結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年08月17日(金曜日)

堀口大學の「嘆くをやめよ 目をあげよ」とWal-Martの「混沌なし」

国は小さく 力なく 
糧は乏しく 恥多く 
命かそけく なりけらし
新潟日報「堀口大學 文化の記憶」より。

堀口大學は、詩人、歌人、フランス文学者。
明治25年生まれ、昭和56年没。
堀口大學
新潟県長岡市生まれなので、
新潟日報が毎日、その作品を掲載している。

「敗戦直後、国民は茫然自失、
詩人は自分で自分を
鼓舞するほかないと悟る」

今日の一文は、詩「声とこだま」の一節。
この詩の結びは、
嘆くをやめよ 目をあげよ
高き梢(こずえ)に なか空に

敗戦の後のちょうど今頃、
堀口は絶望する気持ちを、
払いのけるように歌った。
嘆くをやめよ 目をあげよ

それから73年が経過した。
昭和が終わり、平成も幕を閉じる。

国のGDPは大きくなり、
それなりに力もあり、
糧は豊かになった。
恥もそれほど多くはないかもしれないし、
命が消え入りそうでもない。

それでも、敗戦直後のころのことを、
忘れてはならない。

そして今も変わらないのは、
嘆くをやめよ 目をあげよ
高き梢に なか空に

今日も糸井重里の「ほぼ日」から、
「今日のダーリン」
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「生きるがあって死ぬがあるし、
光があって影があるし、
表があって裏があるし、
出会いがあって別れがあるし、
ほんとはどっちも
同じものなんだよなぁと、
つくづく思うようになりました」

「生だけっていうものはないんだよね。
死だけがあるってこともなくてさ、
光だけもない影だけもない、
右だけもなく左だけもない、
そういうものだ」

明だけでもないし、暗だけでもない。
優だけでもないし、劣だけでもない。

「日本の夏、特に八月というのは
なにかが、なにかに生まれ変わる前の
坩堝(るつぼ)のような時間に思える」

お盆があって、
迎え火、送り火があって、
広島・長崎の原爆投下の日があって、
終戦の日がある。

「夏休みの少年や少女たちは、
夏になにかが変わって、
ちょっとだけ別人になって
新しい学期を迎える」

「八月の間は、夢中で
夏と格闘していたので、
じぶんが変わったことに
気づけなかったのだ」

「大人になってからも、
もちろん老人も、
生や死や、光や影や、
出会いや別れを感じる八月には、
こころのなかに混沌に似たものを
見つけることになる」

今日の私も、
この「混沌に似たもの」を感じた。

「年相応の落ち着きや
知ったかぶりができなくて、
夏の暑さにいったん
溶けてみたほうがいいのだろうな。
実際に、溶けてしまうほどの
暑さもあったけれど」

さて、ウォルマートの第2四半期
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この10年で一番の伸びを見せて、
既存店が4.5%の増収だった。
既存店客数2.2%増、同客単価2.3%増。

好調だ。

総収入は1280億ドルで前年比3.8%増。

売上高は前年比4.2%増の1271億ドル。
しかし営業利益は3.7%減少して、
57億5000万ドル。
損失は8億6100万ドルだった。
1株あたりの損失は29セントだった。

この損失はブラジルの子会社の売却が原因。
それを除いた調整後の1株あたりの利益は、
19%増加して1ドル29セント。

だから営業自体は好調だ。
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ウォルマート・コムのeコマースは40%増。

米国内ウォルマートの売上高は、
5.2%増の828億ドル、
営業利益は1.4%増の45億ドル。
サムズクラブの売上高は、
0.6%減の148億ドル、
営業利益は2.8%増の4億ドル。
既存店売上高は5.0%増、
客数は6.7%増、客単価は1.7%減。
サムズクラブは不採算店を閉鎖して、
減収増益を果たした。

問題のインターナショナル部門は、
売上高4%増の295億ドル、
営業利益は19.1%減の13億ドル。

日本では西友を売却する話が出ているが、
インドではeコマース最大手フリップカートを、
160億ドルで買収する。

好調な第2四半期の業績発表で、
昨日の株価は9%上昇した。

この10年ほど、
成長力を鈍らせたウォルマート。

しかし現時点では、
アマゾンにフォーカスしている。
だから混沌に似たものはない。

自己を確立したうえで、
競争相手を絞っていく。
そして、
嘆くをやめよ 目をあげよ

〈結城義晴〉

2018年08月16日(木曜日)

盆の明けの「人生、七味とうがらし」と「じぶんの頭で考える」

盆の明け。
それでも暑い。

炎天の人みな罪を負ふごとく
〈朝日俳壇より川西市・上村敏夫〉

(長谷川櫂選評)
天を仰いでは喘ぎつつ。
(大串章選評)
今年の猛暑は度外れの激しさ。
「罪を負ふごとく」が心に染みる。

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1199回。

人生、七味とうがらし
(ある占師)

うらみ、つらみ、ねたみ、
そねみ、
いやみ、ひがみ、
そして、やっかみ。

「人を翻弄するこれら七つの性(さが)は、
いずれも自他の比較に由来する。
他人と較べる中でしか
自己を見ることのできない
人の宿痾(しゅくあ)であり業であるが、
これと正面から向きあうことで
人生の味わいもいっそう深まる」

「ラストチャンス 再生請負人」
原作は江上剛のテレビドラマ。
登場する謎の占師の言葉。
ラストチャンス

他社との比較もいいが、
それが「七味とうがらし」に、
なってはいけない。

結局、他者との比較でしか、
自己を見ることができないのは、
同質化の中に埋没しているからだ。

自己を確立して、
他者との比較をする。
あるいは、
自己確立の目的をもって、
他者から学ぶ。

それがポジショニングの極意だが、
そこには「七味とうがらし」はない。
あってはならない。

糸井重里の「ほぼ日刊イトイ新聞」
巻頭言は「今日のダーリン」
jibunnde考える

「よく、じぶんの頭で
考えなきゃダメだと
言われる。

それについては、
ぼくもまったく大賛成だ」

私も、脱グライダー商人になろうと、
訴えている。

「知識の量だとか、
語彙の豊富さだとかに関係なく、
じぶんの頭で考えたこと
というものには、力がある」

「幼いこどもの
必死の言いわけなんかが
説得力を持つのも、
じぶんの頭で考えたものだからだ」

「大人で、いかにもたくさん
ものを知ってるような人の、
じぶんの頭で考えたと思えない
ご意見などについては、
これがまったく心にも響かないし、
その人ともっと話そうという
気にもなれない」

「そう言ってるおまえはどうなのだ、
とつっこまれたら、
“どっちの場合もあるけどねー”
と答えようかな」

心の底から、同感。

「じぶんの頭で考えてないな
ということは、
けっこう他人にもバレてしまうものだ」

恐ろしい。

「どうしてそうなるかと言えば、
おそらくだけれど、
“考えているべき時間を惜しんで、
手早く答えのようなものを
探してしまうから”だ」

最近の文章に多いのが、
ネットからのコピペ。
それだけ。

学生や院生の論文にも実に多い。

「考えるということは、
右往左往したり停滞したりの
あんまり利口そうじゃない
時間を費やすものだ」

だから私は毎月の雑誌原稿を書く。
長い長い論文を書く。
苦しい苦しい長文を書く。
本を書く。

書くということは、
すなわち考えるということだ。

これはブログとはまた違う。

「そこを避けて、
だれかの言った正解っぽいものを、
すっと借りて
じぶんの口から言ってしまうと、
じぶんの頭はけっきょく、
選ぶことに使うだけになる」

「そういう人どうしが集まったら、
さらにその傾向は
強まるのだろうとも思う」

これが危険な集団思考だ。

糸井重里。
「なにも”ことば”を得られない場所に
いさせられたら、人は、
じぶんの頭で考えざるを得なくなって、
ほんとうに考えるということを
はじめるのではないか」

夏の休暇など、そのいい機会だ。

「だれでも、一度、
そこからスタートしたほうがいい
…のかもしれないと考えたりしている」

今日は本当に手厳しい糸井重里の言葉。
自分自身に向けても放たれている。

星野リゾート代表の星野佳路は、
「星野リゾートの教科書」の中で、
学び方を語っている。
著者は中沢康彦。
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ステップ1・本を探す。
書店に1冊しかないような
古典的な本ほど役に立つ。

ステップ2・読む。
1行ずつ理解し、
分からない部分を残さず、
何度でも読む。

ステップ3・実践する。
理論をつまみ食いしないで、
100%教科書通りにやってみる。

これは考えて、実行することの、
一つの確かな方法論だ。

糸井重里の詰めの言葉が、
また厳しい。
「世の中には、考えないままで
強く言ってることが多いよね」

その通り。

しかし今日の話、私の場合も、
“どっちの場合もあるけどねー”
と答えようかな。

〈結城義晴〉

2018年08月15日(水曜日)

「戦なき世」の肉声と阿波踊りの「品質は維持・向上させよ」

(いくさ)なき
世を歩みきて
思ひ出(い)
かの難(かた)き日を
生きし人々

今上天皇陛下の歌だ。
千鳥ケ淵戦没者墓苑に歌碑がある。

今日の「終戦の日」。

二大新聞の巻頭コラムが、
同じ歌を取り上げた。

日経新聞「春秋」と毎日新聞「余録」。

まず「春秋」――。
「月遅れのお盆と、
終戦の日が重なったのは
歴史の偶然だ」

「迎え火、送り火をたいて
故人をしのぶ。
その習俗とともに、
総力戦の悲劇を省みる。
死者を悼み、彼らの無念を忘れずに
戦後社会を築く精神風土を育んできた」

この精神風土。
大切にしたい。

エドマンド・バーク。
18世紀の英国の政治哲学者。
「国家とは、現存する者、
既に逝った者、
将来生を受ける者の間の
パートナーシップである」

素晴らしい。

「余録」――。
昭和天皇の玉音放送の2週間後、
香淳(こうじゅん)皇后が、
今の天皇陛下に手紙を書いた。
当時11歳だった。
「おもうさま 日々 大そう
ご心配遊(あそば)しましたが
残念なことでしたが
これで 日本は
永遠に救はれたのです」

昭和天皇ご夫妻も「永遠に救われた」が、
実子への”肉声”だったと、余録は書く。

平成最後の”終戦の日”となる今日。
「全国戦没者追悼式で
おことばを述べる天皇陛下には
73年前の夏に受け取った手紙から
始まった戦後だった」

「内外の戦没者の魂に
平和を誓うこの日、
痛恨の肉声を
歴史意識によみがえらせる営みの
絶えることがないよう願う」

同感だ。

さてお盆の真っ最中だが、
各地で夏祭りやイベントが開かれる。

徳島県の阿波踊り。
高知県のよさこい祭り。
長崎県の精霊流し。
京都の大文字焼き。

この中でも阿波踊り。
例年、8月12日に始まって、
15日に終わる。
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しかし今年はもめにもめた。

昨年まで阿波踊りを主催していた、
徳島市観光協会が4億円超の累積赤字で、
現在破産手続き中。

そこで徳島市や徳島新聞社などを中心に、
実行委員会が発足して主催する。

その実行委員会が決めたのが、
総踊りの中止。

阿波踊りの収入源は、
有料演舞場のチケット販売だが、
実行委員会はその売上げ増進策として、
総踊りを担う南内町演舞場の有名連を、
分散させる方策を立てた。

これまで総踊りは、
南内町演舞場のフィナーレを飾っていた。
しかし、1カ所では、
設置できる桟敷席の数には限度がある。
そこで総踊りを止めるかわりに、
4カ所の有料会場に踊り手を分散して、
観客を分散させると同時に、
チケット販売額を伸ばす作戦をとった。

私には「浅知恵」としか思えない。

総踊りを仕切る阿波踊り振興協会は、
徳島市長らの決定に猛反発して、
自分たちで総踊りを強行した。

振興会の山田実理事長。
「どんなことを言われても負けません。
頑張って総踊りをどこかで
やろうと思います。
踊る阿呆ですから、
何ごとがあっても
やり遂げたいと思います」

私も2011年に、
阿波踊りに参加したことがある。
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総踊りは最大の見せ場だ。20110815172128
その最大の魅力、
いわば阿波踊りの「芯」をなくして、
売上げを増やそうとするのは、
「利益主義」である。

うまくいくはずはない。

実際にチケット販売額は低下した。
もめているという風評被害もあるだろう。

赤字の解消には、まず、
阿波踊りに関連する者が一丸となること。

そのうえで利益を上げる五つの法。
第一は、「利は元にあり」
第二は、「利は売りにあり」
第三は、「利は内にあり」
第四は、「利はこの品にあり」
第五は、「利は他の品にあり」

そしてこの五つすべてに条件が付く。
「しかし品質は維持・向上させよ」

総踊りを中止するのは、
品質の維持・向上とはならない。

あれだけの人が集まる日本最大の祭りだ。
赤字は放漫経営によるものだろう。

だとしたら徹底すべきは、
「利は内にあり」に違いない。
徹底して無駄なコストを削減する。
そして「品質は維持・向上させる」

目先の売上げに走ってはいけない。

滋賀県彦根市に本部を持つ(株)平和堂。
「HATOC夏祭り」を主催する。38297816_1876492415744428_710100386295316480_n

「HATOC」(ハトック)は本部の愛称。
単なるHead Officeではなくて、
研修や教育訓練の場としても機能する。
H ——- Head Office
A ——- And
T ——- Training
O ——- Omotenashi
C ——- Communication

オープンオフィス化によって、
ワークスタイルを改革する。

そのHATOCの建物の前に、
広大な駐車場がある。

この駐車場を使って、
HATOC夏まつりを開催。38624374_1876492519077751_4329432480110084096_n

ゆるキャラも登場するし、
Bリーグ滋賀レイクスターの選手・監督も来る。38404499_1876492482411088_2132268726353920000_n

左手には平和堂のビバシティ彦根。 38458615_1876492599077743_2674499671639982080_n

盆踊りも開催されて盛り上がる。heiwadou

平和堂社員・従業員が裏方を担う。38411711_1876492659077737_692690444303204352_n
HATOC夏まつりは、
利益を求めるものではない。

地域サービス、顧客サービスの一環だ。

各地のリージョナルチェーンや、
ローカルチェーン。
インディペンデントも、
ショッピングセンターももちろん、
夏祭りはそれぞれに、
開催されているだろう。
地域の「夏祭り」への協力も、
それぞれになされているだろう。

もっともっと力を入れたい。

日本の夏祭り。
「戦なき世」を、
象徴するものだ。

しかし「利は内にあり」。
品質は維持・向上させよ。

〈結城義晴〉

2018年08月14日(火曜日)

「大事なのは作業の半歩先」と「週刊誌とネットと月刊商人舎」

「新盆」(にいぼん)、
あるいは「初盆」(はつぼん)。

故人の四十九日の忌明けを過ぎてから
初めて迎えるお盆。

だから私の母の場合は、
新盆ではない。

それでも今日、
お線香をあげて、供養した。
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お盆の横浜の空。
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美しい。
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まだ8月だというのに、
ずいぶん日が短くなった気がする。

みなとみらいの夜景もいい。
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帆船日本丸。
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モクモク・ワクワク・ヨコハマー・ヨーヨー。
手前側がランドマークタワー、
向こう側がクイーンズスクエア。
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彫刻家の最上壽之氏の作品。
制約条件は「ビル風の抑制」だった。

地球を取り巻く大気の流れを意味する。

クイーンズスクエア。
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巨大なヨーヨーの下に、
シェイクシャックがある。
ニューヨーク発のハンバーガーショップ。
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やはり横浜はいい。

今日は朝から東京・小平。
第一屋製パン(株)の本社と工場。
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月に一度の取締役会。

近くにファミリーマートがオープン。
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「New Open!」
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サークルKの店舗だったが、
ファミリーマートにリニューアル。
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「お母さん食堂」
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レジカウンターには、
「ファミ横商店街」
そこに顧客が並ぶ。
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店舗入り口わきに、
イートインコーナーがある。
最近のトレンドだ。
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故倉本長治商業界初代主幹は、
新店がオープンしていると、
必ず中に入って1品を購買し、
「初心を忘れないように」と、
心の中で励ました。

私もできるだけ、そうしている。

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1197回。

大事なのは作業の半歩先。
(加世井眞次〈かせいしんじ〉)

魚屋「魚眞(うおしん)」の代表。
お笑い芸人・川田広樹が見習いに入った。
その芸人に教える。
「作業はまだ仕事でない、
さらに半歩踏み込んだところが
仕事になる」

「作業」と「仕事」。
よく言われるが、
やらされているうちは「作業」だ。
自ら意義を見つけてやるのが「仕事」だ。

そしてその「半歩」とは、
「美味しいものを食べさせたい
との一念で工夫を重ねること」

「客がどんなふうに歓ぶか、
それを想像しながらやる仕事は楽しい」

だから結果からみると、
「面白くないのは仕事じゃない」

その通り。

私はもう40年、
雑誌づくりを「仕事」にしてきた。
今では「仕事の一つ」になっているけれど。

糸井重里の「ほぼ日」
その巻頭言は「今日のダーリン」
ほぼ日

京都のコンビニに行って、
何年も買ってなかった『週刊文春』を、
かごに入れてきた。

週刊文春の評価をする。

「週刊誌というのは
ポテトチップスのようなもので、
これが習慣になると、
それを必要とするようになる」

「なにが読みたかったわけでも
なかったはずなのに、
久しぶりにページを開いたら、
妙に感心してしまった」

「読みたいことばかりが
あるわけじゃないのだが、
とにかく一冊のなかに、
“人の手”がかかっているのだ」

「仕事」があるということ。

「これだけのページ数を、
文章と、写真と、絵と、広告で、
いっぱいにするだけでも、
たいへんな労力である」

「ひとつのテーマやアイディアで、
何ページもつくれる
グラフ雑誌ではないので、
正しかろうがまちがってようが、
ただの噂であっても
読みきれないほどの数の
ネタが必要なのだ」

私も昔の雑誌では、
「網羅主義」を徹底していた。
「食品商業」や「販売革新」は、
3本も4本も特集を組んで、
いま、大切なテーマを全部盛り込んだ。

糸井が評する「週刊文春」
「政治、経済、事件、娯楽、色気、
のぞき見、文化、趣味、
“尊敬されなくてもいいから、
興味を持たれる”というくらいの視点で、
山積みに盛られているのだ」

そして糸井は週刊誌を、
ネットの情報と比べる。

「ネット上でいくら
文字数を読んでいたとしても、
それが社会の似姿だとは、
どうしても思えない」

「ネットは、情報の成分に
偏りがありすぎるのだ」

然り。

それに比べると週刊文春。
「色眼鏡ごしとはいえ、
ここにはよくも悪くも、
“社会”があるように見えた」

「しばらくは”ネットの時代”だとか
おだてられていたが、
ネットというのは、もしかしたら、
ただの”小袋のポテトチップス”
なのかもしれない」

糸井さんも「ほぼ日」という、
ネットメディアをやっていて、
そのうえでこの言葉をつぶやく。

「小袋のポテトチップス」

最後のひとこと。
「週刊誌の欠点は、大盛り過ぎて、
読むのに時間を食うことか」

正しい。

これらに比べて月刊商人舎。
「大盛り過ぎること」はない。
特集1本主義。

だから読むのに時間はかからない。
けれどこれこそ大事だというテーマ。
つまりメインディッシュ一皿。

「小袋のポテトチップス」は、
商人舎流通スーパーニュースだ。
今週はお盆の休業中だが。

ということで、今月も、
月刊商人舎8月号、よろしくお願いします。
月刊商人舎2018年8月号表紙
我ら、ポリティカル・マーチャンツ!

〈結城義晴〉

2018年08月13日(月曜日)

「盆の入り」の線香の品揃えと肉体に入れられた「鍬」

Everybody! Good Monday!
[2018vol33]

今週は2018年第33週。
8月の第3週。

月曜日の今日13日は盆の入り。
木曜日の16日が盆の明け。
水曜日の15日は終戦の日。

「お盆」は、日本の、
祖先の霊を祀る一連の行事である。

日本古来の祖霊信仰と仏教とが、
うまく融合して生まれた行事。
盆には先祖の霊が帰ってくる、とされる。

だから盆の入りには迎え火を炊く。
亡くなった先祖の霊が、
迷わないように家に迎え入れる。

盆の明けには送り火を炊く。

この4日間、先祖の霊を迎えて、
供養するのがお盆だ。

私の場合、
この7月31日に母を亡くした。
4年前の2014年には父が逝った。
2年前には愛猫が死んだ。

霊を信じるか否かは別にして、
盆の間にこの世にいない肉親を思い出す。

逝ったばかりの母が、
帰ってくるのかと思うと、
それは生生しいけれど、
どこかうれしいものだ。

東横線横浜妙蓮寺駅周辺を歩いた。
駅前のFit Care Express。IMG_57858_

線香の品揃えは3SKU。
しかし1680円の青雲だけが残っていた。
後は残念ながら欠品。IMG_6473.JPG8
駅前立地のドラッグストアだから、
線香に関しては一番売れる店だろう。
だから品切れ。

一方、セブン-イレブン妙蓮寺駅前店。
「朝セブン」を盛んに打ち出す。IMG_6476.JPG8

ありました2SKU。
毎日香小型バラ詰め400円(本体価格)。
黄色いパッケージで目立つ。
お墓参り用お線香2把入り100円。
こちらはプライベートブランド。
毎日香が1フェース、PBが3フェース。
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隣にロウソクが2フェース。。
ブランドはカメヤマローソク灯火139円。

セブン-イレブンから歩いて1分。
イオンのまいばすけっと。
今やセブンの天敵。
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ありました1SKU。
日本香堂山水香2束92円(本体)。
これは1フェース。
セブンが100円で、
まいばすけっとが92円。IMG_6479.JPG8
隣にカメヤマ徳用豆だるま370円。

まいばすけっとは、
プライスカードが大きくて、
低価格を主張している。

三者三様。

安心した。

Fit Careの品切れが残念だった。
しかしそれだけよく売れた。
日本の祖霊信仰の一端を感じたものだ。

昨日の「折々のことば」
僕は自分の肉体に
(くわ)を入れられたと
感じました。
(脚本家・中島丈博)

中島は82歳の脚本家。
橋本忍の「弟子」だ。
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その橋本はこの7月18日に、
100歳で大往生。

橋本が手掛けたのは、
数多くの黒澤明作品、
さらに松本清張モノの映画脚本。
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その橋本忍の口癖は、
「正確に書け」だった。

このあとの例えが実にいい。
「赤ん坊を背負った女が」ではなく、
「女が赤ん坊を背負って」が正しい。

「観客の目に入る順がそうだから」

「赤ん坊を背負った女」を見るときには、
まず女が見える。
そして次に目に入るのが、
その女が背負っている赤ん坊。

だから脚本の表現は、
「女が赤ん坊を背負って」となるのが、
正しい。

橋本忍は凄い。
黒澤明らに鍛えられたのだろう。

しかし線香やロウソクの売場も、
「顧客の目」に入る「順」が、
意図的に想定されていなければならない。

セブン-イレブンの場合、入口側から、
ロウソク⇒PB⇒毎日香の順だった。

まいばすけっとも客動線上から見ると、
ロウソク⇒日本香堂山水香だった。

仏壇での手順は、
まずロウソクを灯してから、
線香に火をつける。

売場もこれが手順だろう。

セブンもまいばすけっとも、
合格していて安心。

編著者の鷲田誠一さん。
「中島の脚本に手を入れる時のその姿は、
うまく書こうという弟子の邪念を
一つ一つ潰してゆくかのようだった」

それが中島の肉体に入れらた「鍬」である。

今週はお盆の真っただ中。
自分の体に「鍬」を入れてくれる、
親、上司、先輩。

ありがたい。

日本人のお盆の場合も、
先祖は私たちの「鍬」なのだろう。

ありがたい。

合掌。

では、みなさん。
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

2018年08月12日(日曜日)

[Sunday Go! Go! Pose]妙蓮寺のセブン-イレブンでポーズ!!

盆の入りの前日の日曜日。
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暑い日のアイスコーヒーは、
冷蔵ケースから始まる。IMG_6039.jpg8

セブンカフェ。
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ホットコーヒーが好きだが、
暑いときにはどうしてもアイスコーヒー。IMG_6045.jpg8

横浜松見町3丁目のセブン-イレブンに、
感謝をこめて、Go! Go! Pose!IMG_6049.jpg8

暑いのでストローハットで恐縮。IMG_6056.jpg8

綱島街道沿いの白幡南町店へ移動。IMG_6057.jpg8

帽子を脱いで、Go! Go! Pose!IMG_6058.jpg8

クール宅急便の保冷車の陰で、
涼しさを分けてもらう。IMG_6061.jpg8

最後は横浜妙蓮寺店。IMG_6065.jpg8
ここは行きつけの店。

枝豆と焼きとうもろこし。
最近はスパイシーカレーポテトと、
アヒージョ風ソーセージ&ブロッコリー。
よくできたプライベートブランド。IMG_6063.jpg8

近隣に知り合いがたくさんいて、
ちょっと恥ずかしいけれど、
Go! Go! Pose!
IMG_6066.jpg8

目いっぱい体を伸ばしてポーズ!!
IMG_6074.jpg8

今日の[Go! Go! Fashion Item]
ボーダーのポロシャツは、
ポロ・ラルフローレン。
半ズボンもラルフローレン。
靴はロメオバレンティノ。
ストローハットは、
ハワイのターゲットで購入しました。IMG_6071.jpg8
今週もありがとう。
来週も頑張る。

〈Yoshiharu Yuuki〉

2018年08月11日(土曜日)

「山の日」の「分け入っても」と「経験価値マーケティング」

分け入っても分け入っても青い山
〈種田山頭火〉

尾崎放哉と並ぶ自由律俳人の1926年の句。
青葉が深くて眩しい夏の山が浮かんでくる。9784820595656

今日は「山の日」の祝日。

一昨年の2016年1月1日、
改正祝日法で新設。

ちょっとご都合主義を感じないでもないが、
三度目の今年は土曜日と重なった。

最初の発想は「お盆の前の日」。
盆の入りが8月13日だから、
その前日の12日とする案が挙がった。

しかしこの日は、
1985年の日本航空123便墜落事故の日。
いわゆる御巣鷹山への墜落の日と重なる。

だからその前の日ということで、
8月11日となった。

小林一茶の句。
夏山や一足づつに海見ゆる

夏山を登っていくと、
頂が近づくにつれて、
一足ごとに海が見えてくる。

夏山や雲湧いて石横たわる
〈正岡子規〉

体の弱かった子規にも、
夏の山の句は多い。

夏山を行く岩岩に手触れつつ
〈山口誓子〉

誓子は高浜虚子の弟子。わかるなあ。

夏山を父の如くに指さしぬ
〈後藤比奈夫〉

「ごとう ひなお」は1917年生まれの大阪の俳人。
後藤夜半(ごとう やはん)の息子。
夜半も高浜虚子の弟子だが、
喜多流の能楽師で人間国宝の後藤得三の俳名。

だから比奈夫の句の「父」は、
多分、夜半のことだ。

朝日新聞「天声人語」

詩人草野心平の『鬼色の夜のなかで』から引用。
八ケ岳を歩く男の話。
51aTG8McGoL._SX347_BO1,204,203,200_
「あの。なだらかな尾根の右肩のトンガリ。
あすこがおれの限界だった……
いまはもう限界は。もっとずっと下の方」

「右の脚が出れば。左の脚。
左の脚がひっこめば。また右の脚。
一歩一歩は過去になる。
歩きながらの馬糞(ばふん)のように
新しい過去がポッカリポッカリ生れてゆく」

映像としてはわかるが、
過去を馬糞にたとえるのは、
あまり詩的ではない。

私は高校生の夏に八ヶ岳に登った。
その前の年は金峰山。

中学の頃は会津磐梯山。

高校や大学のころは、
同人誌「ひこばえ」の仲間と、
ときどき登った。

熱心な登山家ではないが、
山は好きだった。

2009年の8月には富士に登った。
㈱エコス会長の平富郎さんと一緒だった。
互いに励ましあいながら登頂に成功した。

そのブログのタイトルは、
「平富郎&結城義晴・富士登山記」
3日連続の報告だった。

2009年08月08日(土曜日)
①山頂からのモバイル速報

2009年08月09日(日曜日)
②八合五勺3450mまでの「無茶と無理」
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2009年08月10日(月曜日)
③ついに、標高3776m登頂!
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今はもう、登ることはない。

しかし、山の日くらいは、
山の気分を思い出したい。

「分け入っても分け入っても」
「一足づつに海見ゆる」
「岩岩に手触れつつ」
「雲湧いて石横たわる」

そして父の如くに指さしぬ」

商人舎流通スーパーニュース。
阪急阪神百貨店news|
阪神本店デパ地下で山の日プロモーション実施

阪神百貨店梅田本店のデパ地下。
今日の「山の日」のプロモーション。
昨日から始まっている。

これまでは、登山用品、
アウトドアグッズ商戦で盛り上がった。

今年は地下の生鮮食品専門店10店が、
“山 盛り”など、山にちなんだ商品を考案。

面白い。

肉屋は和牛ステーキで山の文字と山の形。
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魚屋は有頭赤エビ20尾の山盛り。d14431-431-218328-1
山型のアサリてんこもり。
八百屋はピーマンの緑の山。

実に面白いが、なぜ面白いと感じるのか。

「経験価値マーケティング」
その権威はバーンド・H・シュミット。
コロンビア大学ビジネススクール教授。
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経験価値を定義する。
「顧客は企業ブランドとの接点において、
実際に肌で何かを感じたり、感動したりする。
この接点を重視して、
顧客の感性や感覚に訴えかける価値のこと」

そして有名な5つのモジュールを提案する。
これはこのブログでも何度か書いている。

⑴感覚的経験価値(Sense)
顧客の五感に直接的に訴えかける。

⑵情緒的経験価値(Feel)
顧客の内面にある感情や情緒に訴えかける。
比較的程度の軽い気分は「Moods」、
程度の強い感情は「Emotions」。

⑶知的経験価値(Think)
顧客の知性に訴求する経験価値。

⑷行動的経験価値(Act)
肉体的な経験価値。
ライフスタイルなどに訴える。

⑸関係的経験価値(Relate)
集団社会における、
個人の自己実現への欲求に訴求する。

「山の日」に「山盛り」「てんこ盛り」。
これは情緒的経験価値だ。

その商品に匂いがある、味がある。
見栄えがある。
これは感覚的経験価値だ。

山の日に山に登る。
これは行動的経験価値だ。

私は平さんと一緒に富士に登った。
同人誌の仲間とも登った。
これは関係的経験価値だ。

夏山の俳句には、
情緒的経験価値があるし、
知的経験価値もある。

小売業やサービス業の売場や商品にも、
経験価値マーケティングが必須だ。

感覚的経験価値が多いけれど。
価格コンシャスは実は、
知的経験価値の要素も強い。

どのモジュールで訴えるか。
それもポジショニング戦略だ。

私はこのブログでも、
月刊商人舎でも、
俳句や詩を多用する。
表現はよりよく推敲する。

それが私のポジショニングだ。

みなさんも、5つのモジュール、
よく考えて使ってください。

真似ばかりではいけません。
似たようなものばかりでもだめです。
自分たち独自のものでなければ。

〈結城義晴〉

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