結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年06月04日(土曜日)

「出生率6年連続低下」と「二千日手」と「艱難の商人」

6月4日。土曜日。

私は横浜商人舎オフィスに出社。
月刊商人舎6月号の最後の詰め。

大量に原稿を執筆して、
デザイナーの七海真理さんに送る。

すぐにデザインが仕上がってくる。
これを「初校」という。
それを2人以上で校正する。
ダブルチェックだ。

それを再び七海さんに送る。
赤字が入ったところを直してくれて、
また送られてくる。
これを「再校」という。

この再校をやはりダブルチェックして、
直しがあればそれを送る。

直しがなければ、
「責了」する。

雑誌や本をつくることは、
手間がかかります。

それでもいい雑誌が出来上がれば、
これ以上の喜びはない。

さて、今日は様々なニュースがあった。
それを短くダイジェストしよう。

まず第1に、
夏の参議院選挙。
自民党の茂木敏充幹事長が発言。
「間違いなく6月22日公示になる」

投開票日は7月10日になる。

今、通常国会が開かれている。
第208回常会。

今年1月17日に始まって、
会期は150日間。

ロシアのウクライナ侵攻は、
この208回通常国会開催中のことだった。

だから日本政府や行政の対応は早かった。

その通常国会は、
6月15日に会期末を迎える。

参議院選はそのあとだ。

17日間の恒例の選挙期間を想定すると、
投開票日は7月10日の日曜日となり、
公示は6月23日になる。
ただしこの日は「沖縄慰霊の日」だ。

そこで公示日は、
1日前倒しされる。

梅雨の選挙となる。
そしてそれが日本の趨勢を決める。

第2のニュースは、
「出生率6年連続低下」
日経新聞は一面トップで取り上げた。

厚生労働省の発表。
2021年の合計特殊出生率は、
1.30だった。
1人の女性が生涯に産む子どもの数を、
合計特殊出生率という。

これは6年連続で低下。
出生数は81万1604人で過去最低。
前年比より2万9231人も減った。

出生率の過去最低は、
2005年の1.26だが、
21年の1.30は過去4番目に低い。

前年より0.03ポイント低下した。

出生率1.5未満を「超少子化」と呼ぶ。
1.3未満はもう言葉にならないくらい深刻な状態だ。

厚労省は何とも無責任な見解を出す。
「15~49歳の女性人口の減少と
20代の出生率低下」

世界的にコロナ禍によって出生数が減っている。
しかし米国は21年に約366万人の出生。
7年ぶりに増加。
出生率は1.66。
前年の1.64から上昇。

フランスは21年出生率1.83。
20年は1.82だったから0.01ポイントの上昇。

ドイツも21年の出生数は増加する見通しだが、
手厚い少子化対策が素早い回復を促した。

出生数から死亡数を差し引いた自然減は、
62万8205人で、過去最大。

「商売は人口動態の通りにせよ」
故渥美俊一先生の言葉を思い出す。

その通りにするならば、
日本全体の小売業や商業は、
商売を縮小していかねばならない。

政治の最大の責任は、
この出生率の減少を食い止めることだ。

参議院選挙でも、
この点に言及する候補がいるか。
注目したい。

第3のニュースは、
将棋の棋聖戦第1局。
棋聖位についているのは今、
藤井聡太五冠、19歳。
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挑戦者は永瀬拓矢王座、29歳。

二人は、
「VS」と呼ばれる練習対局のパートナーだ。
手の内を知り尽くしている。

長瀬がデビュー直後の藤井に呼びかけて、
練習対局を繰り返し、
自分も強くなった。

なかなかに切れる男だ。

その二人の第一局。
なんと千日手となった。

局面が行き詰って、
両者が同じ手順を繰り返す。

千日も続くのではないかという手順。
そこで千日手というが、
こうなったら差し直しされる。

つまりやり直し。

こういったタイトル戦で千日手となることは、
多くはない。

しかし差し直した2局目も、
千日手となった。
つまり「二千日手」

そこでさらに差し直し。

この対局を永瀬が制して、
藤井は初戦を落とした。

粘りの永瀬と言われるが、
珍しく藤井がそれに屈した。

しかし「二千日手」とは、
凄いことだ。

第4のニュースは、
「セルコレポート」到着。IMG_3102 (002)2

日本セルコチェーンは、
60周年を迎えた。
その記念号だ。

おめでたい。

私は連載の2回目を書いた。
IMG_3104 (002)2

「艱難は商人を鍛える」
これが連載タイトルだが、
今回は「値上げラッシュに知恵を出せ」IMG_3106 (002)2
主人公は故中内功さん。
そう、ダイエー創業者。

中内さんは「内臓逆位」だった。
つまり心臓が右についていた。

その話を書いた。

その艱難を乗り越えて、
日本一のダイエーをつくった。

艱難は商人を鍛える。

日々、進んで、
鍛えられましょう。

人口減少もなんとか止めましょう。
二千日手も何のその。

人生は艱難の中にある。

〈結城義晴〉


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