結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年01月10日(月曜日)

「ハタチの無駄」と「重要なことから始めよ」

Everybody! Good Monday!
[2022vol②]

2022年第2週。
1月10日、
成人の日の祝日。

今年の新成人は約120万人。

ピークは1970年。
第1次ベビーブームの団塊世代246万人が、
成人となった。

それから見ると半減。

しかし「世界人口白書2021」では、
世界の総人口は78億7500万人。
前年に比べて8000万人の増加。

人口が1億人を超えている国は14カ国で、
日本は2020年と変わらず11位だった。

世界人口は増えるが、
日本の人口は減る。

120万人の成人諸君に、
期待しよう。

新聞やメディアでは結構、
新成人にお説教臭いことを言う。

毎日新聞「余禄」は、
アインシュタインの言葉。
「成功する人になろうとするのではなく、
価値のある人になろうとしてほしい」
1955年に死去する直前のことだった。
アインシュタイン相対性理論.jpg2

北海道新聞の「卓上四季」
タイトルは「ハタチの無駄」

こちらは打って変わって、
若手俳優の賀来賢人。
賀来賢人チャンネル
「全然見ねえじゃん」

役者として目が出ないころの成人の日。
久しぶりに再会した同級生から言われた。
ただただ悔しく、情けなかった。

叔母は女優の賀来千香子だが、七光りはなかった。
普通の高校生がスカウトされて、
俳優の道に入る。
映画出演を果たすも、
作品を見て愕然とする。

「俺ひとりが台無しにしているように見えた」

その後は、先輩俳優に追いつこうと、
懸命にもがいた。

そして今、言う。

「やりたいことを続けておくと
いいことがある。
無駄なことなんてなくて、
やたら返ってくるんですよ」

コラム。
「無駄だったと思うこと自体が
無駄ということである」

同感だ。

アインシュタインよりも、
賀来賢人のほうが、
今の成人には響くだろう。

人生に無駄なことなどない。
最後にはすべてのことがつながってくる。
本当にそう思う。

今日は関西では、
十日戎(えびす)である。
正月の初詣でよりも、
十日の戎詣で。

兵庫の西宮戎か、大阪の今宮戎か。
福岡にも十日恵比須神社がある。

恵比寿天は、
商売や商業の神様である。

あくまでも神話の世界の話だが、
『日本書紀』では、
イザナギ・イザナミが生んだ子で、
アマテラスとツクヨミのあと、
スサノオの前に生まれた。

ヒルコと言われた。

三歳になっても脚が立たなかったため、
船に乗せて流された。

そこで漁の神様となり、
商売の神様となった。

この神様が後世、恵比寿天として信仰され、
戎神社が各地に建立された。

だから恵比寿天は、
左手に鯛を抱え、
右手に釣り竿を持っている。

私の言う「商人の起源」と、
どこかシンクロしている。

「最も強い者が、
人間を打ち倒す軍人になった。
次に強い者が、自然と闘い、
農作物を生産する農民となった。
三番目に強い者が、道具を使って
モノをつくる工の民となった。
そして一番体の弱い者が、
商人となった」
(『Message』士農工商より)
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十日戎で商売繁盛を祈願し、
関西や西日本では、
本格的な商戦に入る。

いよいよ、これからだ。

私も今週から通常のスケジュールに戻る。

今週、来週と、
さまざまな協会や団体の賀詞交換会、
記者会見も始まる。

取締役会もあるし、
万代知識商人大学6期の修了式もある。

古希を迎える私のテーマは、
「断捨離」

新しい、不要なことを断つ。
古い、不要なものを捨てる。
不要な執着から離れる。

それでも必須のこと、必要なものは、
着実に成し遂げていく。

倉本長治は教える。
「やさしいことから手をつけよ」
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「仕事の段取りとして
困難なことから手をつけるのは、
うまいとはいえない」

「他者がやっていることで、
良いこと、正しいこと、
お客のためになると思われることは、
たとえ人真似であっても恥じてはならない」

一方、ピーター・ドラッカーは言う。
「重要なことから始めよ」
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「成果をあげるエグゼクティブは、
最も重要なことから始め、しかも、
一時に一つのことだけを行う」

そしてついでに結城義晴。
「むずしいからおもしろい」

成人諸君は倉本長治であろう。
しかし年を経たらドラッカーである。

選択と集中。

そして集中するには、
断捨離がなければならないと思う。

では、みなさん、今週も、
ある人はやさしいことから、
ある人は重要なことから、
ある人はむずかしいことから、
始めよう。

どれも無駄なことなど一切ない。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年01月09日(日曜日)

ルーズベルトの手紙と倉本長治の「人間の味」

1月9日の夕空。
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今日はちょっとだけ温かかった。IMG_00441
まだまだ寒くなる。

NHK調査の全国新規陽性者数。
全国で8249人。
沖縄が一番多くて1533人。
東京は1000人を超えて1223人。
大阪880人、広島619人。
神奈川443人、埼玉401人。
2022-01-09全国コロナ感染
油断はできない。

日曜日は倉本長治。
その「倉本長治 商訓五十抄」

タイトルは、
「店はお客さまのためにある」
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2003年2月19日の発刊。
私は㈱商業界の専務取締役だった。

2月の商業界ゼミナールに向けて、
急遽、発刊された小冊子だった。

もともとは月刊『商業界』の巻頭に、
倉本長治主幹が書いた文章である。
そこから50編を集めた。

500円の値段をつけて販売したが、
実によく売れた。

私もこれを真似して、
商業界社長になった年に、
2月ゼミナールに向けた本を出した。

それが『Message』
サブタイトルは、
「店に元気を、仕事に勇気を」
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これも50の巻頭言を集めた。

長治師の真似ばかりしていた。

その「倉本長治 五十抄」のなかの一文が、
「人間の味」
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セオドア・ルーズベルトは、
第26代米国大統領だが、
ニューヨーク州知事だったことがある。
そのころの秘書は、
メジモア・ケンダルと言い、
「思い出」を書き残している。

倉本長治は実に博学で、
その手記を読んだことがあるという。

「ルーズベルトの談話を筆記して、
そのとおり間違いなく
タイプライターで打って、
署名をもらい、手紙を出すのが
自分の仕事だったが、
いつも決まってルーズベルトは
署名したタイプ済みの手紙の一部分を
自分で消したり、書き込んだりするのだった」

「ある時、書き込みの多かった手紙を
もう一度タイプライターで打ち直して、
再び署名をもらおうとしたら、
そのときルーズベルトが言った」

『僕がタイプした手紙に、
わざと書き込むのは、
別にトリックではない。
機械で印字した手紙に
自分のパーソナリティ(人間的な味付け)を
盛り込みたいという一心からなのだ。
だから、それを打ち直されてはたまらないョ』

長治は言う。
「機械的な事務処理がますます増えている昨今、
ふと考えさせられるものがある」
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私はこの一文がずっと頭に残っていて、
商業界の編集長のころから毎月、
雑誌が発刊されるたびに、
手書きの手紙を親しい経営者に送った。

商人舎を興してからもそれに倣って、
毎月、月刊商人舎を贈呈するときに、
手書きのお便りを添える。

出張などで出かけている時は、
パソコンで打ったものを送るが、
それは本意ではない。

テレワークが増えて、
やはりワード文章が多くなる。
これも避けたいものだ。

手書きには「人間の味」が滲み出る。

心を正して書かなければ、
文字に乱れが生じる。

「書」と同じだ。

ずいぶん書いていって、
大きな間違いが出ると、
はじめからやり直し。

ルーズベルトのように、
書き加えたりするときは、
吹き出しを入れたりする。

小さな書き間違えは、
ホワイトでちょっと修正したりするが、
基本的に思いのまま一気呵成で書き上げる。

毎月、亀ヶ谷純子さんからは、
達筆の返礼が届けられる。
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これは素晴らしいものだ。

書くことはなかなかに大変だが、
それもルーズベルトや長治師が言うように、
「人間の味」やパーソナリティのひとつである。

そしてそれは、
そのときの自分の精神力などが、
表れたものとなる。

同じように、
手描きのPOPやショーカードも、
「人間の味」が出る。

ただし、いずれも、
「人間の味」が出てしまうところが、
良いとは思うけれど、
またひどく怖いものだ。

〈結城義晴〉

2022年01月08日(土曜日)

「お笑い」と「商売」の時間の総量と幸福の総量

年末年始が終わって、
今年最初の三連休。

成人の日がハッピーマンデー制度によって、
第1月曜日になった。

そんなときに、
オミクロン株による第六波。
重症化の確率も少なそうだし、
ただのインフルエンザだという見方もある。

それでも企業によっては、
テレワークを復活させるケースも出てきた。

アメリカでは金融のシティグループが、
ワクチン接種をしない従業員を、
解雇する方針を出した。
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シティの米国内従業員は約7万人。
昨年10月にワクチン接種を義務化した。
それでも従業員接種率は9割を超える程度。
その1割弱が解雇の危機にある。

会社もそこまでするか?
1割の従業員もそこまでされて接種しないか?

バイデン政権は昨年9月に、
企業の従業員ワクチン接種義務化、
あるいは週ごとの陰性証明を求める。
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それだけオミクロン株を脅威と見ている。

日本はまだのんびりしている。

ブースター接種を期待しながら、
マスク着装と手洗い実施、
ソーシャルディスタンシング。

原則的・基本的なことを、
徹底する。

それがコロナに対してもいちばんいい。
徹底とは、
詳細に厳密に継続すること。
こまかく、
きびしく、
しつこく。

小売業、サービス業の店頭でも、
こまかく、きびしく、しつこく。

よろしくお願いしたい。

商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
12月既存店0.6%増、全店で6.4%増/客単価1.6%増

ヤオコーは昨12月も好調だった。
既存店売上高は前年同月比100.6%、
客数99.0%、客単価101.6%。
買上点数(PI値)100.3%。

ヤオコーの場合、
PI値=総買上点数÷総客数×100
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こういった指標も、
徹底して使う。

つまりこまかく、きびしく、しつこく。

ヤオコーのそういったところは、
大好きだな。

一方、
ベルクnews|
第3Q営業収益2239億円6.2%増・経常利益8.8%増

ベルクも好調だ。
2022年2月期第3四半期の連結業績。
営業収益2229億円(前年同期比106.2%)、
営業利益101億円(109.2%)、
経常利益107億円(108.8%)。

営業利益率は4.5%、経常利益率4.8%。
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ベルクも収益に対してストイックだ。
こまかく、きびしく、しつこく。

これも好きだなあ。

「ほぼ日刊イトイ新聞」
その巻頭エッセイ「今日のダーリン」は、
糸井重里さんが毎日書く。

「学校の勉強は嫌いだし、
なにかを熱心にやるなんて
ダサいと思っているようなやつが、
バンドでギターをやっていたりする場合は、
ものすごく一所懸命に
地道な練習を重ねたりする」
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わかるなあ。
友人にもそういった奴がいた。

「とんでもねーカッコして
ベロ出してるようなギタリストも、
人のいないところで運指の練習とか
やったりしてるわけで、
それを考えると、
たいていのバンドの人たちは、
適当にやってるホワイトカラーより
働き者だと思えるのだ」

運指は「うんし」と読んで、
ギターやピアノの指の使い方。

「スケール練習」と言って、
私も小学生のときにはバイオリンで、
その後はギターでやった。

これも、こまかく、きびしく、しつこくだ。

「じぶんで楽器やってる人たちは、
リスペクトする演奏家たちの音や映像を、
“じぶんも演ってる者”の目で見つめている」

「同じように、
趣味で囲碁や将棋をやっている人が、
プロ棋士や、アマチュアの上級者の
囲碁や将棋を見て、”なるほどぉ”とか
感心しているのもいいなぁと思う」

藤井聡太の妙手。
羽生マジック。
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凄い。

「そっちに不案内なものには、
それが見えないのだ」

売場づくりや売り方、品ぞろえなども、
専門家が見ると「凄い!」と言うのがある。

“一流コンサルタント”の鈴木國朗さんが、
ベルクの売場クリニックをして、
「しびれる店です」と言っていた。
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その通り、プロをうならせるものが、
商売の世界にもある。

これはスポーツの世界にも、
絵画やダンスや演劇などにも言える。

糸井。
「と、そこまでは、ぼくも
ずっと考えていたことなのだが、
このところ、あらためて思ったことがあった」

「年末年始に、漫才やコントの人たちが、
バラエティのタレントとしてでなく、
ネタを見せてくれる機会がたくさんあって、
ぼくもずいぶんそれをたのしんだのだが」

「あの”お笑いという芸”を、
“じぶんも演る者”として
注視している人たちが
山ほどいるんだと気づいたのだ」

「じぶんも”お笑い”で
舞台に立っているという立場で、
“M-1″なんか見てたら、
すごい緊張感があるだろうね」

「松本人志の一挙手一投足が
クラプトンのギターなんだもの。
評判を上げている新人コンビの漫才なんかは、
まぶしいくらいキラッキラに
見えてるんだろうなぁ」
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その”お笑いを演じること”が、
大衆化してきた。

若い人ならだれでも、
手が届くようになってきた。

万代のチーフたちなど、
例外なく、みんなそれができる。

「いま、ぼくが17歳の青年だったとしたら、
昔のじぶんが”バンドやりたい”と思ったように、
たぶん、一度は漫才をやりたいと
思うんじゃないかなぁ」

ん~、バンドは私も同じだが、
お笑いに対してはそれはない。

私は糸井ほど、顕示欲は強くない。

最後の一言。
「本気になれる時間の総量が、
人生の総幸福量かもしれないよ」

仕事で本気になれる時間の総量が、
人生の幸福の総量。

同感だ。

売場づくりも売り方も品ぞろえも、
こまかく、きびしく、しつこく。

〈結城義晴〉

2022年01月07日(金曜日)

七草の日の「桜の木ギャラリー」と「銀座大志満」の「それが自由だ」

七草粥。IMG_00131
ロピア ノースポート店。
1パック399円で、
単品大量販売していた。
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せり、なずな、
ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、
すずな、すずしろ、
春の七草。

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すずなはカブで、すずしろはダイコン。

土鍋で炊く。
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それが粥になる。
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今日は午後、横浜商人舎オフィスに出社。
そして4時前に東京・銀座へ向かう。

その銀座の壱番館ビル3階。
㈱ギャラリー桜の木。IMG_00211

こんな一等地での画廊経営。
代表取締役の岩関禎子さんが説明してくれた。IMG_00231

ワン・トゥ・ワンマーケティング。

その指先が指し示すところに、
千住博「夜桜」。
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そして篠田桃紅(とうこう)。
「空」IMG_00191
昨年3月1日、107歳でご逝去。

このブログで訃報を書いた。

それから橘京身(たちばなきょうみ)。IMG_00201

㈱プラネット会長の玉生弘昌さんが、
この画廊のロイヤルカスタマー。
ここで玉生さんは、
自分の家のようにくつろぐ。
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私も甘酒などいただきながら、
ゆったりと小一時間を過ごした。

「桜の木」というギャラリーの名称。

創業者の岩関和子さん。
「花はひとときだけど幹は一年中
花を咲かせる準備をしているでしょう?」

納得。

そのあと玉生さんと二人、
銀座大志満(おおしま)へ移動。
加賀料理の店。img-privateroom01

個室をとってもらって、
4人のディナー。

玉生さんと㈱True Dataのお二人。
そして結城義晴。

前菜はカラフル。
右上がかぶら寿司、
その隣は芹とあん肝の有馬煮。
芹が入っているのは、
今日が七草だからだろう。
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吸い物、造り盛り合わせに続いて、
煮物は治部椀(じぶわん)。
囲炉裏の鍋で煮た加賀の伝統的な家庭料理
生わさびが乗っていて、
それをほぐして食べる。
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焼物は金目鯛の味噌漬け。IMG_00301
酢の物は牡蠣の蒸篭むし。

そして食事は、
炊き込みご飯か、七草粥かを選ぶ。
迷わず鯛の炊き込みご飯。

デザートはメロン。

酒はエビスビールと森伊蔵のロック。

正月明けから大満足。

ブランチを七草粥で済ました甲斐があった。

食事の間も、
True Dataのマザーズ上場を話題に、
思い出話や将来の話に花が咲いた。

とくに玉生さんが、
プラネットを創業して、
軌道に乗せる物語は一冊の本になる。
池井戸潤あたりが書けば、
ドラマや映画になる。

私もドラッカーのコミュニケーションなど、
いろいろと話した。

左から越尾由紀さんと島崎尚子さん。
二人ともTrue Dataの執行役で、
このゼブラ企業の推進力となっている。

玉生さんが二人を労う食事会。
結城義晴はご相伴に与ったかたち。
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実に豊かなひと時だった。

しかしTrue Dataは、
これからの会社です。

まだまだ信じられないくらいの成長を見せる。
そして玉生さんのTrue Dataへの思い入れは、
プラネットを創業したときに劣らない。

玉生弘昌のビジネスの一方の夢が、
True Dataであり、
その流通産業への貢献である。

朝日新聞一面「折々のことば」
今年の元旦の第2250回。

失敗が許されること 
それが自由です
〈地曳(じびき)いく子・槇村(まきむら)さとる〉

地曳はスタイリスト、槇村は漫画家。
共著『ババアに足りないのは愛!』より。
ババアに足りないのは愛
「お正月は、初詣に出初め、書き初め。
何事もあらためて
まっさらの気持ちで始められる」

そうそう、正月は「まっさら」から始まる。

「同じように、
失敗しても一からやりなおせるのが、
ほんとうに豊かな社会」

「失敗すると再起不能になるなら、
心は萎縮する」

正月は「去年のことは全部、
なかったことにしよう!」が可能だ。

それが自由だ。
豊かな社会だ。

そして失敗は、
「うまくいかない道の発見なのだ」

拙著『Message』に書いた。

――「敗者復活」の土壌は、
社会には必ず存在する。
「敗者復活」の制度も、
会社には用意されていなければならぬ。
それが、挑戦や進歩を
生み出すものだからだ――。

株式を公開しても、
「失敗してはいけない」わけではない。
「失敗したら再起不能」にはならない。

失敗はうまくいかない道の発見である。

その失敗のすぐ隣に、
成功が影を潜めている。

〈結城義晴〉

2022年01月06日(木曜日)

寒の入りの「雪」と3県の「まん防」と「冷静に恐れる」

昨日は二十四節気の「小寒」だった。

小寒から2月3日の節分までを、
「寒」と言う。
あるいは「寒中」、「寒の内」とも。
暦の上で一番寒いほぼ1カ月のこと。

小寒はその「寒」に入る日で、
「寒の入り」とも言う。

さらに小寒と節分の真ん中が「大寒」で、
今年は1月20日となる。

その小寒の翌日、つまり今日、
寒気団が訪れて、雪になった。

横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道にも、
昼頃、チラチラと雪が降り始めた。IMG_99941

そして午後1時、
コニカミノルタ㈱のお二人がやってきた。
齊藤宏さん(左)と川瀬英梨さん(中)。IMG_01071
川瀬さんはコニカミノルタの、
マーケティングサービス事業部コンサルタント。
齊藤さんは、
コニカミノルタマーケティングサービス㈱の、
ショッパーデータプラットフォーム執行役員。

コニカミノルタの「Go Insight」は、
同社特有のカメラ技術を使った、
新しいマーケティング事業だ。
セルフサービス店舗において、
ショッパーの購買行動を科学的に解析する。

かつては店内で顧客の追跡調査をした。
あるいは顧客を観察した。
購買データを分析した。

それらの調査のかわりに、
定置型カメラを使って、
総合的に徹底的に観察する。
そして分析する。

すでにそれらの実験は行われている。

今日はその報告を聞いてから、
その後の座談会の打ち合わせ。

私はこのシステムには、
まだまだ潜在的な可能性があると思う。

それも今後のことだ。

お二人は雪のなかを帰って行ったが、
その雪はどんどん強くなった。

午後2時15分には地面に積もり始めた。IMG_99951

木の枝にも積もり出した。IMG_99971

3時を過ぎると雪はすこしずつ激しくなった。 IMG_00031

木の葉にも雪がまとわりつき始めた。IMG_00041

そして4時を過ぎると、
雪は石畳にも積もり始めた。IMG_00052

今日はどこまで積もるのか。IMG_00062
私は仕事を続けた。

夜になると、
雪は降りやんだ。

しかしまるで満開の桜のように、
雪は地面も木の枝も白一色に染めた。IMG_00082

今日の横浜の雪はとりわけ美しかった。IMG_00072

さて、まん延防止等重点措置。
オミクロン株の感染拡大によって、
日本の第六波が来ていると見ていいだろう。

全国の新規陽性判明者は4475人。
沖縄県は981人、
東京都は641人、大阪府は505人。
広島県273人、山口県181人。

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また数えることが始まった。

沖縄県、広島県、山口県が突出している。
だからこの3県に対して、
「まん延防止等重点措置」が適用される。

沖縄、岩国の米軍基地の近隣エリアに、
変異ウイルスが急速に感染拡大したからだ。

重点措置は都道府県知事が、
市区町村など具体的な区域を決める。

しかし「まん防」で、
感染拡大を止めることができるか。

コロナウイルスにとっては、
雪も雨も風も、
地震も台風も、
まったく関係がない。

新型コロナとの闘いは、
まだまだ続く。

しかし2年間を振り返ってみれば、
ワクチンはできたし、
二度の接種も終わった。

さらに経口治療薬も、
国内産で登場してきた。

コロナとの共生の方法は、
2年前とは比べようもないくらい、
経験的蓄積がなされた。

小売業もサービス業も、
コロナ対策は今や申し分ない。

こうして少しずつ、
私たちは社会全体として、
学習し、成長している。

毎日新聞巻頭コラム「余禄」
幕末のコレラ騒動を取り上げた。

1858年の5月、長崎に、
米艦ミシシッピが入港した。
その乗組員がコレラを持ち込んで、
それはまたたく間に日本全国に広がった。

「長崎の流行が6月だったが、
翌月半ばにはもう江戸で大流行を起こした」

「当時、長崎から江戸まで
徒歩で1カ月余の旅程」

「コレラ菌はほぼ人が旅をする速度で
感染を広げてきた」

さらに「発病3日で落命することから、
“三日コロリ”と呼ばれた」
つまり「コレラの恐怖はその”速度”にあった」

このあたりは、
手塚治虫の「陽だまりの樹」に描かれている。

一方、オミクロン株のスピードも速い。
元日の沖縄県の新規感染者は52人だった。
それが4日に225人、5日に623人。
今日の6日は981人。

もう1000人は間近だ。

黒岩祐治神奈川県知事は、
県内の1日の新規感染者が、
今月中に1万人を超える、
と独自の予測を発表した。

去年の今頃にも、
一昨年の春先にも、
同じようなことが言われた。
「冷静に恐れる」
最近はそれが忘れられている。

むやみやたらに恐れてはいけない。

経験も積んだし、手立てもある。
だから冷静に恐れる。

これはコロナ対策だけではない。

仕事上の障害に直面したときにも、
店舗同士の競合が発生したときにも、
「冷静に恐れる」。

あくまで謙虚であること。
冷静に恐れたうえで、
真の勇気をもつこと。

それが難題を克服する唯一の方法だ。

だから黒岩知事の「1万人発言」には、
ちょっと違和感を感じてしまう。

冷静に恐れる。

これは、
臆病風に吹かれることではないし、
恥でもなんでもない。

〈結城義晴〉

2022年01月05日(水曜日)

「擦り合わせないと磨かれない」競争と年末低調大衆品販売

新型コロナウイルス新規陽性者数。
増え始めた。
NHK調査の全国県別新規感染者数。
全国コロナ

全国で2638人。
沖縄が623人。
東京は390人、大阪が244人。

「またか!」
そんな気分になってくる。

オミクロン株は感染力はあるが、
重症化する人は少ないらしい。

それでも感染したくはないし、
人にうつしたくはない。

沖縄には第六波がやってきた。

さて、昨年末挑戦。

日経新聞1月4日版の「ニュース一言」
本杉吉員㈱いなげや社長。
「原材料の値上げや石油価格高騰の一方で、
消費者は安い食品を求めている」
いなげや本杉社長
本杉さんが言うように、
確かに価格コンシャスは高まっている。

「完全ではないが外食に
消費者が戻りつつあることも響き、
利益が得にくい厳しい戦いになる」

消費の外食への回帰もある。
それが12月の兆候だった。

私のところに入った年末商戦の情報。
第1に地域間格差が出た。
前年対比の売上げ数値は、
都市部と地方では、
地方が圧倒的に良かった。

帰省が増え人の流れが生まれた。
そんな潮流の中で、
2020年末よりも地方が潤った。

その分、都心や首都圏、関西圏は消費減退。

第2に食品に関する商品別の動向は、
大衆品やコモディティ商品が伸びず、
コストパフォーマンスの高い
高級品や高額品が売れた。

これは月刊商人舎1月号で、
私が「予言」した潮流にピタリ。

ロピアノースポート店。
生本マグロブーメランカットは、
100グラム777円だが、
1パック2700円台から3700円台。
IMG_99861

北海道産毛ガニは 、
1パック9999円。
小パックは7980円。IMG_99881
ロピアは広域商圏から顧客を集めるし、
そのなかには高所得者もいるだろう。
だからこういった商品が売れる。

とくに食品需要に関しては、
安さばかりではない。

コモディティディスカウントは必須。
しかしそれに飽きてしまった顧客も多い。

月刊商人舎新年号、
来週発刊。

読んでみてください。

いなげやの本杉社長。

仕入れの優位性を確保するため
「(筆頭株主の)イオンが手がける
プライベートブランド商品も
ニーズに応じて有効に活用していく」

いなげやも㈱ベルクも、
イオンの持ち分法適用会社だ。

トップバリュを売ることができる。
それを「ニーズに応じて有効活用」する。

さらに、
「グループ会社間での共同仕入れなど、
費用削減も進める方針だ」

この考え方は妥当だ。

いなげやも年末商戦は、
100%超えはできなかっただろう。

それでも都市部の店が多いから、
現場は奮闘したと思う。

日本全国のスーパーマーケットの基準は、
ライフコーポレーションと言っていい。

そのライフの12月実績は、
多分、全店で100%ギリギリ、
既存店で99%台前半だろう。

これ以上ならば「良」、
これ以下ならば「不可」と言ったところか。

コモディティばかりに目がいけば、
ディスカウント色が強いチェーンにやられる。

オーケーもドン・キホーテも、
ロピアもよかったに違いない。

オーケーなど、
売場を見ていると、
値上げされた商品やカテゴリーが、
よく売れている。

朝日新聞「折々のことば」
昨日の第2252回。

磨くということは、
何かと何かを
擦り合わせること。

擦り合わせないと
磨かれない。

(ハート&アート空間ビーアイの関口怜子代表)

関口さんは、仙台を拠点に、
子どものための
アート・ワークショップを展開。

「物は他の物と何度もこすれ合うことで
ぴかぴかしてくる」

「人も同じ」

商人も商店も同じだ。

「自分とは異質な人、理解しにくい人、
話がうまく通じない人との摩擦を
くり返し体験する中で人として
艶(つや)やかになってゆく」

別のいい方をすれば、
競争でもある。

「そんな遭遇を希(のぞ)むなら
自分のほうから出かけていかなくちゃ」

「競争は人を磨く砥石だ」
これは平富郎㈱エコス会長の言葉。

「あなたは競争が好きですか?」
「あなたの仕事は競争です」

これは結城義晴のMessage。

野球もサッカーも、
ゴルフもテニスも。
囲碁も将棋も。

競争の中にある。

そして名選手は競争で磨かれる。
擦り合わないと磨かれない。

だから競争から逃げてはいけない。
顧客は競争を面白がっている。

競争の2022年が始まった。

〈結城義晴〉

2022年01月04日(火曜日)

横浜鶴見の陣のオーケー・サミット・エイビイ・ベルク・パレッテ

三が日が明けて御用始め。
公官庁の仕事始めの日。

小売業、サービス業を除く、
民間企業も今日の1月4日、
あるいは1月5日が始業日となる。

株式市場も大発会の日が今日だが、
生鮮食品の卸売市場は明日から開場する。

今日は正月の店舗クリニック。
横浜市鶴見区と川崎市幸区、
さらに横浜市都筑区。

まずは鶴見区の激戦地。
大阪鶴見の陣を特集したけれど、
横浜鶴見の陣ができるくらいだ。

江ヶ崎町と新川崎、尻手のあたり。
尻手黒川線沿いに、
サミット㈱がドミナントを敷いていた。

サミットストア南加瀬店、
同クロスガーデン川崎店、
同新川崎店。

車で5分間隔で面展開していた。
まずそのサミットストア新川崎店へ。

島忠ホームズ新川崎店のショッピングセンター。
IMG_99451

もちろんホームズ家具店が核店舗。IMG_99371

もう一つの核がサミットストア。IMG_99381
3日まで休業して、
今日の4日が新年の開業日。

店舗入り口には、
同社独自の「案内係」が陣取って、
顧客と会話していた。

店頭の青果部門は、
価格政策を強化して、
なおかつ初日からポイント5倍セール。IMG_99421
サミットらしい丁寧な売場づくりで、
三が日を休んだ打撃はなさそうだ。

激戦区でもしっかりと顧客をつかんでいる。

そのサミットと車で5分もしないところに、
オーケー川崎小倉店。

クロスガーデンというSCへの出店だ。IMG_99361

この店は昨年10月28日オープンだが、
その前はサミットストアだった。
昨年1月に閉鎖。

核店舗はYAMADAテックランド。IMG_99271

地下1階にオーケー。
エスカレーターを降りていくと、
ミカン一色。
その隣はバナナ一色。
IMG_99281
オーケーらしく、
店中が高品質Everyday Low Price。

しかしゴンドラエンドの米など、
独特の品揃えだ。
秋田県産あきたこまちは、
10キロ+1キロと5キロ+500グラムで、
どちらも精米日は1月3日。

米の精米日に鮮度がある。
しかも1割増の容量で、
低価格と増量・鮮度のお買い得感満載。

オーケーのマーチャンダイジングの、
独自性は明らかに競争優位を確立している。

そのオーケーとサミットと、
三角形の頂点に当たる位置に、
エイビイ新鶴見店。IMG_99481

2018年9月オープン。
新年は1月4日まで休業で、5日始業。IMG_99461

もちろんいまやヤオコー傘下の、
ディスカウントスーパーマーケット。

開店日を間違えて顧客が、
自転車や車で店を訪れていた。IMG_99491
サミットはドミナントエリアに、
オーケーとエイビイに侵入された。

強い企業同士の競合。

そして強い者は、
新年も元日からは営業しない。

本格的な激戦は5日開始となる。

一方、国道一号線を超えた3キロほどのところに、
ベルク フォルテ森永橋店。
2014年11月26日オープン。IMG_99721
フォルテ森永橋への出店。

商圏が異なるから、
サミット、オーケー、エイビイとは競合しない。

悠々と商売をしている感じだ。IMG_99741

ベルクは元日に休業して、
2日から営業開始。
火曜水曜は恒例の均一セール。IMG_99751

ベルクらしい手堅い商売をしている。
しかし古いタイプの店舗で、
7年の時間の経過を感じさせられる。IMG_99781

さらに鶴見川を渡って、
パレッテ下末吉店。IMG_99521

イオンが取り組んだ小型ディスカウント店。IMG_99671

今、5店舗になっている。
圧倒的な低価格で、
生鮮食品はクレート陳列、
グロサリーは段ボールカット陳列が主体。

一言で言えばドイツのアルディ型ボックスストア。
もちろん日本流、イオン流にアレンジしてある。IMG_99711
実に面白いフォーマット実験への挑戦だ。
さらにイノベーションが必要だが、
それは徹底したローコストの追求とともに、
顧客を引き付けるものの獲得だ。
これだけの低価格激戦区への出店。

パレッテらしさが必要となる。

それはコンビニエンスの特徴だ。
セオリー通り商勢圏狙いの出店だから、
まずは100店くらいが必須だろう。

最後に車を飛ばして、都筑区へ。
ノースポートSC。IMG_99811

ここに入ったロピアノースポート店。IMG_99841

ロピアも4日まで休業だが、
この店やららぽーとの店舗は元旦から開けた。
ただし時短営業で夕方は6時まで。

そのロピアは大繁盛。IMG_99891

肉のロピアのインショップなど、
夕方には品切れが見られた。
しかし売り切れ御免のロピア。
顧客も納得している。
IMG_99901

ポストコロナ時代には、
強い者同士の直接競合となる。

それぞれの違いを出して、
つまりポジショニングで競争する。

私の持論が現象化している。
2022年正月からそれが確認出来て、
大満足のクリニックだった。
IMG_E99921
大阪鶴見の陣と横浜鶴見の陣。

どちらも面白い。

面白くなければスーパーマーケットじゃない。
本当の面白さは激しい競争にある。

艱難は商人を鍛える。
だから競争を楽しむレベルになる。

楽しければ成長がある。
みんな頑張れ。

〈結城義晴〉

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