結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年12月03日(水曜日)

ドンキの実験店「Re:Price」と「外国人1割社会」へのまともな備え

12月3日。

13年前は立教大学のキャンパスに、
なぜか毎日通っていた。

昼は銀杏の葉が輝いていた。
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それが午後には、
色合いが変わった。
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今年の銀杏の落葉は異常なくらい多い。

そう思っていたら、
ドイツのベルリンも同じようなのだ。

日経新聞夕刊のエッセイ「あすへの話題」
芥川賞作家の多和田葉子さん。
いつもノーベル文学賞候補に挙がる。
ドイツのベルリンに住んで、
日本語とドイツ語で小説を執筆する。
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「今年は冬になっても、枯れ葉が、
道端にどっさり山積みになったままで
片付ける人がいない」

あらら、横浜も同じだ、と思った。

「それにしても、
落ち葉の量の多さには呆(あき)れる」

「自然は、経済的な考え方をしないのか、
春から夏にかけて多量の水や光を使って
生産した葉っぱを毎年枯らしてしまう」

ここで書くことの話。
「小説を書いていても、
『濡れ落ち葉』は大量に出る」

「クリックして消してしまうのは
もったいない気がして、
『肥やし』というファイルに入れて
保存している」

「そうしておけば、
将来の小説の肥やしになるのではないか
という気がするからである」

同じだ。

私は商業界時代は「日暮綴り」というファイル、
今は「良い情報ファイル」に収納する。

「しかし、このファイルに一度入れたものが
役に立った覚えは一度もない」

あはは、同感だ。

今日も1日、商人舎オフィス。
原稿執筆と手直し、入稿。
明日には終わらせる。

商人舎流通SuperNews。

ドン・キホーテnews|
オフプライス実験店「Re:Price」熊谷に12/16開業

㈱ドン・キホーテの新フォーマット。
「Re:Price」
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12月16日(火)に「熊谷ニットーモール店」を開業する。

ターゲットは30~50代女性。
美容・健康・タイパの驚安商品に特化した店。

「Re:Price」は、
「価格を再発見」するという意味らしい。
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タイパとコスパのいい買物。

アウトレット品やオフプライス品。
店内は⑴美容、⑵健康、⑶タイパの、
3つのカテゴリーに分けて展開される。
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埼玉県の熊谷市。
JRと秩父鉄道の熊谷駅近くの、
「ニットーモール」に入居する。

コスメ・スキンケア関連商品が約4割、
そのほかに食品、日用雑貨、理美容、衣料品など。
売場面積は65坪。
約2000~3000SKU。

アメリカのバラエティストアだ。

米国ではアウトレット品は、
アウトレットモールで売られる。

オフプライス品を買うには、
オフプライスストアの大チェーンがある。
TJXやロスドレスストアーズ。

日本にはこれがないから、
「Re:Price」も成立するかもしれない。

4桁を超える大チェーンになったら、
採算にも乗るし、面白い。

さて最後に気になったコラム。
日経新聞「大機小機」
コラムニストは神羊さん。
キリスト者なのだろう。

タイトルは、
「『外国人1割社会』への備え」

7月の参院選の参政党。
「日本人ファースト」を掲げた。

外国人政策への関心が一気に高まった。
排斥運動のような動きもある。

高市早苗政権も外国人政策を見直すらしい。

国立社会保障・人口問題研究所の2023年推計。
総人口に占める外国人人口の割合は、
2020年の2.2%から70年には10.8%まで上昇する。

「外国人1割社会」が視野に入ってきた。

「経済的なプラス面として、
人手不足対策がしばしば挙げられるが、
これは正しくないだろう」

「日本側の都合で、人手不足の穴埋めに
外国人人材を充てることを続ければ、
いずれ外国人材の確保は難しくなる」

しかも円安が進んで、
日本の賃金の魅力は下がっている。

「アジアを中心とする外国人人材にとって
日本の魅力は高い技能をしっかりと
身に付ける場所であることだ」

仕事の技術はまだ国際的に一流だ。

「外国人側の視点を持たないと日本は早晩、
外国人材に選ばれない国になってしまう」

外国人技能実習制度は見直されて、
新たに27年4月から育成就労制度が始まる。

外国人実習生に過酷な労働環境を強いて、
人権侵害を生んでいるケースもあった。

外国人実習生を特定技能1号から、
より高度な特定技能2号へと、
順次移行させることで、
質の高い人材を長い間確保していく。

「外国人1割社会」が生まれる70年ごろには、
外国人の増加によって、日本の成長率は
毎年0.2%以上押し上げられる計算だ。

「特定技能2号のもとで、
在留資格が事実上無期限となり、
さらに家族の呼び寄せができるようになれば、
それは人口の増加、出生率の向上にもつながる」

「こうした経済的なメリットを
正確に理解した上、
必要な対策を講じつつ
外国人との共生を日本は
しっかりと目指していくべきだ」

実にまともな発言だ。

コンビニにもスーパーマーケットにも、
フードサービスにも、
きちんとした外国人の店員さんは多い。
現場を支えてくれている人は数多だ。

きちんとした対応をしている雇用側の企業も、
これまた多い。

デモクラティックな組織ならば、
まともな対応ができる。

それがとくにアジア諸国との国際関係を、
よりよくしていくことになると思う。

〈結城義晴〉

2025年12月02日(火曜日)

「障害者、18歳人口から除外」と「デモクラティック」な組織・社会

組織はすべからく、
民主的であるべきだ。

小売業やサービス業は、
人間産業であるから、
とくに民主的な組織でなければいけない。

『サミットスタディ』(1993年商業界刊)。
サミットスタディ

巻頭のインタビューで、
荒井伸也さんが言った。

「スーパーマーケットは、
デモクラティックなビジネスです」IMG_8825 (002).jpg2

私はこの言葉を忘れない。

ピーター・ドラッカーも究極のところは、
デモクラティックな組織を説いた。

今日も1日、商人舎オフィス。

二人の来客。
鎌田真司さんと上本寛子さん。
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鎌田さんは㈱BSK代表取締役社長、
㈱シジシージャパン顧問。
上本さんは有限会社BAMBI取締役、
マーケティングデザインプロデューサー。

この秋によく来ていただいて、
情報交換し、ディスカッションしている。

テーマは「女子力」

スーパーマーケットが、
デモクラティックであることを、
証明する内容だ。
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毎日新聞の昨日の一面トップ記事。
スクープといっていいだろう調査。
「障害者、18歳人口から除外」
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文部科学省の「学校基本調査」は、
教育政策の重要指標だ。

そのなかの「18歳人口」は、
大学の進学率の算出などに使用される。
中央教育審議会が参照する基本調査だ。
審議会は文科相の諮問機関である。

この重要な集計から、
「特別支援学校」の卒業者が除外されていた。

「特支」と略されるが、
障害のある児童や生徒が通う学校のことだ。

視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、
そして病弱などの様々な障害に対応して、
幼稚園から高等学校までに準じた教育をする。

盲学校(もうがっこう)、聾学校(ろうがっこう)、養護学校は、
特殊教育諸学校と称していたが、
2007年4月1日から同一の学校種として、
「特別支援学校」となった。

特別支援学校には、
幼稚部、小学部、中学部、高等部、
それに「高等部の専攻科」がある。

「学校基本調査」は国の「基幹統計」の一つだ。

学校数や児童・生徒数、入学者・卒業者数などを、
幼稚園や小中学校、高校、大学、
そして特別支援学校などから毎年、
聞き取って集計される。

毎日新聞はこの学校基本調査報告書を、
遡って調べた。
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大学進学率は1999年度の報告書から登場した。
「大学入学者」の数を「3年前の中学校卒業者」数で、
割り算して計算される。

これが一般に「進学率」と発表されるものだ。
中学卒業時点の数字を利用したのは、
義務教育段階で網羅的に集計できるからだ。

ところが1954年の初出の時点で、
「中学卒業者」の中に、
特支中学部の卒業者が含まれていなかった。

そして「特支」を除外する運用は、
今も続いている。

2024年の18歳人口は106万3451人だった。
その24年度の大学進学率は59.1%と算出された。
これは過去最高だったと説明された。

一方、学校基本調査の特支中学部の卒業者は、
24年に1万892人だった。

99年と比べると3000人以上増えている。
発達障害への理解が進んだためだ。

ここで2021年の特支卒業者9836人を、
「中学卒業者」に合算すると、
18歳人口は107万3287人になる。
そして大学進学率は58.6%に下がる。

1999年以降の特支中学部卒業者を含めて、
大学進学率を計算すると、
文科省が公表している数字のほうが、
0.17~0.54ポイント高くなるし、
その差は拡大傾向にあった。

特支中学部卒業者を合算しない理由について、
文科省の担当者は説明している。
「特支では就学猶予などによって
年齢と学年が一致しないことがあり、
特支を加えると18歳人口に18歳を超える人も
含む可能性があるため」

これも言い訳にしか聞こえない。
「特支で就学猶予を受ける人数は、
卒業者全体と比べるとごくわずか」

そのうえ通常の小中学校でも、
けがや病気で留年する仕組みがあるから、
年齢と学年が一致しなくなることはある。

教育にかかわる文科省側に、
差別意識がなかったとは言えない。

大学進学率を高く報告したいという、
そんな忖度(そんたく)があったかもしれない。

教育はデモクラティックでなければならない。

それを担当する行政府に、
わずかでも官僚化がはびこることは、
私たちの社会全体の衰退を招く。

小売業、サービス業、製造業も卸売業も、
デモクラティックな組織でなければならない。

民主的な社風でなければ、
生存も成長もできない。

忘れてはならない。

〈結城義晴〉

2025年12月01日(月曜日)

ツルハ&ウエルシア経営統合と「競争はあなたの仕事です」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㊽]

2025年第49週。
カウントダウンすれば、
あと5週間。

今日から師走で、
あと1カ月。

今年の商人舎の仕事納めは、
12月26日(金曜日)。

25日の木曜日が来年の1月号責了の日。
つまりあと1冊分、雑誌をつくる。

それまでトップインタビュー、
店舗取材などが目白押し。

そして新年号をつくって、
今年が終わる。

頑張ります。

ただし27日(土)、28日(日)は、
恒例の拡大名人会。

そのあとの年末際は30日まで、
今年も店舗視察をする。
詳細はまだ決まっていない。

13年前の12月1日。
立教大学池袋キャンパス。
銀杏が美しかった。
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今日は1日、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎12月号の原稿執筆と入稿。

午後3時半からオンライン記者会見。

㈱ツルハホールディングスと、
ウエルシアホールディングス㈱が
経営統合を完了した。
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2社合わせて5659店舗、売上高2兆3124億円。
国内ドラッグストアチェーンとして、
圧倒的な規模の企業が誕生した。
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統合後の2026年1月以降は、
ウエルシアがツルハの100%子会社となる。

社名はツルハホールディングス。

そしてイオン㈱は、
ツルハHDの株式50.9%を所有する。
つまり新生ツルハホールディングスが、
イオンの子会社となる。

イオン吉田昭夫社長(左)と、
ツルハ鶴羽順社長(中)、
ウエルシア桐澤英明社長(右)が、
壇上で会見した。
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リアル会場とZOOMによる開催。
私はZOOMで視聴した。

当初、新中期経営計画を公表する予定だったが、
株価影響およびのれん算出の影響を考慮して、
数値目標や業績見通しの開示はなかった。

そこで両者の「経営統合後ビジョン」の発表となった。

新生ツルハホールディングスの鶴羽社長は、
「規模の追求ではなく、理念の追求」と表現して、
統合の意義を語った。
堂々としていた。
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店舗の目指す姿として、
「ライフストア(LIFE STORE)」のコンセプトを示した。
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ライフストアの定義は、
顧客の「人生そのものに寄り添う」店。

食品、日用品などを中心とする、
今までのドラッグストアの機能に加えて、
未病、予防など顧客の人生に寄り添う店を目指す。

実現に向けて、2段階のフェーズを設定する。
2029年2月期までをフェーズ1として、
ヒト、モノ、金、情報を統合して、
ライフストアづくりのための基盤構築を図る。

2032年2月期までのフェーズ2では、
介護領域を含めたライフストアへの進化と、
海外展開を進める。

イオンの吉田社長。
「健康社会をリードするグローバル企業に近づいた。
統合効果を発揮するために新生ツルハを力強く支える」

「フォーマット開発から、
インフラ、人材交流まで、
支援を惜しまない」
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統合会社の桐澤取締役営業管掌は、
「ウエルシアにとって未来への大きな一歩。
医療や介護のニーズも多様化している。
変革に挑戦する」と語った。

また両社共通のプライベートブランドは、
「+1(プラスワン)」と命名し、
現在の既存ブランドを廃盤にして、
「ドラッグストアならではの付加価値」を追究する。

月刊商人舎11月号。
「薬+食」の正体
ドラッグ&フードに傾いていく日本消費市場202511_coverpage

新生ツルハホールディングスは、
「ドラッグ&フード」のフォーマットを開発する。
フードが24.5%くらいの構成比だ。

マツキヨココカラ&カンパニーは、
「HBC中心型」である。
食品が10%以下のドラッグストアがこれだ。

コスモス薬品は食品の構成比61.2%で、
「フード&ドラッグ」フォーマットを貫徹する。
食品が5割を超えるのが「フード&ドラッグ」。

三者三様。

ほとんどのドラッグストアは現在、
「ドラッグ&フード」から「フード&ドラッグ」へ、
移行中だ。

「薬+食」のコンバインは、
想像を超える「パワー」をもつ。

この号の問題提起は、
「食品専業スーパーマーケットや、
コンビニエンスストア、
食品頼みになってきた総合スーパーは、
この『ドラッグ&フード』の躍進を、
指を咥えて眺めていていいものか」

ここにある。

そんななかでいよいよ、
新生ツルハがスタートした。
年商2兆3000億円。

食品だけの売上げ規模は、
約5665億円。

日本スーパーマーケット番付と比較すると、
4位のオーケーや5位のアークスに迫る。

「フード&ドラッグ」や「ドラッグ&フード」の躍進で、
食品消費市場の競争は別の次元に入る。

つまり来年は異業態間競争が、
さらに激しくなる。

そんなことを感じた記者会見だった。

では、皆さん、今週も、
競争はあなたの仕事です。
Good Monday!  

〈結城義晴〉

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コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

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