結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年10月17日(金曜日)

「週末のこの一品」と米国「ニコラス」グランドオープン・レポート

週末は、盛りだくさん。

①世界経済の話。
②「林廣美のこの一品」
③アメリカ報告「ニコラス・グランドオープン」

株式市場、大混乱。
週明け、暴落から反発したものの、
三度、四度、反落。
日本の基準は、日経新聞の平均株価で表現される。
アメリカは、ダウ・ジョーンズ社。
だから日本は「日経平均」
アメリカは「ダウ平均」

その日経平均、昨日は1089円も下がった。
11%強のダウンで、過去二番目。
平均株価が8458円。

為替市場でも、ドルが下がって、円が上がった。
1ドル99円台前半。

一連の株安によって、
アメリカ・ヨーロッパ・日本で、
時価会計を一部凍結する動きが出始めた。

企業の会計原則を、一時的に、
株式の時価で評価するやり方から、
簿価で評価するやり方へ戻す。

世界の貨幣経済の最大の要素は、株式時価総額で、
それが1年前には40兆ドルあった。
それがこのところの株価暴落で半減した。

これを時価総額で評価していたら、
多くの企業の「企業価値」が半減してしまう。
だから時価評価の会計制度を、一時的に凍結しようというのだ。

すなわち、
「企業価値」の評価が変わりつつある。

株価評価という物差しの転換。

何に?

それは、今のところない。

私は、企業の「信用」が、
何らかのメジャーになるのがよいと思っている。

それは、株価ではなくなりつつある。

マネーではなく、「信用」。

それが今日のニュースの最大のポイント。

さて、今日の第二弾。
「林廣美の金曜日のこの一品」
週末に、この一品をお客様に売り込んでほしい。
その、商品は?

「新米ちらし寿司」

おばあちゃんがつくるようなちらし寿司。
各地域の土産土法のちらし寿司。
「土産土法」(どさんどほう」とは、
その土地でつくったものをその土地の調理法で食べること。

しかも、今の時期は新米を使う。
「新米」のシールを必ず貼ること。

なお、来週、金曜日の24日。
林先生、岩田弘三さん、そして私の、
「3人のビッグセミナー」開催
岩田さんは、ご存知、ロックフィールド社長。
いま、惣菜・中食の世界で最も自信を持って経営している人。
ウェグマンズのカテゴリー・マーチャント吉野邦夫さんをして、
「あのまま持って帰っても、売れる商品ばかり」と言わしめた。
そのロックフィールドの岩田さんの経営、商品、時代の見方。
それらが、全部、分かる。
是非、ご参加を。

さて、今日は、盛りだくさん。
何度も言う

第三弾は、アメリカ・スーパーマーケットのカメラ・レポート。
大好評。

あまり知られていない企業。
たった2店舗の「ニコラス マーケット」。
ニュージャージーで1943年に、食品店としてスタート。
現在、「フード・タウン」というバナーで、
800坪のスーパーマーケットを展開。
インディペンデントながら、素晴らしい店づくり。

ニュージャージーで1943年に、食品店としてスタート。現在、「フード・タウン」というバナーで、800坪のスーパーマーケットを展開。インディペンデントながら、素晴らしい店づくり。

私たちが訪れた10月11日は、
リニューアル・グランドオープンの日だった。
ニコラスチラシ1
ニコラスチラシ2

ニュージャージーの高級住宅地の木陰の中に、
瀟洒な建物が登場する。
ニコラス1
ネイバーフッド・ショッピングセンター。

入り口で、縫いぐるみのライオンが出迎えてくれた。
ニコラス2
楽しいスーパーマーケット。

ロバート・グリーンウェイ店長がインタビューに応じてくれた。

「リニューアルオープンで、店は新しくなった。
最新のマーチャンダイジングを展開している。
プロデュースの部門、サービス・デリの部門が鍵を握る」

現在、120名の店員。
皆、家族的な雰囲気で、
インディペンデントにしか出来ないサービスを提供している。

「Niche(ニッチ)」という言葉は、
その人、その会社の「最適の位置付け」を意味する。

「隙間」という意味だけではない。
アメリカで生き残って、再投資できる独立系の店は、
必ず、ニッチのポジションを獲得している。
それは、自らの「ロイヤル・カスタマー」を確保しているから、
可能となる。

店舗入り口では、美しい花が顧客を迎えてくれる。

右手壁面の最初の売場は、バナナとパイナップル。
大きなカットで「試食」を提供。

瑞々しい葉物の売場が続く。

左手壁面はカットフルーツから始まる。

左手は、見事なりんごの売場。
アメリカでは、20SKU以上のりんごがなければ、
強い青果部門とはいえない。

青果売場から、鮮魚部門に続く。
今回、強化した売場。

そして奥の壁面は、ミート、乳製品。

牛肉は、「プライム」の最上級グレードを品揃えしている。

フレッシュ・ソーセージも、このニコラス独特の味。

店舗左側に、チーズの売場。
これもインディペンデントのスーパーマーケットには、
欠かせない売場。

モッツァレラチーズの試食実演コーナー。
これがおいしいし、惜しげもなく試食させてくれる。
顧客はまさに「サンプル・ライフ」。

チーズに続いて、ゲーム・ミートの対面売場。

そして寿司は欠かせない。
ただし、これは問屋の商品。

本格的なデリカテッセン。
対面売場で、顧客の要望どおりの量を包んでくれる。

レジ前には、美しいボリューム陳列のグロサリー。

店舗左手がベーカリー。
このベーカリーも商品とイメージが一致している。
コーネル大学では「ノン・ファンクショナル」という。

最後にデザート・ケーキ売場。
アメリカのスーパーマーケットは食事の順番に、
部門が並んでいる。
部門を回ると、フルコースのディナーが楽しめる。

レジは、フレンドリー。
グランドオープンだからといってぎすぎすしたとこは全くない。

「ニッチ」こそ、生きる道。
そのニッチであることに、誇りを持つ。
それがアメリカのインディペンデントの生き方なのだ。

週末の長編、ご愛読、感謝。

<結城義晴>


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