結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月06日(金曜日)

港北東急SCのスーパーマーケット「ロピア」の秀作店舗と「焼肉酒家えびす」のユッケ食中毒事件のチェーンストアのはき違え

2011年のゴールデンウィーク、
正規の祝日は終わった。
あとは明日、明後日の週末。
最後が8日の「母の日」。

これまでのところ、
どんな商戦が展開されたのだろうか。

私は5月3日の憲法記念日に、
横浜市港北区の港北ニュータウンに出かけた。

4月29日「昭和の日」の金曜日に、
地下鉄のセンター南駅に、
港北東急ショッピングセンターが、
リニューアルグランドオープン。

20110506180618.jpg

昨年10月には、珍しいことに、
衣料量販店「ファションセンターしまむら」が、
この大型ショッピングセンターに出店。
今回はさらに、
「SHIBUYA109」の新業態「SHIBUYA109OUTLET」が全国初出店。

そのショップは2階フロアに集積され、
アウトレットならではの低価格設定。

しまむらに109のアウトレット、
それに新たにロピアが加わって、
パンチのあるショッピングセンターへと変貌。

ロピアは藤沢に本部を置くスーパーマーケット「旧ユータカラヤ」。

そのロピアは4月27日にプレオープンした。
20110506180626.jpg
実に意欲的な店舗で、たいへんなにぎわい。

ロピア専務の高木勇輔さん、
取締役の福島道夫さん、
㈱ケノス社長の小林泰清さんと話した。
ケノスは旧ユータカラヤが刷新したCIと、
この店のデザインを担当した。

「ロピア」のマークをパンに焼いたり、
20110506180712.jpg

牛肉ブロックの切り口に入れたり。
20110506180721.jpg
楽しい売場づくりだが、
新生ロピアのマーチャンダイジング力のパワーが、
満載された店になっている。

店舗の紹介は来週に譲らねばならないが、
メーカー、卸売業、関連産業の人々には、
是非とも一度、視察をお薦めしたい。

純然たる食品スーパーマーケットで、
一応の年商予算は初年度60億円というが、
それは大いに上回りそうだ。

東日本大震災からの復旧から復興を目指して、
このゴールデンウィークは被災地以外のエリアでも、
活発な活動が展開された。

一方、それに水を差す事件。
「ユッケによる集団食中毒」

事件が起こったのは、
焼き肉チェーン店「焼肉酒家(さかや)えびす」。
北陸3県と神奈川県に20店舗を展開。

酒家戎を運営する㈱フーズ・フォーラスは金沢市に本社がある。
業務上過失致死傷の疑いで関係先数カ所も一斉に家宅捜索。

厚生労働省が発表した内容では、
この集団食中毒の患者は4人の死亡者を含め23人が重症者、
富山、福井、神奈川3県で計94人。

勘坂(かんざか)康弘社長は記者会見で、
「客に提供していたユッケ用の生肉が、
国の定める生食用食肉の安全基準を満たしていなかった」ことを認めた。
そのうえで、「生食用の牛肉は国内で流通していない」など、
「基準が形骸化していると主張」。

私はテレビや新聞で、
「焼き肉チェーン」という言葉が繰り返されるたびに、
うんざりした。

簡単にいえば、
複数の店舗を展開し、営業する方式を「チェーンストア」という。

だからこの「えびす」もチェーンストアではある。

1859年、アメリカでザ・グレイト・アメリカン・ティ・カンパニーが創業され、
この会社がまず2号店をつくり、
さらに積極的に多数の店舗をつくっていった。
このころから「チェーンストア」と呼ばれるようになった。

1930年にはこのA&Pと名を変えたこの企業は、
1万5000店を超えるチェーンストアとなっていた。

アメリカでもはじめの頃は、
1店舗を経営している単独店と、
多数の店舗を営業するチェーンストアの、
二派に分かれていた。

現在は統計上、チェーンストアの定義が、
「11店以上を展開する小売業、フードサービス業」となった。

10店までの多店経営を「支店経営」、
1店舗だけの小売業、フードサービス業を「単独店経営」という。

1店舗では、それがいかに「良い店」であっても、
その周辺の顧客にしか、
良い商品とサービスを届けることはできない。

ところが、チェーンストアになると、
同じ商品やサービスが、
地域を越えて、多数のお客に提供されるようになる。

これがチェーンストアというシステムの最大のメリット。

だから拠点としての店によって営業されるビジネスの、
もっとも有力な経営システムとして、
チェーンストアは時代を超えて繫栄し、
時には時代そのものを変えてきたのである。

何度も書いているが、チェーンストアは鎖にたとえられる。

鎖を両側から強い力で引っ張っていくと、
どこかで切れる時が訪れる。

切れない鎖がよいものである。

しかし両側から強い力で引っ張れば、必ずどこかで切れる。

その切れる瞬間までの期間が、鎖の耐用年数となる。
そして、どのくらいの力によって引っ張られたかが、鎖の強度となる。

鎖は、多数の輪が数珠つなぎになって構成されている。
だから切れるときには、どこかの輪が切れる。

一斉にすべての輪が切れてしまうものではない。

その鎖の全体の強度とは、
一番弱い輪の強度とイコールとなる。

悪い鎖は、切れやすいし、切れるのが早い。

全体に、均等で、軽くて、強い鎖。
それがよい鎖である。

チェーンストアは、店舗という輪を、
鎖のようにつないでいく経営システムである。
だから、1店1店が切れてはいけない。

「酒家えびす」はこの鎖全体が腐っていた。

鎖全体が腐っている多店舗企業を、
チェーンストアと呼んではならない。

私が本当にうんざりするのは、
似非チェーンストアが氾濫し始めたことだ。

<結城義晴>


2 件のコメント

  • 結城先生へ 私も今回の食中毒事件に深い憤りと怒りを禁じえません。企業のコンプライアンスはどこにいったのでしょうか?瑕疵担保責任、PL法、食品衛生法等順守すべき法と責任はあったはずです。さらには自分の仕事に誇りや責任をもてば、食肉へのO-157病原菌への汚染の危険性も十分知りえたのでは?
    次元は違いますが、福島原発事故の企業責任と食中毒事件には、「安心・安全神話の崩壊」との共通項があるように思えてなりません。

  • いまちゃん、いつもありがとうございます。

    「安心・安全神話の崩壊」
    残念ながら、そんな傾向が見えてきます。

    でも何とか、ここで食い止めねばなりません。
    ここで踏みとどまらねばなりません。

    まさしく「安全保障」の「保障」のレベルに、
    食品提供や顧客満足の「保障」が、
    達しなければいけないのです。

    「安全保障」すら、危ういのが今日ですが。

    しかし私も、うんざりばかりもしていられません。
    前向きに前向きに、
    人々に呼びかけ続けたいと思います。

    やなせたかしさんのように。
    アンパンマンのように。

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