結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年08月30日(月曜日)

流通経営各誌「渥美俊一追悼特集」それぞれの評価

Everybody! Good Monday!
[2010 vol35]

とうとう8月も終わりの週。
今週水曜日から9月。

この暑さはまだまだ、続きそうだけれど。

年初から通算すると、第35週。
1年が52週だから、ちょうど3分の2が終了。

ピーター・ドラッカー先生「フィードバック分析」
自分の「強み」を知る方法。

第一に「記録する」。
何かをすることに決めたら、
何を期待するかを書きとめておく。
箇条書きでよい。
数項目、10項目でもよい。

第2に「照合する」。
6カ月後、9カ月後、1年後に、
期待と実際の結果とを照合する。

1月に「記録」したとしたら、
8月の終わりは、この照合の期日のひとつ。

私自身、正月三が日に、
ことしのフィードバック分析の「記録」をした。
だからそろそろ「照合」の時期。
楽しみだ。

そして第3に、照合の結果、
「自らの強みが明らかになる」

ドラッカー先生は書いている。
「自らについて知りうることの中で、
この強みこそ最も大切」
ドラッカーの人生哲学の中で、
行動レベルでもっとも有益な方法論のひとつが、
このフィードバック分析と「自らの強み」

8月の終わりでもかまわない、
「記録する」から始めて、
来年の春先に「照合」してもよい。

ドラッカー先生、なんと50年間も、
自ら、この「フィードバック分析」を行った。
そして幸せで充実した人生を送った。
「自分の強み」を知った後の「その後の行動」
1.明らかになった強みに集中する
2.強みをさらに伸ばす
3.無知の元凶ともいえる知的傲慢を正す
4.自らの悪癖を改める
5.人への対し方を改める
6.行なっても成果があげられないことは行なわない
7.努力しても並みにしかなれない分野には無駄な時間を使わない

ここまで徹底する。

8月が終わるということは、
この「フィードバック分析」に区切りのタイミングが来るということ。
2月末決算の企業は、上半期、第二四半期が終わる。
「ドラッカーのフィードバック分析」、
個人に限らない。
企業や店にも適用できる。

いや、これは企業で行っていることを、
個人に適用したものとして価値がある。
しかし、企業や店でも「フィードバック分析」」後の行動が
間違っている場合が多い。

自社・自店の強みは何か。
「記録」して、
一定期間おいて、
「照合」して、
「強み」を知る。

まずやること。
1「強みに集中する」
2「強みをさらに伸ばす」

次にやること。
3「傲慢を正す」
4「悪癖を改める」
5「顧客・取引先などへの対し方を改める」

さらにやること。
6「成果が上がらないことはやらない」
7「並みにしかなれない分野に時間を使わない」

さて、9月発売の経営雑誌が次々に送られてくる。
「流通関連」のそれには、
「故渥美俊一特集」が並ぶ。
atsumi-3magazines.jpg

『日経トップリーダー』誌は、
自前ルポ構成主義。

同誌の永井学記者が、
数多くのインタビューをして、
それを一本のルポ記事にまとめた。
手間がかかるが、読みやすくて、
媒体や記者の主張が込められる。
私は、このスタイルが好きだ。
もちろん永井記者、私のところにインタビューに来た。
さらに西松屋チェーンの大村禎史社長のコメントなど丁寧に取材して、
いい記事にした。

atsumi-topleader.jpg

タイトルは特別企画「『チェーンストアの父』逝く」 。

この中で最後に『10のダメ』が掲載されている。
(1)夢がなければダメ
(2)努力しなければダメ
(3)努力してもカン所を外してはダメ
(4)転換しなくてはダメ
(5)させる幹部がいなくてはダメ
(6)数字を無視してはダメ
(7)立場を変えなければダメ
(8)会社らしい体制がないとダメ
(9)教育計画が違うとダメ
(10)原理・原則無視の試行錯誤はダメ

渥美先生の「小から大になるための成長法則」と、
「8つの変えるべきこと」が示されている。

『2020Value creator』誌は、
論文&ロングインタビュー主義。

タイトルは追悼特別企画「渥美俊一先生、さようなら」

atsumi-2020.jpg

冒頭に結城義晴の「化け物級の流通革命」 (私が付けた原題)。
これ、できれば読んでください。

次が「㈱ニトリ似鳥昭雄社長が語る恩師・渥美俊一先生の思い出とその教え」。
8ページに及ぶロングインタビュー。
緒方知行同誌主幹と似鳥さんとの会話。
それから緒方知行の第1回『渥美俊一論』。
これは数回、続く模様。

緒方さんも私も㈱商業界OB。
『月刊マ-チャンダイジング』誌は、
自前原稿主義。

同誌の日野真克主幹、宮崎文隆編集長の自分たちの渥美俊一論、
二人とも世代はぐっと若返るが、㈱商業界のOB。
そして昨年7月の自社シンポジウムでの渥美講演の抄録。
法政大学・矢作敏行教授の短い特別寄稿コラムが挿入されている。

atsumi-merchandising.jpg

タイトルは特別企画「巨星堕つ」

『食品商業』誌は、
ビッグネーム依存主義。

岡田卓也イオン名誉相談役、
清水信次ライフコーポレーション会長。
お二人に追悼のコメントをいただいた。
あとは、かつての渥美先生の新人向けのメッセージを「誌上再録」。
㈱商業界倉本初夫主幹の思い出話が付く。

タイトルは、緊急特集「追悼、渥美俊一」

『チェーンストアエイジ』誌は、8月15日発売号のFRONTLINEで、
さらりと「訃報 渥美俊一氏死去」。

この後も特集を組むかもしれないが、
『商業界』『販売革新』などで、
あらためて渥美俊一が語られる。

その内容によって、
そのメディアが何を考え、
何を主張しているかがよくわかる。
主張の中身だけでなく、
主張の強さ・弱さもよくわかる。

私は30年、経営雑誌にかかわっていたから、
このあたりのことがよく理解できる。

今月の商人舎標語、
「現状を否定せよ!」
もちろん渥美俊一先生の主張からいただいたもの。
「自分の強み」を知る。
そのうえで「現状を否定する」

どのように否定し、
どのように「強み」を伸ばすか。

まだまだ、渥美俊一の本質に迫ってはいないかもしれない。
今週は、節目の月の節目の週。
その、スタート。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>


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