結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年01月20日(木曜日)

コーネル・ジャパン第3期の湯河原合宿「52週MD」と「価格決定と価値創造プロモーション」

今日は大寒。
「寒さが最も厳しくなるころ」。
「寒稽古」は大寒の頃に行われる。

「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」
『暦便覧』より。

1月下旬というよりも、
2月初旬というよりも、
大寒というほうが「寒さ」を表現するにふさわしい。

日本人と日本語の豊かさ。
豊かさを味わい、噛みしめて、
生きていきたい。

それが実感できる日。

朝日新聞のコラム『経済気象台』
このコラムニストのなかでも私が同感することの多い遠雷氏。

今朝も切り口と切れ味がいい。
日本経済を長期停滞させているといわれる論拠、
「高齢化&人口減原因説」に反論する。

まず、2055年の日本人口予測。
現在の1億2700万人から8900万人に。
前提にあるのは、
①出生率は変化しない
②外国人の日本への流入(移住)を認めない

遠雷氏は、「とくに後者の考え方は危険である」という。
私も同感。

「先進国は、悩みながらも
『不幸からの脱出』を願う難民や『より幸福になりたい移民』を受け入れている。
彼らの生きようとする努力は社会の活力そのものでもある」

「人口減」=「経済成長はない」にも反論し、言い切る。
「人口と経済成長とは連動していない」。

近年の中国や東アジア諸国の毎年10%近い成長は、
「それぞれの国の人口増と連動して」いない。

戦後の日本総人口は約7200万人。
現在は1億2700万人。
2倍にも達してないのに、GDPは較ぶべきもない。

「欠落しているのは『技術革新』と『国際化』に関する構想力」。
「付加価値をもたらす人間の知恵(技術革新)は無限である」

悲観論が蔓延する。
しかし、まったく悲観することはない。

川崎進一先生の言葉を思い出す。
「一心不怠 成長無限」

一方、昨日の日経新聞『大機小機』
こちらでもコラムニスト追分氏が、
「ローカルパワーを発揮せよ」と主張する。

「政府が新成長戦略で掲げる有望分野も、
医療をはじめとして必ずしも製造業が
主役となる産業ではない」

「むしろ地域で生まれ、
地域で育まれるべき産業や事業体である。
主役も大企業ではない。

その意味で、日本経済再生の鍵は
地方が握っているといっても過言ではない」。

「問題は地域再生の動きが点に留まり、
動線になっていないことである」

「地域住民が自らも気付いていなかった価値を再発見し、
地域にあるコンテンツ、素材、食、ライフスタイル、観光などを
『物語』のあるブランドに仕立て上げ、
それを戦略的に国内外に売り込んでいくための取り組みが必要である」。

民間の、地方の企業や店や組織が、
日本経済の活性化の鍵を握っている。

さて昨日から、
コーネル大学リテールマネジメントプログラムの1月講義。
今回は湯河原で合宿。
深夜まで、盛り上がった。
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全国から午前11時前後に、熱海駅に集合。
駅前には「足湯」の施設があって、観光客が楽しんでいる。
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私たちは、バスに乗り込んで、
合宿所へ向かう。
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事務局の太田美和子さんが点呼をとる。
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バスで約20分。
合宿所に到着。
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今年も三井物産㈱の人材開発センターを使わせてもらった。20110120095003.jpg

遠く、真鶴半島が望める。
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講義は、A4の階段教室で行われる。
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まずは、新年のご挨拶。
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副学長の役目。
このブログの冒頭に書いたこと。
日本経済の蘇生や活性は「民間の力が鍵を握る」
そんな1年にしたい。
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第一、第二講座は、鈴木哲男講師。
㈱REA代表取締役社長。
テーマは『実践 52週マーチャンダイジング』20110120091304.jpg

もう、『52週MD』は鈴木さんの代名詞になるくらい、
日本の小売業に普及している。

鈴木さん自身、「超」売れっ子のコンサルタントで、
私もこのコーネルでしか会うことができない。

私は1977年(昭和52年)に、㈱商業界に入社直後、
鈴木さんに巡り合った。
当時、イトーヨーカ堂のRE部の社員だった。
REとはリテール・エンジニアリングの略。

鈴木さんは、まさに、
日本を代表する小売りエンジニアリングの専門家。
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『52週MD』といっても、
商品政策や販促政策だけのことではない。
「重点商品を中心にした営業力強化と
店舗活性化及び組織風土改革」のことだ。

当たり前のことをより楽しく、
当たり前のことをよりスピーディに、
当たり前のことにより工夫を。

これが鈴木さんの基本的な考え方。

鈴木さんの言い回し、定義がおもしろい。
例えば、「小売業」とは、
「真似て、学んで、真似し尽くして、
俺が本家と言い張る産業」
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王道の考え方から始まって、
具体的な技術論、ケーススタディまで、
充実した講義だった。

例えば、「POPの原則」
「POP洪水・POP公害が氾濫している」と鈴木先生。
その原則は3つ。
①商品自身で語らせる
②商品自身で語りえないもののみPOPをつける
③POPをつける場合、
安い商品はよりやすく見えるPOP
良い商品はよりよく見えるPOP

これがリテール・エンジニアリングそのもの。
正しい。

2時限180分の講義はあっという間に終わった。

1年に一度となってしまったが、
鈴木さんと固い握手。
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この日の第3、第4講座は、上田隆穂先生。
学習院大学経済学部長。
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上田先生は学習院マネジメントスクールの校長でもあって、
私はそのなかで「流通概論」を担当し、講義している。20110120091512.jpg
上田先生のテーマは、
第3講座が「流通新時代における価格決定」
第4講座が「価値創造型プロモーションと未来店舗のあり方」

大学の先生方は学生とのコミュニケーションが得意。

コーネルの授業でも次々に3期生へ質問を浴びせて進めていく。
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通路のこちら側、あちら側と交互に移動しながら全員に質問していく。
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双方向の上田先生の講義180分は、同じく、またたく間に終了時間を迎えた。

そして19時30分から立食の懇親会。

初めに村尾芳久さんがご挨拶。
コーネル・ジャパンを主催する社団法人新日本スーパーマーケット協会営業本部長。

三井食品㈱からのビールやお酒に感謝しつつ、
懇親会は始まった。
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乾杯の音頭は副学長。
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講義を終えられた上田先生も残って懇親会に参加してくださった。

さらに、明日の講義を担当してくださる大久保恒夫講師。
現在、㈱セブン&アイ・ホールディングス顧問で、
昨年まで㈱成城石井社長、
そしてコーネル・ジャパン伝説の第1期生。
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USP研究所所長の當仲寛哲さんと、
デモンストレーション担当の當仲(旧・鹿野)恵子さんも、
先乗りで懇親会に参加。
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3期生初めての合宿。
皆、交流・懇親を深めながら、
よく飲み、よく語らった。

少し風邪気味だった荒井伸也先生もワインを片手に3期生の
㈱万代の山口成樹さんと日本製粉㈱の池尾良さんと談笑。
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上田先生も㈱紀ノ國屋の阿部智則さんと盛り上がっている。
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一次会のあとは、畳座敷の談話室に移動し、さらに懇親。
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上田さん、大久保さんとは、今年南米へご一緒する話で盛り上がった。
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夜も更けた11時。
最後まで残っていた皆で、記念撮影ををすることに。
ここでも副学長の指示。
「3期生だから3本の指を立てて映すぞ」
皆、聞いているかどうかわからないが。
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お見事。よくできました。
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合宿初日の夜は
「実行の第3期生」、
誰一人泥酔することなく無事、終了。

明日は8時半から大久保さんの授業。
ゆめゆめ、遅れることなかれ。

<結城義晴>


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