結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年12月31日(火曜日)

コトラー「富と貧困・平和」マーケティングと「毎日更新終了宣言」

2013年大晦日、
横浜の空。
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テレビ消しひとりだった大みそか
〈俳号 風天こと渥美清〉
今朝の日経新聞『春秋』がとり上げた。

巳年にもお世話になった。
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ベランダのシクラメン。
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キッチンの多肉植物オウレイ。
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みんな生きている。

なのに大滝詠一、急死。
65歳。

今年の最後の最後にまた訃報。

昨日30日午後5時半ごろ、
東京都瑞穂町の自宅で倒れ、
搬送先の病院で逝去。

伝説のバンド「はっぴいえんど」。

好きな日本のミュージシャンを、
ひとつだけ上げろと問われれば、
私は迷わず、「はっぴいえんど」
と、答えるだろう。

私の青春そのものでもある。

ご冥福を祈りたい。

「凡事徹底・有事活躍で
[毎日更新宣言]を発します」

振り返ってみると、
結城義晴の[毎日更新宣言]は、
2007年8月23日に初めて、
発せられている。

他人事のように書いたが、
もう6年と5カ月ほど前のこと。

はるかかなたのような気がする。

その最初の[毎日更新宣言]は、
その年の12月31日に終了して、
翌日の2008年1月1日に、
1年間の[毎日更新宣言]を約束した。

そしてまた2008年12月31日に、
終了宣言。
2009年1月1日に、
毎日更新宣言。

そんな形で、
今日2013年12月31日まで、
繰り返してきた。

だから[毎日更新宣言ブログ]は、
今日で連続2323回目となります。

語呂は「ニーサンニーサン」か。

引き算をすると、
来年の177日目が、
記念すべき2500回となる。

つまり、2500回記念日は、
2014年6月26日。

ちなみに私は毎日更新を、
1万回続けようと企図している。

ざっと見積もって28年とちょっと。
だから83歳のころが1万回。

もちろん現在のブログ形式は、
もっと進化しているはずだが、
趣旨はずっと継続していくつもり。

はじめに1000回を達成した時には、
「ああ大変だった」と思う反面、
「何だかできそうだ」とも感じた。

そして故渥美俊一先生の言葉を思い出した。
「1+99」=「100」

今現在を1と考える。
そしてプラス99するんだと決意する。

そうして100倍の仕事をする。

今を100と考えてしまうと、
来年は105、次も105。
あるいは来年は103、次も103などと、
矮小化していってしまう。

それが渥美流の思考方法。
「成長の法則」。

その時に、私は、
1をきちんと達成することが、
その後の99につながるんだと、
自分のブログ更新で確信した。

今年の1がきちんとできたから、
きっとプラス99もできる。

多分、人間は一生に、
プラス99まではできるんだろう。

渥美先生はそう、
励ましてくれたんだろう。

昨年の12月31日のブログを見てみると、
私はこう書いている。

「今年1年、
この言葉には助けられた。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

2012年の366回分まとめた感謝を、
今、この時に、心から表明しよう。

もちろん、来年の希望と努力は、
今年の366回分をまとめて、
2倍3倍にして、高め、掘り下げよう」

なんと「2倍3倍」を言っていた。

しかし28年後には、
100倍返し。

やってみよう。
そんな気力が湧いてくる。

さて2013年12月は、
日経新聞『私の履歴書』で、
フィリップ・コトラー先生を楽しんだ。
それも今日で最終回。

今日のタイトルは「感謝」。
感謝で終わるところに、
マーケティング学者の真骨頂がある。

「拙著『マーケティング・マネジメント』が、
世界中の経営者や政治家、
マーケティング担当者、学生などに
読んでもらった事実には
喜びと同時に恐れも感じる」
しかしこれが処女作だった。

一番初めに書いたものに、
すべてが入っている。

空恐ろしい。

「私の理論や推奨する活動が
誤り、あるいは不十分なものだったらどうなるのか。
私の主張を覆す理論は登場していないが、
だからといって今後も主流であり続けるのか。
それが望ましいかもわからない」

これはすごい自信。

しかしコトラーは述懐する。
「貧富の差は目に余る。
資本主義は世界人口の数%を
豊かにするにとどまっている。
経済的繁栄は
もっと多く の人が享受すべきだ」

だから12月28日には、
「富と貧困」と題して見解を述べている。

「富裕層は近視眼的になりがちで、
プール付きの豪邸の外に思いをはせる人は少ない。
彼らは富を分不相応にかき集めることが、
自らのクビを絞めると理解していないのだろうか」

「富の偏重は結果として
中産階級の購買力を低下させ、
消費需要は横ばいか減少する。
雇用も減る。

国民の不満が募り、
それが怒りとなるのは否定できない」

「マーケティングの世界では
顧客の役に立つことの重要性を
強く訴えているにも関わらず、
世界の人口70億人の顧客のうち
注視してきたのはわずか大富豪、富裕層、
中産階級など約20億人だ」

だからコトラーは主張する。
「残りの50億人に目を向けるべきだ」

しかし、多くのマーケティング関係者は、
「貧困層はお金を持っていない」
「貧困層を相手に商売しても利益は出ない」
木で鼻をくくったような言い訳に終始していた。

空気を変えたのは2004年。、
経営学者のC・K・プラハラード著
「ネクスト・マーケット」。

「貧困層の手が届くような安価な製品やサービスを
作るように訴えた」

コトラーは言う。
「わが意を得たりだ」。

「何の変哲もない製品が高いのは
ブランド維持や広告に
金をかけすぎているのだ」

同感。
だから私は、
コモディティ製品を尊敬するし、
軽視したりしない。

そこで2009年に出版したのが、
「アップ・アンド・アウト・オブ・ポバティ」
貧困から抜け出す処方箋が提示されている。

「富の偏重と貧困からの脱出。
前者は政府の介入が必要だろうが、
後者はマーケティングの高貴な志があれば
解決できると確信する」

素晴らしい。

さらに29日には「平和」のタイトル。
「マーケティングで世界に平和を実現させる方法」
これを考察する。

「今、米国に必要なのは
アメリカン・ドリームのように
米国人に豊かさをもたらすだけでなく、
すべての世界でより良き社会を実現する
推進力になることだと強く思っている」。

ここから「コンシャス・キャピタ リズム」が生まれる。
「意識の高い資本主義」。
「利益追求だけでなく
飢餓、貧困、栄養失調の解消など、
あらゆるステークホールダーの心を動かす
高邁な目標を掲げる社会のこと」。

それなのにマーケティングは、
「人間の欲望には際限がなく、
それに加担した」。

「健康を害するモノや、
地球環境に負荷を与えることなどを考慮せず
売り続けた時代もある」

そうした反省を踏まえ、コトラーは、
マーケティングに新たに「2つのP」を加えた。
PeopleとPlanet。
人と惑星。

このあたりはひどく文学的。

つくづくと思う。
フィリップ・トラーは、
キャッチフレーズをつくる人でもある。

いま執筆中なのは、
「資本主義の再考と解決策」。

鮒に始まり鮒に終わる。
釣り師の極意。

コトラー先生、83歳。
この境地なのか。

私はそれまでまだまだ、
あと7677日。

しかしそれでも、
この2013年の大晦日。
1年間のご愛読を心から感謝しつつ、
毎日更新の終了を宣言する。

〈結城義晴〉

2013年12月30日(月曜日)

「際の勝負と早仕舞い」と「負け戦の闘い方」と「時間による熟成」

Everybody! Good Monday!
[2013vol52]

2013年最後の週。
と言っても、明日まで。

明後日から2014年。
午年です。
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MrMaxオリジナルd-torsoを組み立てた。
社長の平野能章さんから、
年末ご挨拶として贈ってもらった。

Christmasまでは、
トナカイだった。

Christmasのあと、
角を外せば馬になる。

この平野さんの無茶な要求を、
アキ工芸社の松岡勇樹さんが、
引き受けて完成。

d-torsoはダンボールでつくるペーパークラフト。
その芸術性は国内外から高い評価を受ける

ありがたく頂戴し、
組み手てて、
新年を迎える。

さて、
早仕掛け、
早仕舞い、
際の勝負。

そう言い続けて、
今年1年が終始した。

年末商戦も、
際の勝負となってきた。
奮闘を祈念したい。

しかし、何事も、
際の勝負となったら、
あとは「やるっきゃない!」

土井たか子さんのキャッチフレーズ。
元日本社会党委員長。

世論を味方につけ、
人心が前向きになっているときに、
「やるっきゃない!」

これはうまくいく。

バラク・オバマ大統領も、
人気絶頂の時に、
「Can you change?」

これもうまくいった。

風向きも悪く、
機も熟していない時に、
何を言っても、
普通は動かない。

そこでも一人ひとりを鼓舞し、
全員をその気にさせて、
前に一歩進ませるのが、
真のリーダーだろう。

つまり、「負け戦の正しい負け方」。
アゴラの石井孝明さんのブログ。
関ヶ原の合戦の時の島津義弘の闘い方、
実に面白い。

関ヶ原の闘いの戦闘が決着した後、
義弘は1000名の手兵で、
10数万の徳川家康の東軍に向け、
「正面への退却戦」を敢行した。

真正面から果敢に挑み、
残存兵60とともに生き残り、
薩摩の国に帰還。

その後、勝者家康と
これまた決死の外交を重ね、
所領の薩摩・大隅・日向南部を維持。

関ヶ原の敗者で、
所領がそのままだったのは
島津家だけ。

それが268年後の明治維新にもつながる。

たとえ負け戦でも、
死ぬな。
明日につなげ。

これです。

だから「際の勝負」と「早仕舞い」は、
繋がっている。

さて、2013年の漢字。
日本漢字能力検定協会が、
全国から公募して選ばれる。

今年は「輪」だった。

なるほど。

2020年の五輪は、
日本にとってうれしいことだ。

昨2012年は「金」、
東京スカイツリーやロンドン五輪の金字塔。

2011年は「絆」。
東日本大震災の日本の心。

2009年は「新」
で、
この年に民主党政権発足。

2008年は「変」で、
オバマ大統領のchange。

2007年は「偽」で、
この年にも白い恋人や赤福餅などで、
偽装表示事件が起こった。
歴史は繰り返す。

こうして年代を遡ってみるのも、
年末の心持ちだろう。

今日の『ほぼ日』で、
糸井重里さんが、
「熟成」について考える。

「野菜と同じように、魚でも、肉でも、
新鮮なほどうまいと
思っている人が多いけれど、
実は、そんなことはまったくないわけで。
おいしく食べるには、
熟成という時間が必要だ」

そして考えは、
食べものから、
仕事に移っていく。
これ糸井の常とう手段。
私も好きだが。

「ものそのものに、
時間だけを加えるということは、
けっこう見逃されているような気がする」

「あれやら、これやらを
プラスするのは、わかりやすいが、
時間を加えるという仕事は、
一見、『ただ待ってるだけ』
のように思われそうだ。
でも、それが大事な場面って、
ものすごくあるんだよな」

「人間のする仕事にしたって、
新たには、なにをすることも不要で、
ただ、『ちょっと待つ』という
時間だけが必要なことがある」

「モノとして姿が見えてないから、
なくてもいいことにされてしまいそうなのが、
時間」

「たいへんに大事なのに、
『効率』ということのために、
かけないほうがいいかのように
思われているのが、
時間」

動く、
見る、
聞く。

その後で、
知る。
考える。
変える。

場合によっては、
伝える。
書く。
表す。

こんなプロセスのなかに、
時間を組み込む。
そして熟成させる。

時間は私たちにとって、
貴重な財産です。

貴重なものを投入するからこそ、
価値が生まれる。

それを信じたい。

年末の際にこそ、
そんなことを思う。

では、みなさん。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年12月29日(日曜日)

ジジの感謝[日曜版2013vol52]

ジジです。
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ことしも、
あと3日。

1年間、52週。
ボクのページは、
52回。

ご愛読、
ありがとうございました。

ユウキヨシハルのおとうさん、
でかけていきました。
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ゴルフコースへ。
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名物ホール。

「1年のつかれをおとす」とか、
いってました。
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朝から、スブリ。
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マスコット・クラブ。

おとうさんのホームコース。
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たのしそうです。
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ボクはねてましたが。
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でも、ごくろうさま。
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よく、シゴトしましたからね。

それから、
かえってきました。
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海ほたる。
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トウキョウ・ベイ。
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来年のために、
ボクの絵をだしてきた。
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プログレスのデザイナーさんが、
かいてくれた絵。

なんというか、
はずかしい。
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でも、いいかもしれない。
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ボクに、にてますか?
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ふしぎなきぶん。
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でも、来年は、
この絵がずっと、
あるでしょう。
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1年間、ありがとうございました。
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空に虹がかかって、
いい年であることを、
おしえてくれます。
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生かされていることに、
感謝しています。

ありがとう。
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こころから。

来年もよろしく。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年12月28日(土曜日)

フロリン・ディアクの「科学者の信認」と商人の「一瞬の積み重ね」

株式会社商人舎。
2013年の営業は、
昨12月27日で終了しました。

日本中の小売りサービス業のみなさんにとっては、
まだまだ大晦日まで、
営業や仕事が続きます。

商人舎は本日より、
冬季休業に入ります。1年間ありがとうございました。
心から感謝申し上げます。

皆様にとって、新しい年が、
よりよいものであることをお祈りいたします。

来年も宜しくお願い致します。

[商人舎一同]

2013年も、あと4日。
月刊『商人舎』新年号の入稿と校正で、
編集部は今朝も午前7時過ぎまで、
完全徹夜。

やっと終わった。

夜が明け、陽が登った空は、
驚くべき青さ。
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雲は白かった。
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日本中を寒気団が覆い、
日本海側は大雪だというのに。

しかし私たちよりも、
雑誌デザイナーの七海真理さんこそ、
完全徹夜でフル回転。

心から感謝したい。

来年は絶対にこんな状況にならないよう、
万全の態勢をつくります。

ただし、絶対に、
どんなことがあっても、
手は抜かない。

万全の態勢で、
より良い雑誌をつくります。

私はこれから、
立教大学大学院結城ゼミ生の、
修士論文のチェックに取り掛かる。

論旨や論理性を確認し、
先行研究レビューや調査研究の内容を評価し、
論文としての仕上げをする。

もちろん本人が書いたものが何よりも、
その価値を決定づける。

私はほんのちょっと手伝いをして、
それを本人に返す。

最後にそれぞれが、
完成させる。

この年末から、
年明けの第1週、第2週、
その後にやっと、
私の正月がやってくる。

みんなともに頑張ろう。

さて、来年のことを考える。

数学者フロリン・ディアクの著作、
『MEGADISASTERS』
ディアクはルーマニア人。

邦題は、
『科学は大災害を予測できるか』

そのまえがきに出てくる引用。
「予測できるのは、
既に起きたことだけである」

〈ウジェーヌ・イヨネスコ〉
イヨネスコはディアクと同じ、
ル-マニア人を父に持つ劇作家。

ピーター・ドラッカー教授の、
「既に起こった未来」に通じる。

新しい年を思う時、
イヨネスコの言葉は、
重い意味を持つ。

もうひとつ、
フリッツ・R・S・ドレスラーの言葉。
「未来を予測するのはたやすい。
いま起こりそうもないことを、
考えだせばいいのだ」

ドレスラーは続ける。
「難しいのは、
今起こっていることを
突き止めることだ」

さてディアクは著書の中で、
予測の最先端の研究や理論をreviewする。
第1章 津波
第2章 地震
第3章 火山
第4章 ハリケーン
第5章 気候変動
第6章 小惑星の衝突
この後、第7章は金融危機、
そして第8章はパンデミック。

最後の第9章では、
予告はどこまで可能になったのかと、
総括する。
この中で面白いのは、
メディアやマスコミのジャーナリストと、
科学者の姿勢の違いを示しているところ。

もちろんジャーナリズムとサイエンスは、
役割が異なる。

「科学者が最も恐れるのは、
自らの信認を失うことである」

実はジャーナリストも、
自らの信認を最重視する。

「科学者が予測を公表する場合には、
その前提条件や精度や誤差範囲を
明確にするのがふつうである」

修士論文でもこれは同じだ。

「ところがメディアが
そうした『但し書き』を見落としてしまうものだから
一般の人々は大騒ぎをすることになる」

メディアの役目も重い。

私たち商人舎も、
メディアのひとつ。
以って自戒とすべし。

しかしこれは、
商人も同じ。

真の商人が最も恐れるのは、
自らの信認を失うことである。

こう、言い換えておこう。

年末のこの時期になると、
いつもこの言葉を思う。

故倉本長治商業界初代主幹。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

残された2013年、
一瞬一瞬を充実させたい。
そして顧客からの信認を高めたい。

〈結城義晴〉

2013年12月27日(金曜日)

商人舎仕事納めの今半「すき焼き」と岡田元也さんの「多様性」

12月27日。
あと5日で2013年が終わる。

「忙しかったなぁ」

率直な感想。

私自身、人生で一番のピークだったかもしれません。
もちろん多忙を極めたけれど、
ストレスはまったくなくて、
やりたいことを精一杯やった。

そんな満足感と充実感に満たされています。
ありがたいことだと感謝しています。

株式会社商人舎も、
みんなよくやりました。

ありがとう。
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と、言いつつ、それぞれが、
思い出深い月刊『商人舎』をもって、
写真。

商人舎は今日で仕事納め。
来年2104年1月6日が仕事始め。

9日間の冬期休業となります。
よろしくお願いします。

お急ぎのみなさんは、
info@shoninsha.co.jpまで。

至急、問題解決に当たります。

今日は、少し早めにあがって、
横浜高島屋8階の今半へ。

恒例となっている今半。

まず突き出し。
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それから山形牛。
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そしてすき焼き。
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デザートまで堪能して、
満足の写真。
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来年の商人舎標語は、
「こまかく・きびしく・しつこく・たのしく」

これは商人舎自身が、
自らに課するスローガンでもあります。

もちろん冬期休業に入ったからといって、
毎日更新宣言ブログや、
facebookは、
年中無休。

えてして、合併話のような事件は、
年末の際に起こったりします。

そんな時にはすぐに出動して、
取材をし、記事を書いて、
商人舎magazineでも、
商人舎公式ホームページでも、
報道します。

さて今日の『ほぼ日』。
糸井重里の巻頭言。

「2013年から、
2014年になるにあたって、
こう、なんというか、
世の中もじぶんも、屈託なく
『あけましておめでとう』
と言う感じになっている」

同感。
糸井さんの、
こういった時代をつかむ感覚、
私が思っていることを、
スルリと言ってくれる。

「2012年から、
2013年になるときには、
もうちょっと『言いにくい感じ』があった」

うんうん。

「さらには、2011年が
2012年に変わるときには、
『おめでとうと言ってもいいんだよ‥‥ね?』と、
みんなが確かめあってるような感じがあった」

そのとおり。

「もうじき『あれから3年』になる正月」

そして、提案してくれる。
「たのしいことを考えようよ。
おもしろいことをやっていこうよ」

賛成です。

日経新聞コラム『大機小機』
コラムニストの恵海さん。

今年を二つのことで総括する。
ひとつは、アベノミクスの「3本の矢」。
ひとつは2020年の東京五輪開催決定。

これらが「日本を覆っていた閉塞感を払拭」。

だから糸井さんが言うように屈託なく、
「あけましておめでとう」

コラムニストは、
来年の干支を持ち出す。
「翼をもつ天馬のように跳びはね、
世界から信用され、頼られる国」

その第一歩を記そうと呼びかける。

ただし私は、
この「天馬」のたとえは、
あまり信用しない。

もちろんこれは、
故渥美俊一先生のペガサスクラブを
言っているのでは断じてない。

コラムニストはこの後、
金融政策や社会保障関連支出の削減、
防衛関係の研究開発投資や、
原子力と代替エネルギーとのベストミックス、
そして国家安全保障の提案をする。

「年金給付開始年齢の引き上げ、
高所得者の医療費負担増などを
『国家百年の計』を踏まえて実行することが、
基礎的財政収支の均衡を実現し、
世界の信頼を得ることとなる」

ペンネームで匿名のコラムだから、
こんな提言もあるのだろう。

糸井重里の時代感の方が、
はるかに夢とリアリティをもっている。

今年の春のイオンの入社式。
岡田元也社長のスピーチ。

今、イオンモール幕張新都心の記事を書いている。
だから岡田さんのコメントを方々から集めた。

その中の一言。

「多様性と一貫性、
相矛盾するテーマを
追求したい」

これはオクシモロンだ。

「多様性とは、
違う人や違う地域を容認すること」

ダイバーシティという。

「人間が全体主義のごとく、
同じように考え、
同じように行動するのは、
一見効率良く見えるが、
そういう組織は往々にして滅びやすい」

日本最大の小売業のトップの発言です。

「だから多様性を備えることが、
大型化することから生じる均質化の危険から
身を守る方法だ」

2014年の午年。

こういった多様性の考え方で、
世界中から尊敬され、
頼られる国を、
みんなして目指したい。

〈結城義晴〉

2013年12月26日(木曜日)

豊田泰光と糸井重里とコトラーのコンサルティング・メソッド

昨日の川野幸夫さんのコメントを、
商人舎magazineに掲載。
日本スーパーマーケット協会会長、
㈱ヤオコー会長。

ページは週刊特別企画。
タイトルは、
「川野幸夫の2013年総括」

写真が面白かったので再掲。
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こんな感じ。
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川野さんのマスコミ人気がうかがわれる。

さて年の瀬の12月26日、
貴重なものが終わる。

日経新聞のコラム『チェンジアップ』。

元西鉄ライオンズの侍豊田泰光が、
1998年の夕刊から始めて、
その後、朝刊に掲載し、
足かけ16年。

辛口評論の最終回。

私は〈博多生まれの横浜育ち〉を、
看板の一つにしているので、
当然ながら西鉄ライオンズ・フリーク。
ということはアンチ巨人。
すみません。

豊田は最終回の冒頭でかます。
「巨人軍は不滅かもしれないが、
プロ野球界は永遠ではない」

「まだ親会社の宣伝道具の面があり、
景気次第でいいようにされる恐れがある」

「選手を操り人形のように
サインと懲罰交代で縛る監督、
不自由にあらがいもせず、
バントを決めてハイタッチする選手たち。
この野球のどこが面白いのか」

メジャーリーグの球場の雰囲気。
「騒がず、選手の一投一打に集中するスタンド、
土のにおいがする天然芝のグラウンド……」

「海を渡ったイチローが、
子どものように跳ね回っているのも
わかる気がする」

そして辛口。
「一番の老舗である巨人が
そうした本式の球場を持っていないところに、
日本球界の貧しさがある」

「私は野球しか知らないから、
なんでも野球を通してみる」

結城義晴が小売サービス業を通して、
世界や社会を見続けているのと同じ。

「このごろの食品偽装問題をみても
『とにかく売れればいい』という風潮が
『とにかく勝ちゃいい』という野球と重なってみえる」

そうそう。

「本来は個人の良心に委ねられるものだ。
食品の問題も最後は
人と人の信頼関係になるはずだ」

「形はどうあれ、
手っ取り早く打ちたい、
勝ちたいという軽さは
『中身より売り文句で勝負』という
一部のレストランと同じ」

「こらえ性がなくなり、
楽な道に走る社会が
映し出されている」

手っ取り早く真似る。

食品業界にも蔓延しているが、
豊田泰光の言うことは、
いちいちもっともだ。

16年間、ご苦労様でした。
78歳の元野球職人は、
コラムニストとしても一流のプロだった。

一方、『ほぼ日』の糸井重里。
巻頭言「今日のダーリン」。

「やりなおせると思うなよ」
脅迫染みた台詞をテーマにする。

「なかなか緊張感のあるセリフだ。
劇的な状況を表現するには、
実にいいことばだ」

そしてまずは肯定。
「実際に、
そういう場面を経験した人は
いくらでもいる。
また、それくらいの覚悟で
やらなきゃできないことも、
生きている間には、
何度もある」

こう言っておいて、今度は否定。

「このごろ思うのだ。
『やりなおせると思うなよ』
というような状況が、
そんなにしょっちゅうあっては
困るだろうよ」

そうそう。
「人間って、そういうふうには
できていないのだ」

「起きて、食って、働いて、遊んで、寝る」
そんなシンプルな生活の繰り返しが、
私たちの暮らしのベースには、ある。

そしてときに、
「厳しい決意の状況に立たされる」

私たちが生きるリアリティは、
ドラマとは全く違う。

「なんどでもやりなおしている」
それが人生だと糸井さんは言う。。

「明日死ぬかのように
生きなさい。
永遠に生きるかのように
学びなさい」

名言。

しかし、
「とても比喩的なことばであって、
それこそ、そんなことができるように
人間はできてない」

「ぼくらが実用に使うには無理がある」
糸井さんに賛成。

たとえて言えば、
「F1のクルマで公道をぶっとばすような」

正月の箱根駅伝、
ラグビー大学選手権、
その後の高校ラグビーや高校サッカー。
この前、終った高校駅伝。
一生に一度、
1年に一度の晴れ舞台。

この時は、
「やりなおせると思うなよ」で、
いいかもしれない。

しかし日常的には、
「社会は、
失敗はありうるという前提で
設計されていくし、
実に、人間はいつでも
失敗をするはずの生きものだ」

そうなんだ。

失敗を恐れることはない。
失敗をとがめるばかりでもいけない。

「毎日のように、何度でも
トライできると思ったほうが、
のびのびと、じぶんのなかの
新しい能力を発見できる」

私もそう思う。

特に商売は、
そう言うたぐいの仕事だ。

だからみなで、そう言い合いつつ、
安心して仕事するのがいい。

いつもいつも脅しのように、
最高レベルを求め続けるのは、
毎日の商売にはふさわしくはない。

さて、今日のフィリップ・コトラー。
日経新聞最終面の『私の履歴書』。

今日のタイトルは、
「コンサルティング」。

それもほんものの。

バンク・オブ・アメリカ、
フォード、ゼネラル・モーターズ、
ユニ・リーバ、アップル、IBMなどなど、
超一流企業ばかり。

「私が経験した最高の取締役会は、
1990年前後のIBM」

社長のジョン・エイカーズの相談。
「どうやって顧客中心主義を
植え付けることができるのか」

そこでコトラー先生は、
13人の取締役が参加する
2日間の会議を傍聴。

会議は3部構成。

第1部は主要顧客3社の幹部を招き、
IBMへの満足度を聞いた。

第2部は社内の支店長
から
本社の指示をどう思っているかを聞いた。

そして第3部はIBMの社員
主要な競合相手に見立てて、
どのような戦略でIBMを攻撃してくるのかを
語らせた。

第1部、第2部は、
現場の実情がトップまで伝わってこないことが
よくわかった。

「とりわけすばらしかったのが第3部だ」

「競合相手を急成長中の
サン・マイクロシステムズとした」

「サンからIBMへ転職してきた社員に
サンのスコット・G・マクネリーCEOの役をさせた」

「この疑似マクネリーはなかなかの役者で
取締役会の面々に厳しいまなざしを向け、
開口一番、こう言い放った」

「サンの目標はIBMを潰すことだ!」

疑似CEOはIBMの弱みを畳み掛ける。
「コンピューターの未来は
ネットワークにあるにもかかわらず、
IBMは製品を改良することしか考えていない」

取締役会メンバーも反論。
「IBMに最大の利益をもたらすのは
ネットワークではなく製品だ」。

「疑似とはいえ、真剣勝負だった」。

ロール・プレイイングと呼ばれるが、
これはコンサルティング手法として、
教育手法として、
実に有効だ。

数年後、IBMは、
ルイス・ガースナーが新CEOとなって、
「IBMの未来はネットワークにある」と宣言。
疑似CEOの指摘の通りとなった。

コトラーはゼネラル・モーターズが、
IBMと反対だったと述懐する。

「ロス・ペローが取締役会に加わり、
経営陣を厳しく叱責した。
モノを言おうものなら辞任を求めた」

このペローのやり方を、
「巨像に踊り方を教えること」と表現。

「謙虚に聞く耳を持たない組織は
衰退する」

そして最後に、一言。
「IBMの3つの議論は
今でも立派に通用するはずだ」

しかしコトラー先生のコンサルティングは、
ドラッカー組織マネジメントそのものだ。

マーケティング・マネジメントを、
コトラーが標榜するのもうなづける。

コンサルタントこそ、
マネジメントに精通しなければならないことを、
如実に示している。

〈結城義晴〉

2013年12月25日(水曜日)

セブン&アイ、Xマスにフランフランをお買い物!? 50億円也

今日はChristmas。
Christのmass、つまりキリストのミサ。

イエス・キリストの降誕の祝い。
「降誕」は英語でthe Nativity。
聖人・偉人・帝王などがこの世に生まれること。

まあ、洋風に祝いましょう。
キリスト教徒でなくとも、
それが現在の日本人。

今日、ヤオコーの川野幸夫会長も語っていた。
「今のところ順調な
クリスマス商戦だ」

そしてクリスマス商戦を終わらせたら、
すぐに和風に切り替える。

やはり川野さんが口にした。
「和食がユネスコの世界遺産になった。
どう日本の食文化を守り育てるか。
私たちにとって大切な課題だ」

明日の朝から、すぐに、
日本の年末年始に大転換。

その切り替えの「キレ」の良さが、
その店の強さとなる。

さて昨日の夕方、
武藤麻代さんが、
商人舎オフィスを訪ねてくれた。
立教大学大学院の結城ゼミ第4期生。
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来年1月から、
商人舎magazineに、
執筆してくれることになった。

健康や安全・安心をテーマにして、
小売業・外食業の取材をする。

ご期待いただいきたい。

今朝は、東京・大門。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱、
恒例の取締役会。

今年もご苦労様でした。

その後、役員会で写真。
20131225154151.jpg
真ん中左が、
米倉裕之さん、代表取締役社長。
真ん中右が、相談役の玉生弘昌さん、
㈱プラネット会長。
その右が、取締役の川崎清さん、
一番右が執行役の石井賢治さん、
そしていちばん左が取締役の田窪伸郎さん。

1年間、ご苦労様でした。
来年もよろしくお願いします。

その後、商人舎オフィスに戻って、
再び夕方には東京日本橋へ。

日本スーパーマーケット協会。

スーパーマーケット3団体の販売統計の発表。
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詳細は『商人舎magazine』で報告するが、
11月は売上高7732億4871万円と、
前年同期比104.5%、
既存店でも101.4%と好調。

6月ぐらいから好転し、
青果の相場高もあり、
10月、11月と上向いてきた。

それが12月商戦、
天皇誕生日を含み三連休、
そしてクリスマス商戦と続いた。

一気呵成に年末商戦へと、
なだれ込みたい。

その後、毎年恒例、
記者との忘年懇親会。
20131225223104.jpg
日本スーパーマーケット協会会長の川野幸夫さん、
協会専務理事の竹井信治さん(右)、
そして左の松本光雄さんは、
オール日本スーパーマーケット協会専務理事。

川野会長登場とあって、
記者連は張り切って写真撮影。
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こんな光景です。
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川野さんは丁寧に、
今年スーパーマーケット産業にとって、
重要だったことを二つ挙げて、
解説してくれた。

それは商人舎magazineで速報しよう。

専務理事の竹井さんは、
月刊『商人舎』の大ファン。
届くとすぐに1冊丸ごと、
読み切ってくださるとのこと。
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うれしくてますます元気が出る。

懇親会の最後は
3人を囲んで、
事務局の皆さんとの記念写真。
20131225223136.jpg
年末を締めくくるガッツポーズ。

来年も協会活動に期待したい。

4月には日本スーパーマーケット協会と、
新日本スーパーマーケット協会の合併が、
待っているし、その時、
消費税増税が行われる。

協会の活動は重い意味を持っている。

名著『チェーンストア』の中で、
ゴドフリー・M・レブハーは、
アメリカにおけるチェーンストア成長の要因を、
4つ整理している。

第1は、チェーンストア方式自体に内在する長所。
第2は、チェーンストア経営者になった人々の資質。
第3は、この人々が自己の経営を、
条件の変化に合わせる弾力性を持っていたこと。
そして第4は、彼らの仲間の団体活動が、
効果的だったこと。

適切な団体活動は現在の、
日本のスーパーマーケット産業にも、
求められている。

ちなみにこの『チェーンストア』の訳者は、
12月15日に逝去した倉本初夫商業界主幹。

再び、ご冥福を祈りたい。

最後の最後は、「お多幸」。
伝統のおでんを賞味しながら
日経MJデスクの白鳥和生さんと、
今年最後の交流。
20131225223145.jpg
白鳥さんは、
最前線で活躍するジャーナリスト。
流通に「愛」をもっている。

白鳥さんとの会話は、
本当に楽しいし、触発される。

その白鳥さんの日経新聞の朝刊。
セブン&アイ・ホールディングスが、
雑貨専門店「フランフラン」のバルスへの出資を、
報道した。

そして午後、それが、
バルスから発表された。

2014年1月、
48.67の株式を取得。
取得総額は50億円程度。

今期もセブン-イレブン・ジャパンが絶好調で、
13年8月末の手元資金は1兆円強。

だからセブン&アイは、
12月に入って、
積極的にM&Aを進めている。

通販のニッセンホールディングス、
高級衣料品店のバーニーズジャパン。

バルスは国内で約150店展開。
2013年1月期売上高319億円。

Christmasに、
フランフランをお買い物!?

セブン&アイは、
オムニチャネル戦略を謳っている。

来年は日本のチェーンストアも、
スーパーマーケットも、
大きく様相が変わるに違いない。

クリスマスの東京駅。
20131225223156.jpg
家族のもとに、
恋人のもとに、
急ぐ人たちだろうか。

いずれの人々にも、
ハッピー・クリスマスでありますように!

私たちは日本の消費者のために仕事している。
国民のために、市民のために、
店を開き、売り場をつくる。

だからハッピー・クリスマス!

<結城義晴>

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