平富郎&結城義晴・富士登山記②八号五尺までの「無茶と無理」
2009年8月6日、木曜日。朝7時50分。
㈱エコス代表取締役会長・平富郎さんの立川のご自宅集合。
右から平さんと結城義晴。
そして金営修さん、中西学さん。
撮影は、㈱エコス管理部秘書担当の森近利恵さん。
金営さんは、エコスの創業期の経理部長で、現在、税理士。
中西さんは、エコス開発部の若手で、
富士登山十数回の登山家。
平さんは、満70歳にして、
富士登山六度目のチャレンジ。
結城義晴は、中学・高校時代に、毎年、
金峰山、八ヶ岳など登っていたが、
大学1年の秋、早稲田100キロハイクで完歩したものの、
膝を痛めて、その後、山歩きなどから遠ざかっている。
さて、いかに。
不安はよぎるが、車で中央自動車道から、
富士スバルライン吉田口まで、
高速道路を走るうちに気分は高揚。
「心は燃やせ、頭は冷やせ」
一昨年の「結城義晴標語」が頭に浮かぶ。
そして霧のなかの富士吉田口五合目。
もうこうなったら、「やるっきゃない」
ちょいと古いが、旧日本社会党・土井たか子的気分。
「志定まれば、気盛んなり」
昨年の「結城義晴標語」で吉田松蔭的決意。
五合目の店のなかで、最後の調達。
店のなかの平富郎、俄然元気。
店と称するものの中に存在すると、
「商人」の血が燃える。
私は、この売場で、おにぎり3個調達。
梅干し握りが一つと昆布握り二つ。
五合目は標高2305メートル。
ここから3776メートルの富士山頂まで、
1471メートルの標高を登る。
「無茶はせず、無理をする」
これぞ、今年の「結城義晴標語」にして、
今年の「商人舎標語」。
期せずして、平さん、同じようなことを言った。
そして、出発。
と思ったら、篠突く雨。
全員が合羽をまとって、出発。
11:30。
豪雨の中を30分。
黙々と歩く。
そして雨があがって、12:07。
最初の休憩。
皆、ちょっとほっとした。
ここで、私は梅干しのおにぎりをひとつ、食べた。
平さんは、奥様手握りのおにぎりをふたつ、食べた。
さらに、黙々と歩き、
歩いては、休み。
こんな勾配の道を登って、六合目に到着。
12:31。
まだまだ元気そう。
しかし、最初の豪雨のなかの登山で、
全員の体力は消耗していた。
若い中西さんを除いて。
六合目は、この混雑ぶり。
4つある簡易トイレも満員行列。
一回100円。
富士登山には100円玉が不可欠。
見上げると、まだまだ先は見えない。
そしてまた、黙々と歩き、
歩いては休み、休んでは歩く。
下界の景色が、少しずつ広がってゆく。
神奈川方面の景色。
うっすらと相模湾が浮かぶ。
吉田口七合目到着。
14:09。
七合目から八合目までが長い。
歩いては休み、休んではまた歩く。
この繰り返し。
ツアーでの登山ではないので、
自分たちのペースで歩く。
中西さんが、きちんきちんと時間を見て、
ペースを計算する。
基本的に70歳の平富郎ペース。
それが満60歳の金営修、56歳の結城義晴にも、
とても助かる「良いペース」だった。
しばらく歩くごとに、山小屋がある。
これがまた、助かる。
勾配は、この角度。
15:36。
中西さんは、エコス本社・森近さんに連絡の電話。
七合目のこの山小屋付近も、
この混雑ぶり。
ここで、泊まる人もいる。
私たちの第一日目の目標は、
八号五勺の御来光館。
富士登山の最高度の山小屋。
また登っては、休憩。
もう雲界は、足の下。
山梨方面の景色。
写真真ん中ちょっと上に、かすかに河口湖が見える。
そしてまた山小屋。
16:03。
こちらは、真下の静岡方面。
16:04。
休憩中の平さん。
さらにさらに歩いて、登って、
八合目に到着。
17:14。
標高3100メートル。
3000メートルを超えたら、
空気が薄くなってくる。
八合目からの静岡方面景色。
ずっと右を見渡して、
神奈川方面。
見上げても、先は長い。
そして急勾配が続く。
草も少なくなってくる。
少し登ると、山小屋の屋根が見える。
そして雲界。
このあたりから、岩登り。
そして山小屋からの下界。
比較的元気を取り戻した。
さらに、黙々と登る。
ときどき下を見下ろして、
どのくらい登ってきたかを、
確認する。
八合目の「八大龍神」。
落石避けの壁。
霧が晴れて、山小屋の屋根越しに、
南アルプスの尾根が見える。
真下を家族連れ。
登山者の隊列は続く。
岩場を抜けて、砂利道に。
わが平隊のペースは変わらない。
これがとても良かったし、
富士制覇の秘訣。
勾配は、ますます急になる。
黙々と歩んできた道。
平富郎70歳。
ただひたすらコツコツと地道に歩く。
これがエコスという会社をつくった。
この地道さには、頭が下がる。
だから私も頑張った。
「無茶をせず、無理をする」
ただし、「無理」とは、
ひたすらコツコツとした一歩を積み重ねることによって、
実現されるものだ。
「無茶」とは、
一足跳びに結果を求めてする暴挙。
地味な一歩一歩が「無理」を現実のものとして、
「無茶」をする者を、
いつの間にか追い抜いてしまう。
急勾配の岩場と下界の眺望。
下には、登山者の列。
18:25。
標高3200メートル、八合目白雲荘。
さらに15分登って、
鳥居が見えた。
富士山天拝宮の宮司が出迎えてくれた。
少しずつ暗くなってきた。
さらにさらに、私たちは登らねばならない。
暗い中でも、
地味な一歩一歩を、
積み重ねなければならない。
ここで平富郎の一言。
「日が沈んでしまったら、
もうそれ以上暗くはならない」
本八合目、富士山ホテル到着。
標高3400メートル。
もう真っ暗。
19:21。
下界の夜景をバックに、
満足げな結城義晴。
神奈川方面の夜景のなかたたずむ金営修。
そして小さな一歩を重ねた平富郎。
しかしこれで終りではない。
最後のひと踏ん張り。
歩いては休み、休んでは登る。
20:04。
八合五勺の私たちの宿泊所・御来光館到着。
標高3450メートル。
そこからの神奈川方面の夜景。
相模湾に月明かりが反射して美しい。
都合8時間36分。
私たちは「無理」を実現させた。
小さな一歩一歩で。
歩いては休み、休んでは登って。
夜景を見ながら、つくづくと思う。
「無茶はせず、無理をする」
<つづきます。結城義晴>
2 件のコメント
結城先生の雄姿も素敵ですが、
エコスの平会長の一歩一歩、着実に登られるお姿には胸をうたれました。
悪天候の中、失礼ながら70歳というお年で、
前を向いてコツコツと地道に歩まれる。
トップに立たれる方は、やはり根性が違うと感じました。
続きを楽しみにしています。
西端先生ファンさま、ありがとう。
「無茶はせず、無理をする」
はからずも、西端春枝先生と平富郎会長が、
同じことを私に教えてくれました。
それが、今年の「商人舎標語」となっています。
さらに、「無理をする」の中身を、
平さんの一歩一歩から、読み取った私です。