驚き!! スチューレオナードとウェグマンズ、イータリーの明暗
Everybody! Good Monday!
[2013vol36]
2020年東京オリンピック、
パラリンピック開催。
心からおめでとう。
これから7年間、
日本のスポーツ界はもとより、
消費も経済も、
活発になる。
元気になる。
何よりもうれしい。
しかし誘致活動の挙句の結果、
私が実感したこと。
「たいていの場合、勝利とは、
自ら勝ち取るものではない。
敵から恵んでもらうものである」
塩野七生さんの『ローマ人の物語』より。
それでも勝利は勝利。
精一杯、その勝利を喜び、
その上でご利益に結び付けたい。
清水信次さんが言っていた。
「オリンピックは東京だけのものではない。
オール日本で行かなきゃあ駄目だ」
日本チェーンストア協会会長、
生団連会長、
ライフコーポレーション会長。
その通り。
安倍晋三首相は、
「成長の追い風になる」
その通り。
「15年続いたデフレや縮み志向の経済を
オリンピック開催を起爆剤に払拭していきたい」
二度目の登板の首相、
つきについている。
さらに悪乗り。
五輪招致の経済効果は、
「アベノミクス第4の矢」。
第1の金融緩和、第2の財政出動、
そして第3の成長戦略に続くものとする。
これから7年、
日本全体のために、
2020オリンピック・パラリンピック。
目出度い。
さて、今日の『商人舎magazine』。
月曜は、朝一「今週の販促」。
オリンピック・パラリンピックプロモーションのすすめ、
さらに敬老の日の販促。
Dailyニュースは「USA TODAY」のレポートから、
「全米で最も成長の速い小売りチェーン発表」。
第1位はアップルストア。
2位のAT&Tワイヤレスに圧倒的な差をつけて34.6%の伸び。
そしてお知らせ。
ひとつはアメリカ研修会specialコース。
10月22日(火)~29日(火)の6泊8日。
ダラスからワシントンD.C.、そしてニューヨークを回る経営幹部向け研修会。
残りは4席。
今週末が最終締め切り、。
悩んでいる方は今すぐお申込みを。
もうひとつは第4回ミドルマネジメント研修会。
中堅幹部育成のための2泊3日の缶詰研修会。
9月24日(火)~26日(木)、湯河原の研修ホテルで開催する。
ドラッカーのマネジメント理論をベースに、
結城義晴、上田惇生先生ほか、強力講師陣が指導します。
ぜひ、貴社社員の皆様を派遣ください。
ぜひ、参加ください。
よろしく。
さて私はいま、ラスベガス。
日本時間では今日かもしれないが、
こちらでは昨日、ニューヨークのニューアーク空港から、
5時間半のフライトで、ネバダ州ラスベガスへ。
夕方、着いて、すぐにホテルにチェックイン。
商人舎ベーシック・コースでも使うフラミンゴ。
27階のいい部屋です。
ラスベガスの街を見下ろすことができる。
そして午後6時25分から講義。
店舗戦略編と商品戦略編のエッセンスを、
2時間25分。
ゆったりしたツアーだが、
高度な内容。
トップセミナーのコンセプト通り。
9時前に終わって、遅い食事。
ずいぶん時間をかけて、
私の持論を展開した。
理解していただいただろうか。
さて、その前日は、
ニューヨーク・マンハッタン周辺を駆け巡り。
まずヨンカースのスチュー・レオナード。
いつもの牛乳工場を模した外装が迎えてくれた。
星条旗がたなびく。
ポリシー・ロックの向きが、
ちょっと変わっていた。
ポリシーそのものの向きが、
変わっていないことを祈りたいが。
店に入る前のテントの売り場。
土曜日の午前9時半というのに、
ガラガラ。
駐車場に車が少なすぎるので驚いたが、
ここでまた驚いた。
熊のジャンボリーは変わらない。
まずベーカリー。
みんな、作業に勤しんでいる。
青果部門のプレゼンテーションは美しい。
素晴らしい。
ネギを氷を使って提案。
バナナ娘もいつも通り。
しかし、ラム肉売場に欠品。
ソーセージ売場にも穴が開いている。
何よりも客がいない。
スチュー・レオナード二世が
真ん中に写っているが、
それが妙に空々しい。
最大の売り物の一つ、
牛乳売場。
冷蔵多段ケースのまえに、
グロサリーの柱のような陳列。
買い物の邪魔をしている。
新しいアトラクションを見あげる女の子。
これもなんだかさみしい。
試食台にも人がついていない。
寿司も品切れだらけ。
オンライン・デリの売場にも、
客はいない。
金属的な売場になってしまっている。
最後の通路。
土曜日なのにここにも人がいない。
そしてレジ。
ガラガラ。
スチュー・レオナードの特徴はカスタマーサービス。
その顧客の声を聴くコーナー。
散らかっている。
どうしたスチュー・レオナード。
ディズニーランドのような店。
ポジショニングは際立っていたが、
Innovationがない。
変化がない。
そして現代のマーケティングがない。
恐ろしいことだ。
それに対して、ウェグマンズ。
入り口で、バック・トゥ・スクール。
独特の広いエントランス。
出迎えるのは大容量のクラブパック。
そして一丁目一番地。
青果部門の活気。
コーンのつかみ取り。
ウェグマンズ最大の青果部門は、これでもかと、
細かなところにイノベーションが施されている。
青果の裏にはグルテンフリーのコーナー。
最新のニーズにも、的確に対応。
買ってみました。
食べてみました。
ハム・スライスのコーナーには、
顧客が並ぶ。
サービスデリも、おいしい。
インストア・ベーカリーでも、
顧客とのコミュニケーションがある。
もちろんグロサリーも素晴らしいプレゼンテーション。
顧客の活気で店はむせ返るようだ。
スチュー・レオナードとの決定的な違い。
それはいつもInnovationとマーケティングがあること。
そしてイータリー。
ニューヨーク五番街の大繁盛店。
手書きボードも楽しい。
こちらは顧客が押すな押すなの大盛況。
青果の陳列もかわいい。
午後3時半のアイドルタイムであるはずなのに、
レジも行列。
食べている。
「俺のイタリアン」のように、
立ち食いしている。
座って食べている。
座って飲んでいる。
満員電車のような混み具合。
イータリーは、
食べて、買って、学ぶ。
それが未来型スーパーマーケット。
20世紀型のスチュー・レオナードは、
残念ながらイノベーションがない。
セグメンテーションもターゲティングもない。
つまりマーケティングが古い。
だからディズニーランドのようなポジショニングも、
古ぼけて感じられる。
その上、「食べる」機能は皆無。
ウェグマンズとイータリー、
最新のマーケティング。
Innovationの連続。
ずいぶん差がついてしまった。
これはずっと指摘し続けてきた。
しかしその差がまた開いた。
おおきな驚き。
大きな収穫。
皆さんも、立ち止まっていてはいけない。
前に進もう。
一歩でも、
ではみなさん、今週も。
Good Monday!
〈結城義晴〉