ひこばえの会で話した「無印のころ」と「起業家精神」

ちょっと涼しい土曜日。
大学生のころ、歌をつくった。
メロディーとコード進行は覚えているが、
歌詞は確かではない。
御免。
夕方、再び家を出て、
白幡クラブの会計報告書にサインをした。
ささやかな地域ボランティア。
その足で日ノ出町へ。
高校時代の同人誌「孼(ひこばえ)」の仲間。
7人いるけど、今日は4人。
ずっと正月に会っていたが、
コロナが収まったころから、
3カ月に一度、集まることにした。
左の廣部秀一は一番の多作家で、
長い小説を書いていた。
その隣の関孝和が世話人で、
関も小説家だった。
近況を報告すると、必ず病気自慢から始まる。
ずいぶん飲んでから私は、
商業界の社長を辞めたころのことを、
思い出しながら話した。
最初の「無印」のころ、
横浜の関内にあった名刺屋に飛び込んで、
一枚の名刺をつくった。
肩書のないグレーの名刺だ。
住所と電話番号、メールアドレスと、
結城義晴のblog[毎日更新宣言]のアドレス。
それだけの名刺。
その前のものは、
株式会社商業界代表取締役社長。
株式会社商人舎をつくって、
その代表取締役の名刺ができた。
今も変わらない。
すぐにこんな名刺もできた。
コーネル大学RMPジャパン副学長。
いずれも懐かしい。
最初のグレーの名刺を制作してくれたのが、
㈱日本名刺印刷。
その鈴木堅社長とはとても親しくなって、
雑誌などの印刷を一手に、
お願いするようになった。
商人舎編集スタッフの鈴木綾子さんは、
鈴木社長の義理の妹だ。
雑誌などのデザイナー七海真理さんは、
鈴木堅さんの実の妹。
古巣の商業界とは、
まったく関係しない人たちと出会って、
ゼロから出発した。
大変なことだったが、
それがよかったと思っている。
今、いろいろな人が、
会社から独立して仕事をしようとしている。
前職で一社員としてやっていた仕事や事業を、
断りもなしに自分のもののように始めたりする。
これは明らかなルール違反だが、
そんなことがまかり通るはずはない。
もちろんそんな事業は成功しない。
たった一人で、
あるいはわずかの仲間と、
ゼロから始める。
それが「起業家精神」であり、
企業家精神である。
そんなことを話した。
ピーター・ドラッカー。
「企業家は変化を当然かつ健全なものにする」
「彼ら自身は、それらの変化を
引き起こさないかもしれない。
しかし、変化を探し、変化に対応し、
変化を機会として利用する」
「これが企業家および企業家精神の定義である」
前職の仕事をそのまま盗むことなど、
起業家精神とは正反対の恥ずべき行為だ。
関君からは手製の線香花火を貰った。
今も「科学の祭典」のブース代表をしている。
そのブースで子供たちに、
線香花火のつくり方を教える。
いい気分で孼の会は終わった。
無印のときにこそ、
自分の力が試される。
その自分の力を信じる。
そこから始めるのがいい。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
肩書のないグレーの名刺、凛として美しいです。
覚悟とか、使命感とか、ワクワク感とか、そういったものを感じます。
ありがとうございます。
そういった決意でした。