ジジのお風呂好き[日曜版2012vol5]

ジジです。

あれっ?
みつかっちゃった?

ボクは、おふろ、
だいすきです。
おとうさんも、
しってますよね?

べつに、おゆに、
つかったりするんじゃないんです。

だから、
おふろがすきというんじゃあなくて、
おふろばがすきなんですね。

なんでだろう。

やっぱり、
あったかいから?

それから、この、
しめりけというんでしょうか、
それがすきなんですね、
たぶん。

冬は、さむくなる。
冬の夜は、とくに、さむい。

だからボクは、
おふろばに、きます。

このまえ、おとうさんは、
ヒロシマにいった。
かえりの空港には、
日がさしていた。
とちゅうから、
雲がでてきた。

日がさしているのに、
雲がある。

くもが、だんだんおおきくなってきた。

そして、ヒコーキは、
雲のなか。

雲のしたは、
雪だった。
おとうさん、かえってきて、
おふろにはいりました。

雪の日のおふろ。
いいもんです。
雪の朝にも、
おとうさんは、
おふろにはいった。

ボクは、とても、
うらやましかった。
でも、どうしてボクは、
おふろにはいれないんだろう。

おふろばは、
だいだいだーいすき、なんですが。
なぞです。
ボクにとって。
それがナヤミのたね、
というわけでもないのですが。
<『ジジの気分』(未刊)より>




















