結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月17日(水曜日)

英国『エコノミスト』誌元編集長ビル・エモットの主張「日本は知識・ライフスタイル・サービス大国を目指せ」

大久保恒夫さんから電話。
㈱セブン&アイ・ホールディングス取締役にして、
㈱セブン&アイ・フードシステムズ代表取締役社長。
ご存知、㈱成城石井前社長にして、
コーネル大学RMPジャパン「伝説の第1期生」。

大久保さんと話していると、
いつも元気が湧いてくる。

秋の商人舎USA研修会や「二人のビッグ・コンサート」の確認。

前者は10月28日から11月4日までの
商人舎スペシャル編。

経営戦略を学びつつ、ダラス・ワシントン・ニューヨークを巡る。
大久保さんも講師として参加。

私にとっては心強くて、楽しい研修会。
みなさんも、ご参加を。
盆もあけて、大募集中。
後者は、12月初旬開催の、
大久保恒夫&結城義晴のコンサート。
冗談ではない。
マジで、二人で歌い、語る。
これも楽しみにしてください。

その大久保さんのセブン&アイ・フードシステムズ、
業績回復し、好調。

外食を含むサービス業は、
日本の基幹産業となる。

私は確信している。

イギリス人のビル・エモット。
日経新聞の「経済教室」で発言。
[Bill Emmott 1956年生まれ。オックスフォード大卒。
1983年エコノミスト誌東京支局長、1993~2006年同編集長]

共感することが多いので、丁寧に再現。

「日本経済、いや東北の経済でさえ、
東日本大震災で長期的に
影響を被ると予想すべき理由は何もない」

エモット氏は、すごい日本びいきだが、
客観的には、長期的に目覚ましい復活をするという。

「問題は、この『長期的』という概念である」

「英国が生んだ20世紀で最も著名な経済学者ケインズは、
英国経済は30年代の大恐慌から
『長期的には』立ち直るだろうと述べた批判論者に対し
『長期的にはわれわれは皆死んでいる』と答えた」
皮肉屋のケインズは「人の一生は短期間で終わる」と述べた。

ただし、われわれ人間にとっては、
「数年かせいぜい10年の単位で短期的に起きることの方が、
長期的に起きることよりも重要になる」

そして3月11日の大震災についても、
同じことがいえるとコメント。
「ごく短期的にみると、震災直後の数カ月は、
経済は明らかにダメージを受けた」

「だが企業が再び投資をし始め、
製造業のサプライチェーン(供給網)が猛スピードで復旧され、
輸送システムが運転を再開し、
政府が復興を支援するようになると、
経済は回復に転じた」

今後の予測。
「震災後最初の景気回復を経てから日本がたどる道のりでは、
信頼感が決定的な要因となる」

そして、日本が目指すべき方向性を明示する。

「遠くから日本をみている外国人として、筆者は
知識、ライフスタイル、サービスの面で大国をめざすのが、
日本にとって実現可能な正しい方向であると考える」

①知識
②ライフスタイル
③サービス

大賛成。

エモット氏、別の言葉でいう。
「日本の真の長期資産を
本当に生かせるような事業、産業、職業に集中すること」

そして結論。
「この真の長期資産とは、日本の人々であり、
その知力であり、助け合いや触れ合いである」

日本人そのものであり、
その知力であり、
そのマインドである。

ビジネスをする人や商業・サービス業に従事する人に言い換えると、
「知識商人」そのもの。

私は本当にうれしくなった。
そしてその代表的人物が、
大久保恒夫さん。

エモット氏、過去を振り返る。
「過去半世紀、日本は主に
製造業に力を入れてきた。
かつては適切だったが、
いまとなっては現代にふさわしいとはいえないし、
筆者のみるところ真に日本的でもない」

製造業は今も大切である。
しかしそれだけではない。
「現代的といえないのは、今日の富裕な先進国では
モノよりもサービスの取引の方が圧倒的に多いからである」

ここでいうサービスとは、サービス業はもとより、
法務、娯楽、レジャー、マーケティング、
さらに芸術、教育、医療、観光など。
もちろん小売業も流通業も、すべての事業は、
「サービス業化」を志向しなければならない。

昨日のブログで書いた大塚国際美術館など、
その典型だと思う。

さらに一昨日書いた阿波踊りは、
壮大なサービス産業である。

「経済活動の7割以上はサービスで占められているにもかかわらず、
日本ではこうしたサービスが非常に遅れているうえ非効率だ」

エモット氏、さらに日本文化の特徴を指摘する。
「日本的と思えないのは、日本文化の本質は
助け合いや共同体づくりや
問題への協調的な取り組みにあると考えるからだ」

「これらは工場で生み出されるものではない。
人々の協力を促し強化するような知識やサービスこそが、
威力を発揮する」

製造業も工場で作ったものを、
如何にサービス業として顧客に届けるかが大切。

「日本は日本的であること」を目指せ。
「知識、ライフスタイル、サービス大国」を目指せ。

ビル・エモット氏の主張。

「そのためには自信と共同体の連帯感を取り戻す必要がある」
エモットさん、遠くから見てばかりいないで、
いっそ帰化して日本人になってください。

最後に、泣ける言葉。
「きっと日本にはできるはずだ」

阿波踊りにのめりこみ、
大塚美術館の陶板画に感動し、
徳島にはまった結城義晴。

エモット氏のコメントを読んで、
この夏一番の元気が出てきた。

「知識・ライフスタイル・サービス大国」
これからのわれわれのキーワード。

心の底から元気が出てくる。

<結城義晴>

[追伸]
明日はキョーエイのタクト店、沖浜店の紹介の予定。
乞う、ご期待。


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