結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年12月28日(土曜日)

フロリン・ディアクの「科学者の信認」と商人の「一瞬の積み重ね」

株式会社商人舎。
2013年の営業は、
昨12月27日で終了しました。

日本中の小売りサービス業のみなさんにとっては、
まだまだ大晦日まで、
営業や仕事が続きます。

商人舎は本日より、
冬季休業に入ります。1年間ありがとうございました。
心から感謝申し上げます。

皆様にとって、新しい年が、
よりよいものであることをお祈りいたします。

来年も宜しくお願い致します。

[商人舎一同]

2013年も、あと4日。
月刊『商人舎』新年号の入稿と校正で、
編集部は今朝も午前7時過ぎまで、
完全徹夜。

やっと終わった。

夜が明け、陽が登った空は、
驚くべき青さ。
20131228233111.jpg

雲は白かった。
20131228233050.jpg
日本中を寒気団が覆い、
日本海側は大雪だというのに。

しかし私たちよりも、
雑誌デザイナーの七海真理さんこそ、
完全徹夜でフル回転。

心から感謝したい。

来年は絶対にこんな状況にならないよう、
万全の態勢をつくります。

ただし、絶対に、
どんなことがあっても、
手は抜かない。

万全の態勢で、
より良い雑誌をつくります。

私はこれから、
立教大学大学院結城ゼミ生の、
修士論文のチェックに取り掛かる。

論旨や論理性を確認し、
先行研究レビューや調査研究の内容を評価し、
論文としての仕上げをする。

もちろん本人が書いたものが何よりも、
その価値を決定づける。

私はほんのちょっと手伝いをして、
それを本人に返す。

最後にそれぞれが、
完成させる。

この年末から、
年明けの第1週、第2週、
その後にやっと、
私の正月がやってくる。

みんなともに頑張ろう。

さて、来年のことを考える。

数学者フロリン・ディアクの著作、
『MEGADISASTERS』
ディアクはルーマニア人。

邦題は、
『科学は大災害を予測できるか』

そのまえがきに出てくる引用。
「予測できるのは、
既に起きたことだけである」

〈ウジェーヌ・イヨネスコ〉
イヨネスコはディアクと同じ、
ル-マニア人を父に持つ劇作家。

ピーター・ドラッカー教授の、
「既に起こった未来」に通じる。

新しい年を思う時、
イヨネスコの言葉は、
重い意味を持つ。

もうひとつ、
フリッツ・R・S・ドレスラーの言葉。
「未来を予測するのはたやすい。
いま起こりそうもないことを、
考えだせばいいのだ」

ドレスラーは続ける。
「難しいのは、
今起こっていることを
突き止めることだ」

さてディアクは著書の中で、
予測の最先端の研究や理論をreviewする。
第1章 津波
第2章 地震
第3章 火山
第4章 ハリケーン
第5章 気候変動
第6章 小惑星の衝突
この後、第7章は金融危機、
そして第8章はパンデミック。

最後の第9章では、
予告はどこまで可能になったのかと、
総括する。
この中で面白いのは、
メディアやマスコミのジャーナリストと、
科学者の姿勢の違いを示しているところ。

もちろんジャーナリズムとサイエンスは、
役割が異なる。

「科学者が最も恐れるのは、
自らの信認を失うことである」

実はジャーナリストも、
自らの信認を最重視する。

「科学者が予測を公表する場合には、
その前提条件や精度や誤差範囲を
明確にするのがふつうである」

修士論文でもこれは同じだ。

「ところがメディアが
そうした『但し書き』を見落としてしまうものだから
一般の人々は大騒ぎをすることになる」

メディアの役目も重い。

私たち商人舎も、
メディアのひとつ。
以って自戒とすべし。

しかしこれは、
商人も同じ。

真の商人が最も恐れるのは、
自らの信認を失うことである。

こう、言い換えておこう。

年末のこの時期になると、
いつもこの言葉を思う。

故倉本長治商業界初代主幹。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

残された2013年、
一瞬一瞬を充実させたい。
そして顧客からの信認を高めたい。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 結城兄:
    北京から感謝致します~~~
    同じ小売りサービス業(翠微股份·翠微店)の兄弟~~
    一年間,兄弟の商人舎を感動され、アクティブ、忙しい姿を···
    北京ご滞中に百貨ショップをどう評価しょうか?中国の百貨の来年どうなろうか?
    ね~~~
    新年おめでとうございます~~~

    潘玉明 12,29

  • 潘玉明さま、中国・北京よりのご投稿、
    ありがとうございます。

    同じ小売りサービス業の兄弟として、
    仲良くしましょう。

    北京の百貨店、それからハイパーマーケット、スーパーマーケット、
    たいへんに発展、進化していると思います。

    特に中国資本の企業の進歩が速いと感じました。

    アメリカやヨーロッパや、日本と比べても、
    劣らない水準になってきました。

    なにより、サービスレベルが、目に見えてよくなってきました。

    だから来年、日本の小売業、卸売業、製造業のみなさんと一緒に、
    北京と上海に勉強に行くことにしました。

    小売業、商業は、互いに研鑽して、仲良くしましょう。

    ありがとうございました。
    来年もよろしくお願いします。

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