結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年10月09日(金曜日)

オースティン・ホールフーズのキャプテン型リーダーシップ

サッカーのワールドカップ・アジア予選は、
サムライジャパンがシリアに勝利して、
グループ首位。

一方、ラグビーワールドカップは、
歴史的な南アフリカ戦勝利にもかかわらず、
ベスト8には残れず。

しかしそれでも、
アメリカ戦に勝てば、
3勝を挙げるという快挙。

次回の日本での開催に、
大きく夢を持たせてくれる。

そのラグビー日本代表ヘッドコーチは、
エディ・ジョーンズ。
元オーストラリア代表ワラビーズ監督。
ワールドカップ準優勝監督。

信条は、
「強みを知り、強みを磨く」

まったくもって、
ピーター・ドラッカー。
日本人は体力的に劣る。
しかしその勤勉さは世界に誇れるものがある。

だから世界一厳しい鍛錬を日本代表に課した。

代表選手たちは、
その厳しいトレーニングに耐えて、
口々に言う。
「この4年間、我々は、
世界一のハード・トレーニングをやって来た」

それが南アフリカ戦の勝利につながり、
サモアを破り、いままた、
アメリカとの対戦を控え、
勝利を予感させてくれる。

一方、同じラグビー監督経験者の中竹竜二が、
リーダーの条件を語る。
日本ラグビーフットボール協会の、
初代コーチングディレクター。

これが意外に面白いし、
当を得ている。

組織には必ずリーダーがいる。
そしてリーダーについて行くフォロワーがいる。
中竹はフォロワーシップの重要性を提唱する。

2008年のことだ。
中竹は早稲田大学ラグビー蹴球部監督。
大学選手権でチームを日本一へ導く。

その考え方がフォロワーシップだ。
フォロワーシップとは、
「リーダーの指示に従うのではなく、
自ら考え判断する力のことを指す」

中竹の前任は、あの清宮克之。
現在ヤマハ発動機ジュビロの監督。

清宮は強烈なカリスマ的リーダーだった。
中竹は逆に「オーラがない」と言われ続けた。

しかし「日本一オーラのない監督」の綽名を、
中竹は気に入ってさえいる。

オーラのないリーダーは、
フォロワーと目線を合わせやすい。
素直に意見をもらうことで、
情報をたくさん仕入れることができる。

周りから過剰な期待を受けることも、
周りに過剰な期待をすることもない。

自分なりのスタイルを貫くには、
オーラがない方がやりやすい。

では、フォロワーシップを引き出すには、
リーダーはどうするか。
「最も大事なことは、
明確なゴールを設定し、共有し、
チーム全員に共感してもらうことだ」

「とりあえずゴールを掲げるだけのチームは多い。
でも、心から理解している人はそれほどいない。
だからこそ、一人一人がそのゴールに
主体的に向き合えるように導くのが
リーダーの役目だ」

中竹は昨年度から、
横浜DeNAベイスターズのアドバイザーだ。
昨年まで9年連続Bクラスのプロ野球球団。

優勝を目標に掲げても、
それを実現できるというメンバーは、
ほとんどいなかった。

ここで中竹のフォロワーシップマネジメント。
繰り返しくりかえし、問い続けた。
「チームが機能するためにはどうするべきか」

すると、勝つためにできることを、
一人一人が真剣に考え始めた。

その結果、ベイスターズは、
前半戦で首位に立った。

「どんな人でも変われる」
「対話がすべて」

スポーツもビジネスも課題は同じ。

「リーダーの役割は、
目標を設定し、チームで共有し、
それをチームの一人一人が
共感するように導くこと」

もちろん、リーダーのスタイルはさまざま。
清宮のようなカリスマ的トップダウン型、
中竹のようなフォロワーシップ型。

自分のやり方、自分のスタイルを見極める。
エディ・ジョーンズの、
「強みを知り、強みを磨く」ことでもある。

今日はサンアントニオからオースティンに移動、
ホールフーズを訪れた。

そしてホールフーズの斬新な店づくりと、
それを支える「チームマネジメント」を堪能した。

中竹のフォロワーシップマネジメントは、
ホールフーズのチームマネジメントに通ずる。

さて、昨日のサンアントニオ最後の夜。
夕食懇親会。       DSCN9419-1

 

リバーウォーク沿いの名門店、
サルトグラスステーキハウス。
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塩と草のステーキハウス。
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乾杯の発声は、
㈱マツモトの松本隆文社長。
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松本さんの掛け声の下、
みんなで「チアーズ!」
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テーブルごとに、チアーズ。DSCN9434-1

我々のテーブルをサービスしてくれるのが
この二人。
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前菜とサラダを食しながら
テーブルごとに歓談。DSCN9439-1

出てきました、
メインのTボーンステーキ。
DSCN9441-1
テキサスサイズの、
サーロインとテンダーロイン。

美味。

ビールを飲み満腹になると、
睡魔が襲ってきた。

私は、ちょっと席を離れて休息。
DSCN9444-1

食事を終えると、
カリスマ添乗員の佐藤公彦さんから、
団員にうれしい知らせ。

「ライトアップされたアラモの砦を
視察しましょう」
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サンアントニオの街路を、
ライティングされた馬車が走る。
DSCN9452-1

乗らないけれど、記念写真。
DSCN9453-1

そしてやってきました。
アラモの砦。
DSCN9456-1
メキシコからの独立軍が立てこもって、
300名が亡くなった。

今でも、亡霊が出るらしい。
そんな話を聞いていたが、
この写真、果たして?
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一夜明けて、今日はサンアントニオを後に、
オースティンへ出発。

途中、HEBプラスの最新店を視察。DSCN9438-1

今年4月に大幅リニューアルオープンしたばかり。
DSCN9452-1

アパレルを強化している。DSCN9499-1

店舗入り口のカフェ。
DSCN9444-1

これがこの店の特徴。
残念なことに朝の早い時間のため
まだオープンしていない。

中はこんな感じ。
DSCN9445-1

この店の目玉の一つが、
併設されたカフェ・レストラン。
ゼネラルマネジャーのコニー・バレラさんに、
レクチャーを受けて、写真。
ユニット・ディレクターでもある。
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美しい女性はサバンナさん、
髭の男の名前は知らない。
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突然の訪問にもかかわらず、
歓迎してくれた。

約1時間ほどの車中講義は、
「逆ウォルマート史」。
このSpecialコースでしか語らない。

オースティンに到着すると、
初めにHEBセントラルマーケット。

都市型のアップグレードのフォーマット。

ここではインタビュー。
いつも登場するフーディーのバーバラさん。
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屋外でセントラルマーケット概略を聞き、
店内をツアーしてもらう。
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一つ一つ商品を手に取り、
説明してくれる。
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スタッフもわれわれを歓迎し、
ポーズをとってくれる。DSCN9593-1

説明を聞きながらも、
写真撮影に余念のないメンバー。DSCN9602-1

1994年オープンのこの店は、
何度も改装を繰り返し、
それでも残すところは残して、
実によく地域になじんでいる。
店も年輪を経た古民家のように、
よくなっている。DSCN9649-1

そしてカフェの2階で、
質問タイム。
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メンバーの質問に適切に答えてくれる。
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最後にフーディーの二人と写真。DSCN9712-1

次に向かったのは
ホールフーズ。
オースティンの最新店。
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光が降り注ぐ美しい売り場。
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お茶目なポーズのスタッフ。
フレンドリーサービスにあふれている。
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2階のカフェ席から見る売り場は、
ファンタスティック!DSCN9832-1

この店でもインタビュー。
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熱心な質問に、
よく考えて丁寧に答えてくれた。
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そして全員で気分よく写真。
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最後にツーショット。
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この後、HEBグリーンストア訪問。
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テキサスの雄が、
力こぶを入れて開発した環境対策店舗。
多段ケースをほとんど廃し、
リーチインケースだけの店をつくった。
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もう、参った。

奥壁面沿いは100mはあろうか、
リーチインだけの精肉から乳製品売り場。
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それからスプラウツファーマーズマーケット。
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一昨年、ナスダックに上場して、
それ以降、急速出店のため、
オースティンでは居抜き店舗が多くて、
本来のスプラウツのレイアウトではない。

それでも活気ある店内を堅持している。

最後はホールフーズ本部下の旗艦店。
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この店も都心型最新マーチャンダイジング。

言葉も出ない。

今日はオースティンだけに、
ホールフーズ・デーとなった。

今年の月刊『商人舎』1月号。
特集は、
「Conscious Retailing」
ホールフーズ一色の、
マネジメント特集。

その根幹にあるのが、
チームマネジマントだ。

私は職場の部署を、
野球やラグビーのチームにたとえる。

ほとんどの会社では、
その部署の長は監督の役目を果たし、
部下は選手である。

清宮のようなカリスマ上長が、
リーダーシップの王道だと考えられてきた。

もちろんそんなリーダーもいいだろう。

しかしホールフーズは、
部門にはチームリーダーをおく。
さらにサブチームリーダーをおく。
そしてチームメンバーが、
フォロワーシップを発揮する。

フォロワーシップマネジメントである。
そしてそれを支えるのは全員の高い意識。
つまりコンシャス・カンパニー。

このチームリーダーは、
野球やラグビーにたとえると、
中竹型のキャプテンだ。

監督型のリーダーか、
キャプテン型のリーダーか。

ホールフーズのマネジメントは、
キャプテン&副キャプテン型を主体にしている。

そしてこれが現代組織では一番、
「人の強みを活かすマネジメント」となる。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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