品が2097億5482万円でマイナス8.3%。

そして非食品が635億2852万円で、
こちらもマイナス8.3%。

エリア別にみると、震災の影響は顕著に表れている。
北海道・東北エリアだけが既存店ベースで
プラス3.1%だった。

関西エリアのみ、新規出店が相次いだためか、
全店ベースでプラス4.1%とよかったと、
松本専務理事。
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「3月の商売はどこの企業も、
昨年の特殊な事情をどうカバーするか、
価格訴求やチラシなど、対応に追われた。
結果として売上高マイナス3.3%にとどまってしまった」

「昨年の震災特需の状況を考えると、
飲料、缶詰、パスタ、米などの一般食品や、
乾電池、紙製品などの非食品の売上げが
不振だったのは当然のこと」

「震災から1年経った現在の状況を
気仙沼の複数の企業にヒアリングをした」

そこでは以下のような声があがった。
・がれきの撤去は進んでいるが、街づくりは進んでいない
・高台での一般住宅の建築ラッシュがすごい
・雇用の需要と供給がマッチしていない
・競合店が次々と再開してきて、商況は厳しい
・売上げを支えているのは工事関係者とボランティア
・仮設住宅で油の使用を敬遠してか、揚げ物が非常に売れている
・東北に観光にきてほしい
・東北地区を風化させないでほしい

「ちなみに、一昨年3月のデータと比較してみた。
一昨年はまだ3団体の数字がなかったから
一概には言えないが、
日本スーパーマーケット協会ではプラス0.2%、
オール日本スーパーマーケット協会ではプラス2.0%。
つまり、震災の影響を除けば、
そんなに悪くはなかったといえる」

今月のゲストスピーカーは、
㈱マルヨシセンター取締役副社長の伊東栄治さんと、
執行役員総合企画室マネジャーの竹垣亘さん。
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マルヨシセンターは「うどん県」こと、
香川県高松市に本社を置く。
小売店37店舗、売店1店舗、外食店2店舗を展開している。

「わが社と全店競合しているマルナカが、
昨年、イオンに買収された。
マルナカの売り場が変わってきている。
従ってマルナカへの対応を考えている」

「“600坪スタイル”の店舗を増やしている。
売場面積600坪、バックルーム250坪、駐車場120台。
37店舗中、11店舗は改装した。
今では全体の売上げの44.6%はその11店舗のもの」

「惣菜やデイリー、パン、そしてうどんは、
自社工場で製造。
荒井伸也AJS会長から教わった“Just in Time”方式
いかにうまくできるか、工場をうまく使えるかが重要」

今後の目標に関してもコメント。
「マルナカのNB商品の売価がすごい。
マルヨシセンターはそれに対抗する、
赤字覚悟の販売から脱却しないといけない」

「意識を共有し、店舗の価値創造に取り組み、
お客様に愛されるローカル・スーパーマーケットを
つくっていきたい」

突如、日本最大手のイオンに買収された企業と、
競合することになったマルヨシセンター。
その対マルナカ戦略は、
全国のローカル・スーパーマーケットの注目の的でもある。

低価格政策を採用するナショナル・チェーン。
対抗するローカル・チェーン。

どちらも千日手を繰り返していては、
いけない。

それでは肝心のお客様が、
喜ばない。

<結城義晴>

2012年04月24日(火曜日)

「異常値販売ブームの本質」と大久保恒夫の「イチニッパを売り込め」

昨日の雨と打って変わって、
心地よい東京の陽気。

芝公園は新緑に満ち溢れて、
森林浴ができそうなほど。
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左手をみると、
東京タワー。
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そしてザ・プリンス・パークタワー東京。
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それにしても芝公園は、
都心の、それほど大きくはない公園ながら、
若い緑に包まれる感じで、快適。
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この遊歩道を歩いて、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の定例役員会。
略称CCL。

小さな会社ながらも、大きな志で、
小売流通業と消費財の世界にお役立ちします。
その根底にある強みは、
カスタマー情報を的確に分析し、
使えるマーケティング・ツールとして提供するところ。

さて、日経新聞最終面の『私の履歴書』。
今月は演出家の蜷川幸雄さん。

とても面白くて、毎日楽しみにして読んでいる。
今日は演出家になりたての若い頃の話。

「舞台で初めて演出料をもらった。
40、50万円だった記憶がある」

「日生劇場や帝国劇場で
年1、2本の演出を手がけるようになったとはいえ、
食べていけない。
そもそも演出家は職業として認められていなかった」

「苦しかったこの1970年代、
どうやって暮らしていたかと問われれば
『女房のヒモだった』と答えるしかないだろう」

そんな中、「長女の実花」が誕生。
蜷川は「スポック博士の育児書に忠実な主夫」となりつつ、
演出の仕事に邁進。

「汝(なんじ)の道を歩め。
そして、人々をしてその語るに任せよ」

「ひとりぼっちになったぼくは
『資本論』の序に引かれたダンテの『神曲』の一節を
心の支えとした」

「幼い実花をぼくは新宿の中央公園へつれていき、
口笛の吹き方を教えた。
西口の雑踏で、
ぼくは自分に言い聞かせるように、
実花につぶやいていた」

「人がみんな右へ行ったとしても、
自分が信じるなら、
ひとりでも左へ行くんだよ」

若いころのこの孤独。
それを受け止めて、
自分の道を歩む。

ウォルマート創業者のサム・ウォルトンの言葉。
“Swim Upstream!”

試練があるから、
成就がある。

「志定まれば、気盛んなり」
私も㈱商業界代表取締役社長を退任したあと、
この吉田松陰の言葉を心の支えとした。

「心は燃やせ、頭は冷やせ」
何度も何度も、この言葉に救われた。

さて日経新聞夕刊の記事。
「フェイスブック、利用者9億人」

アメリカの証券取引委員会に対して、
新規株式公開申請のために、
同社が修正報告書を提出し、
その中で明らかになったこと。

今年3月末時点、
フェイスブック利用者数が、
全世界で9億100万人。
昨年3月末時点では、
6億8000万人。

約2億2000万人増で、
これはプラス33%。

日々の利用者は平均5億2600万人、
こちらは前年同月比プラス41%。

このうち、携帯電話経由の利用者は、
4億8800万人。

「フェイスブックを通して利用者が書き込んだコメントや、
書き込みを他の利用者に薦める『いいね(like)』の件数は
1日平均で32億件」

世界の人口は今時点で、
70億3482万人。

世界の8分の1ほど、12.8%が、
facebook利用者ということになる。

歴史をさかのぼると1800年段階で、
世界人口は10億人だったそうだから、
その時にfacebookがあれば、
世界中の人間がみな、
利用していたことになる。

もうすぐ世界人口のクリティカル・マスを、
facebookが達成してしまいそうな勢い。
なんともすごいことだが、
私もその一人。

そして今月、遅ればせながら、
グランド・オープン。
facebookで友達になろう。
知識商人の輪を広げよう。

よろしく。

今日の日経新聞朝刊に、
「UCC、欧州大手買収」の記事。
各紙も取り上げた。

UCCホールディングスは、
欧州同業大手のスイスのユナイテッドコーヒーを、
5月下旬に買収する。

買収額は約500億円。

円高をメリットにした買収で、
私は快打だと思う。

ユナイテッドコーヒーの2011年度の売上高は約450億円。
これには家庭用コーヒー豆や外食業向け抽出機器なども含まれるが、
レギュラーコーヒーの販売量(生豆換算)は7万2000トン。

UCCとユナイテッドコーヒーの販売量を単純合算すると、
16万4000トン。

これは世界第1の米国フォルジャーズ、
第2のイスラエルのストラウス
に次ぎ、
第3のドイツのチボーと並ぶ。

UCC上島珈琲㈱単体の年商は、
2011年3月期で1106億円だが、
UCCグループ連結売上高は、
3413億円。

ここにユナイテッドの450億円が加わる。

上島豪太社長はビジョンを語る。
「コーヒー文化が浸透し、
世界市場の中心である欧州に進出できる」

現在のUCCの海外事業は約70億円で、
全体の3%。

それが20%に飛躍する。

北欧から東欧まで、
ヨーロッパ各国の販売網を活かして、
既存商品の売り込みをかける。

しかしメリットは、もうひとつ。
コーヒー豆は世界的に高騰が続く。
UCCは世界30カ国からコーヒー豆を調達しているが、
ユナイテッドコーヒーとの連携で、
有利な調達交渉を進めることができる。

やはり、円高メリットを活かしたクリーンヒットだと思う。

さてもうひとつ、
昨日の日経MJの『底流を読む』。
デスクの白鳥和生さんが、
「異常値販売ブーム」と題して評論。

「小売業界で最近のはやり言葉といえば、
『異常値(販売)』だろう」
ちょっと異常なくらい。

「売れっ子のコンサルタントも
ブログなどでよく使っているが、
発祥は定かではない」

「意味するところは
特定の品目で
圧倒的な売上げをつくること」

事例を挙げる。
「おはぎを1店舗で平日5000個売るスーパー、
さいちなどが有名」

「最近はダイエーやマルエツといった有力スーパーも
社内で『異常値』に取り組もうと掛け声がかけられている」

「なぜいま、異常値販売なのか」
白鳥さんは、回答を出す。

「最大の狙いは販売スタッフの意識向上や、
達成感の醸成にある」

この指摘は正しいように思う。

白鳥さんは異常値を稼ぎ出すポイントを挙げる。
「販売方法を見直すこと。
販売のタイミング。
店頭販促(POP)広告の工夫」
「組織的には本部と店舗の連携」
「対象商品の選定や確保」
だからバイヤーの腕も試される。

私は最後の要素「対象商品」がとても大切だと思う。

「さいちのおはぎ」こそ、
異常値ブームの原点にあるからだ。

白鳥さんは、
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長を持ち出す。
「売り切る力」である。

「在庫リスクを小売自らが取る自主マーチャンダイジングを推進するのと、
軌を一にした言葉で、『製配販』の連携のなか、
小売り本来のビジネスに立ち返ることを求めたものだった」

これは小売業経営の真髄をついたものだった。
白鳥さんは「異常値」を、
「ブレイクスルー(突破口)を期待」と評するが、
確かにこの意味合いも大きい。

しかし、ことスーパーマーケットに関して言えば、
異常値がそうそう、頻発し、
その品目がくるくる変わるのは、
本来、困ったことのはずだ。

生鮮食品でいえば、
売れたら補充、売れたら補充。
それが大原則。
「ジャスト・イン・タイム」という。
これは荒井伸也先生の持論。
安土敏名で『日本スーパーマーケット原論』(パルス出版)に書かれている。

店舗と売り場のすべてを効果的に使って、
顧客の生活全般を支えるのが、
スーパーマーケットの本質だからだ。

ウォルマートのエブリデー・ロープライス。
これは「売上げの波動を最小限」にするために行われる。

しかしその本質のうえに立って、
通常と異なる作為が展開される。

ウォルマートでは、
「ロールバック」という。

㈱成城石井社長時代の大久保恒夫さんは、
「イチニッパを売り込め」をスローガンにした。

1部門16アイテム、
8部門で128アイテム。
これを選んで、
値段を下げないで売り込む。

売り込み方法は5つ。

第1が、「優位置陳列」。
顧客が多く通るところ、よく目が届くところを、
大久保さんは「優位置」と称する。

第2は、フェースを広げる。
目立ちやすくするためだ。

第3は、「豊富感」。
そのために在庫を多く持って、わっと積み上げる。

第4に、「POP」をつける。
商品のよさをアピールするため。

最後に第5に、「接客」をする。
声を掛ける。

この5つの方法を的確に、
確実に行うことによって、
値段を下げないで、
「3倍売れます」。

大久保さんは胸を張る。

結城義晴の知識商人対談、
大久保恒夫の巻「イチニッパを売り込め」を、
熟読してみてほしい。

「意識向上」や「達成感醸成」。
白鳥さんが指摘した「異常値」の最大の狙い。
しかしそれだけでなく、
売上げも利益も上がる「イチニッパ」の実現。

あっちもこっちも「異常値」を目指すと、
もはやそれは異常値ではなくなり、
自分の売上げの先食いに終わってしまう。

<結城義晴>

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