月刊『商人舎』本日発刊!!
【特集】チラシ広告、まだ効くのか?!
デジタル革命とコンテスト型競争時代の
古くて新しいメディア戦略
[Cover Message]
｢効く! 効く‼ 効く!!!」「効かない! 効かない‼」
――どちらの声も聞こえてきそうだが、
いったいチラシ広告は効果を発揮しているのか。
顧客は新聞折込みのチラシを見ているのか。
あるいは各社ホームページのチラシ広告を
閲覧しているのか。
それともスマホでShufoo!を検索しているのか。
チェーンストアやスーパーマーケット
最大の宣伝広告メディアとして、
長い間、相当の投資を重ねられ、
工夫や改善・改革を施されてきた「チラシ」。
エブリデーロープライスで
折り込みチラシを一切撒かない政策もある。
週に2回、3回とチラシ攻勢をかける戦術もある。
デジタル対応に活路を求める戦略もある。
新しい潮流がやってきていることは確かなのだが、
そのニューウェーブへの対策は
後手後手に回っている。
｢チラシ広告、まだ効くのか?!」――
2015年末に向けて、率直に、
このことを調べてみた。
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前号は｢YAOKO-Innovations」
全面展開の特集企画だったが、
今回は一点突破のチラシ特集。
ご堪能ください。
さて日経新聞の総合欄。
｢小売り、好決算」
2015年上期決算を発表した主要73社。
約7割の50社が経常増益。
20社は3～8月期として過去最高利益を計上。
ただし客数減少には｢なお歯止めがかからず、
国内消費の回復はもたついている」
一方、日経は社説でわざわざ主張する。
｢総合スーパーは抜本改革で再生めざせ」
イオンとセブン＆アイ・ホールディングス。
2015年3～8月期決算で、
7割が増益、2割は過去最高。
しかし総合スーパー事業は、
そろって営業赤字。
その「再建の軸」を食品に求める。
これは私も同感。
｢総合スーパーの食品部門も、
全国一律の売り場づくりから脱し、
商圏に合わせた内容にもっと変えたい」
へんな文章。
もともと商売は、
自分の顧客を見つめ、
その自分の顧客に対応する。
ウォルマートもクローガーも、
5000店規模も3000店規模も、
｢地域の一店一店を最良の店にしよう」と、
懸命の努力をしている。
全国一律のマーチャンダイジングなど
それ自体、もともと難しいことだし、
もし日本のチェーンストアが、
それを目指していたとしたら、
とんだお笑い草のトンチンカンだ。
とりわけて総合スーパーは、
店ごとにマーケティングしなければいけない。
チェーンオペレーションとは本来、
その店ごとのマーケティングを、
サポートするシステムである。
さて、商人舎USAスペシャルコースは、
テキサスで大収穫を得た。
そして朝6時にホテルを出発。
オースティン空港から飛び立った。
約4時間で、大西洋。
そしてニューヨーク郊外。
ジョンFケネディ空港。
ジェットプレインの模型が迎えてくれる。
新装なった空港は快適。
ホットなデザイン。
ゴッサムシティ。
リムジンバスに乗り込んで、
マンハッタンを臨む。
イーストリバーとマンハッタンブリッジ。
遠景はミレニアムタワー。
全員を集めて・・・。
ハイ、チーズ。
ああ、ニューヨークにやって来た。
そんな気分。
そしてまず、ブルックリン。
ホールフーズの環境店舗。
駐車場の屋根部分にはソーラー。
エントランスには、
ボリューム陳列のデモンストレーション。
環境店舗であるだけに、
天井はやや低く、
売場もダウンサイズされている。
それでも入口の花売り場は見事。
パプリカのカラコンは、
これも芸術的。
バナナ売場は、
ぶら下げ型。
トマト、ミニトマトに、
地元産のモッツァレラチーズを関連付ける。
ミート部門の最後には、
枝肉をカットするデモンストレーションコーナーを常設。
コーヒー売場の提供方法は、
まさに専門店のそれ。
乳製品コーナーも、
両サイドにリーチインケースを使う。
環境対応のために、
エネルギー効率が高いリーチインが多用される。
それでもこのオリーブ売場は、
山盛りで、スプーンが立っている。
チーズの品揃えは、
全店、最高レベル。
そしてセルフデリ売場。
年々、味がよくなっている。
それも格段に。
ホールフーズはイノベーションを繰り返している。
それ自体、私にはうれしい。
ホールフーズ環境店舗をあとに、
やはりブルックリンのトレーダー・ジョー。
銀行だった建物に、
入居して、1万5000平方フィートの店にした。
外装も洒落ている。
エントランスにハロウィンプレゼンテーション。
左手に入ると青果売場。
圧倒的な客数と売上げで、
クルーは補充に追われる。
ミート売場の商品も、
すべてセンター供給。
新アイテムエンドが、必ず、
設けられている。
天井が高く、
快適な空間。
｝
店舗中央は冷凍食品売場。
今日もレジは全開で、
レジへの行列は、
売場外周通路の半分くらい続く。
銀行方式のレジは、
行列の長さに比べて、
待ち時間が少ない。
大繁盛のトレーダー・ジョー。
これも満足。
うれしいかぎり。
先ほど見あげたマンハッタンブリッジ。
渡り始めると、
雨が降ってきた。
そこで予定変更。
チェルシーマーケットへ。
ナビスコの工場を再利用した、
ホットなショッピングセンター。
入口のテナント紹介レイアウト。
超人気のロブスター・プレース。
ちょうど中ほどに、
全店の標識がある。
電飾のプレゼンテーション。
床に寝ている。
天井からハロウィン。
突き当りにハロウィン。
これも天井から。
これも、おどろおどろしい。
一番人気は、
先ほどのロブスター・プレース。
店舗の一番奥に、
そのロブスター売り場。
ロブスターを買って持ち帰るもよし、
ボイルしてもらって店内で食するもよし。
魚介類は豊富な品揃え。
市場スタイルのスーパーマーケット。
入口にはパンプキン。
まさに市場のようだ。
この一角は、 コーナー化した売場。
人気のクッキーショップ、
ニューヨーク・エレニーズ。
イタリアンレストランも、
外食・中食・内食の三位一体。
人気ベーカリーのサラベス。
そしてチェルシー・マーケットバスケット。
意外な人気が、このオフプライスストア。
PRIVE。
ほとんどの顧客が3点、4点と買っていく。
ホットな食はホットな衣と、
親和性が強い。
それがチェルシーマーケットに現出している。
これでニューヨーク初日の視察は終了。
雨の中、マンハッタンを行く。
そして目的地タイムズスクウェア。
シーフード・レストラン
「ロージー・オ・グレディス」
生牡蠣と生蛤の前菜、野菜サラダ、
メインは大ぶりのロブスター。
レモンバターをつけて食べる。
ほんとうにおいしかった。
今回の収穫の一つ。
締めはチーズケーキ。
テキサスの甘いケーキに比べ、
上品な甘さ控えめ。
さすがニューヨーク。
団員たちは地ビールやワインで、
マンハッタンの最初の夜を楽しんだ。
テキサス州オースティンから、
ニューヨーク州のブルックリン、
マンハッタン。
対照的なエリアで、
それぞれの最先端の小売業を学んだ。
ニューヨークの研修は3日間続く。
(つづきます)
〈結城義晴〉
