結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年01月07日(火曜日)

「ホスピタリティは風呂敷」のたとえと「入れたてコーヒー」販売

今日は1月7日の七草。
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セリ、ナズナ、
ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、
スズナ、スズシロ、
これぞ七草

これから始まる1年間の「無病息災」を願いつつ、
正月の祝膳・祝酒で弱った胃を休める。

いい風習です。

こういった文化は大切にしたい。

私はどんなに忙しくとも、
こういった行催事には必ず乗る。

しかしアクリフーズの一件。

毎日新聞は巻頭コラム『余禄』で取り上げた。
「何者かの悪意によるものかどうかは分からない」
変な文章。

「年末から新年の列島を
何ともいえないイヤな気分に包んだのは
群馬県の冷凍食品工場の
製品からの農薬検出だった」
これも「の」が連続したひどい文章。

中身を非難しているわけではない。
私はこういった表現が大嫌い。
気にかかって仕方ない。
しかも大新聞の巻頭コラム。
群馬県のアクリフーズは、
水産大手マルハニチロの子会社。

「最初の異臭の苦情から
製品の自主回収までに
1カ月半もかかった」

「当初の発表では
混入した農薬の毒性を過小評価して、
消費者の不信をつのらせてしまった」

七草を食べても、
農薬が除去できるはずもない。

さて昨日は立教大学。
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7号館7203号教室で、
サービスマーケティングの講義。
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今回はゲスト講師。
田中実さん。
CS・ホスピタリティ実践研究所代表、
㈱国際ホスピタリティ研究センターの
研究ディレクター、
そして元巣鴨信用金庫常務理事。
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商人舎magazineでは、
昨年の4月号~6月号で連載を書いていただいた。
「田中実の実践ホスピタリティ講座」

前半の講義は、
この3回の連載をダイジェストしてくれた。

詳細を知りたい人は、
商人舎magazineをご覧ください。

このなかで「カバンと風呂敷」の話は、
実におもしろかった。

サービスとホスピタリティ、
それはカバンと風呂敷に似ている。

サービスは、
定型定量のカバンにたとえられる。
ホスピタリティは、
変幻自在の風呂敷の如し。

言いえて妙。

私はすぐに故渥美俊一先生を思い出した。

渥美先生はまず、
定型サービスをシステムとして確立せよと
主張していた。

セオドア・レビットの言う、
「サービスの工業化」である。

しかしその渥美先生ご自身は、
風呂敷の愛用者だった。
「これが一番便利」と言いながら、
水色の風呂敷を抱えていた。

田中さんの講義の後半は、
巣鴨信用金庫在職中に、
「金融業のホスピタリティ」を
実現したプロセスの解明。

これも秀逸の講義。

最後に質疑応答。
グッド・クェッションが出て、
講義の本質をあぶり出した。
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田中さんへの講演、
どんどん依頼してください。

目から鱗です。

講義終了後も、
名刺交換があり、
さらに私のfacebookには、
田中さんへの感謝の言葉が寄せられた。

ありがとうございました。

さて今日のニュース。
日経新聞『消費欄』。
「いれたて一杯、スーパーも」

「セブン-イレブンの入れたてコーヒー100円」。
空前の大ヒット。

昨年11月23日のこれも日経の記事。
「コンビニコーヒー7億杯」
大手5社の2013年度の合計販売量は、
7億杯を超える見通し。

セブンは昨年5月に年間販売目標を、
4億5000万杯に上方修正。
当初計画からは36%増。

日本マクドナルドが
年間3億杯。

それを上回る最大のコーヒー販売業となった。

ローソン、ファミリーマートに、
サークルKサンクス、ミニストップも加わって、
5社で7億杯。

1杯100円とすると、700億円。
突然、このマーケットが出現した。

全日本コーヒー協会の発表。
昨年1~9月の国内消費量は、
前年同期比4%増。
合計は33万4500トン。

これまでの最高は、
2007年の年間43万8300トン。
今年度はそれを上回る。

そこでスーパーマーケットでも、
「入れたてコーヒー」を強化充実。

遅いくらいだ。

私は昨年から、
ウェグマンズのコーヒー販売、
ホールフーズのコーヒーショップなど、
例を挙げてお奨めしていた。

東急ストアフードステーション大倉山店。
イートインコーナーで、
100円のいれたてコーヒーを提供。

いなげや下石神井店では、
1杯120円が1日20~30杯売れる。
ここは焼きたてパンの売場に併設。

ヤオコーの東大和店。
コーヒー100円、
焼きたてピザなどとのセットで500円。

マルエツの小型店 「マルエツプチ」では、
朝食のパンと組み合わせ購入。

もう、最近の超話題の新店でも、
必須のコーナーとなった。
サミット野沢龍雲寺店、
イオン幕張新都心店。

ユニーの小型店「ミニピアゴ」も、
現在の5店舗から5年間で60店増加。

こうなるとすべての業態で、
「入れたてコーヒー100円」が、
販売されるに違いない。

ドラッグストアは当然。
百貨店もショッピングセンターも、
場合によっては専門店も。

ただしその場合には、
食品衛生法の営業許可が必須。
だから既にこの許可を取っている業態が有利。

それ以外にもホスピタリティを考慮するなら、
「入れたてコーヒー100円」は、
必要となるかもしれない。

つまりお店や業態を、
カバンと考えるのではなく、
風呂敷と見立てるのですな。

それがフォーマット戦略の極意。

いかが?

〈結城義晴〉

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