ニチリウ・バイヤーセミナーの52週MDとバイヤーズマニュアル

関東付近に梅雨前線が復活。
気象庁、正しい判断だった。
ホッとしたことだろう。
しかし大阪は梅雨明けしたにもかかわらず、
蒸し暑い。
昨日夜からその大阪。
ニチリウグループ・バイヤーセミナー。
㈱日本流通産業が主催する。
1泊2日の研修会。
バイヤーセミナーは2021年に開始。
年1回の開催で、今年は4回目。
ニチリウグループの加盟企業から、
51名が参加。
10時半からスタート。
司会は松吉佐知子さん。
日本流通産業人事総務部人事総務チームリーダー。
講義は結城義晴と鈴木哲男さん。
鈴木さんは㈱REA会長で、
もちろん52週MDの開祖。
ニチリウが創設されたのは1974年、
大規模小売店舗法が施行された年だ。
ニチリウ創設のトップたちは、
大いに危機感を持っていた。
それが共同仕入れ機構となった。
今もトランプ関税をはじめ、
危機感は強い。
だからこの6月23日、
Aコープ共同機構がニチリウに参加した。
9社で476店舗、2997億円の売上高だ。
ニチリウは16社、3生協、2641店。
2024年2月期で総売上高3兆8296億円。
全国の優良なチェーンストアが加盟する。
講義はそんなことを語った後、
まずは「コロナは時間を早めた」を、
スライドで講義した。
膨張と成長は重要な考え方だし、
トレードオンはバイイングにとっても、
今、必須の概念だ。
それからマネジメントの6つの体系、
マーケティングの位置づけを講義した。
昼食をはさんで午後は、
鈴木哲男先生。
テーマは、
「バイヤーのための52週MD&ストアコンパリゾン」
店舗の52週MDを実現するために、
商品本部とバイヤーがなすべきことを、
具体的な事例をもとに、講義する。
鈴木先生自身の調査や各社の事例をもとに、
実践的な技術を解説してくれる。
バイヤーにとっても学ぶことは多い。
3時間を一気呵成の講義。
いつも以上に乗っている印象だった。
テーマは、
「実践バイヤーズマニュアル」
チェーンストアにおけるバイヤーの機能と位置づけ、
バイヤーとマーチャンダイザーの違い、
バイイングの基本、
取引先との関係づくりと条件などを講義する。
初日の講義の最後は、
ブルーオーシャン戦略。
「ERRCアクション・マトリックス」。
4つのアクションはバイヤーにとって、
必須の仕事である。
それから「バリューエンジニアリング」。
その5つの考え方。
4番目と5番目に力を入れてほしい。
とくに5番目に拒否感をもってはならない。
講義が終わると、
参加者は9つのグループに分かれて、
ディスカッション。
学んだことから課題を決めて、
その解決施策を検討する。
明日はその発表もある。
夜7時からは、
交流を兼ねた食事会。
もちろん司会は松吉さん。
講師と事務局もかんぱ~い。
真ん中は、酒井幸男さん。
人事総務部部長。
鈴木先生と事務局のお二人、
そして商人舎GMの亀谷しづえ。
ニチリウグループ企業の動向や、
関西マーケットの競争状況、
さらには激変するチェーンストア産業など、
話題は尽きなかった。
懇親会の終盤には参加者との撮影タイム。
最後はサンエーの皆さんと、
アメリカ視察の話で盛り上がった。
皆さんをアメリカに連れて行って、
一緒に学びたい。
そう思った。
ドナルド・トランプの書簡が届いた。
日本に対しては25%の関税をかけるという通達。
それを跳ね返す力は、
日本の政治にも経済にもない。
しばらくはそれを受け入れるしかないのか。
しかしこれによってバイイングは変わる。
かつてと同じソーシング活動は、
これからできないだろう。
それでも経済行為の本質は、
リスクを負うことだ。
ピーター・ドラッカー先生が、
力強く言い切った。
それは私たちに対する励ましの言葉だ。
(つづきます)
〈結城義晴〉