結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年11月27日(土曜日)

顧客となったときに「無礼な態度をとる商人」は?

アメリカでは11月第4木曜日が、
サンクスギビングデー。
その次の金曜日に、
ブラックフライデーが来る。
「黒字の金曜日」。

そして土曜、日曜は、
感謝祭ウィークを存分に楽しむ。

家族で、親族で、
あるいはパートナーと。

日本の年末年始休暇にあたるのが、
サンクスギビング週間だ。

その楽しむ2日間。

来週からまた仕事に戻る。

そして月曜日、
オフィスから家から、学校から、
ネットでクリスマスプレゼントを買う。

それが、
サイバーマンデー。

1年でオンライン購買が最大化する日。

そしてクリスマスまでの1カ月間、
1年で一番の書き入れ時がやってくる。

この1カ月間を、
「ホリデーシーズン」と呼ぶ。

日本は11月23日の勤労感謝の日が終わって、
12月に入って年末年始商戦に突入して、
歳末へと向かう。

その合間に、
景気づけのように、
ブラックフライデーを模倣して、
採用した。

クリスマスまでほぼ1カ月間。
きっかけとするには、
悪いことではない。

北海道新聞の巻頭コラム、
「卓上四季」

「その感謝祭が一度だけ
1週間前倒しされたことがあった」

興味深い。

1939年のことだという。

変更を決めたのは時の大統領。
フランクリン・ルーズベルト。
ルーズベルト
世界恐慌のときに、
有名なニューディール政策を断行した。

そのルーズベルトは、
「クリスマス商戦を早めて
経済を活性化させようとした」

まったく、商人の発想そのものだ。
私の言う「早仕掛け」である。

アメリカのホリデーシーズンは、
全体で年間売上げの2割を占める。
宝石店など9割がこのシーズンの売上げだ。

そのスタートを早めると、
いくらかでも経済は潤う。

だから12月商戦に勢いをつける、
ブラックフライデーの採用は、
実に理にかなった販促手法なのである。

今日は午前中は家で原稿執筆、
そして月刊商人舎12月号の入稿。

昨日、9万字の原稿を仕上げた。
満足感でいっぱいだ。

今日からは休まず雑誌原稿。

昼頃、商人舎オフィスに出社。

1本の長い原稿を入稿してから、
夕方、自由ヶ丘へ。IMG_89811

いつもの花屋。
monceau fleurs(モンソーフルール)。IMG_89831

ハロウィンのプレゼンテーションとは、
がらりと変わって華やかだ。IMG_89881

クリスマスツリー。IMG_89841

プロモーションは390円のガーベラ。IMG_89851

クレープ屋は店じまいして、
花売り場に転換。
IMG_89861

大きな商戦に向かう店は、
こうした劇的変身を試みなければいけない。

商店街のクリスマスツリーにも、
人が集まる。
IMG_89931

東横線に乗って自宅に帰る。

駅前の寺院。
IMG_90041

長光山妙蓮寺。
IMG_89971

ボードに住職の今月のことば。
IMG_8994

「生きるとは
生されていること」IMG_89951
この言葉は東洋哲学だが、
ここに神の存在を挟むと、
キリスト教と同期してくる。

不思議だ。

朝日新聞一面「折々のことば」
昨日の第2215回。

もりは 
しずまりかえり

なにも 
しゃべらないけれど

いつだって 
きみを みている
(大竹英洋の写真絵本『もりはみている』から)
森は見ている

大竹英洋さんは、
北米ノースウッズの森で、
野生の動物や自然を撮り続けている写真家。

「ノースウッズ」は、
文字通り「北の森」。
アメリカ合衆国とカナダの国境付近から、
北極圏にかけての広大な湖水地方。

「樹々(きぎ)の上から、
木陰から、幹の穴から、
リスが、小鳥が、熊の親子が、
フクロウが見ている」

「いや、静まりかえった森の
全体が私を見つめている?」

編著者の鷲田清一さん。
「何かに見られているという感覚は、
見る働きよりも鋭敏だ」

「見ることは
見えないものとの探りあいであろうに、
そのことを人はもう忘れてしまったか」

街の中のお店は、
いつも見られている。

店員はすべからく、
見られているという感覚をもっている。

それは見る働きよりも鋭敏だ。

商人が顧客となったとき、
この「見られている感覚」を失う。

本来、同じ商人として、
仲間であるはずの店に対して、
「見る働き」の鈍感さを押し付けるからだ。

そして無礼な態度をとることがある。

日頃、見られている感覚に、
押しつぶされそうになっている商人ほど、
その傾向が強い。

見ることは、
見えないものとの、
探りあいである。

生きるとは、
生かされていることだ。

それを忘れてはいけない。

それを失った商人には、
真の商売はできない。

〈結城義晴〉

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