北京の朝の渋滞。
これがPM2.5の原因。
いわゆる微小粒子状物質。
中国に来るにあたって、
マスクは必需。
そう思い込んでやってきたが、
ちょっと肩すかし。
この3日ほどは、
街の中でマスクをしている人を見かけない。
北京市民も観光客も。
しかし朝7時半過ぎにもかかわらず、
すでに車が数珠つなぎ。
これでも8時台のラッシュに比べれば、
車が流れる。
朝日に照らされた2つのビル。
左の凱旋門のようなものが中央テレビ、
右が人民日報。
北京の町中はいまだに高層ビルラッシュ。
そんな街並みを見ながら、向かったのは、
セブン-イレブン北京の本部。
SEVEN-ELEVEN(BEIJING)。
1階に店舗があり、これが北京1号店。
早速、店舗運営本部長の福田達也さんに、
店内を案内してもらう。
おでんは北京で大人気。
朝から女性客が並んでいる。
女性客が7割と多いのが、
北京の特徴。
北京でスタートしたコーナー。
調理済み食品を、店内で温めて提供し、
お客は好きなメニューを選んで持ち帰る。
メニューは12種類。
定番メニューをのぞき、
毎週、新メニューが登場する。
この取り組みが成功すれば
逆輸入されるかもしれない。
その後、同じビルの北京本部へ。
受け付けには現地スタッフ。
入るとすぐにこのパネル。
世界的7-ELEVEn。
現在5万0254店。
福田さんにたくさんのスライドをみせてもらいながら、
中国マーケットの状況、
北京市場での取り組みを解説してもらう。
福田さんは自分で名乗りを上げて、
北京にやってきた。
実に優秀な40代。
こころから活躍を期待したい。
この店舗に関しては、
月刊『商人舎』でレポートする予定。
ご期待ください。
さてその後、どうしても気になって、
イトーヨーカ堂へ。
食品館 三里屯店。
ショッピングセンターの中で、
食品スーパーマーケットだけで展開。
いわゆる同社の「食品館」。
今年3月オープン。
高級スーパー路線を走る。
これも北京での生き残りの模索案。
やるなら百貨店の地下か、
超近代的なショッピングセンターの地下。
そのセオリーに乗っているが、
これからの展開に期待がかかる。
もうひとつ気になったのが、
ウーマートの最大店舗。
こちらは逆に「自由市場」を、
近代化させてスーパーマーケットにした店。
白菜に顧客が行列。
キャベツや大根も。
インゲン豆もばら売りで、
顧客がつかみ取り。
葉物もご覧のとおり。
そして値付けに並ぶ。
精肉部門も人だかり。
加工食品は山と積み上げる。
この近代化の初期の店。
実は現時点では、
なんといってもこれが一番強い。
この初期近代化のウーマートと、
最新の永輝超市との両方を、
中国企業が展開する。
外資のウォルマート、
カルフール、テスコは、
全てハイパーマーケット。
そして外資系は一時停滞気味。
日本のイオンとイトーヨーカ堂は、
郊外モール型と都市大衆百貨店型。
日本勢の大型店は特に、
外資系とは真正面で闘わない。
一方、セブン-イレブンは、
着々とドミナントを築いていく。
こちらに待ったをかける者はいない。
いや、中国行政府だけだろうか。
しかしそんな政治的な様相を度外視しても、
何より中国小売企業こそ侮れない。
イノベーションが起こりつつある。
それが今回の調査研究の収穫だ。
ここまでで、
急ぎ足の北京視察は終了。
大満足。
今年もアメリカ・ヨーロッパ、
そしてアジアはタイと中国。
そして世紀の大発見。
ありがたいことです。
満足と感謝をしつつ、
北京国際空港へ。
天井が高い快適な空港。
素早くチェックインを済ませて、
ランチを食べ、
そして関西国際空港行きの二人とお別れ。
ラウンジで仕事。
そして北京の空へ。
眼下に工場の煙。
これです。
上空に茶色の層がある。
白い雲も茶色に染まる。
朝の渋滞を思い出しつつ、
一路、日本国へ。
こちらは青い空と白い雲。
大いに満足したが、
あの茶色の一団が、
偏西風に乗って日本にやってくる。
これには深刻になってしまった。
〈結城義晴〉