結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年07月20日(火曜日)

夏のボーナスと全英オープンと桑田真澄の「七つの道」

はじめにお礼とお知らせ。
この商人舎ホームページの好評連載のひとつが、
今日で一応終了します。

「二宮護の物流業界の基礎知識」
「小売・サービス業の知られざる隣人」というヘッドコピーが付けられた。

小売業・サービス業の商品や原材料の供給を担当する。
大きな視点でいえば、サプライチェーンのインフラを構成する。
まさに流通業の一翼を担って、
小売業をサポートしてくれる。

この連載で基礎的な勉強をしたら、
次は『物流業界大研究』(二宮護著・産学社刊)にステップアップしてください。
小売業・サービス業、流通業の皆さんの必読書です。

読者の皆様、ご愛読を感謝いたします。
二宮さん、連載ありがとうございました。

今日も全国的に暑い。
東京、千葉、埼玉、群馬、愛知などが、
1日の最高気温が35度を超える猛暑日。

こういった日が続く時、
くれぐれも熱中症に気をつけたい。
お客様にも呼び掛けたい。

店頭に、毎日、
「今日は猛暑日」「今日は真夏日」「今日は熱帯夜」など、
掲げるのもよい。

店は社会的な存在だ。
その公器に、毎日メッセージを掲げる。
それも地域と暮らしへのメッセージ。

お寺の門前などに、
メッセージが掲げられているけれど、
あれです。

さて日経新聞一面に、
今夏のボーナス最終集計結果が出ている。
対象企業は655社。
平均支給額は、
昨年の夏のボーナスに比べて0.75%プラス。
70万1687円。
プラス分は675円。

昨年夏は前年比17.43%のマイナスだったから、
決して高い水準ではない。
その前の年も前年比マイナスで、
今回は3年ぶりにプラスに転じた。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

3年ぶりのわずかのプラスでも、
明日への希望という観点からすると、
少しだけ良い兆候。

製造業は輸出好調企業がアップさせて全体に良好、
非製造業は相変わらずで、3年連続ダウン。

百貨店・スーパー15社平均は43万5296円で、
前年比マイナス9.48%。
この額の平均年齢37.1歳。

一方、その他の小売業23社平均は、47万4296円で、
マイナス2.82%。
こちらの平均年齢は、31.9歳。

外食・その他サービスは、24社平均、46万0827円
35.5歳平均で前年比マイナス3.32%。

こうして見ると百貨店・スーパーの平均値が、
一番低い。

しかし残念ながら、いずれも50万円を切っている。
製造業で一番高い業種は、医薬品製造業の94万2068円。
2番目が自動車・部品製造業の77万8772円。

非製造業では、電力の85万0591円、
通信の78万0238円、
ガスの77万5984円と続く。

社会のインフラ企業が上位を占める。
しかも企業数が少なくて、寡占化された業種。

企業別にみると、
第1位の任天堂は168万0108円
ここには労働組合がない。

100万円を超える企業が11社。
9位にキリンビール、
11位にアサヒビールが入っている。

さて、このボーナスの金額、
どう受け取るか。

ボーナス平均金額が少し高くなったから、
「明日への希望」でお客さまも喜んでいるはずだし、
それが商売繁盛への希望だととるか、
われわれの業種はまだまだ低いと嘆くか。

商売を仕事にするということは、
面白い心理現象を招く。

お客様のために、
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望を、
用意し、提供する。

そう考えたら、
他人のボーナスアップを喜べることになる。

不思議な仕事です。

さてニュースの中からスポーツネタを二つ。
ひとつはゴルフ全英オープン

優勝者はルイ・ウェストヘーゼン。
南アフリカ共和国のプレーヤー。
さきのFIFAワールドカップでは、
主催国として初めて予選リーグ突破ならずだった国。

しかしそのサッカー熱が過ぎ去ろうとしているとき、
ウェストへーゼンによって喜びがもたらされた。

彼の心には、きっと宿っていた。
サッカーの無念さが。

この国からはゲーリー・プレーヤー、
アーニー・エルスという名ゴルファーがでた。

彼らを継ぐ新星の登場。
セントアンドリューズという聖地での勝利。
不思議なものを感じる。

南アフリカから次に、
黒人の優勝者が誕生したら、
これは、本当の時代が来たといえる。
何年かかるかわからないが、
プレーヤー、エルス、ウェストへーゼンの次は、
そう願いたい。

アパルトヘイトの時代に、
「名誉白人」と位置付けられて、
別の差別をされていたことにも気付かず、
まんざらでもなかった日本人の一人として、
私はそれを希求するものだ。

もうひとつのスポーツネタ。
朝日新聞の「オピニオン」一面を使って、
桑田真澄が見解を書いている。

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科卒業、
現在、野球評論家。

大学院の卒業論文に書いたことを中心に、
「球児たちへ」と題した意見の開陳。

朝日新聞だから、これは明らかに、
夏の甲子園高校野球に対する前宣伝。
しかし桑田の言うことは良い。
7つの提言をしている。
「野球を好きになる七つの道」

第一、練習時間を減らそう。
桑田のPL学園は彼の提案で、1日3時間の全体練習で、
春夏連覇を成し遂げた。

第二、ダッシュは全力10本。
監督やコーチから命じられた100本ダッシュ。
桑田は、中抜きでやっていたらしい。
「ぼくはカウントする数字を抜きました。
3の次は5、5の次は7、10・・・」

第三は、どんどんミスしよう。
野球はミスするスポーツ。
ミスを怒るな。

第四は、勝利ばかり追わない。
商売にたとえると、売上げばかり追わない。

第五は、勉強や遊びを大切に。
「成長期の人には心身のバランスが必要」と説く。

第六、米国を手本にしない。
これなど教訓的。
米国を学ぶのは良いが、
手本にしてコピーばかりしない。

そして第七、その大声、無駄では?
練習や試合のときに、大声を強要する習慣がある。
特に野球では。
それを無駄と切って捨てる。
桑田真澄、痛快。

「球児たちへ」というタイトルが付いているが、
これは「指導者たちへ」向けたメッセージだ。
さらにこれは経営者たちへ、経営幹部、経営リーダーたちへと、
受け止めることができる。

私は、プロ野球に関しては、
アンチ巨人を貫いている。

しかしアンチ巨人派の私ですら、
桑田真澄の七つの提言、
賛同したい。

ひとつの道を究めようとする者は、
浅はかなところが全くない。

それがとてもいい。

暑い夏の今、
すがすがしい気分になった。

皆さんも、このすがすがしさを、
忘れずに。

<結城義晴>


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