結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年08月31日(土曜日)

子どもの自殺の「特異日」の「こども六法」と習近平の思考回路

8月の最後の日。
明日は9月1日。
夏が終わる。

今日の土曜日は、
横浜商人舎オフィス。
原稿の執筆。

小学生のころから、
高校2年生まで、
8月最後の日は、
追い詰められて、
夏休みの宿題に没頭した。

深夜になると、
虫の声に秋を感じさせられた。

振り返ってみると11年間だった。

高校3年のときには、
大学受験を控えていたから、
夏の宿題はなかったと思う。

それから50年ほどが経過した。
つまり半世紀。

夏休み明けとその前後は、
18歳以下の人たちの自殺が最も多い。
政府統計が示す。

原因は宿題などではなく、
いじめだという。

徳島新聞の一面コラム。
「鳴潮」8月29日版。

コラムは子どもたちに呼びかける。

「アラビアの砂漠に、
こんなことわざがあるそうだ」

「生きていることが
無意味だと分かったときは、
死んでしまうか、旅にでも出ることだ」

コラムニスト。
「どちらか、となれば、
どうせいつか死ぬのだから
急ぐことはない。
ここは旅に出ちゃいましょう」

同感だ。

「外出を好まない?
ならば旅を一つの比喩と考えて、
海よりも広い、それは空、
空よりも広い、それは、
という心の中を旅してみよう」

「お勧めしたい。
死にたいぐらい苦しいのなら、
とっとと逃げちゃいな。
大体、いじめる方がおかしいのである。
そんな学校に行くことはない。
ほんとだよ」

「人生、なるようになる。
これは、頑張るな、
と言っているわけじゃない。
たまには回り道もいいじゃない。
そっちが本道なのかもしれないよ。
生きていることが、
本当に無意味かどうか分かるまでは、
生きてなきゃ」

「絶対、死ぬな」

日経新聞巻頭コラム、
「春秋」

イントロは橋本夏子の句。
夏期休暇果つ子きりりと髪結ぶ

「久々の登校に備え、髪をまとめる少女。
ひと夏を経て少し成長したかしら。
慈母のまなざしである。
どこにでもある風景だ。
でも、そんな家庭は本当に幸せだ」

近年の「休暇明け」は、
子どもの自殺が多い「特異日」

4年前のこの時期、
図書館司書のツイートに、
共感の輪が広がった。

「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、
学校を休んで図書館へいらっしゃい」

図書館はいい。

学校は生徒と先生、生徒と生徒が、
交わるところ。
しかし図書館は、
一人で本と向かい合うところ。

一人で何かと向かい合うところに、
居ればいい。

コラムは『こども六法』を紹介する。
山崎聡一郎さんがこの8月20に上梓した。
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小学生時代にいじめを体験した、
若き教育研究者。
写真家、俳優。

この本の主張。

「いじめや虐待は犯罪です。
人を殴ったり蹴ったり、
お金や持ち物を奪ったり、
SNSにひどい悪口を書き込んだりすれば、
大人であれば警察に捕まって
罰を受けます。
それは法律という社会のルールによって
決められていることです」

「けれど、子どもは法律を知りません。
誰か大人が気づいて助けてくれるまで、
たった一人で犯罪被害に苦しんでいます」

目次。
第1章 刑法
第2章 刑事訴訟法
第3章 少年法
第4章 民法
第5章 民事訴訟法
第6章 日本国憲法
第7章 いじめ防止対策推進法
いじめで悩んでいるきみに

大人も読んでみよう。
商人も読んでみよう。

春秋のコラムニスト。
「国は”道徳”を教科に格上げして、
いじめ対策とした」

「が、その効果は疑わしい」

その通り。

「こども六法」のお勉強のほうが、
いじめや自殺を撲滅するには効果がある。

いじめ対策や子どもの自殺対策に、
道徳を教育する。

ストレートな考え方だが、
まったく、絶対、成果は上がらない。

子どものときから法律を学ばせる。
それがいじめや自殺対策となる。

中国国家主席の習近平。
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最近の習はいただけないが、
その物事のとらえ方は並みではない。

若いころ福建省の総書記だった。

このとき、福建省の農業と水産業を、
振興させ、隆盛させるために、
あることを行った。

近代化された商業を興すこと。

そこで生まれたのが、
「永輝超市」である。
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農業・水産業を盛んにするために、
それらに補助金を施すのが、
日本の政治家や官僚の発想だ。

これはいじめや自殺に、
道徳を教えることと同じだ。

農業・水産業を発展させるために、
繁盛するスーパーマーケットをつくる。

トランプや安倍晋三が相手にしているのは
この思考回路を持つ男だ。

こういったものの考え方は、
商業のマネジメントにも必須だ。

売上げを上げるために、
何をするか。

利益を上げるために、
何をするか。

売上げや利益に、
直結する手を打つことではない。

退職者が増えることには、
何をどうして対処するのか。

ここに知恵を使いたい。

そのためにブレーズ・パスカルの「パンセ」。
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「人間というのは概して
自分の頭で
見つけた理由のほうが

他人の頭の中で
発見された理由よりも

深く納得するものだ」
(断章十)

ああ、夏が終わる。

〈結城義晴〉

2019年08月30日(金曜日)

小田実「虫瞰図の眼」の「地べた/宇宙」と三浦知良の「現実/理想」

西日本新聞の一面コラム、
「春秋」

「日と青を組み合わせた”晴”という字は、
輝く太陽と青く澄んだ空を思わせる」
結城義晴の「晴」でもある。

「イメージにぴったりの字だが、
中国で漢字が生まれたころ、
この字はなかったそうだ」

「当時は”霽(せい)”という字が使われた。
雨かんむりに齊(斉の旧字)」

「斉にさんずいを付ければ、
済む=終わるの意味になり、
”霽(は)れる”は
雨が降り終わることを表した」

そうか。
雨が「済」むから、
「晴」れるなのか。

西日本新聞は、
福岡を中心にした九州北部の新聞で、
今回の大雨被害のエリアを担当する。

「篠突く雨が九州北部を襲った。
“数十年に1度”の災害が迫る時に
出される特別警報が、
北部3県の広い範囲で発表された」

「観測史上最大の豪雨。文字通り、
束ねた篠竹が落ちてくるような
激しい降り方だった」

現地新聞だけに、
表現に臨場感がある。

「平野が広がる佐賀県内では、
川からあふれた水が
田畑や市街地を覆った。
辺り一面、濁った海のように」

東日本大震災のときの、
東北の各地を思い浮かべる。

特別警報は解除されても、
上空には雨雲が居座る。
月が変われば台風の季節。

「気は晴れないが、
大雨への警戒は
“済む”ことなく続けたい」

お見舞い申し上げたい。

こちらは全国紙の朝日新聞、
「折々のことば」第1566回。

A happy landing on the earth
Although the earth is full of problems.
(作家・小田実)

「ようこそ地球へ――ここは、
問題だらけではあるけれどね」。
〈Amazon Kindle「生誕85周年 小田実フェア」ポスターより〉
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作家は娘が誕生した日、
日記に上記のように記した。

妻の玄順恵(ヒョンスンヒェ)の回想録、
『トラブゾンの猫』の終わりに、
小田実の創作ノートの最後の文を添えた。
「世界は世直しを必要としている」
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2007年7月30日に、
小田実は亡くなってしまったが、
今も、変わらない。
「世界は世直しを必要としている」

編著者の鷲田清一さん。
「作家が身を投じた市民運動には、
つねに地べたを這(は)いつつ
宇宙を見上げる、
虫瞰図の眼があった」

虫瞰図は「ちゅうかんず」と呼んで、
これこそ「虫の目」だ。

「ベトナムに平和を! 市民連合」
略称「ベ平連」は、小田実がつくった。

ベ平連は、
地べたを這いずった。
そして宇宙を見ていた。
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小田実は、
ダイエー創業者の中内功と、
親しい友人だった。

中内も地べたを這いつつ、
宇宙を見ていた。

それが中内のチェーンストアだった。
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ようこそ地球へ。
ようこそ日本へ。
問題だらけではあるけどね。

虫の目で、
その問題を見ていこうよ。
一緒にね。

日経新聞のスポーツ欄。
意外に深い考察があって、
私は大好きだ。

「サッカー人として」は、
“カズ”こと三浦知良の連載。

今日のタイトルは、
「あなたは理想主義者?」
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「日本代表がブラジル代表に
正々堂々と力と力の勝負を挑めば、
1-5もあり得る」

実力差はカズも認める。

「だからまず失点を抑え、
耐えて勝機をうかがう作戦が
練られもする」

そしてカズは言う。
「これも一つの“正々堂々”」

「現実と理想の間で自分がどうあるべきか、
見定めていくのがプロの生きる道なんだ」

そしてカズの鋭い批評。
「日本スポーツ界は現実主義者より、
理想主義者が多いんじゃないかな。
指導者も結果ありきで
物事をあまり語りたがらないような」

松井秀喜の甲子園の5連続敬遠。
「正々堂々と戦え」と非難轟轟。
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しかし、カズ。
「でも、これはルールにのっとって
堂々とプレーしているし、
やましくもない」

「柔道なら一本勝ち、
大相撲の横綱ならば
相手を堂々と受け止め、
立ち合いで変化は慎むべし」

「似た美学が、
スポーツの根っこにあって、
現実をみたいというより
“見たい現実”を見たい
というのもあるんだろうね」

昨年のFIFAワールドカップの日本代表。
1次リーグ最終戦の終盤で、
勝ちにいくことを放棄した。

あのときも、
「みっともない」「それでうれしいか」
と物議を醸した。

「これも理想主義的で、
悪いとはいわない。
僕もサッカーは美しくあるべし
と思っている。
でも美しいだけじゃないからこそ、
多様なあり方、戦術が生まれる」

三浦知良の戦術と美学。
カズの現実と理想。
その両方。

「学校の先生と、
受験に受からせる先生は違う。
教育の理想と受験の現実は違うから」

「育成で優れた実績があっても
プロの監督業では
結果を残せない指導者もいる」

プロスポーツは、
商売と似ている。
チェーンストア経営とは酷似している。

現実と理想のはざまにあるからだ。

理想は極めて大事だ。
それなくして進化はない。

しかし理想だけで、
現実が伴わないと、
商売は失敗する。

なぜか。

商売は問題だらけではあるからだ。

しかし商売にも、
チェーンストアにも、
理想主義者が驚くほど多い。

問題だらけの現状は、
小田実の「虫瞰図の眼」で乗り越える。
地べたを這いつつ、
宇宙を見る。

これをサム・ウォルトンは言った。
「Retail is Detail」
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結城義「晴」は訳した。
「小売りの神は細部に宿る」

〈結城義「晴」〉

2019年08月29日(木曜日)

お天気産業&「天気の子」とPayPay/LINE Pay旋風

九州の記録的大雨。
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日本気象協会の君島由希子さんが、
報告してくれている。
九州支社の気象予報士/防災士。
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この異例の秋雨前線は、
「引き続き活発な活動を続ける見込みです」

9月1日の二百十日まで大雨が長引いて、
「災害の危険性が高い状態が続くでしょう」

九州では今月19日ごろから、
もう10日間も断続的に雨が降り続く。

「異例」の「秋雨」の「長期化」。

小売業も製造業も、
いまやお天気産業。

毎日、お天気のことを書いている気がする。

ああ。

それにしても新海誠監督。
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7月19日封切のアニメーション映画、
「天気の子」。
公開約1カ月で興行収入100億円を突破。
歴代日本映画の興行収入ランキングで、
早くもトップ10入りを果たす快進撃。

映画公開前日の7月18日には、
『小説 天気の子』を出版。
これは異例の初版50万部スタートで、
重版に次ぐ重版。
現在62万部に到達。

令和元年は「天気の年」になりそうだ。

さて、商人舎流通スーパーニュース。
サミット、ライフ、ベイシア三連発。

サミットnews|
9/1から全店でQRコード決済サービス5タイプを導入

9月1日から、
Alipay/WeChat Payの中国版、
LINE Pay/PayPay/メルペイの日本版を、
全店舗で導入開始。

SCSK(株)と(株)ネットスターズの協力で、
短期間での全店舗サービス展開。

サミットは昨2018年10月に、
全社プロジェクトチームを立ち上げて、
この問題に取り組んできた。
[Summit Digital Transformation]
略してSDX。

その成果だ。

ライフnews|
スマホ決済PayPay・LINE Pay・メルペイを9/2全店導入

こちらは全274店舗で9月2日スタート。
PayPay/LINE Pay/メルペイ。
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ストアスキャン方式を採用して、
ユーザーのスマホに表示されたコードを、
レジで読み取る。

ベイシアnews|
131店でスマホ決済「PayPay」「LINE Pay」の運用開始

ベイシアは9月6日、やはり全店で開始。
こちらはユーザースキャン方式で、
顧客がアプリで読み取る。
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今週の月曜日のこのブログ。
「どかとよろしき残暑かな」と
9月のPayPay旋風の予感

9月1日から30日までの1カ月間、
「10時~14時がおトク! 家計を応援!
スーパーマーケット大還元祭」
PayPayが開催。
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PayPay旋風を予測したが、
大当たり!!

出遅れてはならない。

しかし一方で、
冷静に考えておくこともある。
忘れずに。

最後に痛快なコラム。
日経新聞「大機小機」

タイトルは、
「経済学者につづり方教室を」

コラムニストは横ヤリさん。

「夏休みも終わってしまうが、
経済学者や経済官僚は
つづり方教室にでも通ったら、
と思うことがしばしばある」

ふふふ。

政府・日銀関係者や多くの経済学者の分析。
「企業や消費者の期待成長率
低下していることが要因の一つ」

コラムニスト。
「人々の期待成長率が低下している?
そんなはずはない。
企業だって消費者だって
望むべく期待成長率はいつも高めだろう」

学者やエコノミストが言わんとするのは、
「期待」ではなく、
「予想成長率が低下している」ということ。

「無神経な翻訳が背景にある」

増税効果で消費は伸び悩む」
「デフレの履歴効果がデフレを生む」
「配偶者控除は女性の
労働参加抑制効果をもたらす」

これらの表現も経済学者は、
抵抗感なく使う。

“効果”という言葉は、
良い結果を生む場合に使うのが
普通の日本語である」

完全失業率
歴史的に低下しているのに
雇用者所得が伸びない」

コラムニスト。
「完全失業率とは何か?」
“不完全失業率”というのがあるのか。
「雇用者所得とは何か」

「雇用者」には二つの意味がある。
「雇われる者」の意味もあるが、
「雇い主」をさすこともある。

役所は「被雇用者」と使う。

「”雇用者”の意味が文脈次第で
くるくる変わる」

保険者も、
保険業務を運営している組織や会社と、
保険を利用している「被保険者」。

「会計用語もわかりにくい」

貸借対照表は、
バランスシートのことで、BSと略す。
しかし日本語では「貸借対照」。
貸し借りのみを示すような印象を与える。

「訳語として最適だったか」

しかも表の左側を「借方」
右側を「貸方」と呼ぶ。

だが貸付金は借方に、
借金は貸方に記録される。

「頭がクラクラする」

ちなみにこれは福澤諭吉の訳と言われる。

コラムニストは怒る。
「先人が古くから使ってきたから
修正する意欲も起きないのか」

「専門用語を使うことに
自己満足を感じるのか」
これはある。

「学問の世界や役所に潜むギルド体質
普通の人々にわかってもらおうという
サービス精神はないようである」

同感。

このギルド体質は、
荒井伸也さんが指摘した、
悪い意味での「職人気質」だ。

我々、小売商業の世界にも、
製造業、卸売業の世界にも、
ジャーナリストの世界にも、
蔓延していることを忘れてはいけない。

〈結城義晴〉

2019年08月28日(水曜日)

UAゼンセン第1回流通産業労使フォーラムの「普通の特別」

令和元年初の8月もあと4日。
九州北部には記録的な大雨。

私の生まれ故郷は、
福岡県福岡市早良区。

ここも大雨だ。

結城一族が住んでいるが、
みんな大変だろうし、
不安だろう。

わが日本列島は、
地震列島にして台風列島、
そしてすこしずつ、
亜熱帯地方の雨期のようになる。

心からお見舞いしたい。
そして現地の小売産業やサービス産業が、
人々のライフラインとなってほしいと願う。

今日の私は横浜商人舎オフィスで、
月刊商人舎9月号の必死の入稿仕事。

午後から東京・水道橋へ。
東京ドームシティホテル。

UAゼンセン流通部門主催。
第1回流通産業労使フォーラム。

昨年までは労使懇談会という名称で、
6回まで開催されていた。
その昨年までの労使懇談会が、
「顔合わせ」や「心合わせ」だったとすれば、
これからの労使フォーラムは、
「力合わせ」だという。

まったくその通り。

私は夕方の開催記念パーティから出席した。

主催者挨拶は藤吉大輔さん。
UAゼンセン副会長にして流通部門部門長。
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藤吉さんはすこぶる機嫌がよくて、
「心合わせと力合わせ」の、
手ごたえを感じたような挨拶だった。
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来賓あいさつは参議院議員のお二人。
河合孝典さんと田村まみさん。IMG_00519
河合さんは労使が力を合わせて、
「軽減税率問題」などに、
本気で取り組まねばならないと主張した。

田村まみさんは、7月の参議院選で、
国民民主党の比例代表でトップ当選。
イオン出身の参議院議員の誕生だ。IMG_00539
おめでとう。

1年前の”候補”のころは初々しかった。
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これから猛勉強して、
存分に力を発揮してほしい。
流通を代表する政治家になってほしい。

乾杯の発声は高橋了さん。
流通部門副部門長。
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高橋さんは流通部門の政治担当で、
先の「力合わせ」の話をしてくれた。

乾杯の後は懇親。

田村まみさんと記念の写真。IMG_00599

去年はこうだった。
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私は月刊商人舎8月号の特集を贈った。
我ら、ポリティカル・マーチャンツ!

藤吉さんと握手。
藤吉さんは間違いなく、
流通産業の鍵を握る人の一人だ。IMG_00669

それから㈱平和堂の皆さん。
私の右は夏原行平さん、専務取締役管理本部長。
左は本持慎二さん、教育人事部長。
そして両サイドは平和堂労働組合のお二人。
右が中央執行委員長の千秋章造さん、
左が中央執行書記長の山本昇司さん。
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その夏原さんと小苅米秀樹さん。
小苅米さんは㈱ベルジョイス会長で、
お二人はコーネル大学ジャパン「伝説の1期生」IMG_00779

㈱万代の加藤健さんと西城敏幸さん。
加藤さんは取締役総務担当、
西城さんは万代ユニオン中央執行委員長。
この10月で退任する。
ありがとうございました。IMG_00629

イオンリテール㈱副社長の西松正人さん。
管理担当でホームコーディ事業も担当する。IMG_00789

㈱イトーヨーカ堂の樋口昭さんと石合弘二さん。
右の樋口さんは取締役管理本部長、
真ん中の石合さんは労働組合中央執行委員長。IMG_00639

㈱フジの皆さん。
私の隣から豊田洋介さん、中西信将さん。
豊田さんは取締役管理本部長。
中西さんは人事総務部次長兼労務政策課課長。
そしてフジユニオンの高橋慶長さんと富永篤さん。
高橋さんは中央執行委員長、
富永さんは中央書記長。
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アクシアルリテイリング㈱のお二人。
五十嵐安夫さんと矢島良彦さん。
五十嵐さんは副社長で、
矢島さんは原信労働組合中央執行委員長。IMG_00859
各社とも労使揃って参加している。

それから狐墳英毅さんと白鳥和生さん。
弧墳さんは一般社団法人徳育経営研究所常務理事。
㈱長崎屋の幹部だった。
白鳥さんは日経新聞社編集局調査部次長。IMG_00679

最後に大塚耕平参議院議員と、
商人舎ゼネラルマネジャーの亀谷しづえ。IMG_00829

UIゼンセン同盟の時代から、
この労働組合との関係は深い。
「流通産業政策」策定の際は助力した。
UIゼンセン同盟会長だった落合清四さんには、
コーネル・ジャパンの講師をお願いした。
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元連合会長の高木剛さんには、
商人舎発足の会の発起人になっていただいた。

そして労働組合と経営者が、
互いにそのポジショニングを主張し、
理解しあったうえで、
まさに「心合わせ」と「力合わせ」を、
していかなければならないと思う。

それが「Political Merchants」の、
これからのあり方でもある。

東京ドームホテルは、
雨模様の中にくっきりと浮かんでいた。IMG_00909

最後に昨日の朝日新聞「折々のことば」
第1563回。

特別なものを
特別に作っても
特別ではないんですよ。
(川俣正)
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「逆に、身近にあって、
不要とされた”普通”のもので
何か違うモノを作るのは”特別”だ」
(『高校生と考える世界とつながる生き方』から)
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Politicalとは、
特別なものではない。
身近なもの、普通のものだ。

その身近なもの、普通のものから、
特別なものが生まれる。

田村まみさんと再会し、
UAゼンセンの労使を見ていて、
その「普通の特別」を強く感じた。

それが我らの、
ポリティカル・マーチャンツだ。

〈結城義晴〉

2019年08月27日(火曜日)

商売の①売れ筋②死に筋②見せ筋と「コントラスト効果」

今日は1日、横浜商人舎オフィス。
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裏の遊歩道の緑は美しい。
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アロハとストローハットで恐縮。IMG_00419

東京新聞の巻頭コラム、
「筆洗」

中日新聞の「中日春秋」と、
同じ文章の日もある。
そうでない日もある。

中日新聞は中部・東海地方のブロック紙で、
その子会社が東京の地方紙「東京新聞」。
だから両紙の巻頭コラムが、
同じ文章になる日が多い。

朝日、讀賣、毎日、日経、産経を、
「全国紙」と呼ぶ。
チェーンストアに置き換えると、
これがナショナルチェーン。

中日新聞をはじめとして、
北海道新聞、西日本新聞、中国新聞など、
数県あるいはそれに見合う地域の新聞を
「ブロック紙」というが、
これがリージョナルチェーン。

そして一つの県に専念する新聞が、
「地方紙」で、これがローカルチェーン。

新聞の経営軸と、
チェーンストアのドミナント戦略は、
同期している。

今日の地方紙のコラム「筆洗」は、
中日春秋とは異なる内容。

料理メニューのコースの論議。
コースは二つ考えられる。
⑴お値打ちコース四千円
⑵満足コース五千円

この2つのコースでは、
どちらを選ぶか決め手がない。

そこで一つのコースを加える。
⑶豪華プラン一万円

そして三つのコースから選ぶ。

こう設定すると、
⑵の満足コースを選ぶ人が増える。

「値の高いプランを加えることで
⑵を安く感じる効果がある」らしい。

営業マンの「指南書」にある。
「コントラスト効果」。
「対比効果」ともいう。

小売業の世界にも、昔からある。
①売れ筋
②死に筋
②見せ筋

①の売れ筋は、
「品揃えラインのなかで、
最もよく売れている商品」
(商業界『商業用語事典』の故高山邦輔定義)
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「特にきわだって販売量の多い品目で、
在庫量の適正な商品」
(『必須単語1001』の故渥美俊一定義)

ABC分析をして、
よく売れるA分類の商品。

わかりやすい。

売れ筋に関しては、
品切れや欠品があってはならない。

②の死に筋は、
「カットしたい商品」
――「言いえて妙」の浅香健一定義は、
『商業用語事典』から。
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「品種ごとにあらかじめ各社が決めてある
在庫年令制限を超えて在庫している商品」
(渥美定義)

「ふつうはその品種の商品回転日数の
1.5倍を枠とする」

漠然と「売れない商品」では、
実態を把握できない。
「商品回転率が低い商品」だとしても、
その低いレベルがどのくらいかが、
決められていなければならない。

渥美理論は執拗に、
数字で事実を把握しようとする。
これはとても大事な姿勢だ。
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③の見せ筋は、
「販売数量は少なくても、
店に欠くことのできない商品」
(浅香定義)

「店格を高めたり、
値ごろの商品の売れ行きを
よくしたりする効果がある」
これがコントラスト効果である。

ただし私は、
「見せ筋」という語感は、
よろしくないと思うし、
使わない。

どんな店でも、
売場は無限にあるわけではない。
しかもネット販売がこれだけ普及すると、
eコマースには「見せ筋」が、
これでもかと提示されている。
スマホを見れば、
いくらでもそんな商品は出てくる。

だからリアル店舗の「見せ筋」は、
効果が薄らいだ。

浅香健一先生も、
商業界からの依頼で、
一般的な定義をしたものであって、
これをお勧めしているわけではない。

筆洗のメニューコースの話に戻ると、
売れるのは⑴のお値打ちコース。
⑵の満足コースも売れるけれど。

しかし⑶を提案しておくと、
対比効果で⑵が売れる。

ただし渥美理論では、
「売価の上限と下限の幅を狭くせよ」
つまり⑶は否定される。

⑴と⑵で、トータルに低価にせよ。
とりわけ⑴を強調せよ。
それが渥美俊一流。

営業マンの指南書と、
渥美チェーンストア理論は異なる。

私の商品論・価格論の基本はいつも、
コモディティと、
ノンコモディティ。

渥美理論はコモディティ重点型。
コモディティディスカウント主義。

しかしアメリカでも、
ホールフーズマーケットや、
HEBセントラルマーケット。
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世界のイータリーなども、
ノンコモディティに高い価値を認める。

消費トレンドは必ず、
高度化、高質化、個性化し、
その結果として多様化に向かう。
歴史がそれを示している。

そして重要なことだが、
コモディティとノンコモディティには、
コントラスト効果も働く。

コラムはG7サミットへ。
日米首脳による貿易協定。

米国産の牛肉・豚肉の関税を、
日本側はTPPの水準に引き下げる。
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日本側が求めていた乗用車は、
関税撤廃が見送りとなって、
現在の2.5%に据え置かれた。 donald-trump-1269307_12809999

「それでも一時期、トランプ大統領が
安全保障を理由に、
日本車を含む輸入自動車に
25%の追加関税を加えると
主張していたことを思えば、
そんなことはなかった分、
今回の合意がありがたく見えてくる」

コラムニストの発見。
「あっ。これがコントラスト効果なのか」

「日本の要求はうっちゃられたのに
上出来の交渉のように考えてしまう。
しかも合意の全貌はまだ見えていない」

しかし国と国の貿易交渉の場に、
コントラスト効果はない。

コモディティとノンコモディティ。
選択の自由が保障されたところに、
コントラスト効果がある。

〈結城義晴〉

2019年08月26日(月曜日)

「どかとよろしき残暑かな」と9月のPayPay旋風の予感

Everybody! Good Monday!
[2019vol34]

2019年第35週、8月第5週の最終週。
8月が終わり、いわば「正式」に夏が終わる。

「作家の幸田文さんは、
随筆で”季節のかたみ”という
印象的な言葉を使っている」

南日本新聞巻頭コラム、
「南風録」

「厳しい暑さの夏の形見は、
庭にバケツの水をひっくり返した時、
乾いた土がはぜるような音を立てて
ひび割れた思い出だ」

今年の「夏の形見」は何だろう。

山陽新聞の巻頭コラムは、
「滴一滴」

こちらは「季節スイッチ」という言葉を使う。
「おでんは、最高気温が
30度を下回る日をきっかけに
売り上げが伸びる」

その30度を切るとき、
「季節スイッチが入った」と表現する。

「処暑を過ぎて、
過ごしやすい朝夕が増えてきた。
日脚も徐々に短くなり、
やがて”秋の夜長”へと向かう」

そして阿波野青畝(あわのせいほ)の句。
朝夕がどかとよろしき残暑かな

青畝は奈良県生まれの俳人。
口癖は「長生きは得でっせ」で、
93歳まで生きた。

この句の「どかとよろしき」の「どか」は、
関西弁でいえば「ごっつう」といった感じ。
「すごくいい」という意味。

この8月最終週は、
そんな「季節スイッチ」が変わる、
「どかとよろしき」7日間だ。

清少納言の「枕草子」では、
春夏秋冬が描写される。
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「夏は夜」
「月のころはさらなり、闇もなほ、
ほたるの多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りて行くもをかし」

「古典」の授業では、
「をかし」は「趣がある」と教えられるが、
「なんとなくいいね」といったニュアンス。

「秋は夕暮れ」
「夕日の差して
山の端いと近うなりたるに、
からすの寝所へ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり」

「あはれなり」は、
しみじみとしていて、
心打たれること。

夏は夜が良いし、
秋は夕暮れが良い。

「どかとよろしき残暑」のころは、
両方の良さを堪能できるかもしれない。

さて今日は、
シェ・フルール横濱。
商人舎オフィスから徒歩3分。
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創作和フランス料理。IMG_00319

商人舎の歓送迎会ランチ。
コース料理のスタートは、
冷製スープ。
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そしてカラフルなオードブル。
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メインディッシュは、
神奈川県特産のヤマユリポークのソテー。IMG_00259

白身魚のポワレ。IMG_00269

ズワイガニのパスタ。IMG_00279

デザートとコーヒー、紅茶。IMG_00289

大満足で写真。IMG_00309
「集まり散じて
人は変われど 

仰ぐは同じき
理想の光」

この会の最後の言葉として、
私は早稲田大学校歌の歌詞を紹介した。
相馬御風の作詞。

人は集まる。
人は散じる。
しかし同じ理想の光を仰ぐ。

商人舎の「舎」とは、
そうありたいという意味だ。
いつも、いつまでも。

さて、今日の商人舎流通スーパーニュース。
とりせんnews|
QRコード決済サービス「PayPay」9/1全店導入torisen_20190826_02
㈱とりせん(群馬県館林・前原宏之社長)が、
9月1日(日)から「PayPay」を全店導入。

昨年に創立70周年を迎えたとりせん。
群馬県27店舗、栃木県19店舗、
茨城県10店舗、さらに埼玉県3店舗で、
合計59店舗。

オール日本スーパーマーケット協会の、
有力メンバー企業だ。

そのとりせんが導入するPayPayは、
9月1日から30日までの1カ月、
全国の加盟スーパーマーケット対象に、
「10時~14時がおトク! 家計を応援!
スーパーマーケット大還元祭」を開催する。

毎日10時から14時の間に、
PayPayで支払うと、
最大10%のPayPayボーナスを還元する。

PayPayは、
コンビニ、ドラッグストアをはじめ、
全国のスーパーマーケットに対して、
異様な執念で加盟勧誘をしている。

もちろんソフトバンク㈱とヤフー㈱が、
合弁で作った会社がPayPay㈱。

アスクル㈱前社長の岩田彰一郎さんが、
株主総会で退任する事件で注目されたが、
9月は全国のスーパーマーケットへの、
最大10%還元が話題をさらいそうだ。

10時から14時に1割還元だから、
午前中から午後までの客数増に貢献する。

そして9月が終わると消費増税。
いいところに目をつける。

スマホを使った「QRコード決済」は、
アリペイとウィーチャットペイが、
中国圏で先行する。

日本では2016年に、
オリガミペイが先鞭をつけた。
それにLINE(ライン)ペイ、
楽天ペイなどが次々参入。

そこに2018年10月に、
PayPayが満を持して登場。

ソフトバンクの社外取締役が、
ジャック・マーということもあって、
アリババの金融サービス子会社と提携。

昨2018年末商戦の12月には、
「100億円あげちゃうキャンペーン」実施。
原則として購入金額の20%、
抽選で全額(上限10万円)が還元された。

しかしわずか10日間で、
キャンペーン予算に到達して終了。

2月12日には第2弾100億円キャンペーン。
そして消費増税を控えたこの8月だけでも、
ライフコーポレーション、西友、
東急ストア、そしてとりせんが、
PayPay導入に踏み切った。

すでにユニクロ&ジーユー。

コンビニはセブン-イレブン、ローソン、
ファミリーマート、ミニストップ、
そしてセイコーマート。

ドラッグストアはツルハ、
マツモトキヨシ、ココカラファイン、
もう雪崩を打ったように導入。

イオンは4月に関東と山梨県でスタート。
ロピアもオーケーも導入した。

セブン-イレブンは7Payで味噌をつけて、
国内3社と中国2社のQR決済を導入。

そして今、スーパーマーケットが、
こぞって導入。
9月はPayPay旋風の季節になりそうだ。
それにつられてLINE Payも広がる。

消費増税や軽減税率にだけ、
目を奪われていてはいけない。

そのことをきっかけに何かが起こる。
それが商売に影響を与える。

激動の9月に突入しようとしている。

その直前の「どかとよろしき残暑」である。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年08月25日(日曜日)

滝沢秀一「ゴミ清掃員の日常」と「もったいない・ありがたい」

「折々のことば」
朝日新聞一面のコラム。
編著者は鷲田清一さん。
その博識と見識、
そして視野の広さ、貪欲さには、
毎朝、舌を巻く。
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いまや、朝日の名物「天声人語」を、
完全に食ってしまった。

今日の第1561回。

管理されなければ
できない

恥ずかしい世代になんて
なりたくない。
(滝沢秀一)

お笑いコンビ「マシンガンズ」の芸人。

1976年生まれ。
1998年から「マシンガンズ」で活動。
「エンタの神様」などに、
ちょこちょこっと出ていた。

太田プロダクション所属だが、
売れっ子芸人では、もちろんない。

結婚して、子供もいる。
そこで定収入を得るため、
2012年からゴミ収集会社に、
正社員として勤めている。

つまり二足のわらじ、あるいは兼業。

そしてツイッターでゴミ清掃員の日常を、
赤裸々に綴り始めた。

鷲田さんの表現。
「悲喜こもごもの清掃作業にあたる中、
人びとの嗜好や消費行動の歪(ひず)みに
戸惑い、そして思う」

それらをまとめて、
昨2018年9月、エッセイ本を発刊。
それが思わぬ大ヒット。
『このゴミは収集できません』
サブタイトルは、
「ゴミ清掃員が見たあり得ない光景」
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「有料化、罰則など、
ゴミ回収をめぐる規制の拡大も、
ゴミの仕分けや水切り、
物を買う前の要不要の一考などを
一人一人がきちんと
意識してやれば回避できる」

今年の5月には、
コミックス『ゴミ清掃員の日常』を発刊。
奥さんの滝沢友紀さんが漫画を担当。
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P+D MAGAZINEのインタビュー。
滝沢がゴミ清掃の仕事を始めてみると、
「居心地がいいので驚きました」

「もちろん肉体的には
しんどいときもあるのですが、
本当にどんな年齢・国籍の人でも
できる仕事だし、面白いんですよ」

この業界の人がよく言うそうだ。
「3年働いたらもう、
この世界から抜け出せなくなる」

滝沢の述懐。
「僕自身もゴミ清掃を6年続けてきて、
もう辞めたいとはまったく思わないです」

なぜだろう。

ちょっと流通業界に似ているか。

その理由は、
社会に貢献している、
実感があるからだと思う。

ゴミ清掃の仕事の中で辛いこと。
「しんどいのは、やっぱり夏と冬ですかね。
夏は暑いし、冬は雪が降ると、
道も渋滞するし……」

「夏のペットボトルのゴミの量の多さは、
一度みなさんにも
見てもらいたいくらいです。
ひとつの収集所で出るゴミの量が、
とにかく増える」

朝早くから始めて、
夜6時くらいになっても回収しきれない。

滝沢は分別の重要さを力説する。
「たとえば、分別が不十分で
可燃ゴミの中に不燃ゴミが
多く混じってしまっていると、
焼却炉でゴミを燃やすときに、
ゴミが入りきらないので焼却炉を
一度止めなきゃいけなくなるんですよ」

「燃えなかったゴミを手作業でかき出して、
また焼却炉に火をつけるわけです。
で、このとき、一度止めた
焼却炉に再び火をつけるという作業に、
だいたい250万円から350万円の費用がかかる」

そういった家庭ゴミの処理費用は
税金で賄われている。

滝沢。
「東京のゴミの埋立地は
あと50年しか持たないと言われている。
減量化や分別にまったく気持ちが
向かない人がいまだにいることには
心が痛みます」

そして将来の問題。
「リサイクルってやっぱり
習慣だと思うんですね。
だから、子どもが小さいうちから
絵本でそういうことを教えられたら、
自然とゴミを分別して
リサイクルできる大人になってくれるかな」

芸人としては売れなくとも、
ゴミ清掃員となって、
その観察力と発信力で、
社会に貢献する。

いい話だ。

最後に再び結城義晴のMessage。
月刊商人舎2017年4月号の巻頭言。
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もったいない、
ありがたい。

「売れない」のではない。
「売っていない」のだ。
「売り損なっている」のだ。

鈴木敏文さんが言い、
故緒方知行さんが追従(ついしょう)した。
これは機会損失撲滅の本質を突いた。

だからセブン-イレブンは、
加盟店とスーパーバイザーに徹底した。
「売れ筋でロスを出せ!!」

しかし残念ながらこの時代は終わった。
値下げロス・廃棄ロスと機会ロスは、
本来、二律背反の関係にある。

だから戦略的に、組織的に、
もう1人・もう1品・もう1円の改善がいる。
そしてもう1パーセントの努力が望まれる。

フィリップ・コトラーが読みきった、
マーケティング1.0は、
製品中心の時代だった。

マーケティング2.0は、
消費者志向の時代で、
売り手市場から買い手市場に移行した。

そしてマーケティング3.0の今は、
価値共創の時代である。
ソーシャルマーケティングの時代である。

「売れない」のではない。
「もったいない」が足りないし、
「ありがたい」が少ないのだ――。

「もったいない、ありがたい」が広がれば、
ゴミもロスも格段に減っていく。

〈結城義晴〉

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