結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年05月03日(木曜日)

日本国憲法前文の要旨と「むさぼるな・争うな・欲にふけるな」

憲法記念日。  IMG_4420.JPG8
初夏の空が美しい。

昭和22年(1947年)の今日5月3日、
日本国憲法が施行された。
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この日を記念して、
1948年公布・施行された祝日法が、
祝日と規定した。

私の著書『小売業界大研究』
産学社刊。
その「まえがき」の冒頭。
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――私たちの日本国憲法は、
「主権が国民に存することを、
宣言」しています。
国の基本原理・基本原則を定める憲法は、
まず、国民主権を掲げるのです。
その上で、基本的人権の尊重、平和主義の
三つの考え方が謳われています。

一方、すべての小売業もまた、
この三つの考え方を基盤としています。
小売業は、商品やサービスの
最終購買者である消費者に、
その商品やサービスを
最後に販売する機能を担います。
国の主権者である国民、
すなわち生活者に、
一人ひとりの人権を尊重して、
公平に、商品とサービスを提供する。
そして、平和の中で、小売業は繁栄する。

あらゆる産業は、国民生活に
貢献するために営まれています。
しかし、とりわけ小売業は、
国民の毎日の暮らしを
維持・向上させるために、
最も国民に近いところで、
日々、活動します。
小売業はそのことに、
最大の存在意義をもつのです――。

私は日本国憲法をベースに、
この本を書いた。
憲法は国の基本だからである。

中学のころだったか、
高校生になっていたか。

社会科の授業で、
憲法前文を暗唱させられた。

――日本国民は、
正当に選挙された国会における
代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、
諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたつて
自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によつて
再び戦争の惨禍が起ることの
ないやうにすることを決意し、
ここに主権が
国民に存することを宣言し、
この憲法を確定する――。

日本国憲法は、
「自由の恩恵」のために、
「政府の行為」によって、
「戦争の惨禍」が起こらぬよう、
主権が国民にあることを
宣言している。

――そもそも国政は、
国民の厳粛な信託によるものであつて、
その権威は国民に由来し、
その権力は国民の代表者がこれを行使し、
その福利は国民がこれを享受する――。

これはリンカーンの宣言と同じだ。

――これは人類普遍の原理であり、
この憲法はかかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の
憲法、法令及び詔勅を排除する――。

この日本国憲法の前文が、
否定されない限り、
この一文が日本国民の行動の基本だ。

今日はそれをかみしめたい。

日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査。
全国の18歳以上の男女に、
乱数番号方式による電話調査を実施。
1009件の有効回答。回答率は47.6%。

朝日や毎日は左寄りか、
読売や産経は右寄りか。
日経がまあ中道か。

ならばその調査が一番真ん中。

憲法について、
「現状のままでよい」の回答は48%。
昨年4月の調査から2ポイント上昇。

「改正すべきだ」は41%。
4ポイント下降。

いい線だろう。
48対41。

それでも憲法が改正されないかぎり、
いや、改正されるまでは、
日本国憲法は、
「自由の恩恵」のために、
「政府の行為」によって、
「戦争の惨禍」が起こらぬよう、
主権は国民にある。

私の住まいの駅前、
長光山妙蓮寺。
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むさぼるな
争うな
欲にふけるな
安らぎは
そこに生まれる
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現在の日本の憲法論議に当てはまる。
今日の憲法記念日の気分の在り方にも、
そして商売や仕事の心構えにも、
ふさわしい。

憲法記念日の夕焼けは、
とても美しかった。IMG_4419.JPG8
ありがとう。

〈結城義晴〉

2018年05月02日(水曜日)

「削ること・省くことの勇気をもて!」とギブソン社の倒産

5月の2日。
今日は1日中、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎5月号の最後の原稿執筆と、
責了の仕事。
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疲れ切っております。

午前様でタクシーでの帰宅。
昨年7月18日に亡くなられた、
日野原重明先生。
聖路加病院名誉院長。
105歳の長寿だった。

その日野原先生の晩年は、
100歳を超えてスケジュールは、
2、3年先まで一杯。

乗り物でのわずかな移動時間も、
原稿執筆に使った。

私も新幹線のグリーン車で、
お見かけしたことある。

日々の睡眠時間は4時間半で、
なんと95歳まで週に1度は徹夜した。
私の午前様など、何するものぞ。

さて5月の商人舎標語。
月刊商人舎5月号の[Message of May]

削ること・省くことの勇気をもて!

セルフサービスは、
ベターサービスである。
無駄な接客や人的な説明がないことが、
むしろ、より良いサービスとなる。

1916年のアメリカ。
セルフサービス方式は、
クラレンス・サンダースによって誕生した。
「ピグリー・ウィグリー」という店だった。

何かを削ること、
何かを省くこと。
それは大抵の場合、
成果に結びつくことが多い。

しかし削り過ぎたり、
省き過ぎたりすると、
今度は逆に成果は半減する。
いや完全に価値が喪失する場合すらある。

amazon goによって、
衝撃的にお目見えした「レジレス化」は、
一方で人件費を削減することに貢献するが
他方で無形のサービスを削ぎ取ってしまう。

1979年に登場したウォークマンは、
小型テープレコーダーの録音機能を省き
再生機能に特化した新製品だった。
それは機能を省くことで特別の価値を生んだ。

「レジレス化」のコンセプトにも、
それによる特別な価値の創出が必須だ。
その展望がないレジレス化は、
単なる人手不足対策でしかない。

何かを削ること、
何かを省くこと。
勇気がなければできないし、
思考力とビジョンがなければ成しえない。

セルフサービスは、
ベターサービスである。
そしてレジレスサービスも、
ベターサービスでなければならない。
〈結城義晴〉

今月号は「レジレス化」を特集しました。
ご期待ください。

さて、私にとっては、
ちょっとショックです。

ギブソン・ブランズが倒産した。
アメリカの老舗ギターメーカーだが、
連邦破産法第11条の適用を申請。
日本の民事再生法にあたる。

楽器製造業とは異なる、
音響機器メーカーの買収を繰り返した。
負債額は最大で5億ドル(約500億円)。

しかし債権者の69%以上が、
再建を支援してくれている。

ほっと、一安心。

ギブソンは1894年の創業。
超有名なアーティストが、
ギブソンのギターを愛用した。

最近のことはよく知らないが、
中国製ギターとの競争が激化したらしい。
そこで積極的なM&Aを繰り返し、
アンプやスピーカーの音響機器部門に、
事業の軸足を移してきた。

それでも売上げは伸びず、
経営が悪化し、破たんした。

本社は米国テネシー州ナッシュビル。
創業者はオーヴィル・ヘンリー・ギブソン。

もともとはマンドリンを製造していたが、
アコースティックギター、
エレクトリックギター、
さらにバンジョーなど製作した。

ライバルは2社。

アコースティックギターでは、
マーティン社。

こちらがトップブランド。
創業者はドイツ人で、
クリスチャン・フレデリック・マーティン。

1833年にアメリカに移住してきて、
ニューヨークで楽器店を始めて、
同時にギターを製作し販売した。

マーチンD28が名器中の名器。

ギブソンのエレキギターのライバルは、
フェンダー社。

こちらは戦後の1946年に、
レオ・フェンダーが創業。
主にエレクトリックギター、
アンプの製造を行っている。

1951年発売のテレキャスターと、
54年リリースのストラトキャスターが、
トップブランドとして君臨している。

私はギブソン派である。
J100というオールドモデルを使っている。
ボディが大きくて、
したがってバキバキと大きな音がする。
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エレクトリックギターは、
レスポールモデル。
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そして右のオベーション。
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いい商品、いい作品を持っていても、
会社は倒産する。

ひとつは競争相手が強いから。
ギブソンの場合は、
アコースティックギターのマーチンと、
エレキギターのフェンダー。

もうひとつは自滅したから。
音響機器などに投資して、
M&Aを繰り返した。
つまり投資回収ができなかった。

典型的な企業破たんの道を歩んだ。

ギブソン社の再生に当たっては、
削ること、省くことに、
勇気をもって取り組むことだ。

ギブソン社は一時、倒産しても、
ギブソンのギターは不滅です。
だから会社も蘇生してほしい。

少なくとも私のギブソンは、
元気でいます。
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最近はあまり弾けないけれど。
ゴメン。

〈結城義晴〉

2018年05月01日(火曜日)

5月の創造的な仕事とウォルマート・アズダ&セインズベリーの合併

5月。
新年1月から数えて5番目の月。
わかりやすい。

皐月(さつき)。
日本全国、田植えの月だったから、
「早苗月(さなえつき)」と言い合っていた。
この「なえ」、文語では「なへ」が削除され、
「さつき」となった。
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いま、田に水が張られ、
苗が植えられる。

実に美しい。

英語で“May”。
ローマ神話の女神Maia(マイア)の月。
マイアは「豊穣」を司る大地の女神だ。
それがラテン語の”Maius”で、
フランス語やドイツ語の”Mai“になり、
やがて英語のMayとなった。

だから大地の豊穣を祈る月。
日本の早苗月と似ていなくもない。

今日から5月で、
これまたとても陽気のいい1カ月だ。

ただし私はいつも、
アメリカやヨーロッパに行っている。

あちらもいい季節だけれど、
日本の5月はほんとうにいい。
満喫しつつ、仕事に励みたい。

5月にはなにか、
創造的な仕事ができる。

絶対にこれは確かだ。

新しいアイデアを想起するもいい。
論理的な考察をするもいい。
芸術的な売場や陳列作品をつくるもいい。
素敵なPOPを描くもいい。

5月には必ず、
創造的な仕事ができる。

それに打ち込むことだ。

私も5月はいつもに増して、
それをする決意だ。

大好評の商人舎流通SuperNews。

東急ストアnews|
GWに400名の子ども対象「レジでおしごと体験!」開催

ゴールデンウィーク特別企画として、
「東急ストアのレジでおしごと体験!」。
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エプロンと三角巾を着用した子どもたち、
実際に売場のレジを体験する。
保護者が購入する商品を担当するから、
親子参加型イベントとなっている。

いいなあ。

店員さんが事前に紙芝居で、
レジ操作や接客について説明する。

これもいいなあ。

昨2017年の夏休みに、
35店舗で開催して、
300名以上が参加。

もちろん大好評。

そこで今年初めて、
ゴールデンウィークに実施する。

とてもいい。

こんな想像力を働かせたい。

しかし、しかし。
日経電子版「経営者ブログ」
(株)IIJ会長鈴木幸一さんは、
日本のインターネットの生みの親。
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「それにしても、
さまざまな問題はあるにしろ、
本当に、いつまで休んでいるのだろう。
国会のことである」

同感。

朝鮮半島情勢は大きく変化している。
欧米では金融・財政の垂れ流しから、
“出口戦略”に向かい始めている。

「世界は大きな変化に向かって、
動き出している」。

「だが、日本の国会は、
ゴールデンウイークよりもはるかに
長い休暇に入ったままだ」

「日本は、世界情勢の変化を尻目に、
弛緩したままのようだ」

同感。

仕方がないから、
仕事に邁進しよう。

最後にふたたび、流通SuperNews。
セインズベリーnews|
ウォルマート傘下アズダと合併/年商510億ポンドへ

日経新聞では囲み扱いのニュースだが、
イギリス小売業にとっては大事件だ。

日本にたとえると、
セブン&アイとユニーファミマが、
アッと驚く統合をするようなものだ。

そしてその一方が、
ウォルマートに買収された完全子会社。
アズダは日本ではもっと規模のある西友。

イギリスはスーパーマーケットの国だ。
代表小売業が食品スーパーマーケット。
1位がテスコ。
2位がセインズベリー、
3位がアズダ。

このアズダがウォルマート傘下で、
セインズベリーと激しく、
2位争いを繰り返している。

その2位と3位のコンビネーション。
年商510億ポンドになる。
今日の為替で7兆6500億円。
店舗数2800店以上、従業員33万人。

そしてテスコを抜いてしまう。
しかもeコマースも多彩だ。
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合併後の委員会議長は、
セインズベリー社チェアマンのデイヴィッド・タイラー。
合併会社の経営執行トップは、
セインズベリーCEOのマイク・クープ。
ウォルマートからは
国際部門CEO、
ジュディス・マッケンナが、
非常勤取締役として統合委員会に参画。
アズダは現CEOロジャー・バーンリーが、
合併会社のグループ運営委員会に参加。
〈真ん中がマッケンナさん〉
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このなかで、クープとバーンリーが、
実はセインズベリーとアズダの、
両社に属して、仕事した経験を持つ。

早期の融合も可能だろう。

セインズベリーは、やや、
アップグレードのスーパーマーケット。
アズダは廉価型スーパーマーケット。
ウォルマートのEDLPを踏襲している。

テスコはその両方を相手にする、
マーケットリーダーだ。

これまではそのテスコに、
両社ともにやられていた。

マーケットチャレンジャー、
マーケットフォロワー。
どちらもフォロワーだった。

しかしデュアルブランド戦略を前提に、
セインズベリーとアズダが統合すると、
今度はテスコをオセロのように、
サンドイッチすることも可能だ。

すごい競争が繰り広げられる。

しかも、この3社を追い詰めているのが、
ドイツからやってきたアルディとリドル。
小型ハードディスカウンター。
リミテッドアソートメントで、
ウォルマートよりも安い。

さらにさらにAmazonの脅威がある。
それはアメリカや日本だけではない。

大多数のローカルチェーンは、
真の専門スーパーマーケットでなければ、
簡単に蹴散らされてしまう。
つまり中小の地方企業は、
本物のマーケットニッチャーになること。

そんな激烈な競争のなかで、
セインズベリーとアズダが統合した。
これは日本においては、
「すでに起こった未来」となるに違いない。

その未来がいつやってくるのか。
そのタイミングがいつなのかだけが、
これからの関心の中心となるだろう。

真の目をもってモニタリングし続ければ、
それはおのずと判明するはずだ。
目が曇っていては、それができない。

これこそ5月の創造的な仕事である。

〈結城義晴〉

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